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シーズン5 第8話
The One with the Thanksgiving Flashbacks (それぞれの感謝祭)
原題は「感謝祭のフラッシュバックの話」
今日は感謝祭。モニカが作った感謝祭のごちそうで満腹になったフレンズたちは、今までで最悪の感謝祭はどれか、について話しています。
そして、1992年の感謝祭の映像がフラッシュバックします。
チャンドラーを驚かせようと、頭にターキー(七面鳥)をかぶったジョーイ。
それが取れなくなって、フィービーに助けを求めたところに、モニカが帰ってきます。
皿の上に頭を乗せて、ターキーが皿に乗っているかのように見せようとするのですが…
モニカ: Hey, did you get the turkey basted-- Oh, my God! Oh my God! (She sees someone is stuck in the turkey.) Who is that? (ねぇ、あのターキーにたれをかけてくれたかしら… まぁ、なんてこと! なんてこと! [モニカは誰かがターキーの中にはまり込んでいるのを見る] それは誰?)
ターキーはむくっと顔を上げて、泣きそうな声で
ジョーイ: It's Joey. (ジョーイだよ。)
モニカ: What, what are you doing? Is this supposed to be funny? (何、何をやってるの? これは面白いつもりなの?)
フィービー: No, it's not supposed to be funny. It's supposed to be scary. (いいえ、面白いつもりじゃないわ。怖いつもりなのよ。)
ジョーイはうんうんと頷き、怪物の手のような形を作り、相手を怖がらせるふりをする。
モニカ: Well, get that off now! (ねぇ、そんなの今すぐ取りなさいよ!)
ジョーイ: I can't! It, it's stuck! (できないんだよ! はまっちゃってるんだ!)
モニカ: Well, I don't care! That, that turkey has to feed 20 people at my parent's house and they're not gonna eat it off your head! (もう、そんなの知ったこっちゃないわ! その、そのターキーは、実家[両親の家]で、20人の人の食料にならないといけないのよ。あなたの頭からターキーを食べるわけにはいかないわ!)
フィービー: All right, hold on! Okay, let's just all think. (わかった、ちょっと待って! よし、とにかくみんなで考えましょ。)
(They all start thinking. Joey starts rubbing his chin, of course his chin is currently inside the turkey so he ends up rubbing the turkey. And I didn't do that joke one bit of justice. It's one of those you have to see it to get it jokes.)
ジョーイ、フィービー、モニカは全員、考え始める。ジョーイはあごをさすり始める。もちろん、彼のあごは、目下(もっか)、ターキーの中なので、結局、ターキーをなでていることになる。そして、僕(=セリフをディクテーションしてこのスクリプトを書いている人)はそのジョークをちっとも実物通りに表現できていない。ジョークとして理解するためには、それを(実際に映像で)見なければいけないという類(たぐい)のものの一つだ。
モニカ: Okay, I got it. Phoebe? All right, you pull. I'm gonna spread the legs as wide as I can. (Joey starts giggling.) Joey? Now is not the time! (よし、思いついた。フィービー? いいかしら、私が引っ張るわ。私はできるだけ大きく脚を広げるから。[ジョーイはくすくす笑い始める] ジョーイ? 今はそんな時[場合]じゃないでしょ!)
ジョーイ: Sorry! Sorry. (ごめんよ! ごめん。)
モニカは帰ってくるなり、ターキーの話をしています。
最初のセリフ、DVDの英語字幕では、get the turkey--? と表記されていますが、ネットスクリプトでは、get the turkey basted? になっています。
実際の音声も、ベイ…と言っているように聞こえますので、ここはやはり、basted と言おうとした、ということで間違いないでしょう。
baste は「(肉などに)たれをつける、たれをかける、たれをかけながら焼く」という意味。
英辞郎にも、
baste a turkey=七面鳥にたれをかける
というフレーズが載っているくらいですから、ターキー料理の描写によく使われるフレーズだということです。
ターキーの話をしながら、ターキーを見たら、そこに人間の身体がくっついているので(笑)、モニカは驚いています。
「ジョーイだよ」という情けなーい声にも笑えますね。
ターキーをかぶっているその姿が、目や口のない、でっかい顔の、ユーモラスな(癒し系の?)着ぐるみキャラクターみたいに見えるので、この一連のシーンは、映像だけでも十分に笑えてしまいます。
be supposed to はフレンズ頻出表現で、「…することになっている、…するはずである、…すると予想・予期される」。
この場合は、ターキーなんかをそんな風に頭にかぶって、面白い(funny)って思わせるつもりなの? 面白い、ってことになるの? 面白いことになるはずなの?、みたいなニュアンスになるでしょう。
面白いって言わせたくてそんなことをしたの?、見た人は面白いって思うべきところなの?という感覚で、そんなことやって、こっちが面白がるとでも思ってるの?という非難の気持ちも入っていると思います。
それに対してフィービーは、ジョーイは、funny じゃなくて、scary のつもりだったのよ、と言っています。
その前にジョーイが、I put it on to scare Chandler! 「チャンドラーを怖がらせるためにそれ(ターキー)を(頭に)つけたんだ!」と説明していたからですね。
自分の意図を説明してもらったジョーイは、うんうんと頷き、手をぐわっと怪物のように曲げ、こんな感じで驚かせようと思ったんだ、みたいにしぐさで説明するのにも笑えます。
get that off の off は「分離」のイメージですね。
it's stuck! の stuck は stick の過去分詞形(またはその過去分詞形が形容詞となったもの)で、「(はさまって・くっついて)動かない、動きがとれない」という意味ですね。
stuck については、挟まって動けない フレンズ3-3その22 でも解説しています。
I don't care! は、「私には関係ない。構わない。どうでもいい。知ったことではない」みたいに突き放す感じのセリフですね。
ターキーに挟まっちゃって抜けないんだよ、と情けない声を出しているジョーイに、「自分でやったことでしょ、あなたのつらい状況なんて知ったこっちゃないわ! (そのターキーは今からこうやって使う予定なのに、全くどうしてくれるのよっ!)」と怒っている様子が出ています。
feed は「(動物・人)にえさ・食物を与える」という意味で、主語がえさや食べ物の場合は、「(主語は目的語の)えさ・食料になる」という意味にもなります。
また「…の欲望などを満足させる」という意味もあります。
今回のニュアンスは、以下の LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の語義が近いでしょうか。
feed : to provide enough food for a group of people
例) This recipe feeds six.
つまり、「あるグループの人々に十分な食物を提供すること」。例文は、「このレシピは6人分だ。」
今回の feed も、実家のお客さん20人分の食料となる、20人分の食料を提供する、という感覚でしょう。
実家での感謝祭のメインのごちそうになる予定なのに、ジョーイの頭にくっついたまま、みんなでそれをつついてターキーを食べるわけにはいかないでしょ!と怒っているわけですね。
eat it off your head の off も、上に述べたのと同じ「分離」のイメージになります。
とにかく何か対策を考えましょう、と3人は考え始めるのですが、ジョーイはそのでっかいターキー頭の状態で、「うーむ」と深く思案する様子で、あごをさすっています。
本人は中で真剣な面持ちで必死に考えているのでしょうが、何しろ見かけがそのターキー顔なので、その考えるしぐさが妙にユーモラスで、観客は思わず笑ってしまうのですね。
ネットスクリプトのト書きには、このト書きを書いた方の個人的見解(?)みたいなものが書いてありますが、そこに書かれているように、文字ではうまく描写できない、これはとにかく映像で見てもらわないとその面白さを完全に理解することはできない、という類のものであるのは間違いありません。
ちなみに、今回のネットスクリプトを書いた方は、個人的な意見をト書きに盛り込むのが好きな方のようで、冒頭シーンで、ジョーイが「感謝したいもの」の一つとして、thongs 「(下着の)Tバック」を挙げた時にも、
Note: Actually, I think every guy is thankful for thongs. That and spandex.
「メモ:実際、全ての男はTバックに感謝してると思う。Tバックとスパンデックス(レオタード)ね。」
みたいなことを書いておられました(笑)。
spandex は、フレンズ4-4その1 のセリフにも登場していましたね。
ある案を思いついたらしいモニカ。と言っても、力ずくで引っ張るだけのようですが(笑)。
spread the legs as wide as I can は、「できるだけ脚を広く・大きく広げる」ですね。
as wide as possible とも言い換えられます。
脚を広げて踏ん張って、思い切り引っ張るから、と言っているだけなのですが、ターキーの中のジョーイはそのセリフを聞いて、イヒヒヒ…という感じのいやらしい笑いをしています。
「脚を思い切り広げる」と聞いて、エッチの時のそういうセリフを想像して喜んでいるのですね。
Now is not the time! を直訳すると、「今はその時ではない」ですから、まさに日本語で言うところの、「今はそんなことを言ってる時じゃない、今はそんな場合じゃない」というのと同じです。
英辞郎にも以下のように出ています。
now is not the time to=今は〜しているとき[場合]ではない
・Now isn't the time to say that. 「そんなこと言ってる場合かよ。」
・Now is not the time to talk about such matters 「今はそんなことを話している場合ではない。」
結構、日本語をそのまま直訳したような英文なので、日本人にもわかりやすい感覚ですね。
ターキーが頭から取れなくて…と困っていたはずのジョーイが、自分の状況も忘れたかのようにエッチっぽいセリフに無邪気に喜んでいて、それを見ているモニカはイライラして怒っている、という構図が、この二人のキャラらしくて面白いな、と思いました。
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"you pull. I'm gonna spread the legs as wide as I can." について質問させてください。
私は「あなたは(ターキーを)引っ張って」「私は(ターキーの)脚を広げる(抜き取りやすいように)」という役割分担の話だと思っていたのですが,いかがでしょうか?
モニカの脚なら "my leggs" と言う可能性が高いのでは?と一瞬考えましたが,そうだとしたら "the leggs" と聞いたジョーイが間違えることはなさそうなので,そういうことでもないのかなと考え直しています。
コメントありがとうございます。
私は上の記事内で、「脚を広げて踏ん張って」と書きましたが、それは間違いでした。
おっしゃる通り、ここは「私は(ターキーの)脚を広げる(抜き取りやすいように)」という意味ですね。
このシーンをもう一度見直してみたところ、モニカはこのセリフを言いながら、ターキーの脚を両手でしっかり握って広げようとしていました。ジョーイの首が抜けやすいように、ターキーの脚を広げているしぐさであることは間違いありません。
モニカは「ターキーの脚を思い切り広げる」という話をしているのに、「脚を思い切り広げる」と聞くと、ジョーイにはエッチ系の意味ばかりが連想されてイヒヒと喜んでいる、ということですよね。
貴重なご指摘に感謝です。ありがとうございました!(^^)