2010年10月13日

人気バンドの髪型をまねる フレンズ5-8その2

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1987年の感謝祭の回想シーン。
ロスは大学生、モニカは高校生の頃の話になります。
ロスとモニカの家(実家)に、すでにレイチェルは来ていて、そこにロスが帰ってきます。
ロス: (entering) Hey! ([入ってきて] やあ!)
(He brought home Chandler for Thanksgiving. Chandler is sporting the very popular Flock of Seagulls haircut. Yeah, it's another you have to see it to believe it kinda thing.)
ロスは感謝祭のために、チャンドラーを家に連れて来た。チャンドラーは非常に人気のあるフロック・オブ・シーガルズの髪型を(誇らしげに)見せびらかしている。そう、それは、「そう信じる[思う]にはそれを見なければいけない」っていう、もう一つの例[タイプ・パターン]である。
ゲラーパパ(ミスター・ゲラー): Oh my! (おや、まあ。)
ロス: Uh, everyone, this is Chandler. My roommate and lead singer of our band. (あー、みんな、こちらはチャンドラー。僕のルームメイトで、僕らのバンドのリードシンガーなんだ。)
(太っている)モニカ(Fat Monica): Ross! (Wanting to be introduced.) (ロス! [紹介してもらいたがっている])
ロス: Oh, this is Monica. (あぁ、こちらはモニカだ。)
モニカ: Hi, I'm Ross' little sister. (はーい。私はロスの妹です。)
チャンドラー: (seeing her) Okay. ([モニカを見ながら] あっ、そう。)
ゲラーママ(ミセス・ゲラー): I'm so glad you could come, Chandler. We've got plenty of food, so I hope you're hungry. (来てくれてすごく嬉しいわ、チャンドラー。食べ物はたくさんあるから、あなたのお腹がすいてるといいけれど。)
ロス: Oh, mom. Mom. Chandler hates Thanksgiving and doesn't eat any Thanksgiving food. (あぁ、ママ、ママ。チャンドラーは感謝祭を憎んでるから、感謝祭の料理はどれも食べないんだ。)
ゲラーママ: Oh, well, I'm so glad you brought him here then. (あら、そう、ロスが彼を連れて来てくれてほんとに良かったわ、そういうことならね。)
モニカ: Umm, Chandler, if you want I can make you some macaroni and cheese for dinner. (あー、チャンドラー。お望みなら、夕食にマカロニ&チーズを作ってあげられるわよ。)
チャンドラー: Well, as long as the Pilgrims didn't eat it, I'm in. (そうだな、ピルグリム(たち)がそれを食べてなかったということであれば、その話に乗るよ。)
(As she is drinking, Monica laughs and Chandler's joke and Diet Coke comes out of her nose.)
飲み物を飲んでいたモニカは、チャンドラーのジョークに笑い、ダイエット・コークが鼻から出てしまう。
モニカ: Damn it! (Runs off.) (しまった![やだ!] [走り去る])

ロスが大学生の頃の感謝祭。
ロスは、実家に友人チャンドラーを連れて来ますが、そのチャンドラーの髪型に笑ってしまいますね。
ト書きにあるように、これは、A Flock of Seafulls (フロック・オブ・シーガルズ)というイギリスのバンドのメンバーの髪型を真似たものです。
Wikipedia 英語版: A Flock of Seagulls
そのウィキペディアには、Hairstyle という項目があり、以下の説明があります。
Mike Score's distinctive hairstyle has been mentioned, copied, and parodied many times in the media:
「マイク・スコア(ボーカル担当)の独特の髪型は、メディアで何度も言及され、コピーされ、パロディーにされてきた。」
その下にたくさんの例が載っているのですが、その筆頭に今回のフレンズでのパロディーが挙げられています。
どんな髪型か興味のある方は、Flock of Seagulls などで Google 画像検索してみて下さい。

その髪型については、フレンズ2-15その12 でも、以下のセリフで登場していました。
ロス: Have you ever been, you know, fooling around with a girl and she started laughing? (女の子といちゃついていて、彼女が笑い出した、って経験をしたことがある?)
チャンドラー: Yeah. But it was 1982 and my Flock of Seagulls haircut was tickling her chin. (あぁ。1982年のことだ。俺の「フロック・オブ・シーガルズ」カットが彼女のあごをくすぐったんだよ。)

今回は、そのシーズン2でのセリフが本当のことであったのを回想シーンの映像で見せているわけです。
(年代にややずれがありますが、まぁ、それはご愛嬌、ということで…笑)
シリーズものならではのお遊びみたいなものですね。

Yeah, it's another you have to see it to believe it kinda thing.
というト書きですが、これは、
Yeah, it's another "you have to see it to believe it" kinda thing.
のように引用符でくくるか、
Yeah, it's another you-have-to-see-it-to-believe-it kinda thing.
のようにハイフンで結ぶかした方が、意味が取りやすいと思います。
つまり、it is another kind of thing 「それは、また別の…という感じの[種類の]ものである」という…の部分が、you have to see it to believe it という文章の形の形容詞になっている、という構造です。
you have to see it to believe it は、「(今、説明したように)チャンドラーが、フロック・オブ・シーガルズの髪型をしているのが本当だと信じるためには、(実際に)それを[その姿を・その映像を]見なければならない」という意味です。
つまり、全体としては、「ほんとにそんな髪型をしてるかどうかは、実際に見てみないことにはわからない、って感じのやつの、また別の一例だよ」のような意味になります。
another 「別のもう一つ」とあるからには、その前に同じような例があったことになりますが、それは前回、フレンズ5-8その1 で説明した、It's one of those you have to see it to get it jokes. というト書きのことを指しています。
前回は、その部分に深く注目することなく、訳も適当に流してしまいましたが(反省)、その部分も、It's one of those "you have to see it to get it" jokes. のように、形容詞として名詞にかかっている部分を引用符でくくるなどした方が理解しやすいですね。
you have to see it to get it は、「意味を理解するためにはそれを(実際に)見なければならない」で、one of those ... jokes 「…という(よくある)そういうジョークの一つ」の…の部分が、文章の形で形容詞になっていて、「意味がわかるためにはそれを見てみないといけない、という類のジョークの一つ」という意味になるのです。
ジョーイがターキー頭で考え事をしている、というシーンや、チャンドラーのこの奇抜な髪型は、ト書きの文字の説明だけではわかりにくい、これはもうとにかく実際に見てみて下さい、と言うしかない、映像でしかわからない面白さだと言いたいわけです。

このブログは基本的には、英語のセリフの分析を中心にしていますが、今回のような、「長い文章を形容詞にする」という方法は、ト書きはもちろんのこと、フレンズのセリフにもよく登場します。
文法書ではなかなか学べない、生き生きとした口語表現で、自分で英語日記を書く時にも使える便利な表現ですから、ちょっと執拗に(笑)解説してみました。

ロスはみんなにチャンドラーを紹介しています。
ロスはヒゲを生やしていて、モニカが超太っているのも、フレンズ2-14 で登場した、プロムのビデオの話を思い出させますね。
モニカは、恥ずかしそうにもじもじしながら、Ross! と言っていますが、それはト書きにあるように、「私のことをチャンドラーに紹介して」と言っていることになります。

I'm Ross' little sister. と自己紹介したモニカですが、そのモニカの姿をじーっと見て、チャンドラーはちょっとあきれたような感じでふっと笑い、Okay. と言っています。
これは、モニカの little という言葉に対する笑いですね。
英語の sister は「女きょうだい」という意味で、普通 sister だけでは、姉なのか妹なのかわかりません。
年下の妹であることをはっきり示したい場合には、(one's) little sister のように表現します。
逆に年上の姉の場合は、(one's) big sister になりますね。
年上だから大きい(big)、年下だから小さい(little)という形容詞をつけるわけですが、自分で little sister だと名乗ったモニカが、とても little とは呼べないような巨体だったので(ごめん!)、チャンドラーはその姿をまじまじ見ながら、「リトルじゃなくて、ビッグじゃねーの?」みたいな感じで、くすっと笑ったわけでしょう。

こういう場合の Okay. はちょっと訳しにくいのですが、ニュアンスとしては、「あっそ。なるほどね。わかったよ。まぁいいさ。まぁいいでしょう。そういうことにしとこうか。そういうことでいいんじゃない。」みたいに、君がそう言うんならそういうことにしとこう、ここは深く詮索したりせず、軽く流しとこう、みたいな感じの返事をしている気がします。
little という言葉にツッコミを入れたいところを、あえてそれを口にせず、心の中だけで笑っている感じでしょう。

感謝祭に来た息子の友人に対して、ロスのママは母親らしい歓迎の言葉をにこやかに述べています。
感謝祭のごちそうをたくさん作ったから、お腹いっぱい食べてね、という感じですね。
ですが、チャンドラーは、感謝祭の食卓で親の離婚話を切り出されたという辛い経験があるために、感謝祭やその料理に対してトラウマがあって、感謝祭の料理は食べることができません。
ロスはそのことをママに説明するのですが、それを聞いたママは、さっきまでの愛想の良い顔から、急に不機嫌そうな顔に変わって、I'm so glad you brought him here then. と言って去って行きます。
このセリフでは、文尾の then がポイントですね。

研究社 新英和中辞典では、
then=[通例文頭または文尾または条件節を受けて主節の初めに用いて] それなら、(それ)では
例) So you're not going to visit the doctor. What are you going to do, then? 「医者に行かないというのかね。じゃ、どうしようというのか。」


上の例文は「文尾」につくパターンで、今回のママのセリフと同じ感覚ですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
then [adverb] : (spoken) said to show that what you are saying is related in some way to what has been said before (SYN: in that case)
つまり、「(口語) 自分が言っていることが、その前に言われたことと何かしら関係があることを示すために言われる[使われる]」。

意味としては、「それなら、それでは、それじゃあ」というニュアンスですが、今回のように文尾におまけとしてつくことで、ちょっと皮肉っぽい非難めいた気持ちが出る気がします。
「感謝祭のごちそう、たくさん食べてね」→「チャンドラーは感謝祭の料理、食べられないんだ」→「まぁ、彼を感謝祭に連れて来てくれてとっても嬉しいわ、感謝祭の料理を食べられないってことならね」という感じになるのですが、ママの本音としては、「感謝祭の料理を食べられないような人を何で感謝祭に招いたりするのよ!」と言いたいわけですね。
このように then を文尾につける方が、「嬉しいわ、”感謝祭の料理を食べられないんですものね!”」と、「それなら、それじゃあ」という皮肉の部分がより強調されて聞こえる気がします。
本音は、「そういうことなら、全然嬉しくない」のですが、「嬉しいわ、そういう事情なら」とあえて皮肉っぽく(もちろん顔は不機嫌そうに)言っているのがママらしい感じがします。
日本で言うと、お正月におせちや雑煮を腕によりをかけて作ったのに、煮物系や餅は苦手なんです、と言われたような感じ…なのでしょう。

感謝祭の料理はダメ、というチャンドラーに、モニカはマカロニ&チーズを作ってあげようか、と申し出ています。
英辞郎にも、
macaroni and cheese=《料理》マカロニアンドチーズ◆ゆでたマカロニをチェダーチーズなどであえたもの。主に子どもの食事。
と出ているくらい、アメリカではメジャーな食べ物ですね。

Pilgrims は、Pilgrim Fathers 「ピルグリムファーザーズ」のことで、最初にアメリカに入植した人々のこと。
フレンズ2-8その6 でも、ピルグリムファーザーズについて触れていますが、感謝祭は彼らが最初の収穫を神に感謝することから始まったと言われています。
ピルグリムファーザーズが食べてたんじゃなかったら、感謝祭のトラウマも感じないで済みそうだから、そのメニューなら食べられそうだよ、とチャンドラーは言っているわけですね。
チャンドラー風のジョークだったわけですが、それを聞いたモニカはそのジョークに受け、飲んでいたコーラを吹き出してしまい、恥ずかしそうに走り去って行きます。
この一連のシーンでは、モニカがチャンドラーを一人の男性として意識していることがわかりますね。
あんな髪型なのに惹かれたのか…?などと、ちょっとツッコミを入れたくもなりますが(笑)。


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posted by Rach at 11:31| Comment(4) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
久しぶりに食べ物ネタにちょいツッコミ。

Macaroni and cheeseは、mac'n'cheeseと縮めることも多いくらい、ポピュラー。
ここでイメージするのはインスタントものではないでしょうか。Kraftというメーカーのが有名ですが、箱にマカロニと粉末チーズソースが入っていて、マカロニを茹で、湯切りしてバターとミルク(それぞれ大さじ2とか3くらい)と粉末ソースをかけて混ぜ合わせれば出来上がり、という、限りなくインスタントラーメンな世界のものがあります。幼児から学校帰りの腹ぺこティーンエージャーまで、この箱(青い箱なのでKraft blue boxとグーグルに放り込めば写真が検索に引っかかって来る)のお世話になっている子どもたちはアメリカ中に毎日何十万人といる...と思います。あんまり誇張でもなく。
マカロニがポケモンの形のとか、恐竜の形のとか、子どもウケするパッケージのも結構あります。あとは、お決まりの全粒粉マカロニの「ヘルシー」なやつとか。

高校生くらいならおそらくこの箱のやつを自分で作りますが、火を使うのは危ないかも?な年齢でも、当然「電子レンジでチン」なパッケージもあるので、もうこうなるとホントに日本の「未確認飛行物体」な焼きそばみたいな感じ。

でも、カルシウム強化してあったりするので、実は意外と「ちゃんとしたご飯に準ずるもの」な扱いを受けたりもします。

一から手作りすればとってもwholesomeなcomfort foodなMacaroni and cheeseですが。手作りの場合は上にチーズを乗せてオーブンで焼くことが多いので、チーズソースで和えた「マカロニだけグラタン」て感じ。

で、我が家にもあります。Kraftの青箱・・・ではなく、スーパーのオリジナルブランド(割安)のを、友達が送ってくれたやつ。たまに食べると結構いけます。
Posted by おちか at 2010年10月13日 20:00
Rachさんこんにちは。
フレンズの昔の回想場面は本当に凝って作っていて面白いですね。太っちょモニカはちゃんと見ても本物っぽいし、レイチェルの鼻も微妙に変で、見ていて感心します。

今回も" you have to see it to believe it kinda thing"や"then"の解説ありがとうございます。毎回いろいろな角度で掘り下げて調べてあり、それを幅広く丁寧に解説されているので最終的にいつも納得し、かつ感心しております。(時々あら捜し的に読むのですが、なかなかすきがありません。はい。)
Posted by koroyakun at 2010年10月14日 22:24
おちかちゃんへ
食べ物ネタへのツッコミ、そして、詳しい説明ありがとうございます。アメリカで主婦していたおちかちゃんの情報、ありがたいです。

実は私も、その KRAFT の Macaroni & Cheese を作って、食べたことあるんですよ!
上の記事でもそのことに触れようかどうしようか迷って、また、記事がだだ長くなっちゃうなぁ、と思って自粛したんですが(笑)、おちかちゃんがこうやってつっこんでくれたのも何かの縁なので、せっかくだから書いてみようかなぁ、と。

で、いろいろ書いていたら、やはり、だだ長くなったので(笑)、このエピソードの解説の最後に「その7」の記事として投稿しようかな、と思っています。あるいは、もしかしたら、このコメント欄にコメントとして追記の形を取るかもしれません。

ということで、お返事はもうしばらくお待ち下さいね。


koroyakunさんへ
いつも温かいコメント、ありがとうございます。とても励みになっています。

おっしゃる通り、昔の回想シーンの映像はよく出来ていますよねぇ。モニカのファットスーツも、レイチェルの鼻も、二人は元々はこんな感じだった、と言われれば、そうかな、と思えそうなくらいですよね。

you have to see it... のト書きについては、そのト書きをじーっと見ているうちに、前回にも同じようなパターンのト書きがあって、その意味をよくわかっていないまま訳してしまっていたことに気付いたのですね。自分自身の反省の気持ちも込めて、でも、間違いに気付いてそれを修正することが語学学習には大切なのだ、という思いも込めて、ちょっと執拗に説明させていただきました。すんなりわかってしまうとあまり記憶にも残りませんが、自分で試行錯誤したり、回り道をしたりすると、強く記憶に残ったりするんですよね。

then も、そのおまけのように付いているのが、却って印象深いと感じました。by the way を、文尾につけるのと似た感覚かな、と思っています。

「あら捜し的」に読んで下さっているとのこと(笑)、ありがとうございます。そうやって読んでいただけるのは、深くじっくり読んで下さっているということですから、筆者冥利につきます。「なかなかすきがありません」とお褒め下さっていますが、上のト書きのように、最初の It's one of those you have to see it... の方は、訳があやふやだったので、結構、すきだらけですよねぇ。是非、次回は、私が自分で気付くより先に、発見、ご指摘下さい(笑)。
Posted by Rach at 2010年10月18日 13:18
おちかちゃんへ
マカロニ&チーズの件、お返事遅くなってごめんなさい。
「その7」という記事として書こうかな、とも思ったのですが、やはり、いただいたコメントに対して返事する、というスタンスの方が、このトピックに関しては書きやすい気がしたので、結局、このようにコメレスの形になりました。

「mac'n'cheeseと縮めることも多いくらい、ポピュラー」というお話、まさにその通りですね。
今回のエピソードのチャンドラーのセリフでも、最後の方で、mac and cheese という表現が出てきます。
実は、フレンズ6-20 のタイトルで、The One with Mac and C.H.E.E.S.E. というのがあります。そこでは、Mac と C.H.E.E.S.E. は人名みたいなものなんだけど、そのコンビ名を繋げると、食べ物の名前になってしまう、っていう面白さもあるんですよね。

私も、KRAFT の Macaroni & Cheese を作って、食べたことあるんですよ!という話について。
たまたま通りかかったスーパー成城石井(大阪キタ・梅田にあります)に、そういう輸入食品がたくさん売ってたんです。それで、フレンズとかで聞いたことあるような食材をいろいろ買い込んで、いくつか試しに作ってみました。フレンズの世界、アメリカの生活を、より知るための勉強に(笑)。

私が購入したのもまさにその KRAFT の青い箱で、箱には、
KRAFT Macaroni & Cheese DINNER The Cheesiest ORIGINAL FLAVOR
と書いてました。

以下のウィキペディアにも詳しく書いてあります。
Wikipedia 日本語版: マカロニ・アンド・チーズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%BC%E3%82%BA

マカロニと粉末ソースが入っているのは、日本のマ・マー「ひとつのお鍋でできるマカロニグラタン」とかと非常によく似ている気がしました。マ・マーのグラタンはお鍋で、とろみがつくまで煮ますけど、マック&チーズの方は、おちかちゃんの言う通り、茹でで湯切りしたものに、粉末ソースを絡めるだけなので、よりお手軽な感じはしますよね。
マ・マーのマカロニと比べると、クラフトのマック&チーズのマカロニは大きさがかなりミニサイズでした。食べると結構こってりしてて、お腹をすかせた子供に人気なのも頷けます。

おちかちゃんの「限りなくインスタントラーメンな世界のものがあります」というのは私も感じていました。それで上のセリフの「ピルグリムファーザーズが食べてなかったんなら」というチャンドラーのセリフは、「そんな、お手軽なインスタント食品の代名詞みたいなものを、当時の入植者が食べてたわけないやろっ!」的なジョークかなぁ、と思ったんですよ。それで、モニカがウケてたんだと。

ただ、モニカの作ったマック&チーズは、そのインスタントにもう少し手を加えたものであるらしいことが、後のシーンでわかる気がしたので、「インスタントで手軽に作れる料理の代名詞」というジョークだと言い切っていいものかどうか迷ってしまったんですよね。多分、そのセリフを言ったチャンドラーは、「昔の人がそういうインスタント食品を食べてたわけないやろ」的なジョークとして言ったのは間違いないと思うのですが。

長くなりますが、「少し手を加えたもの」であるという描写について。
少し後のシーンで、チャンドラーのために料理を作っているらしいモニカが映るのですが、グレイター(おろし金)で山吹色の直方体のチーズをすり下ろしているようなんです。だから、全くのインスタントでもなくて、自分でさらに下ろしたチーズを加えたりと、少々手間をかけたものをモニカは作ろうとしているみたいだなぁ、って。

このエピソードの後半(上のシーンの1年後)に、またマック&チーズを作る場面が出てきて、その時にモニカは棚から鮮やかな黄緑色の箱を取り出しています。有名な Kraft 社の青い箱でないのが何だかちょっぴり残念な気もするのですが、そこでのセリフ、"Ooh, I love macaroni and cheese. I love, I love the way this box feels against my cheek." から、やはりその箱も、mac & cheese であることがわかります。
以上のことを考えると、「クラフト社製ではない、別のメーカーの(?)マック&チーズの箱を使って、自分ですり下ろしたチーズを加えるなどして、少し手間暇をかけたもの」が、モニカがチャンドラーへ作ってあげたマック&チーズみたいです。

最初にチャンドラーにそれを作ってあげた後、以下のやり取りがありました。
モニカ: Hey Chandler! Did you like the macaroni and cheese? (ねぇ、チャンドラー! あのマカロニ&チーズは気に入った?)
チャンドラー: Oh yeah, it was great. You should be a chef. (あぁ、そうだね。最高だったよ。君はシェフになるべきだよ。)
モニカ: Okay! (オッケー!)

食べ物にうるさいモニカは料理も上手で、普通のインスタントよりもおいしいマック&チーズを作った、それを素直に、もしくはただの社交辞令で(?)褒めたチャンドラーは、褒めついでに「そんなに料理がうまいんだから、シェフになればいいよ」と言い、モニカはそれを素直に受け止め、「わかった、じゃあそうするわ」みたいな返事をしています。

今、現在、モニカはシェフをしているのですが、現在の恋人チャンドラーと初めて会った時に、チャンドラーがそのきっかけを与えた…という形になり、ちょっとご都合主義的展開(笑)な気もしてしまうのですが、後にシェフになるようなモニカは、インスタント料理でも、ちょっと一工夫加えるんだ、というのも、モニカのキャラに合っているのかな、という気はしました。

ということで、マック&チーズというアイテムから、私はいろんな連想をしてしまったわけですが、とにかくマック&チーズはアメリカの簡単料理の定番だ、ということですよね。

また料理の話などでいろいろ教えて下さいね。情報ありがとうございました!
Posted by Rach at 2010年10月25日 13:49
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