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1987年の感謝祭の回想シーンの続きです。
キッチンで話をしているロスとチャンドラー。
ロスはチャンドラーに、自分はレイチェルを誘うつもりで、もしかしたら今夜は家に帰らないかも…などと言っています。
チャンドラー: Dude, don't do that to me! (おいおい、俺にそんなこと[そんな仕打ち]をしないでくれよ。)
(Monica enters behind them.)
ロスとチャンドラーの後ろにモニカが入ってくる。
ロス: All right, it's cool, you can stay here. My parents won't mind. (大丈夫だよ、問題ないさ。チャンドラーはここに泊まればいい。僕の両親もそれで構わないって思うさ。)
(Monica suddenly gets very happy.)
モニカは急に、とてもハッピーになる。
チャンドラー: No, it's not that. I just don't want to be stuck here all night with your fat sister. (いや、そういうことじゃないんだ。俺はただ、一晩中ずっとここにとどまっていたくない、ってだけなんだ、お前の太った妹と一緒にね。)
ロス: Hey! (おい!)
(Upon hearing this, Monica starts to break down and storms out. Only to be stopped by her parents.)
これを聞いて、モニカはがっくりして、荒々しく部屋を飛び出す。が、(結局は)両親に止められることになる。
ゲラーママ: (holding two pies) Monica, why don't you finish off these pies? I don't have any more room left in the fridge. ([2つのパイを持ちながら] モニカ、このパイ、食べちゃってくれる? 冷蔵庫にはもうこれ以上の空きがないのよ。)
モニカ: No. No, thank you! (いいえ、いいえ、結構よ[いらないわ]!)
ゲラーパパ: Well Judy, you did it. She's finally full! (ほう、ジュディ、やったぞ。モニカがついに満腹になった!)
ロスとチャンドラーがキッチンで話をしている時に、ちょうどモニカが入ってきて、二人の会話を後ろから聞くことになります。
僕が家に帰ってこなくても、チャンドラーはここで泊まればいいさ、とロスは言っています。
won't mind の mind は「気にする、いやがる、迷惑がる」。
"Would you mind if I open the window?" "No, not at all." 「窓を開けても構いませんか?」「構いません(どうぞ)」のように使われる mind ですね。
チャンドラーが泊まることをうちの親はいやがったりしないから、ここに泊まっていけばいいさ、と言っているわけです。
チャンドラーに憧れの気持ちを持っているモニカは、それを聞いて嬉しそうな顔をするのですが、その直後、チャンドラーがショッキングなセリフを言います。
be stuck は、今回のエピソードの フレンズ5-8その1 で、ターキーが頭から取れないジョーイのセリフに出てきたように、「動けない、動きが取れない」という意味ですね。
日本語でも、ある場所から離れられない時に、「ここにしばらく張り付いてないといけないんだ」などと言ったりしますが、それと似た感覚だと思います。
また、be stuck with だと「(いやなもの・やっかいなもの)を押し付けられる」という意味にもなります。
このセリフも、「一晩中、お前の太った妹と一緒にここにいて身動きが取れない、ここを離れられない」という解釈もできますし、「ここで一晩中、お前の太った妹を押し付けられる」という解釈も可能かもしれません。
ただ、「いやなものを押し付けられる」ことを強調したいのであれば、be stuck with your fat sister のように、stuck と with を繋げる形(離さない形)にするかもしれません。
今回のセリフは、「ここに一晩中ずっといないといけないのがいやなんだ」と言っているように聞こえながら、最後に with your fat sister 「お前の太った妹と一緒にね」がくっついていることで、いやな理由は、一緒にいるのがあの太った妹だからだ、と言っていることがわかる仕組みです。
英語の語順のまま日本語に訳すと、上に書いた訳のように強調のための倒置のように聞こえてしまいますが、英語はこの語順が自然なので特にわざとらしい感じには聞こえませんね。
チャンドラーは、ここに泊まるのがいやなのは、お前の太った妹と二人きりにされるのがいやだからなんだ、と言っていて、ロスが外出しているとなれば、モニカはあれやこれやと俺に話しかけてくるだろう、一晩中、あの子の相手をするのがいやなんだ、と言っているわけです。
そのセリフを聞いて、ロスは抗議するように、Hey! とキツい調子で言い、後ろでそれを聞いていたモニカも、大ショックを受け、部屋を飛び出して行きます。
それだけ、fat という言葉はキツい、ということですね。
日本語で言うと「デブ」に近い感じでしょう。
ト書きの only to... は「結果」を表し、「結局ただ…する結果になる、…するだけのことになる」。
ショックを受けて部屋を勢い良く飛び出したものの、そこにいた両親に止められるという結果になってしまった、という感覚です。
finish off は「終える、片付ける、済ます」という意味で、食べ物の場合は「すっかり平らげる」という意味になります。
ママは、この残ったパイを平らげちゃってくれないかしら?と言っているのですね。
don't have any more room left in... は「…にはこれ以上の余地・スペースが残っていない」。
冷蔵庫はいっぱいで、パイを入れる場所がもう全然ないのよ、と言っていることになります。
DVDの英語字幕では、I don't have any more room in the fridge. となっていて、それでも「冷蔵庫にはもう(空きの)スペースがない」という意味になりますが、実際のセリフのように、left がついた形の方が、より英語っぽい感じがします。
left がつくことで、「スペースがない」というよりも、「”残った”スペースがない、スペースが”残って”いない」というニュアンスが出るのですね。
そのような left のニュアンスについては、フレンズ3-16その7 でも解説しています。
このパイ、食べちゃってくれる?と言われたモニカは、(恐らく)いつものようにそれを食べようとして、皿を持ちますが、先ほどチャンドラーに、fat と言われたことを思い出し、パイを食べるのを拒み、皿を付き返して走り去ります。
それを見たゲラーパパのセリフが面白いですね。
You did it! は、何かすごいことを成し遂げた相手に、「よくやった!」と言う時のセリフ。
full は「いっぱいの、いっぱいになる」で、この場合は、「満腹の、満腹で」という意味。
日本語でも、「もうお腹がいっぱい」と言いますので、その感覚は同じですね。
モニカのように太っている人は、いつもお腹をすかしていて、常に何かを食べている、というイメージがあります。
フレンズ2-14 のプロムのビデオのエピソードでも、その姿が映るたびに何かを食べているような感じでした。
小学生に人気の「ピラメキーノ」という番組の「だるだるイングリッシュ」に出てくるダルさん(ボストン出身、23歳…笑)という巨体の男性も、いつもアイスクリームやら、生クリームのどっさりついたドーナツやらを手放しませんし、NARUTO のぽっちゃり忍者、秋道チョウジくんも、いつも片手にスナック菓子を持っていたりしますから、「太っている人は大食漢でいつもお腹をすかせている」というのは、どこの国にも共通するイメージのようです。
いつもなら絶対に断らないのに、「いらない」と言ったモニカを見て、「モニカがとうとう満腹感を覚えてこれ以上いらない、って言ったぞ。ママ、すごいぞ、でかしたぞ、ついにやったな!」と喜んでいるわけですね。
(Rach からのお詫び)
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