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チャンドラーに Ross' fat sister と言われ、モニカがショックを受けた時から1年後の、1988年の感謝祭。
この時にはもう、レイチェルは高すぎた鼻を整形しています。
すでにモニカの家に来ていたレイチェルは、ドアベルが鳴ったのでそれに応対します。
(She opens the door to reveal Chandler and Ross. Unfortunately, they seem to have their holidays mixed up. They think it's Halloween and they're going as Crockett and Tubbs from that legendary TV show of the late 80's, Miami Vice. God, we looked silly back then!)
レイチェルがドアを開けると、チャンドラーとロスの姿が見える。残念ながら、彼らはホリデーをごっちゃにしているようだ。彼らはハロウィーンだと思っていて、80年代後半のあの伝説的なテレビ番組「マイアミ・バイス」の(登場人物の)クロケットとタブスの扮装をしている。あぁ、全く、その当時の俺たちはまぬけに見えてたね!)
レイチェル: Hey! (はーい!)
ロス: Hey. (To his parents) Happy Thanksgiving! (やあ。[両親に] 感謝祭おめでとう!)
ゲラーパパ: (To Chandler) God, your hair sure is different. ([チャンドラーに] おぉ、君の髪の毛[髪型]は確かに[明らかに]違ってるね。)
チャンドラー: Yeah, we were just talking about that. I can't believe how stupid we used to look. (They both quickly push their sleeves over their elbows.) (そうですね、俺たちちょうど、そのことについて話をしていたところなんです。以前の姿がどんなに愚かだったか信じられないですよ。[ロスとチャンドラーは二人とも服の袖を肘のところまでまくりあげる])
ロス: So uh, where's Monica? (それで、あの、モニカはどこ?)
ゲラーママ: She's upstairs. Monica! Come down! Everyone's here! Ross, Rachel, and the boy who hates Thanksgiving. (モニカは2階よ。モニカ! 降りてらっしゃい! みんな来てるわよ! ロスに、レイチェルに、それから感謝祭嫌いの例の少年も。)
(Monica enters, but she forgot something. Oh, about 150 pounds. In other words, she lost weight, big time!)
モニカが部屋に入ってくる、が、彼女は何かを忘れてきた。おぉ、(忘れてきたのは)約150ポンド(約68kg)。言い換えると、モニカは減量したんだ、ものすごく!
モニカ: Hi, Chandler. (はーい、チャンドラー。)
チャンドラー: Oh, my God! (おぉ、なんてこった!)
モニカ: What, what's the matter? Is there, is there something on my dress? (She turns around making sure he gets a good look.) (何、どうしたの? 私のドレスに何かついてる? [モニカは、チャンドラーが確実によく見えるように、くるりと一周する]
チャンドラー: You just, you look so different! Terrific! That dress, that body.... (君は、君はすっごく違って見えるね! 素晴らしいよ! そのドレス、その身体[バディ]…)
ロス: Dude! (おい!)
チャンドラー: Sorry! (ごめん!)
ト書きの reveal は「(隠されていたものを)見せる、示す、あらわにする、さらけ出す」という意味。
「(秘密などを)明かす、暴露する」という意味もあり、reveal one's identity なら「正体・身元を明かす」になります。
ここでは、「チャンドラーとロスの姿を(観客・視聴者に)見せる」という感覚ですね。
She opens the door to reveal... の to reveal は「結果」を表す to 不定詞。
このように文の終わりにつくと、「…するために」という「目的」の意味で訳したくなる日本人が多いような気がしますが、レイチェルはロスたちがそこにいること、そして、見たらびっくりするような格好をしていることなど当然知りませんから、「彼らの姿を見せるために」ドアを開けたわけではありません。
ですから、ドアを開けた結果、彼らの姿が視聴者などに見える結果となった、という意味のト書きになります。
今回のエピソードは、いつもに比べて、ト書きに熱が入っています(笑)。「フレンズファンによる英語でのツッコミ」を見ているようで微笑ましくもあり、また当然、この部分も勉強になりますので、引き続き、ト書きにも注目してみます。
ト書きには、「残念ながら彼らはホリデーをごっちゃにしてるみたい。ハロウィーンだと思って、…の扮装をしている」と書いてあります。
今日は感謝祭なのに、彼らの服装がある人たちの真似をした仮装のように見えるので、「今日は(みんなが仮装する)ハロウィーンじゃないってわかってる?」みたいに言っている感じです。
ロスは真っ青なスーツの下に黄色のシャツ、チャンドラーは白いスーツの下にピンクのシャツを着ていて、顔にはうっすらと無精ひげ、そして袖をまくっています。
何の真似をしているかは、ト書きで詳しく説明して下さっているので、非常に助かりますね。(ありがとうございます!)
Miami Vice は80年後半のアメリカ刑事ドラマで、日本でも「特捜刑事マイアミ・バイス」のタイトルで放映されていましたね。
詳しくはこちら。
Wikipedia 日本語版: 特捜刑事マイアミ・バイス
日本でも有名なので、私もタイトルは知っているのですが、未だに見たことはありません。
「例えそれがよく知らない作品であっても、ネットなどの情報を検索することで、どこまで知ることができるか?」に挑戦するのも、私のブログの存在意義の一つだと思っていますので、今回もそのスタンスで進めます。
クロケットとタブスというのは、主人公の名前ですね。
上のウィキペディアにもあるように、「ヴェルサーチやアルマーニのスーツを着てフェラーリを乗り回し」という部分もウリだったようで、ロスたちは今回、そのスーツのイメージを真似しているようです。
Wikipedia 英語版: Miami Vice の Fashion という項目にも、the "T-shirt under Armani jacket"-style 「アルマーニのジャケットの下にTシャツ、というスタイル」や、stubble 「無精ひげ」のことが書いてあります。
Fashion の最後の部分では、以下のようにまとめてあります。
Many of the styles popularized by the TV show, such as the t-shirt under pastel suits, no socks, rolled up sleeves, and Ray-Ban sunglasses, have today become the standard image of 1980s culture.
訳しますと、「その(マイアミ・バイスという)テレビ番組によって日常化された多くのスタイル、例えば、パステルスーツの下のTシャツ、靴下をはかない、まくり上げた袖、レイバンのサングラスなどは今日(こんにち)、1980年代のカルチャーの標準的なイメージとなった。」
つまり、「アメリカの80年代のスタイルといえばマイアミ・バイス」という感じなのでしょう。
日本で言うと、「ワンレン、ボディコン」というスタイルを説明する時に、バブルの頃のジュリアナ東京から説明しないといけない、みたいな感じと似ているでしょうか。
no socks については、日本語版ウィキペディアのクロケット刑事の説明の中でも、「靴(パチョッティのスリップオン)は素足でというのがお約束」と書いてあります。
「靴は素足で」って石田純一さんみたいですが(笑)、石田純一さんのウィキペディアには(えぇ、こちらも調べました…笑)、「素足に革靴を意識し始めたのは、以前ミラノで、スリッポンに素足のファッションが流行した事に遡る。」とありますので、石田さんは別にマイアミ・バイスの真似をしているわけではなく(笑)、クロケット刑事と同様、slip-on (shoes) (簡単にはける靴)の流行のファッションから入った、ということのようです。
実はこの「素足で靴をはく」という部分は、後の出来事の伏線になっている気がします。
また、その場面を解説する時に、その件について触れたいと思っています。
God, we looked silly back then! というト書きは、「俺たちって、80年代のあの当時、(今のこの二人みたいに)愚かに見えてたんだね!」みたいな感じでしょうか。
当時の流行をみんながこぞって真似していたはずですが、今から見るとちょっと、こっ恥(ぱ)ずかしい…当時の俺たちって、こんな姿に見えてたんだね、と改めて気付いた気持ちがト書きに出ている気がします。
去年は、フロック・オブ・シーガルズを真似していたのに、今年はマイアミ・バイスになっているので、ロスのパパは「(去年とは)髪型が違うね」と言っています。
それに対してチャンドラーは、「俺たちも今、そのことで話をしていたんです。俺たちの去年のあの格好はバカみたいだったよなぁ、って話をね。」みたいに答えます。
チャンドラーは、「去年に比べると今年はすっごいイケてる」と思っていることがわかりますね(笑)。
このト書きにも、袖をまくりあげる仕草が描写されています。
ウィキペディアでの、Impact on popular culture には、今回のフレンズのエピソードのことが以下のように書いてあります。
Flashback scenes from the 1980s in this episode shows the characters Ross and Chandler in pastel colored suits with rolled up sleeves like that of Sonny Crockett.
「この(フレンズの感謝祭の)エピソードでは、1980年代の回想シーンで、ソニー・クロケットのように、袖をまくり上げたパステルカラーのスーツを着ているロスとチャンドラーのキャラクターを見せている。」
腕をまくりあげる仕草をわざとらしく見せているところからも、この部分もマイアミ・バイスの真似をしているだろうことはわかりますね。(もっと後のシーンでも、チャンドラーはまだこの仕草をやっていましたし…笑)
ネットスクリプトのト書きでは、クロケットとタブスという二人の真似をしているように書いてありましたが、上のウィキペディアの説明を読むと、二人ともドン・ジョンソン演じるソニー・クロケットの方を真似しているのかな、という気もします。
ママは2階にいるモニカを呼びます。
ママもモニカも当然、チャンドラーという名前を知っているのにもかからわず、チャンドラーという名前ではなく、わざわざ、「感謝祭を嫌っている・憎んでいる例の少年」と言っているのが、ママらしいイヤミですね。
「感謝祭の料理が食べられないのに、また今年も来たの?!」という気持ちが込められているのでしょう。
ものすごく減量して、スリムで美しくなったモニカが登場します。
ト書きの 150 pounds は、約68キログラム。
ちなみに、Google のボックスに 150ポンド と入力すると、
「150ポンド = 68.0388555 キログラム」
と表示してくれます。(この「Google 電卓機能」は便利ですよね。)
以前、モニカを fat と表現していたチャンドラーはびっくり。
モニカは、「あら、どうかした? 何か服についてる?」とわざと平静を装って、身体をくるっと一回転させます。
チャンドラーはまだ驚いていて、「全然(昔と)違ってる! すごい!」と褒めて、that dress, that body.... と言っていますね。
そのドレス、は褒め言葉としていいとして、that body はまさに「そのカラダ、そのバディ」みたいなことですから、かなり直接的な表現です。
dude は「男、やつ、野郎」という意味ですが、今回のように、若い男性に対しての呼び掛け語としても使われますね。
「お前、あんた」みたいな感じですが、「おい、お前」、もしくは「おい」くらいに訳すのが無難な感じでしょう。
あまりにスリムな身体になったモニカのことを、「そんなにナイスバディになって」みたいにダイレクトに言ったので、兄のロスは「そんなに露骨に言うなよ」とたしなめているわけです。
この少し後のシーンでも、キッチンに向かおうとするモニカの後ろ姿を、チャンドラーがじーっと見つめていた時、
ゲラーパパ: Dude! (おい!)
チャンドラー: Sorry. (ごめん。)
という全く同じやり取りが出てきます。
兄や父という身内なら「おい!」と言いたくなるように、body という言葉や、その視線は露骨過ぎる、ということですね。
(Rach からのお詫び)
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(アラサーを超えに近づいている者です。)
英語の準1取得を目標に勉強していますが、読解が苦手です。
知らない単語もありますが、なかなか意味が把握できません。
読むスピードも遅くものすごく時間がかかります。
読解力を伸ばすにはどうしたらよろしいでしょうか。英検2級の内容でしたら問題はありません。
TOEICは700点でした。
失礼とは思いますが、どうかアドバイスをお願いします。
初めまして。英検準1級の読解に関するご質問、ありがとうございます。
英検の長文はアカデミックな論説文が多いですよね。まずはそういう文章の形式やパターンに慣れることが大事かなと思います。意味が把握できない、というのは、単語を知らないから、という理由もあるとは思いますが、それよりもまず、文章の構造が把握できていない、という可能性が高い気がします。わからない単語は英単語のままでもいいから、その文章の構造(メインの主語と動詞はどれか、この部分はどこにかかっているか(どこを修飾しているか))という構造が理解できているかどうか、がポイントだと思うのですね。
2級なら問題なく、準1級になると時間がかかってしまう、というのは、単語も増え、英文の構造も複雑になってきているから、なのでしょう。準1級取得、と目標をはっきり定められているのであれば、準1級の過去問や予想問題集の読解問題にじっくり取り組まれることをおすすめします。
まずは、本番の試験と同様、時間を区切るなどして、テストだと思って解きます。その後、解答編を見て、答え合わせをすることになりますが、その際、正解の個数に一喜一憂するのではなく、解説や日本語訳を読んで、その英文を再度じっくり見つめ直す、という作業が必要かなと思います。
正解したものも、何となく正解しているだけかもしれないですから、正解だからと言って見直さないというのは避けるべきです。なかなか意味が把握できない、というのは、そういう文章の構造を見慣れていない、というのが主な原因だと思います。ですから、そういう論説文形式のいわば「お堅い」文章をじっくり「研究」し、その文章構造をしっかり把握していく、という学習を積み重ねるのが、時間はかかるけれど、結局は一番の近道だと思っています。解答編の和訳がある場合は、その英語がどうしてそういう訳になるのかがわかるまで、しっかり文章の構造を掴む必要があります。
映画やドラマのような口語会話文と違って、書き言葉の論説文は、不必要な言葉や無駄な言葉は含まれていません。文章に登場する単語は、どれもがその文章を組み立てるのに必要な要素です。全ての単語には確実に意味があることを意識しつつ、「何となく意味が取れる」ところから、「しっかり構造を把握する」レベルまで突き詰めていけば、初めて見る論説文であっても、これまでに見たことのある「構造」であることに気付くことができ、左から右に目が移動する中で、内容が理解できるようになり、読むスピードも上がっていくはずだと思っています。
私は、数をこなすよりも深く理解することから入るタイプで、海外ドラマのセリフを使った学習も、そのやり方でやってきました。学習法は個人の性格や嗜好に大きく左右されるので、必ずしも他の方にも当てはまるとは言えませんが、一つ一つを深く理解することで、新しいものにも対応できる、ということもあるとは思っています。
また、ご不明な点がありましたら、ご質問下さいね。
このブログで書いた、英検に関する記事は、
カテゴリー:英検
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/category/22147642-1.html
にまとめてあります。
また、特に読解に関する部分では、
英検長文は難しいけど… 1級一次(読解編)その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470801.html
英検長文の面白さ 1級一次(読解編)その2
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470802.html
という2つの記事を書いています。よろしければ参考までにご覧下さい。
お忙しいのに丁寧なお返事ありがとうございます。
はい。自分でも文章の構図自体が把握できていないと思います。
文章が長くなると、最初の方は何のことをいってたんだろう???
みたいな。。。retension?能力悪すぎです。
長文読解に慣れるように頑張ります。ありがとうございます。
いつかTIMEやNEW YORK TIMESがすらすらと読めるようになりたいです。
私はSEX AND THE CITYが大好きでよく見ています。セリフも覚えて使ってみるようにしています。
とくにNEW YORKを舞台にしたのが大好きなのでフレンズもみてみたいです。(確かNYでしたよね??)
ありがとうございました。
こちらこそ、ご丁寧なお返事ありがとうございます。
「文章が長くなると、最初の方は何のことをいってたんだろう???」みたいになってしまう、というお話、よくわかります。
英語を英語のまま理解するということは、あの聞こえた語順のままにどんどん頭の中で内容をイメージしていって、意味を取っていく必要がある、ということだと思っています。
特にリスニングに関してはそうしないとあの速さについていけないわけですが、文字として書かれた文章を読む場合でも、読んだ順番のままにイメージしていく、というのは同じことだと思います。文章をピリオドまで読んでから訳す、とかではなく、読みながら、次は?次は?と意識してその都度意味を取っていく感覚ですね。
英検のような論説系長文の文章のパターンに慣れていくことで、左から右に読みながら意味が取れるようになっていくと思います。単語もそういう論説文を読む中で覚えていった方が、覚えにくく忘れにくいと思います。
SATC は、私もシーズン1は見ました。フレンズも NY が舞台ですが、SATC とは暮らしぶりが違うかな、という感じはします。生活水準が違うというか(笑)。また、フレンズは SATC ほど単語がダイレクトではないですね。SATC では、サマンサは普通に、f*ck という単語をバンバン使っていますしねぇ(笑)。