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引き続き、1988年の感謝祭の回想シーン。
やせてきれいになったモニカを、男の目でジロジロ見ていたチャンドラー。
レイチェルとモニカは、台所でそのことについて語り合います。
(In the kitchen.)
レイチェル: (entering) Oh-ho, my God! That was so awesome! You totally got him back for calling you fat! He was just drooling all over you. That must've felt so great! ([入ってきて] あーあ、なんてこと! 今のはほんとにすごかったわ! あなたを fat って呼んだことに対して、完全に彼に仕返ししたのよ! 彼はただあなたをよだれをたらしそうな顔で見てたわよ。それってすっごく最高に感じたに違いないわ!)
モニカ: Well, it didn't! (うーん、そうでもなかったのよ。)
レイチェル: What? (何ですって?)
モニカ: Yeah, I mean yeah, I look great. Yeah, I feel great and yeah, my heart's not in trouble anymore! Blah, blah, blah! Y'know I still don't feel like I got him back, y'know? I just want to humiliate him. I wanna, I want him to be like naked, and I wanna point at him and I wanna laugh! (ええ、その、確かに、私は素敵に見えてるわ[素敵なルックスになったわ]。そうよ、気分はいいし、それに、そう、私の心臓はもう危ない状態じゃないわ! その他、いろいろね! (でも)私はまだ彼に仕返ししたって気持ちじゃないのよ。私はただ彼に恥をかかせたいの。私は、私は彼を裸(みたい)にして、彼を指差したいの、そして笑いたいの!)
レイチェル: Okay, that, we may be able to do. (わかったわ、そういうの、私たちにできるかもしれない。)
モニカ: How? (どうやって?)
レイチェル: Well, guys tend to get naked before they're gonna have sex. (そうねぇ、男って、エッチをしようとする前に裸になる傾向があるわ[裸になろうとするわ]。)
モニカ: What? I mean, I didn't work this hard and, and, and lose all this weight just so I could give my flower to someone like him! (何ですって? だって、私は、私のお花を彼みたいな人にあげる[捧げる]ために、こんなに必死にワークアウトして、こんなに体重を落としたんじゃないわ!)
レイチェル: Okay, first of all, if you keep calling it that, no one's gonna ever take it. Then, second of all, you're not gonna actually have sex with him. You're just gonna make him think that you are. (いいわ、まず第一に、もしあなたがそれをそんな風に(お花だと)呼び続けるのなら、誰もそれを取っていかない[奪わない]わよ。それから、二番目に、あなたは実際に彼とエッチするんじゃないの。あなたはただ、あなたがそうするつもりだと彼に思わせるだけなのよ。)
get someone back はここでは「人に仕返しする」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
get somebody back [phrasal verb] : (informal) also get back at somebody
to do something to hurt or embarrass someone who has hurt or embarrassed you
つまり、「自分を傷つけたり自分に恥ずかしい思いをさせた人を、傷つけたり恥ずかしい思いをさせたりするために何かをすること」。
直訳すると却ってわかりにくいですが、つまりは、傷つけられたり、恥ずかしい思いをさせられたりしたので、同じことを相手に返す、という感覚ですね。
drool は「よだれをたらす」「よだれをたらして喜ぶ、よだれをたらしそうなほど欲しがる」。
LAAD では、
drool : to show in a silly way that you like someone or something a lot
over
例) Sarah was drooling over the lead singer through the whole concert.
つまり、「自分が誰か、または何かを非常に好きであることを愚かな方法で見せること」。
例文は、「サラは、そのコンサートの間じゅう、リードシンガーを(よだれをたらしそうなほど、好きで好きでたまらないという感じで)うっとり見ていた。」
in a silly way というのがポイントで、また、前置詞はこのように over と結びつきます。
今回のセリフも、over が使われていましたね。
去年 fat と呼んでバカにしていたのに、今年はジロジロとエッチな視線で見てたから、あなたもさっきはさぞや気分が良かったでしょうね、とレイチェルは言うのですが、モニカはそれを否定しています。
その後、確かに悪い気はしなかった、と、良い面をいくつか述べていますね。
I look great. は、自分のルックス、見かけが良いことを言っていて、I feel great. は良い気分だったと言っています。
my heart's not in trouble anymore! というセリフの後、観客が笑っていますね。
この my heart's... の heart は、(日本語で言うところの)「ハート」「心」ではなく、「心臓」を指していて、そこがジョークのオチになっています。
(DVDの日本語訳でも「心臓」と訳出されていました。)
in trouble はまさに「トラブルの中に」ですから、「トラブルの状態で、窮地に陥って、ピンチで、困難な・危うい状態で」という意味ですね。
その前の feel great のことを言い換えて、「私の心は、もはやピンチな状態ではない」と心の平穏を言っているのではなく、「身体の器官である心臓はもう危うい状態ではない」と言っていることになります。
太りすぎの人が抱えている「心臓に負担がかかる」という問題は、この身体になったお陰で解消されたのよ、と言っているのですね。
「心」のことを言っているのであれば、ここで観客が笑う理由が説明できません。
「見かけ良し、気分良し、そして心臓の調子も良し」という三段オチになっているからこそ、観客が笑うジョークになっている、ということですね。
ちょっと話が脱線しますが、heart には「心」という意味と「心臓」という意味があることで思い出すのが、映画「忘れられない人」(原題:Untamed Heart)でのセリフ。
生まれつき心臓が弱いアダム(クリスチャン・スレーター)に、心臓移植を勧める恋人のキャロライン(マリサ・トメイ)。
死ぬかもしれないと言われても、アダムは心臓移植を拒もうとします。
アダム: I'm afraid if they take away my heart, I won't be able to love you the same. You are my peace. (もし、僕の心臓を取られたら、僕は君を同じように愛せなくなるんじゃないかと思うんだ。君は僕の安らぎなんだ。)
キャロライン: Oh, my God. You love with your mind and your soul, not actually with your heart. It's just a saying. (そんな。あなたは心と魂で愛しているのよ、実際に心臓で愛してるわけじゃないわ。そう(心臓=心、だと)言ってるだけよ。)
アダム: Why does it hurt so much here when you're not with me? (じゃあどうして、君がそばにいない時に、ここがすごく痛むの? [アダムは自分の胸を示す])
気持ちや感情が宿ると言われている heart 「心、心臓」を取られてしまったら、君を今と同じように愛せなくなりそうで怖い、と言っていますね。
それに対してキャロラインは、heart 「心臓」じゃなくて、mind や soul で人を愛しているのであって、heart を「心」だと言うのは、ただの言い回しに過ぎないわ、というように言っています。
心臓を取られても、あなたの心が取られるわけじゃないから、と優しく諭しているのですね。
それに対して、「心が心臓にないって言うんなら、君がそばにいないときに心臓がすごく痛むのはなぜ?」と返すアダムがとても愛おしいです。
heart という単語に2つの意味があることから生まれた名シーンだなと思ったので、紹介させていただきました。(長い脱線、すみません)
Blah, blah, blah! は「などなど、何とかかんとか」みたいに、重要でない部分をはっきりとは言わずに飛ばす時に使われる表現。
それについては、過去記事、ブラブラブラとくだらないことをしゃべる フレンズ3-14その16 で詳しく解説しています。
humiliate は「…に屈辱を与える、恥をかかせる」。
それに、-ing をつけて形容詞化すると、「屈辱的な」という意味になります。
humiliating は、フレンズ2-24その16 に出てきました。
彼を裸にして恥をかかせたいというモニカに、男はエッチの前には裸になるわよ、とレイチェルは言います。
それを聞いたモニカは、I didn't... just so I could 〜 という形を使って、「〜するために…したんじゃない」と言っています。
エッチをする、って言うけど、あんな男とエッチするために、頑張ってやせたんじゃないわ!と怒っているのですね。
レイチェルは、have sex とはっきり言っているのに、モニカはそれを give my flower to someone と表現しています。
このエピソードでは、これより前にも、モニカは flower という言葉を使っていました。
それは昨年の感謝祭の時の会話で、そのやり取りは以下の通り。
レイチェル: Well, you know how my parents are out of town and Chip was going to come over.... (そうねぇ、ほら、私の両親は町を離れてて[留守にしてて]、チップがうちに来ることになってたの…)
モニカ: Yeah, yeah, and you were going to give him y'know, your "flower." (ええ、ええ、それであなたは彼に捧げる[あげる]つもりだったんでしょ、ほら、あなたの「お花」を。)
レイチェル: Okay, Monica, can you just call it sex?! It really creeps me out when you call it that. (いいわ、モニカ、そのことはただ sex って言ってくれる? あなたがそれをそう呼ぶと、本当にぞっとするのよ。)
sex のことを flower を使って表現しないで、といやがっていたレイチェルですが、今年になってもまた、同じようなやり取りをしている、という面白さですね。
レイチェルは、first of all, second of all 「第一に、第二に」を使って、モニカに対して答えています。
まず始めに言いたかったのは、やはり flower のことで(笑)、それを「お花」なんて言っていたら、誰もそれを take しない、つまり、あなたがお花と呼ぶものを取っていかない、ずっと virgin のままよ、と言いたいわけですね。
いつまでもそんな夢見る乙女みたいなことを言ってたら、男が寄ってこないわ、という感じでしょう。
それから、「私はあなたに彼とエッチしろ、って言ってるんじゃなくて、その気があると思わせろ、って言ってるの」と言っています。
actually 「実際には」という副詞が、「”本当に実際に”エッチするってことじゃない」というニュアンスを出していますね。
make him think that you are は、make him think that you are gonna have sex with him が省略された形で、make は使役動詞で、「彼に that 以下だと思わせる」という意味になります。
(Rach からのお詫び)
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