2010年10月22日

その手には引っかからないぞ フレンズ5-8その6

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チャンドラーに仕返ししたいモニカは、エッチしたそうにしていると見せかけてチャンドラーを裸にして恥をかかせようとします。
"Just act like everything around you turns you on." 「自分のまわりのもの全てが、自分を性的に興奮させる[エッチな気持ちにさせる]かのように振舞って」というレイチェルのアドバイス通り、マカロニ&チーズの箱、ニンジン、そして包丁を、身体に色っぽく(?)すりすりしていたモニカですが、手が滑り、持っていた包丁がチャンドラーの靴めがけて落ちてしまいます。
そのすぐ後のシーン。
[Scene: The hospital, Chandler has been rushed to the emergency room.]
病院。チャンドラーはERに大急ぎで運ばれてきたところ。
医者: What do we got here? (どんな患者だ?)
救急救命士(The Paramedic): Twenty-year-old male. He's got a severed toe on his right foot. (20歳、男性。右足の指が切断されています。)
(They go through the doors into the trauma room, opening them by ramming the gurney through them, only Chandler's foot is hanging off the end and he screams in pain.)
医者たちは、外科(治療)室へのドアを通り抜ける、車輪付き担架をぶつけることでドアを開いて。チャンドラーの足だけが端っこから垂れ下がっているので、チャンドラーは痛みで叫ぶ。
ロス: Could you please not do that feet first? You know where his injury is. Severed toe, you just said it! (その足を先にするのはやめてくれませんか? 彼のケガがどこか知ってるでしょう。切断された足指、あなたが今、そう言ったんだ!)
救急救命士は無言で去る。医者はカルテを見ながら、
医者: It says here that the knife went right through your shoe. (ナイフが靴を貫通した、とここには書いてありますね。)
ゲラーパパ: Of course it did. They're made of wicker. (もちろん貫通しましたよ。靴はメッシュ[小枝編み、籐製]だから。)
医者: Did you bring the toe? (その(切断された)指を持ってきましたか?)
モニカ: Oh yes! I have it right here on ice. (She takes a bag of ice out of her purse and hands it to the doctor.) (あぁ、はい! 氷につけてここに持ってます。[モニカはカバンから氷の袋を取り出し、それを医者に手渡す]
医者: (opening it) Don't worry, son. We'll just reattach it and-- (Stops suddenly.) ([袋を開けながら] 心配しないで。それをくっつけて、それで… [突然、動きが止まる])
モニカ: What? What is it? (何? 何ですか?)
医者: You brought a carrot. (君が持ってきたのはニンジンだよ。)
チャンドラー: What? (何だって?)
医者: This isn't your toe. This is a small, very cold piece of carrot. (これは君の足指じゃない。これは、小さくてとっても冷えたニンジンのかけらだ。)
レイチェル: You brought a carrot? (あなたはニンジンを持ってきたの?)
ゲラーママ: Oh, my God! There's a toe in my kitchen. (なんてこと! うちの台所に足の指があるなんて!)
モニカ: God, I'm sorry! I'll go back and get it! (まぁ、ごめんなさい! 戻って指を取ってくるわ!)
医者: It's too late, all we can do now is sew up the wound. (遅すぎる、今我々ができるのは、傷口を縫い上げることだけだ。)
チャンドラー: Without my toe? I need my toe! (指なしで(縫っちゃうの)? 指は必要だ!)
モニカ: Wait, no, no, no, I can go really fast! Dad, give me the keys to your Porsche! (待って、だめだめだめ、私、ほんとに素早く行けるから! パパ、パパのポルシェのキーをちょうだい!)
ゲラーパパ: Oh, I'm not falling for that one. (おぉ、そんな手にはひっかからないぞ[だまされないぞ]。)

医者が救急救命士に、What do we got here? と尋ねています。
got = have got = have で、What kind of patient do we have here? 「我々が抱えている(今から診ようとしている)のは、どんな感じの患者だ?」というニュアンスだろうと思います。
それに対して救急救命士は、年齢、性別、負傷部位を的確に答えていますね。

sever は「…を(無理やりに)切断する」という他動詞。
直訳すると、「患者は、足に切断された指を持っています」みたいなことですから、「足の指が切断された状態です」と訳せば自然でしょうか。

ト書きにある trauma room は「外科室」みたいな意味のようですね。
すっかり日本語になってしまっている「トラウマ」ですが、元々は、医学用語で「外傷」という意味です。
今では、「精神的外傷」の意味で使われることが多いようですが、ここでは本来の外傷という意味で trauma room という言葉が使われています。
トラウマという言葉のイメージが強すぎて、「トラウマを抱えた人が集まる部屋」(?)かと思ってしまいそうですが、そうではないのですね。
英辞郎にも、
trauma center=《病》外傷センター
trauma department=外科

という言葉が載っています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
trauma : MEDICINE serious physical injury
例) a head trauma

つまり、「医学用語。深刻な身体のケガ」。例は、「頭部外傷」。

担架がドアを通った後、チャンドラーは、アウアウ!と叫び声を上げていますが、その理由はト書きに書いてある通りですね。
ケガをした方を先頭にして、担架でドアを開けたところ、担架からすこしはみ出ていた足がドアに思いきり当たってしまったので、その痛みで叫んでいる、ということです。
ですから、ロスもそのことを抗議しているのですね。
ケガをしている部分にさらに衝撃を加える…なんて、まるで吉本新喜劇にありそうなノリですが(笑)、コメディーなのであまり深刻になり過ぎないようにそういう演出がされているのでしょう。(本当にこんなことがあったら、アメリカでは間違いなく訴訟沙汰になると思うのですが…)

医者はカルテのようなものを見ながら、It says here that... と言っています。
これは、「今見ているこれに…と書いてある」という意味ですね。
the knife went right through your shoe は、「ナイフ(包丁)が靴を完全に通り抜けた、貫通した」というニュアンスでしょう。
それに対してのパパの返事がオトボケな感じですね。

wicker は「柳細工、小枝編み」。
LAAD では、
wicker : thin dried tree branches that are woven together to make furniture, BASKETs etc.
つまり、「バスケットなどの家具(備品)を作るために編み合わされた、細く乾燥した木の枝」。
日本語で言うと「籐(とう)」が近いでしょうか。
逆に、研究社 新和英辞典で「籐」を調べると、
籐椅子 a wicker(work) [cane, rattan] chair
籐細工 wickerwork, canework, rattan work

と出ています。

パパは、「そりゃもちろん貫通ですよ、だってその靴は籐製の靴だったんだから」みたいに言っているわけです。
包丁が上から落ちてきたという悲劇にもかかわらず、他のに比べて貫通しやすい素材だから、ものの見事に貫いちゃったねぇ…みたいに言っているのが、おとぼけパパらしいです。

実際、この ER の場面の前に、チャンドラーの靴が一瞬大写しになるのですが、チャンドラーが履いていたのは、確かに、網目の靴、メッシュの靴(mesh shoes)みたいな感じです。
そして、ちらっとですが、どうやら素足にそれを履いているように見えます。
過去記事、フレンズ5-8その4 で説明したように、チャンドラーたちがそのスタイルを真似ている、マイアミ・バイスのクロケット刑事は、「素足にスリップオン」がお約束のスタイルということでした。
今回、もっと硬い丈夫な素材の革靴で、さらには靴下もちゃんと履いていれば、ケガももっと軽く済んだのでは?と思わせるところもあります。
パパは靴がメッシュであることしか言及していませんが、マイアミ・バイスの真似をして靴下を履かず裸足であったことも、足指切断という結果に多少は関係している気がして(上からナイフが落ちてきたら、靴下があろうがなかろうが結果は同じかもしれませんが)、ちょっと興味深いなぁ、と思いました。
マイアミ・バイスの格好を真似ていたことがアダとなった感じですね。

ちなみに、フレンズ2-22 にも、wicker という単語は出てきていました。
ブログの解説では省略してしまったのですが、レイチェルのパパとママの仲が悪くて、これからも二人は同じ場所にはいられないのね、という話から、
レイチェル: She gets the house, he's in some condo my sister's gonna decorate with wicker. (ママは家を手に入れて(今住んでいる家にそのまま住んで)、パパはうちの妹が小枝編み細工で飾り立てることになる、どっかのコンドミニアム[分譲マンション]に住むのよ。)
というセリフでした。

切断した指を、氷の袋に入れて持ってきた、というモニカ。
氷の入ったビニル袋にそれを入れてきたわけですが、on ice の on という前置詞は「接触」を表す前置詞ですから、「氷に”接触”させた状態で、氷で冷やした状態で」ここに持っています、というニュアンスを出している気がします。

ところが、指だと思って持ってきたのが、実はニンジンであったことが判明します。
このお医者さんもなかなか辛辣で、「これは指じゃなくて、ニンジンだ」と言う時に、わざわざ、cold 「(氷で冷えて)冷たい」と形容しているのに笑ってしまいました。
君はニンジンを冷やしてただけなんだよ、みたいな感じですね。

チャンドラーの足に包丁を落とす前、モニカはニンジンも触っていました。
その前にレイチェルと話をしている時も、モニカは細いニンジンをナイフで削っている様子でした。
そのように、台所でニンジンを使うところを映像として見せておいたのは、「指だと思って持ってきたのはニンジンだった」というオチに繋げるための伏線だったようですね。

ママは Oh, my God! と言っていますが、その後、「うちの台所に指がある!」と言っているのが、これまたママらしいです。
大事な指がないなんて!と驚くのが普通ですが、「切れた指がうちの台所に落ちてるなんて、気持ち悪い、不気味」とでも言いたいらしく、そういう自己中発言がママらしいなと思いました。

sew は「縫う、縫い付ける、綴じる」。
sewing machine は「ミシン」、sewing set は「裁縫道具」ですね。

包丁を落とした上に、間違えてニンジンを持ってきてしまったモニカは責任を感じ、急いで取ってくるから、パパのポルシェのキーを貸して、と頼んでいます。
fall for は、「(策略など)にひっかかる、だまされる」。
フレンズ2-20その20 でもその意味で出てきました。

モニカは真剣に必死にお願いしているのですが、「そんな手に乗るか。うまいこと言っても、私のポルシェは貸してやらんぞ」みたいにパパは言っているわけですね。
この緊急事態に、それを利用してポルシェに乗ろうと画策しているかのように勘ぐられてしまった、ということです。


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posted by Rach at 11:53| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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