2010年11月01日

クローゼットからカムアウト フレンズ5-9その4

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ジョーイはシンシアという女性を連れて部屋に帰ってきます。
ドアを開けるとそこにはビデオカメラが設置されていました。
それは、チャンドラーとモニカが自分たちのために設置したものだったのですが、シンシアはジョーイが設置したと誤解して、「初デートのエッチを録画するつもりだったの?」と怒って出て行ってしまいます。
その様子をレイチェルにまで目撃されてしまったジョーイ。
またチャンドラーにお願いされて、渋々自分がやったとレイチェルに認めたジョーイですが、レイチェルが去った後、チャンドラーとモニカに怒りをぶつけます。
ジョーイ: You guys promised you'd be more careful! I mean, come on! The good Joey name is being dragged through the mud here! (もっと気をつけるって、お前ら約束しただろ! もう、いい加減にしてくれよ! 良きジョーイの名前がここで泥に引きずり込まれてるよ。)
モニカ: We're so sorry. (私たち、ほんとにごめんなさい。)
チャンドラー: Yeah. (ああ。)
ジョーイ: Well, I'm telling everyone about you! That's the only way to explain the underwear and the video camera that doesn't make me look like a pig! (あぁ、お前(たち)のことをみんなに言うからな! あの下着とビデオカメラのことを説明するのに、俺がブタみたいに見えないようにする、それが唯一の方法なんだ。)
チャンドラー: No, no, wait! There's got to be a better explanation. You could tell them you had to make an adult film for your... (Thinks) adult film class. (だめ、だめだ、待ってくれ! もっといい説明があるはずだ。ジョーイは、アダルト映画を作らないといけないんだ、って言えるぞ… [考えて] アダルト映画の講座のために。)
ジョーイ: Yeah, I like that. But no, no. How does that explain why Rachel found my underwear at your place? (あぁ、それはいいな。でも、だめだ、だめだ。レイチェルが俺の下着をモニカの家で見つけたことを、そのことがどう説明するんだ?)
チャンドラー: Oh? I don't know. (ああ? わかんない。)
ジョーイ: Well, get ready to come out of the non-gay closet! (なぁ、ゲイじゃないってことをカミングアウトする準備をしろよ。)
モニカ: Okay, just wait, please. I promise we'll come up with something. Just give us a little more time. (わかったわ。ちょっと待って、お願いよ。二人で何かの案を考えるって約束する。ただ私たちにもう少しだけ時間をちょうだい。)
ジョーイ: All right. Hey, but it better make me look really, really good. (Starts for his room.) Oh, and another thing: The video camera? Nice!! (わかったよ。なぁ、でも、俺を本当に本当に良く見せるようにしてくれよ。[自分の部屋に向かおうとする] あぁ、それとあともう一つ。そのビデオカメラのことだけど。ナイス!)

being dragged は、受動態(受身)の進行形ですね。泥の中に引きずりこまれる、という受身の状態が今、進行中である、という感覚になります。

That's the only way to explain the underwear and the video camera that doesn't make me look like a pig! は、長い文章になっていますが、こういうものは、前から順番に意味を取っていくしかないですね。
that は、その前にジョーイが言った内容、「お前たちのことについて、みんなに話す、話そうとしている」ことを指します。
前から順番に意味を取っていくと、
「それが唯一の方法だ」→何の方法かと言うと→「(モニカの部屋にあった)下着と(この部屋に設置してあった)ビデオカメラを説明する(唯一の方法)」→ that という関係代名詞で the only way to explain... をさらに詳しく説明→「俺がブタみたいに見えない(唯一の方法)」
のようになるでしょうか。

pig は文字通り「ブタ」で、ここでは「ひどい男、最低の男」というような意味ですね。
過去記事、相手をブタとののしる フレンズ3-20その6 でも、そういう pig のニュアンスについて詳しく説明しています。

今は、あの下着もこのビデオも、ジョーイの仕業(しわざ)ということになっている、それだと俺が最低の男に見えてしまう。だから、俺が最低の男みたいに見えなくてこの二つの件を説明できる唯一の方法といえば、チャンドラーとモニカの関係について真実を話すことしかないんだよ、ということですね。

「このままじゃ俺が最低男ってことになってしまうから、真実を話すしかない」と言うジョーイですが、チャンドラーは何とかそれを引きとめようとしています。
真実を語る以外にも、何かうまく説明できる方法があるはずだ、と言いながら、思いついた案が、「アダルト映画の授業を受けてて、そのためにそういう映画を撮らなくちゃいけないんだ、って言ったらどう?」みたいなこと。
今回のエピソードでは、フィービーが大学の文学講座を受講している、というのがプロットの一つになっていますので、そこからの連想ですね。
それを聞いて Yeah, I like that. 「あぁ、それっていいよね」みたいに一瞬同意してしまうのが、何ともジョーイらしいですが、「だめだめ、そんなことじゃごまかされないぞ」みたいに、ビデオはそれでいいとして、下着の件はそれでは説明できないだろ、とジョーイも頑張っています。

How does that explain why Rachel found my underwear at your place? の that もやはり、直前の発言を指しています。
その前のチャンドラーの発言、「ジョーイが講座のためにアダルト映画を撮らないといけないということ」ですね。

explain why は「なぜ…したかを説明・釈明・弁明する」。
How does that explain why... を直訳すると、「「アダルト映画を撮影しないといけない、ってことが、なぜレイチェルがモニカの部屋で俺(ジョーイ)の下着を発見したかをどのように説明するのか?」という感じでしょう。
チャンドラーが考えた理由では、俺の下着があそこにあったことの説明にはならない、と言いたいのですね。

get ready to come out of the non-gay closet! というジョーイのセリフが面白いです。
get ready は命令形で、「…する準備をしろよ」ということでしょうね。
come out of the non-gay closet というフレーズがこのセリフのポイントなのですが、これは日本語でもよく聞く「カミングアウト」のニュアンスと同じです。

come out の基本的な意味は「外に出る」で、そこから「物事が知れる、(真相・真実・秘密などが)明らかになる」という意味にもなります。
そして、直訳では「クローゼットから出る」という意味になる、come out of the closet は、「(ホモ・レズなどの)同性愛者であることを告白する、自分がゲイであると公言する」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come out of the closet also come out : (informal) to tell people that you are HOMESEXUAL (=sexually attracted to people who are the same sex as you) after keeping that a secret
つまり、「自分が同性愛者である(自分と同じ性別の人に性的に魅力を感じる)ということを、それを秘密にしていた後に、人に言うこと」。

LAAD にもあるように、come out だけでも、come out of the closet と同じ意味で使われます。
日本でも「カミングアウト」はそのような意味で認識されていますので、理解しやすいですね。

姿を隠していたクローゼットから出る、と表現することで、隠していた秘密を暴露する、という意味になるわけですが、今回のジョーイのセリフが面白いのは、ただのクローゼットではなくて、non-gay closet になっている点。
普通は、ゲイであることをこれまで隠していたけれどそれを告白する、という意味で使うわけですが、チャンドラーの場合は、多くの人が彼をゲイだと思っている(フレンズ1-8 は、ありとあらゆる人にそう思われていたというエピソードでした)、でも、実は俺はゲイじゃないんだよ、という秘密を暴露する、という意味で、ジョーイは、come out of the non-gay closet と言っているわけです。

ゲイの人に対して、get ready to come out of the closet と言えば、「ゲイだと告白する準備をしろ、そろそろゲイだと告白する覚悟を決めろよ」みたいな意味になるでしょうが、そこに non-gay がつくと、「ゲイじゃないって告白する準備をしろ、モニカと付き合ってることを告白して、自分はゲイじゃないって表明する覚悟を決めろ」みたいな意味になるわけですね。
モニカとの仲を公表することで、ゲイ疑惑も晴れるわけだしいいじゃんか、と言いたいようです。

ですがまだ、「ゲイじゃないとカミングアウトする」(笑)心の準備ができていないらしいチャンドラー。
モニカは何か別の案を考えるからもうちょっと待って、とジョーイに頼んでいます。
それを了解したジョーイは自分の部屋に行きかけますが、もう一つ、と言って、ビデオカメラのことを話題にします。
Nice! はまさに日本語の「ナーイス!」と同じノリなので、ここで笑えた人は多いでしょうね。
まぁジョーイの性格や行動パターンを考えると、予期されたセリフではありますが、ビデオのことまで俺のせいにされて…とえらく怒っていたわりには、ビデオ撮影に好意的(笑)なのが、ジョーイらしくて、やっぱり笑ってしまいました。


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posted by Rach at 13:40| Comment(6) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

drag ... through the mud
〈名前に〉泥を塗る, 〈…の名を〉汚す

macの辞書に載っていました。
Posted by asami at 2012年07月03日 22:13
asamiさんへ
コメント、そして情報ありがとうございます。
イディオムだったのですね。
私も改めて調べてみたところ、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも、以下のように出ていました。

drag somebody's name through the mud : to tell about the bad things that someone has done, so that others will have a bad opinion of them

つまり、「誰かが行なった悪いことについて話す、その結果、他の人がその人に悪い意見を持つようになる」。

私は上の記事で、「良きジョーイの名前がここで泥に引きずり込まれてるよ」という訳を書いて、そのままほったらかしていましたが(笑)、よく考えてみれば、「いかにもイディオム的な表現」ですよね。そこで立ち止まって、調べてみるべきでした。

日本語にも「泥を塗る」という表現があるので、その共通点が面白いですね。日本語では「泥を塗る」で、英語では「泥の中を引きずる」ですから、ひきずる方が余計に泥だらけになりそうですが(笑)。

大変勉強になりました。貴重なご指摘、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2012年07月04日 17:27
お久しぶりです。
下記台詞について教えて下さい。

Joey: It better make me look really, really good.

これは、had better『〜すべき』のhadが
省略されたという認識で宜しいのでしょうか?
ネットスクリプトのタイポかと思いきや、
DVDの字幕もhadがないので、混乱してます。
Posted by miz at 2014年03月16日 21:58
mizさんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

ご質問の better の件ですが、おっしゃる通り、had better (〜すべきである)の had が省略された形です。
ドラマの英会話では、こういう「better だけの had better」(?)は結構登場するようです。
私も学生時代に習った had better の印象が強かったので、この better をセリフで見た時には「あれ?」と思ったのですが、私が使っている、研究社 新英和中辞典には、そういう用例が載っていたので、すんなり納得できました。
その辞書での説明は以下のようになっていました。

had better do
…するのがよい、…したほうがよい
用法
(2) 《口語》 では had を略して I better go now. ともいい、さらに2人称では you を略して Better go now. ということもある

フレンズのセリフだと、例えば、フレンズ2-15その1
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470405.html
では、
チャンドラー: All right, but you better be wearing clothes when I open my eyes.
という形で、better が出てきました。
そんな風に、had better が、better だけになる例はよくあるようですね(^^)
Posted by Rach at 2014年03月17日 13:36
辞書にも載っていて、フレンズでも複数の実例が
あるということは、かなり一般的な用法のようですね!
大変、勉強になりました!

ペコリ m(_ _)m
Posted by miz at 2014年03月17日 20:28
mizさんへ
ご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます。

フレンズのセリフのような口語では、よく見かけますし、有名な英和辞典にも載っていることですから、一般的な用法だと言える気がしますね。

勉強になりましたと言っていただけて光栄です。これからもよろしくお願いします(^^)
Posted by Rach at 2014年03月20日 16:07
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