2010年11月06日

思い出の品としてとっておく フレンズ5-9その6

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は1位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


モニカはセントラルパークで、チャンドラーに自分の裸の写真を渡します。
チャンドラーはそれを雑誌に挟み、自分の家のカウンターに置いておいたのですが、ジョーイが偶然それを発見。
最初は驚いていたジョーイですが、それから「ほぉー」みたいにニヤニヤしてその写真に見入っていたところを(笑)、後ろから近づいてきたレイチェルに気付かれてしまいます。
フレンズみんなが集まってきて、ジョーイを変質者(pervert)呼ばわりするのですが、チャンドラーはジョーイのことを、a sex addict 「エッチ中毒(者)、エッチ依存症」だと説明して、その騒ぎを収めようとします。
何でもかんでも自分のことにされるのはもうごめんだ、とばかりに、ジョーイはこれが真実だ、と言って、みんなに、"I slept with Monica." 「俺はモニカと寝た」、"We just did it once in London." 「ロンドンで1回やった(エッチした)」と言ったため、その場が凍り付いてしまいます。

レイチェル: Monica, is this true? (モニカ、これは本当なの?)
ジョーイ: Of course, it's true. How else would you explain all the weird stuff that's been going on? (もちろん本当さ。ずっと起こっている奇妙なこと全部を、他にどうやって説明できるんだ?)
モニカ: Yes, it's true. (えぇ、本当よ。)
レイチェル: Okay, but if it only happened that one time, how come we found your underwear in our apartment the other day? (いいわ、でも、それが起こったのが、その一度だけだったなら、どうして、この前、私たちの部屋であなたの下着を見つけたの?)
ジョーイ: Ahh? Oy! That was the underwear I was wearing that night in London. Right, Monica? (あー、ほら! それは、あの夜、俺がロンドンではいていた下着だったんだ。そうだよな、モニカ?)
モニカ: I guess I wanted to keep it (Pause) as a souvenir. (それを取っときたかったんだと思うの…記念の品として。)
ロス: My God, Monica!! (なんてことだ、モニカ!)
チャンドラー: Are you sure, Joe? Are you sure you're not just a sex addict? (確かか、ジョーイ? お前がエッチ依存症じゃないってのは確かか?)
ジョーイ: No! If anyone's a sex addict here, it's Monica! Yeah. Yeah. She has been trying to get me back in the sack ever since London! (違うよ(おれはエッチ依存症じゃないよ)! もしここで、誰かがエッチ依存症なら、それはモニカだ! そうだよ、そうさ。モニカは、ロンドン以来ずっと、俺をベッドに連れ戻そうとし続けてたんだ。)
フィービー: So that's why she gave you a naked picture of herself. (それじゃあ、そういうわけで[だから]、モニカはあなたに自分の裸の写真を渡したのね?)
ジョーイ: That makes sense! (それならつじつまが合うだろ!)
レイチェル: And the video camera? (それで、あのビデオカメラは?)
ジョーイ: Uhh, Monica? (あー、モニカ?)
モニカ: I guess I set up the video camera to try and entice Joey. (ジョーイをそそのかそうとしてビデオカメラをセットしたんだと思うの。)
ジョーイ: But, sadly, I could not be enticed. (でも、悲しいかな、俺はそそのかされなかったんだよね。)
ロス: Unbelievable! I mean you really kept Joey's underwear? Why? Why would you do that? (信じられないよ! だって、モニカはほんとにジョーイの下着を持ってたのか? どうして? どうしてそんなことをしたんだよ?)
モニカ: I'm Monica. I'm disgusting. I stalk guys and keep their underpants. (モニカだもの。私は最低なの。男をストーカーして、その人の下着をとっておくのよ[とっておくような人間なのよ]。)

ジョーイの「モニカと寝た」という発言を聞いて、信じられないという顔でモニカに真偽を問うレイチェル。
モニカが答える前にジョーイが、「本当に決まってるさ、それ以外にこの一連の奇妙な出来事を説明する方法なんかないもんな」みたいなことを言っていますね。
ジョーイの発言を認めたモニカですが、レイチェルはまだ食い下がります。
ロンドンで1回エッチしただけなら、つまり、モニカの部屋でエッチしたんじゃないのなら、どうしてあの部屋にジョーイの下着があったわけ?という質問です。

ジョーイも自分の名誉を守るために必死なのか、今回はやたらと冴えまくっていますね(笑)。
レイチェルが見つけた下着は、俺がロンドンではいてたものだ、と説明します。
そうだよな!という感じで、パンと勢いよくモニカの背中を叩くジョーイ。
チャンドラーと付き合っているという事実を絶対に知られたくないモニカは、何とかそれに合うように話を作らなければなりません。
それでしぶしぶ、「その下着を記念の品として取っておきたかったの」と言うはめになります。

souvenir は「おみやげ、記念品」。
研究社 新英和中辞典では、
souvenir=(旅行・場所・出来事などの思い出となるような)記念品、みやげ
(語源) フランス語「思い出す」の意

と出ています。
まさに、ロンドンでのジョーイとの一夜の思い出として…みたいな感じで取っておいたの、というニュアンスになりますね。

話が変な方向へ行きそうなので、チャンドラーはまた、ジョーイは a sex addict 「エッチ依存症」だ、という方向に話を戻そうとしますが、逆に、「ここにエッチ依存症がいるとしたら、それはモニカだ!」と言われてしまいます。

sack は「寝床、ベッド」という意味。
ですから、get me back in the sack は「俺をベッドに連れ戻す」みたいな感じですね。
has been trying は、継続を表す現在完了進行形ですから、ロンドン以来、ずーっとトライし続けていた、というニュアンスが出ます。

That's why は、「それが…の理由である」。
モニカがジョーイを誘おうとしていたことが、裸の写真を渡した理由なのね?という感覚です。
モニカはそういう気持ちだったから、「だから、そんなわけで」写真を渡したのね、ということになります。
make sense は「意味をなす、道理にかなう、筋が通っている、つじつまが合う」。
そういうことなら全てすんなり納得できるだろ、みたいな感じですね。
レイチェルは今度はビデオカメラについて尋ねます。
ジョーイはまたモニカの背中をパンと叩いて、その件はモニカから説明させようとします。

entice は「(人)をそそのかす、うまい話で釣る」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
entice : to persuade someone to do something by offering them something nice
つまり、「何か良いものを提供することで、誰かに何かをさせるように説得する[勧める]こと」。

英辞郎の entice の語義説明によると
(entice は) seduce に比べて性的な意味合いは弱い。
とあります。
seduce は「性的に誘惑する」という意味で、フレンズ2-23その27 や、フレンズ4-16その4 でもそういう意味で出てきました。

英辞郎でも比較されているように、entice と seduce は意味的には近い言葉ですが、ここでのモニカは、嘘とはいえ、seduce Joey とは言いたくなかったのかもしれませんね。
例えば日本語の場合でも、「彼を誘惑する」と表現すると、少し性的なイメージが湧いてしまうので、そういう関係を他人にリアルに想像されたくない相手の場合は、「彼を誘う」程度に表現を押さえるような気もします。
ジョーイが、get me back in the sack と、直接的な表現をしたので、モニカの方はあまり生々しい表現にならないように必死に押さえようとしているのかな、と思いました。

またここで、モニカのセリフ2つ(I wanted to keep it as a souvenir と、I set up the video camera の文)のどちらにも、I guess がついているのにも注目してみましょう。
I guess は、I think を口語っぽく言ったもので、「…(だと)思う」という意味。
フレンズでも、I think と同じような意味でよく登場しますね。

ジョーイと寝たということにされて、その過去の出来事をモニカの口から説明する際に、I guess と最初に言ってから内容を説明しているわけですが、I guess をつけることで、ちょっとワンクッション置いて、ダイレクトになりすぎないようにボヤかしている印象を受けます。

「あの時の私は常軌を逸していた、どうかしていた」と言いたくて、自分のその時の気持ちや行動を回想するような感じで、距離を置いて話している。今の自分にはその時の気持ちや行動はとても理解できないけれど、今思うと、多分そういうことだったんだろうと思うの…的に話している感覚なのかな、と思いました。

下着を記念に取っておいただの、誘惑するためにビデオカメラをセットしただの、と聞いて、兄であるロスは、信じられない!と叫んでいます。
なぜそんなことを!と言われたモニカの返事は、どこかで聞いたようなセリフ…ですね。

過去記事、フレンズ5-9その1 で解説したように、下着はジョーイのものと言われた時に、同じようなセリフをジョーイが言っていました。
その後、ビデオカメラの罪を着せられた時も、それと同じような、以下のセリフを言っていました。
ジョーイ: I'm Joey. I mean, I'm disgusting. I make low-budget adult films. (俺はジョーイだ。つまり、俺は最低なんだよ。俺は低予算のアダルト映画を作るんだ[作るような人間なんだ]。)

そして、ここで最後にモニカがそのセリフを言うことになってしまった…というオチですね。

このように「同じようなセリフを繰り返すジョーク」というのは、誰かが直前に言ったセリフを繰り返したのであれば、そこに気付く人は多いですが、今回のこの3つのセリフは、かなり時間的に離れています。
1つ目はオープニング前、2つ目はアドブレイク(コマーシャルブレイク)前、そして今回のモニカのセリフがエンドクレジット前、と、見事なまでに離れているのですが、そのセリフの2回目、3回目の登場で笑えてしまう、ということは、そのセリフが「言葉」としてきちんと記憶に残っているということですよね。

そういう「記憶の保持、保持力、記憶力」のことをリテンション(retention)と言いますが、英検について書いた過去記事、リテンションが物を言う 1級一次(リスニング編)その2 でも触れたように、リスニングにおいてはそういう「リテンション」の能力が非常に大切だと思っています。
こういうストーリーのあるコメディで笑えるかどうかも、そういうリテンションが大きくものを言います。
忘れた頃に登場する「またその話かい!」的なノリのセリフに笑うことができるリテンションの力をつけることが、私が考える「シットコムで笑え!」というスローガンの意図するところでもあります。

また、ジョーイの "I slept with Monica." が、形勢逆転のターニングポイントになったことで思い出すことがあります。
今回のエピソードのオープニング直前のやり取りは(ブログでは解説していませんが)、以下のようになっていました。

モニカ: We'll try to be more careful, okay? It's just that, we don't want everyone to know because this is going really well. And maybe the reason it's going really well is because it's a secret. (私たち、もっと気をつけるようにするわ、ね? ただこういうことなのよ、この今の関係はほんとうにうまく行ってるから、誰にも知られたくないの。そして、多分、うまく行っている理由は、それが秘密である[秘密にしてる]からよ。)
チャンドラー: I know it sounds really weird, but we're just so bad at relationships. (ほんとに変な風に聞こえるってわかってるけど、でも、俺たち、恋愛関係ってのがすごく苦手なんだよ。)
モニカ: We are! Help us! (そうなの(苦手なの)! 私たちを助けて!)
チャンドラー: Help! (助けてくれよ!)
ジョーイ: All right. But, (To Monica) you do it with me once. (わかったよ。でも、[モニカに] モニカは俺と1回やるんだ。)
モニカ: Joey! (ジョーイ!)
ジョーイ: Didn't think so. (そんなこと、思ってなかったさ。)
と言って立ち去る。

do it は「エッチする」という意味で、You do it with me once. は、Do it with me once. という命令形に、強調のための主語 you がついた形。
直訳すると、「モニカは俺と一度エッチしなさい」みたいなことですが、お下品に言うと、「1回やらせろ」みたいなことですね(笑)。

「何てこと言うの! ジョーイ!」みたいにモニカが非難したので、Didn't think so. つまり、I didn't think so. 「俺はそんなこと、別に思ってなかったさ」と言って、ジョーイは自分の寝室へと向かいます。
意味としては「本気にするなよ、冗談で言ってみただけさ」みたいな感じのセリフですが、ジョーイが自分の部屋に向かう時の顔を見ると、何だかぶすっとしていて不機嫌で(笑)、「この状況でそう言ってみたら、あわよくばモニカと寝れるかも…」みたいに思っていたのでは?という印象を受けます。
「どさくさに紛れて言ってみたけど、ちぇっ、やっぱりムリだったか」みたいなのがジョーイの本音なのでしょうね。

そんな風に冒頭で、「黙っててやるから1回やらせて」みたいに言っていたという経緯があって、このエピソードの最後に、もちろんほんとに寝たわけではないけれど、「モニカと1回寝た」と嘘をつくセリフが登場するのですね。
その嘘でチャンドラーとモニカの仲を隠すという結末になっているわけですが、さらっと言っていた冒頭のジョーイのセリフも、この最後のオチに繋げるための伏線だったのかな、と考えるとなかなか興味深いです。
レイチェルたちへ語った架空の話の中では、まさに、黙っててやる代わりに「モニカとやった」ということになっている、そういう皮肉な結末に、フレンズの脚本の奥深さを感じた気がして、面白いな、と思いました。


(Rach からのお詫び)
いただいたコメントへのお返事は、もうしばらくお待ち下さいませ。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 07:58| Comment(6) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんにちは。
今回のエピソードは笑いどころ多いですよね、通勤中に観ている最中に噴き出しそうになってタオルで口元を隠す羽目に(笑) ストーリーが分かりやすいし、天丼的な流れも多くて何か聞き取りやすい気がしました(これは気のせいかも)

前置きはこの辺にして(笑)
今回のエピソードで気になったのがthatなんです。

ここでのジョーイのセリフ“the weird stuff that's been going on”なら、thatが関係代名詞で、stuffを説明している、という風に素直に読めるのですが、

フレンズ5-9その4の“That's the only way to explain the underwear and the video camera that doesn't make me look like a pig!”
の二つ目のthatのことを思い出して、改めてこのthatについて考えると混乱してきてしまいまして…

関係代名詞を訳す場合は(特に書き言葉)、学校では先行詞にかけて訳す方法で習いますよね。でも会話で使われる場合だと、話している順番に言葉が出てきているから(話し手の頭の中の時間の流れのまま)情報を後から追加して説明していく感覚で読むというイメージを持っています。
これって、まさに非制限用法=継続用法の訳し方かな、とも思うのです。

ここでは結構ジョーイも一息で言っているセリフなので、最初はRachさんが書かれているように頭から下記のように意味を取ったんです。
「それ(みんなに全部話すこと)が唯一の方法なんだよ、下着とビデオのことを説明する為のね。そしてそれが俺を豚みたいに見せなくするんだよ!」みたいに。

でも、この読み方だと、一度cameraで文章が切れているみたいだし、そうなるとthatが前文を指しているみたいなんですね。
今回の文章がそのまま続いているっていうことは、関係代名詞的には制限用法でthe wayが先行詞となる。でも、the wayに自然にかけようとすると、なんかうまく訳せないなー、とモヤモヤしてしまったわけです。

久々にwhichとthatの使い分けとかもいろいろ調べてみて、theの意味があるthatが限定用法専用と言うことはなんとなく理解できました。
でも多分ネイティブの方でも、会話中に「さあ、ここで先行詞を出しておいて、後から関係詞で修飾するぞ!」なんて思うわけはないだろうから、関係詞としてthatを使うケースでも、自然な流れで訳すならやはり非制限用法的な訳がいいのかなー?と思った次第です。

と…まあ、関係代名詞って考え始めたらなんだか沼にはまってきてしまったてつらつらと書いてしまったのですが、よろしければ、Rachさんのご意見もお聞かせくださいませませ。
Posted by Gami at 2017年09月20日 18:18
Gamiさんへ
コメントありがとうございます。
このエピソードも面白いですよね。通勤中に噴き出しそうになるというお話もよくわかります(^^)

それから、関係代名詞 that についての興味深いお話ありがとうございます。
関係代名詞については、学校では「カンマなしなら制限用法で、カンマがあれば非制限用法」のように習いますよね。
書き言葉の文章の場合はそれが目印にもなるし、書く方もそれを意識してカンマを入れているのでしょうが、ドラマのセリフのような口語では、せいぜい、一呼吸あるかどうかくらいしか判別の方法がありませんね。

会話の場合は、最後のピリオドまで聞いた上で訳し上げるようなことをしていると、音の速さについていけなくなるので、意味を取る場合にはとにかく「最初から順番に、まとまりごとに意味を取る」ようにしています。
意味を取った結果、つまりはその関係代名詞以下は、これについて詳しく説明していたんだな、これについての補足説明だったんだな、と後からわかるような感覚になるでしょうか。

フレンズ5-9その4 の "That's the only way to explain..." については、ご指摘のように「最後まで一息で言っている」感じですね。

ここがもし、
camera. That(あるいは Which)doesn't...
のように、ピリオド(もしくはカンマ)で切れているとすると、「そのことが俺を豚みたいに見えないようにする」という意味に解釈可能でしょうが、ここではピリオドやカンマで切れているような「一呼吸」がないので、「制限用法」として使っていると考えるのが妥当な気がします。

自然な日本語にしようとすると、日本語は名詞を修飾する言葉は「上に乗っかる」形になるので、「俺がブタみたいに見えないようにする唯一の方法」になるところですが、英語ではその修飾部分が後に来ているのでやはり聞こえた順番にイメージせざるを得ないことになりますね。

Gamiさんのコメントの、
>でも多分ネイティブの方でも、会話中に「さあ、ここで先行詞を出しておいて、後から関係詞で修飾するぞ!」なんて思うわけはないだろうから
という部分が非常に興味深かったのですが、私の印象では、実は今回のジョーイのセリフはまさに「先に the only way という先行詞を出しておいてから、後から関係詞でそれを詳しく説明することを見越して言っている」ような気がしました。

英語は、先に大きな枠を語っておいてから、詳しい説明を関係詞などで付け足す感覚が実に多いですよね。そういう構造であるために「詳しい説明を付け加えることでそれがオチになる」というような、自然に「オチを最後に持ってくる」ことが可能なのだと思います。
今回のジョーイのセリフも「それが、下着とビデオカメラを説明する唯一の方法」というのが文の大枠で、それだと事実を述べただけで特に面白くもない(笑)わけですが、その後で「俺がブタ野郎に見えないようにする(唯一の方法)」と付け加えたおかげで、「みんなにお前らのことをバラさない限り、俺はブタ野郎だとみんなに思われる」→「お前らの秘密を守ったせいで、こんな目に合ってるんだぞ、どうしてくれるんだ」というジョーイの切実な気持ちが表れるわけですね。

ジョーイとしてはやはり「俺がブタ野郎だと思われないように説明する方法はこれしかない」というように、「思われないようにする唯一の方法」として関係代名詞 that を「制限用法」で使っていると私は感じるわけです。

聞こえた順番にイメージする際には、最初から意味を取るしかしょうがないので、

That's the only way それが唯一の方法である
to explain the underwear and the video camera その下着とビデオカメラを説明するための(唯一の方法)
that doesn't make me look like a pig! 俺をブタ野郎に見せないようにする(唯一の方法)

のようにイメージするしかないですね。
何とか日本語に「制限用法」のニュアンスを盛り込もうとすると、
「それが下着とビデオカメラを説明するための唯一の方法だ、俺をブタ野郎に見せないようにする唯一のね」
のように、「見せないようにする」が唯一の方法にかかっているかのように聞こえるようにする(「ようにする」が連続して、混乱してきそうですが^^)のが限界かなぁと思います。

制限用法で訳しても、非制限用法で訳しても、大まかな意味は同じですが、ジョーイが言いたいことは「お前らのことをみんなに話したら、俺がブタ野郎に見えなくなる」という流れではなくて、「俺がブタ野郎みたいに見えないで済む方法は、お前らのことをみんなに話すことしかない」なのだと思います。
「俺がブタ野郎に見えてもいいのか? だからもうみんなにバラしてもいいよな?」というように、「今の俺にはバラすしか方法がないから、お前らも覚悟を決めろ」と説得しているセリフなので、the only way と that doesn't 以下は強い修飾関係にある、つまり「制限用法」であると、私は思ったということです。

長くなってしまいましたが、上の説明でわかりにくいところがあれば、またお気軽にご質問下さい。
興味深いご質問、ありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2017年09月21日 15:58
こんなにいっぱいの解説レスありがとうございます!
いろいろ英語について考えていたことをこんな風に出せてコメントいただけるのはすごく嬉しいです、しかもフレンズを教材にして^^

>私の印象では、実は今回のジョーイのセリフはまさに「先に the only way という先行詞を出しておいてから、後から関係詞でそれを詳しく説明することを見越して言っている」ような気がしました。

ここが、もう目からウロコで、そうかーそれでいいのかー!って、思いました。
改めて、関係詞を使って先行詞を後から修飾するというのは、英語という言語にとってすごく自然なことなのですね。その語順で話すからオチが最後にくるのが自然になるという。。
日本語に綺麗に訳することについてはそんなにこだわりはなかったのですが、特に関係代名詞に関して、なんとなく書き言葉と話し言葉の違いについての思い込みがあったことがわかって、今回の解説で非常にすっきりしました。
この語順で話すことで、ジョーイのどんな気持ちを現したかったのか、という点について考られて、すごくいい勉強になりました。ありがとうございました!


P.S.
梅田のセミナー申し込む予定です、楽しみにしていますね、当選したら宜しくお願い致します。
(当たるといいなーw)
Posted by Gami at 2017年09月26日 14:14
Gamiさんへ
こちらこそご丁寧なお礼のお返事ありがとうございます!
関係詞を使って先行詞を後から修飾する件を説明するにあたり、Gamiさんの書いて下さったコメントのお言葉がとても良いヒントになってくれました。
カンマで区切るにせよ、一呼吸おくにせよ、何らかの切れ目があれば、とりあえずいったんそこで切れていると考えても良いだろうと思いますが、今回のように一気に言っている場合は前の先行詞にかかっていると考えて良いのだろうと、改めて思いました。
大変興味深いご質問、ありがとうございました。

それから、梅田セミナーにお申込下さるとのお話、本当にありがとうございます。大変光栄で嬉しいです♪
このセミナーの受付と抽選は全て主催者である出版元に任せており、申し込んで下さった方のお名前も私は知らない状態なんですよね。
結果をご連絡するまでお待たせすることになってしまい、本当に申し訳ないのですが、私もお会いできるのをとても楽しみにしています。
こちらこそ、どうか宜しくお願い致します。

温かいコメント、セミナーへのお申込、本当にありがとうございました!<(_ _)>
Posted by Rach at 2017年09月27日 14:57
改めて、こちらもホントに勉強になりました、ありがとうございました。

そして、梅田のセミナー、なんと抽選通りましたー!明日は楽しみにしています、宜しくお願い致します♪
Posted by Gami at 2017年10月13日 21:51
Gamiさんへ
当選されたとのご連絡、誠にありがとうございます。そのように言っていただけて、大変光栄で嬉しいです(^^)

明日のセミナーでお会いできるのを私もとても楽しみにしていますね。楽しいセミナーになるよう精一杯頑張りますので、こちらこそどうか宜しくお願い致します♪

温かいメッセージ、ありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2017年10月13日 22:40
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。