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基本的には、「1エピソードは「その6」まで」にしているのですが、今日はご紹介したいセリフがあったので、「その7」の記事を投稿します。
ジョーイに映画の脚本を書けとアドバイスし、たくさんのノルマを課すロスですが、チャンドラーがジョーイをゲームに誘うので、脚本が一向にはかどりません。
ロスが「ゲームでジョーイの邪魔をするな」とチャンドラーに言えば、チャンドラーは「自分が休職中で退屈だからって、ジョーイにあれこれ指示するな」とロスに言い、二人は大喧嘩。
喧嘩状態が続いている二人のところに、図書館で今日の分の脚本を書いてきたぞ!と嬉しそうに帰ってきたジョーイは、その脚本を声に出して読んでくれ、と二人に頼みます。
(引用符がついている部分は、脚本のセリフを読んでいることを表しています。)
ジョーイ: Okay. (Reading.) "It's a typical New York City apartment. Two guys are hanging out." Ross (Points to him.) (よし。[(脚本を)読む] 「よくあるニューヨーク市のアパートメント。二人の男が(ぶらぶらと)時を過ごしている。」 ロス。[(脚本を読むようにとロスを指差す])
(Ross and Chandler start to read Joey's script aloud.)
ロスとチャンドラーは、ジョーイの脚本を声に出して読み始める。
ロス: "Hey, man." (「やぁ。」)
チャンドラー: "What is up?" (「調子はどうだい?」)
ロス: "About yesterday. I was really wrong. I am sorry." (「昨日のことだけど。僕が本当に間違ってた。ごめんよ。」
チャンドラー: "No, it was me. I'm sorry. I overreacted." (「いいや、俺のせいだよ。ごめん。俺が過剰に反応しすぎた。」)
ロス: "Maybe it was both of us. But we had our best friend's interest... (Pauses and looks at Joey.) But we had our best friend's interest at heart." (「多分、僕らふたりのせいだよ。でも、僕らは親友のため… [読むのをやめ、ジョーイを見る] でも、僕らは親友のためを思ってたんだ。」)
チャンドラー: "Could I be more sorry?" (Looks at Joey.) (「これ以上ないってくらいに、ごめん。」 [ジョーイを見る])
What's up? じゃなくて、What is up? になったりしている、わざとらしい挨拶のセリフ(笑)の後、いきなりロスが謝るセリフが続きます。
僕が間違っていたよ、ごめん、と謝るロスに対して、チャンドラーは、It was me. と言っていますね。
これは「(いやお前のせいじゃなく)俺のせいだった。悪いのは俺の方だった。原因は俺だった」というようなニュアンスですね。
その後のロスのセリフの、it was both of us. も、「俺たち二人のせいだった」ということで、どちらか一人のせいじゃなく、二人とも責任がある、二人とも悪い部分があった、というニュアンスになります。
overreact は「…に過剰に反応する」。overreaction 「オーバーリアクション、過剰反応」は日本語になっていますよね。
俺も大人げなくムキになっちゃってごめん、みたいな感じ。
we had our best friend's interest... というセリフを読んだところで、ロスはジョーイの意図に気付き、ジョーイを見つめます。
interest はここでは「利益、利害、ため」というような意味ですね。
一度、絶句した後、再び読み直すと、そのセリフは、we had our best friend's interest at heart となっています。
have 〜 at heart を直訳すると、「〜を心に持っている」ということですから、「〜を心にかけている」という意味になります。
英辞郎では、以下のように出ています。
have ~ at heart=〜を心にかけている、〜を切望する
例) That selfish guy always has his own interest at heart. 「あのわがまま者はいつも自分の利益を考えている。」
ちょうどその例文にも、interest が使われていますね。
その例文の場合は、「自分の利益ばかり考えている」みたいな悪い意味ですが、今回のセリフは「親友の利益を考えている」という友情に厚い友の行為を指していることになります。
僕たちは喧嘩したけど、それは自分たちの大切な親友の利益を考えて、親友のためを思ってしたことだったんだ、というセリフなのですね。
ロスとチャンドラーが、自分のためを思っていろいろやってくれていたのがわかっていたジョーイは、これ以上二人が喧嘩するのを見たくなかった、仲直りして欲しかった…だから、脚本を読んでくれと頼むことで、二人に I'm sorry. というセリフを言わせ、「お互い、親友ジョーイのためを思ってしたことだから」ということに気付かせようとしたのです。
"Could I be more sorry?" について。
これは「チャンドラーの口癖を真似(まね)たセリフ」ですね。
チャンドラーの口癖のパターンの基本形は、
"Could 名詞 BE any 形容詞の比較級 ?"
です。
今回のセリフには、any はついていませんが、そのバリエーションなのは間違いありません。
これまでに出てきた口癖については、過去記事、チャンドラーの口癖の話 フレンズ3-2その29 で詳しく説明しています。
今回のセリフの音声も、いつものチャンドラーの口癖の言い方と同じように、Could I BE more sorry? と be を強調して読んでいます。
チャンドラーは「俺ならこんな風に言うだろう…ってか?」みたいな顔をジョーイに向け、ジョーイは「な、お前っぽいセリフだろ?」みたいに得意気で嬉しそうな顔をしています。
観客の笑い声もしばらく続き、拍手までもが起こっているのは、「チャンドラーが言いそうなセリフ」を書いたと得意になっているジョーイに笑ってしまうからですね。
直訳すると、「俺はこれ以上、sorry になれるだろうか?(いや、なれない)」という反語のニュアンスで、「もうこれ以上ないってくらい申し訳ない気持ちだよ、最高にごめん」みたいなニュアンスになるでしょう。
チャンドラーは、「いくら俺の口癖でも、こんな変な謝り方はしないぞ」と言いたいのでしょうが、そのセリフを図書館で思い付いて嬉しそうに書いていたであろうジョーイを思うと、微笑ましくてつい笑ってしまいます。
こういう言い回しが「チャンドラーの口癖」であると知らないと、このセリフの面白みも、チャンドラーのあきれた顔、ジョーイの得意気な顔の意味もわかりません。
元ネタを知っているからこそわかるジョークの典型ですし、フレンズを最初のシーズンから見ている方なら楽しめるかな?と思ったので、説明させていただきました。
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2010年11月24日
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