2010年11月26日

どちらかと言えばどっちがいい? フレンズ5-11その1

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シーズン5 第11話
The One with All the Resolutions (新年の誓い)
原題は「決意ばかりの話」


モニカとレイチェルの部屋で大晦日のパーティーが行なわれています。
恋人同士のチャンドラーとモニカは、「新年のキスをしたいけど、誰もする様子がないから(自分たちだけすると目立っちゃうし)…」と悩んでいます。
二人の仲を知っているジョーイは、俺が何とかしてやるよ、俺に任せとけ、とばかりに、他のフレンズたちのところに向かいます。
(新年を迎えた瞬間に誰かとキスをする、というシーンは、フレンズ1-10 にも出てきました。)
ジョーイ: Ross! Ross! Ross, listen! Who are you kissing at midnight, huh? Rachel or Phoebe? (ロス! ロス! ロス、なぁ! 真夜中にロスは誰とキスするつもりなんだ? レイチェルかフィービーか?)
ロス: What? (何だって?)
ジョーイ: Well, you gotta kiss someone, you can't kiss your sister. (ほら、誰かにキスしなくちゃいけないだろ。お前は自分の妹とはキスできないし。)
ロス: Who's gonna kiss my sister? (誰が妹にキスすることになってるの?)
ジョーイ: Chandler. (チャンドラーだよ。)
ロス: Oh , man! Really? (あぁ、なんてこった! ほんとに?)
ジョーイ: Dude, dude, who would you rather have kiss your sister, me or Chandler? (なぁ、おい、お前はどちらかと言えば誰が妹にキスして欲しい? 俺か、チャンドラーかだったら。)
ロス: That's a good point. (それはいい点をついてるね。)
ジョーイ: Yeah. (そうだろ。)
ロス: Oh well, since I have that whole history with Rachel, I guess Phoebe. (あぁ、そうだなぁ、僕はレイチェルとはああいう過去があるから、(キスする相手は)フィービーかな。)
ジョーイ: Okay, great! (よし、それでいい。)
ロス: All right. (オッケー。)
ジョーイ: Pheebs! Pheebs! Listen. Ross wants to kiss you at midnight. (フィービー! フィービー! ねぇ、ロスは真夜中に君とキスしたいって。)
フィービー: So obvious. Why doesn't he just ask? (すっごくミエミエね。どうしてロス(自身)が頼まないの?[ロスが自分で頼めばいいのに])
ジョーイ: Rach! Rach! Listen, I'm gonna kiss you at midnight. (レイチェル! レイチェル! ねぇ、真夜中に俺が君にキスするからね。)
レイチェル: What? (何ですって?)
ジョーイ: Well, everyone's gotta kiss someone. You can't kiss Ross. You got the history. (ほら、みんな誰かにキスしないといけないだろ。君はロスとキスできない。君には過去があるからさ。)
レイチェル: So? (それで?)
ジョーイ: So? Who would you rather have kiss you, me or Chandler? (それで、って? どちらかと言えば誰が君にキスして欲しい? 俺かチャンドラーかだったら。)
レイチェル: Oh, good point. (あぁ、いい点をついてるわね。)
ジョーイ: Yeah! (そうだろ!)

Who are you kissing at midnight, huh? は「近い未来の予定」を表す現在進行形ですね。
at midnight は「真夜中に」という時点を表していて、カウントダウンでゼロ!になった瞬間の真夜中にキスすることを指しています。

you gotta kiss someone の gotta は got to = have got to = have to ということで、「お前は誰かとキスしなければならない」。
ジョーイは「新年だから誰かとキスしなくちゃな」と、それが決まりごとであるかのように言ってみせているのですね。
カウントダウンではしゃいでいたロスは、誰かとキスするつもりはなかったようなので、「ほら、新年恒例のキスをお前も誰かとするんだろ?」みたいに思い出させている感じです。
そうして、キスする相手は妹以外から選ばなくちゃな、実の妹にはキスできないだろ、と上手く話を進めていきます。

Who's gonna kiss my sister? の be gonna (= be going to) は、「このまま行くとこうなる」という予定を表しています。
ジョーイの言い方だと、妹モニカのキスの相手はもう決まってるみたいだけど、それは誰?というニュアンスですね。
相手がチャンドラーと聞いてがっかりしたような声を出す兄のロスですが、次のジョーイの一言で、ロスの態度がころっと変わるのが面白いです。

Who would you rather have kiss your sister, me or Chandler? について。
ここでは、使役動詞 have が使われています。
have someone kiss your sisiter で、「誰かに、妹にキスさせる」という意味になります。
使役動詞には他に、make や let などもありますが、「強制」的にキスさせるという make でもなく、キスすることを「許可」するという let でもない、もっとニュートラルな感じの have という使役動詞が使われていることにも注目して下さい。
直訳すると、「誰かが妹にキスする、という状態を持つ」というような感じでしょう。
その someone に当たる部分を、疑問詞 who にして文頭に出したのが、今回のセリフになります。
誰?と尋ねた後で、文の終わりに、A or B で選択させる形ですね。

would rather は「むしろ…したい」。
would rather A than B なら、「B するよりはむしろ A したい、B するくらいならいっそ A するほうがよい」という意味になります。
rather には「どちらかと言えば、むしろ」というニュアンスがあるためにそういう意味になるのですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
would rather : used when you would prefer to do or have one thing more than another.
つまり、「別のものよりも、あることの方をする、あるいは持つことを好む時に使われる」。

今回のセリフも、rather が入っているために、「もし、俺とチャンドラーのうちのどっちかを選ばないといけないとしたら? 二人のうちのどちらかと言えばどっちになる?」というニュアンスが感じられます。
相手がチャンドラーと聞いて、えー?みたいにいやそうに言ったロスに対して、「ロスはそんな風に言うけど、俺よりはむしろチャンドラーの方がましだと思うだろ?」と言ってみせているわけで、「あえて選ぶとすれば?」という「究極の選択」の選択肢の一つに自らを投入している感じです。
そう言われて、「それは良い点をついてるね。それもそうだね」みたいにあっさり了解するロスには笑ってしまいました。
プレイボーイのジョーイよりはチャンドラーの方がましだ、とロスは思ったでしょうし、フレンズ5-9 のラストでの「ジョーイとモニカがロンドンで寝た」という話を思い出したのかもしれません。
こうして、兄ロスが、チャンドラーとモニカのキスをあっさり認めたところで、ロスに相手を選ばせるジョーイ。

since は理由を表し、history は「経歴」のようなニュアンス。「過去」と訳しても良いかもしれません。
LAAD では、
history : SOMEBODY'S ACTIONS/EXPERIENCES all the things that someone has done or experienced
つまり、「誰かがしてきた、または経験してきたすべてのこと」。

I have that whole history with Rachel の that whole history は、ジョーイたちも知ってる「あの、例の」、あんなことやこんなことがたくさんあったそういう「全部の」 history みたいなニュアンスが感じられます。
レイチェルは元カノで、くっついたり離れたりとこれまでいろんな経緯があったから、という感じですね。

ロスが、妹と元カノ以外のフィービーを選んだのを確認して、今度はそのことをフィービーに伝えるジョーイ。
「ロスは新年のキスをフィービーとしたい、ってよ」と報告すると、「どうして?」とも聞かずに、So obvious. Why doesn't he just ask? と答えるフィービーが彼女らしいです。
obvious は、「(疑問の余地がないほど)明らかな、明白な」。
「ロスが私とキスしたいって? そんなこと、ミエミエだったからわかってたわよ、そんなことだろうと思ったわ」みたいな、「あたし、モテすぎて困っちゃうのよねぇ」みたいな感じの、自信満々のセリフになります。

Why doesn't he just ask? を直訳すると、「どうして、彼が(ただ)頼まないの?」みたいな感じでしょうか。
私と新年のキスをしたいのなら、ロスが自分で私に頼みにくればいいだけのことなのに、わざわざジョーイに伝えてもらうなんて、彼、恥ずかしいのかしら?みたいな余裕のセリフのように聞こえます。

キスする2組のカップルを完成させて、最後にジョーイはレイチェルのところに行きます。
真夜中のキスは俺とだからね、と言われて、は?となっているレイチェルに、ロスとはいろいろ過去があるから無理だろ、と説明するジョーイ。
レイチェルの So? は、そのジョーイの説明だけでは満足できず、さらなる説明を求めるニュアンス。
ロスとキスできないのはわかるけど、だからってどうして即、ジョーイとキスすることに決まっちゃうのよ?という感じです。

そこでジョーイが「俺とチャンドラーのうち、どちらかと言えばどっちがいい?」と、さっきロスに言ったのと同じような質問をするのに笑ってしまいます。
この場合は、「レイチェルが誰かにキスさせるとしたらどっちがいいか?」を尋ねています。
ジョーイは、モテないチャンドラーよりは、プレイボーイでキスの上手い俺の方がいいだろ?みたいに言っているのですね。
ジョーイとチャンドラーの二択なら、やっぱりジョーイを選ぶことになるわねぇ、とあっさりそれを認めるレイチェル。
ここでも、ロスの時と同じように、good point という返事になっているのも面白いです。
兄が選ぶ妹のキスの相手はプレイボーイじゃない方(もてない方)、女の子が自分で選ぶキスの相手はプレイボーイの方(もてる方)…という心理を突いて、ジョーイは上手く相手を丸め込んだ感じですね。

ジョーイにしては手際が良すぎる感じではありますが(笑)、まぁ、プレイボーイの彼なので、恋愛がらみの話では頭がよく回転する、ということはあるでしょう。
また、ドラマの脚本としてもテンポが良く、みんなが疑問にも思わずすんなり納得し丸く収まる様(さま)が実に見事だな、と感心しました。


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posted by Rach at 11:57| Comment(2) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに、言われてみればジョーイにしては手際が良すぎますね。

私は役者だから人をマッチングさせるのが上手なのかと思ってましたが、プレイボーイだから、の方が納得できました。

シーズン5のジョーイの不幸っぷりは見ていて楽しいです。
役者なのに嘘が苦手で、でも恋愛の嘘はつけるという
ギリギリの交わし方が面白いです。
Posted by マンガ英語のK at 2010年11月28日 15:01
マンガ英語のKさんへ
コメントありがとうございます。

やはりいつものオトボケジョーイを見ていると、ちょっと手際が良すぎる感じがしてしまうんですよね。恋愛面ではいつもより頭が回転する、というのも彼のキャラではあるのですが…。

シーズン5はどうしても、チャンドラーとモニカの仲が中心になってしまうので、プレイボーイのジョーイの影は薄いですよね。彼だけが秘密を知っているために板ばさみになっているのが何ともかわいそうです。
「役者なのに嘘が苦手」というのも実にジョーイらしいですよね。
Posted by Rach at 2010年11月29日 14:09
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