2010年12月08日

-lessと-freeの違い フレンズ5-11その6

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フレンズ5-11その3 のコメント欄 で、-less と -free のニュアンスの違いについての話題が出ました。
その2つの違いを調べていたら、なかなか面白かったので、今日はそれについて記事にします。

-less と -free はどちらも「…のない」と訳すことが可能ですが、研究社 新英和中辞典では、-less の語義として、「…を欠く」というのも出ています。
「欠く」という言葉のイメージは、「本来あるべきものを欠いている」という感じになるでしょうか。
(ちなみに、日本語で「ノースリーブのドレス」などと言いますが、ノースリーブは和製英語で、英語では、a sleeveless dress になります。)

それに対応する形で考えると、free は「フリー、自由」ですから、「自由な、束縛されていない」のようなニュアンスで、「本来課せられるべきもの(負担など)から”解放”されている」という感覚に繋がるように思います。
tax-free 「免税の、非課税の」の -free は、まさにそんな感じで、「課せられるべき税金が免除されている、課税の義務から逃れられている」というニュアンスを感じます。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、

-less : suffix [in adjectives]
1. not having something (SYN: without)

つまり、1. は「何かを持っていないこと。同義語 without」。

-free : suffix [in adjectives and adverbs]
without something that you do not want

つまり、「欲しくない何かがない」。

2つの単語の語義を比較してみると、どちらも、without 「…がない」というニュアンスは共通していますが、注目すべきは、-free の方の、something that you do not want の部分でしょうか。
「自分が欲しくないもの」がない、つまり、「いやなものから解放されている」ニュアンスですよね。


次に、-less と -free の両方を後ろにつけることが可能な care (careless, carefree)を使って、2つの違いを考えてみたいと思います。

careless は、「不注意な、軽率な」、
carefree は、「心配のない、気苦労のない、のんきな」
という意味。

LAAD では、

careless : not paying enough attention to what you are doing, so that you make mistakes, damage things etc.
つまり、「自分がしていることに対して十分な注意を払わない、その結果、間違いを犯したり、ものに損害を与えたりなどする」。

carefree : having no worries or problems
つまり、「心配や問題がないこと」。

-less は「あるべきものを欠いている」という意味で、-free が「いやなものから解放されている」という意味であるとすると、その両方を後ろにつけることが可能な単語は、「あるべきもの」にもなり、また「いやなもの」にもなる得るという二面性を持った単語、ということになりますね。

実際、care の語義を見てみると、
研究社 新英和中辞典では以下のように説明されています。

care(名詞)
1. 気にかかること
心配、気がかり、不安
2. 気にかけること
(細心の)注意、配慮、気配り


「かかる」と「かける」の違いで、意味がゴロッと変わってしまうのが日本語の面白いところですが、1. は「欲しくない、ない方がありがたい」ネガティブなニュアンスで、2. は「必要なもの」になりますね。

このように、care には両方のニュアンスの意味があるので、「必要なものを欠いている」という意味の -less と繋げると、「(必要な)注意が欠けている」→「注意不足」というニュアンスになり、「いやなものから解放されている」という意味の -free と繋げると、「(通常は感じがちな、いやな)心配から解放されている」というニュアンスになる、ということだと思います。


おまけになりますが、-less は、動詞の後ろにつくと、「…しえない、…しがたい」という意味になります。

LAAD では、
-less :
2. never doing something
例) ceaseless (=that never ends), harmless (=that will not harm you)
3. unable to be treated in a particular way, or never becoming a particular way
例) countless (=too many to be counted), tireless (=never getting tired)


2. は「何かを決してしないこと」。
ceaseless は「決して終わらない」(→「絶え間ない、やむことのない」)
harmless は「危害を加えることがない、傷つけない」(→「無害な」)

3. は「ある方法で扱うことができないこと、あるいはある様子・様式に決してならないこと」。
countless は「多すぎて数えることができない」(→「数え切れない、無数の」)
tireless は「決して疲れない」(→疲れを知らない、根気強い)

マスターカードのCMで使われていた「プライスレス(priceless)」という言葉は「きわめて貴重な、金で買えないほどの」という意味ですが、これも、「プライス(値段)がない」という名詞+-less ではなくて、「値をつける、値段をつける」という動詞 price に -less がついた形で、「あまりに貴重なので値段が付けられない」という意味になるわけです。

LAAD では、
priceless : so valuable that you cannot calculate a financial value
つまり、「非常に価値があるので、金銭的価値[価格]を計算・算出することができない」。

-less は「…がない」と訳されることが多いですが、何でもかんでも「…がない」と機械的に訳すのではなく、動詞についた場合は特に注意したいところですね。


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posted by Rach at 12:58| Comment(2) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。私の気まぐれな書き込みに対しかくも丁寧かつ深い解説をいただき恐縮しております。なんとなくボワーっと思っていたことが明確になりました。ありがとうございます。
拝見していて突如思い出したことがありました。pricelessという語です。昔LAにいた時のことです。、SFでコンサルタントをやっている友人と会い、どういう風にやればアメリカでうまくいくのか?と聞いたところ、彼いわく「顧客とpricelessの関係になること」とのことでした。当初私はあまり金を請求しない良心的な商売を意味しているのかと漠然と思っていて、本当の意味が分かったのはずいぶん後のことでした。
いつもお世話になっております。
Posted by koroyakun at 2010年12月09日 12:17
koroyakunさんへ
いえいえ、恐縮していただくようなことはありません。
私自身、その2つの違い、というのを「なんとなく」しかわかっていなかったので、今回はそれをじっくり調べる良い機会になりました。ありがとうございます。

priceless と聞いて、「値段がない、値段が付いてない」みたいな感覚で捉えてしまうと、おっしゃるような「お金を請求しない」というような意味に思ってしまいそうですよね。

マスターカードがその言葉をチャッチフレーズとして使っていることからも、priceless という単語は「お金では買えないほど貴重な、金額では算出できないほど有益な」というような、非常に”良い、美しい”意味やイメージがあるのでしょうね。

そのご友人のお話も、単に金銭面の損得では片づけられないような、損得勘定を抜きにした信頼関係を持つことの重要さを説いておられるのでしょうね。例えば他社の方が見積もりが安いけれど、それでも是非君に頼みたい、と思われるような関係とか、そういう感じでしょうか?

いつもご体験に基いた貴重なお話をありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
Posted by Rach at 2010年12月10日 12:34
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