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友達をからかってばかりのチャンドラーは、「あなたの新年の決意は、友達をからかったり、ばかにしたりしないことね」と言われてしまいます。
ロスには、「そんな決意は絶対に守れない、って方に50ドルかけるよ」とまで言われてしまい、友人をからかうような冗談をずっと我慢していたチャンドラーでしたが…。
[Scene: Central Perk, Phoebe, Ross, and Monica are there.]
セントラルパーク。フィービー、ロス、モニカがそこにいる。
チャンドラー: (entering) Oh good, okay, look. I can't take it anymore. I can't take it anymore. So you win. Okay? Here. (Hands him the 50 bucks he's about to owe him.) Pheebs? Flying a jet? Better make it a spaceship so that you can get back to your home planet! And Ross, phone call for you today. Tom Jones. He wants his pants back! And Hornswoggle? What, are you dating a character from Fraggle Rock? (He sits down and sighs in relief.) ([入ってきて] あぁ、いいよ。オッケー、いいか。もう我慢できない[耐えられない]。もう我慢できないよ。だから、お前の勝ちだ、いいな? ほら。[50ドルをロスに渡す] フィービー? ジェット機を飛ばす[操縦する]? ジェット機じゃなくて宇宙船にした方がいいよ、自分の故郷の星に戻れるようにね! それに、ロス、今日、お前に電話があったぞ。トム・ジョーンズからだったよ。トムは自分のパンツ[革パン]を返して欲しいってさ! それから、ホーンスワグルだって? お前は、フラグル・ロックに出てくるキャラクターとデートしてるのかよ? [チャンドラーは(ソファに)座り、安堵のため息をつく])
冗談を言えないことには耐えられない、とばかりに、自分の負けを認め、ロスに50ドルを支払うチャンドラー。
I can't take it anymore. は「もう耐えられない。もう我慢できない」という決まり文句ですね。
約束通り、金を払ったんだから、今まで我慢して言えなかったことを全部ぶちまけさせてもらうぞ、とばかりに、フレンズそれぞれに対して、チャンドラーは言いたかったことを機関銃のようにまくし立てています。
まずフィービーに対しては、飛行機の操縦に関してはまったくのド素人なのに「ジェット機を操縦する」と言ったことに対してからかっています。
Better make it a spaceship... の better は、You had better 「君は…した方が良い」の省略形ですね。
make it a spaceship の it は、a jet のことで、何かを飛ばしたいと思うのなら、ジェット機じゃなくて、スペースシップ(宇宙船)にすればいい、と言っていることになります。
so that you can get... は、「…するために、…できるように」という目的を表す副詞節。
you can get back to your home planet は「自分の故郷の惑星に戻ることができる」ですから、フィービーをまるで宇宙人のように表現しているわけですね。
飛行機の操縦経験もないくせに、今年の抱負は商用ジェット機を運転すること、だなんて、普通の人間の言うこととは思えない、そんな常識外れのことばかり言う君は異星人なんだろ、どうせならジェット機じゃなくて、宇宙船にして、そのまま故郷の星(惑星)に帰ったらどう?と言っているわけですね。
何だか、SFチックな表現、という気もしますが、planet を使った同じようなニュアンスのフレーズは、アカデミックな辞書である LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも載っています。
what planet is somebody from/on? also somebody is (living) on another planet :
(spoken) (humorous) used to say that someone does not seem to understand things that are clear to most people, or that their ideas are not at all practical or sensible
つまり、「(人)はどの惑星から来たの?」「(人)は別の惑星に住んでいる」というフレーズは、
「(口語)(ユーモラスな表現) ある人が、ほとんどの人にとって明らかな事柄を理解していないように見えること、または、その人の考えが全く現実的ではない、または分別がないこと、を言うために使われる」。
後半部分のことがまさにチャンドラーが言いたいことですね。
あまりに常識外れなことを言う人に対して、「わけわかんないこと言うなぁ。君は他の惑星から来た宇宙人?」と言ってからかうフレーズになります。
次の標的はロス。
ロスにはどうにも似合わないピチピチの革パンをはいていたことに対して、「お前に今日電話があったよ。トム・ジョーンズから。パンツを返して欲しいってさ」と言っています。
トム・ジョーンズは、「よくあることさ」(It's Not Unusual)、「思い出のグリーングラス」(Green Green Grass of Home)、「恋はメキ・メキ」(If I Only Knew) などで、日本でも有名な歌手ですよね。
Wikipedia 日本語版: トム・ジョーンズ (歌手)
Wikipedia 英語版: Tom Jones (singer)
IMDb: Tom Jones (I)
ワイルドでセクシーな雰囲気で人気でしたから、革パンのイメージとも確かに合う気がします。
フレンズ4-11その2 で、青いブレザーを着ているジョーイを見たチャンドラーが、"Donald Trump wants his blue blazer back." 「ドナルド・トランプは、自分の青いブレザーを返して欲しい、ってさ」と言おうとして、間違えて、back を black と言ってしまい、みんなに言い間違いを責められるシーンがあったのですが、そのセリフは今回のセリフにそっくりですね。
有名人が着ていそうな特徴的な服装を見た時に、「…が自分の衣装を返して欲しい、って言ってるよ」とツッコミを入れるのは、チャンドラーのジョークの典型系なパターンだと言えそうです。
その後、ロスがデートしていた相手の女性の名前に対してもチャンドラーは一言言いたいようです。
相手の女性が、Elizabeth Hornswoggle 「エリザベス・ホーンスワグル」という名前だったので、その名字にケチをつけています。
Fraggle Rock 「フラグル・ロック」は、アメリカで80年代に放映されていた人形劇。
日本でもNHKで放映していたようですね。(私は見たことあるようなないような微妙な感じなので、どんな作品かあまり知りません)
Wikipedia 日本語版: フラグルロック
Wikipedia 英語版: Fraggle Rock
フラグル(Fraggle)というのは、英語版ウィキペディアによると、humanoid creatures about 18 inches tall 「身長約18インチの人型生物」ということなので、その人形劇に出てくるキャラの生き物としての種類を指すようですね。
(ちなみに、「フラグルロック」というのは、その生物たちが住んでいる洞窟の名称らしい)
なので、それぞれの登場人物は、Gobo Fraggle (ゴーボー・フラグル)、Boober Fraggle (ブーバー・フラグル)のように、後ろにフラグルを名字のように付けた形がフルネームになっているようです。
チャンドラーは、「ホーンスワグル」という音から、「なんちゃら・フラグル」という名前のキャラクターがたくさん出てくるフラグルロックのキャラクターかよ!みたいにツッコミを入れているようですね。
そのような「フラグルロック」ネタとは別に、hornswoggle は動詞で「だます」という意味があるようです。
英辞郎では、
hornswoggle=【動】〈俗〉だます
the Free Online Dictonary : hornswoggle には、
To bamboozle; deceive
Slang to cheat or trick; bamboozle
deprive of by deceit
などの語義が出ています。
確かにどれも「だます」という意味の単語ですね。
ロングマンやマクミランには載っていませんでしたが、ネット検索すると、そういう意味だと説明してあるサイトがいくつか見つかりましたので、スラングでそういう意味がある、というのは間違いないようです。
それを考えると、「だます」という意味の名字であることに対しての発言やツッコミはないのかなぁ??と思ったりもするのですが…。とりあえず、チャンドラーが言いたくてウズウズしていたのは、フラグルロックの話だったようです。
ずっとジョークを封印されてチャンドラーも辛かったのでしょう、言いたいことをぶちまけた後、ソファにどっかり腰を下ろして安堵のため息をついているのに笑えますね。
チャンドラーのジョークを解説したくてこのブログを書いているような私も、チャンドラーのジョーク禁止令は辛かったです(笑)。
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今日のチャンドラーのフィービーに対するジョークですが、偶然S1の解説を読んでいたらありました!!(←何がぁ?!笑)
「きれいな歯 アリー3-17+フレンズ1-1その4」
の記事でアリーの例がだされていて、アリーがマークに"What planet are you from? "と聞いていました。
今回のこの記事とリンクしてる!!と発見して、ちょっとうれしかったのでコメントしました♪
というかこの質問、アリーが言う(言える)こととは思えません!(笑)
むしろアリーがその質問を受ける方だと思います…笑
すでに聞かれていたこと、もしかしてありましたっけ?
もう聞くまでもないかもしれませんね(笑)
あの事務所のみんなは視聴者からすれば"What planet are they from?"だと思いますし(笑)
アリーももう1回見直そっ!
ずらずらとしょーもないこと…みませんでした…
偶然の発見で、つい…
以上です^0^/
コメントありがとうございます。
自分の過去記事で、"What planet are you from?" というフレーズが登場していたのですね。すっかり忘れていました(笑)。
planet をそういう意味で使う、ということは頭のどこかにあったけれど、フレンズでは今まで出て来なかった気がしたので、自分で過去記事を検索してみたりもしなかったのです。発見していただけて、私もとっても嬉しいです。
おっしゃるように、そのセリフは「アリーがそう言われる側」という感じですよね。あそこの事務所の人はみんな「他の惑星から来た人?」と言いたくなるようなキャラばっかりですものねぇ。アリーもほんとに面白かったです、ドラマという作品としても、英語学習の素材としても。
また、フレンズの解説に絡めて、アリーのことも書けたらいいな、と思っています。
貴重な発見(!)ありがとうございました!