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シーズン5 第12話
The One with Chandler's Work Laugh (ゴマすりチャンドラー)
原題は「チャンドラーの仕事笑いの話」
チャンドラーの会社のパーティー。チャンドラーはモニカを同伴しています。他のフレンズたちがいないので、ここでは二人は恋人同士であることを隠す必要がない、と喜んでいます。
(Chandler's boss (Doug) walks up.)
チャンドラーのボス(ダグ)が近づいてくる。
ダグ: Hey, Bing! (Slaps him on his ass.) (Sees Monica) Wo-ho-ho, who's the pretty lady, and what the hell is she doing with you? (よお、ビング! [チャンドラーのお尻を叩く] [モニカを見て] うぉー、その可愛い女性は誰だ? そして、彼女はお前と一体何をしてるんだ?)
チャンドラー: I asked myself that very question, sir. Uh, (Points to Monica) this is Monica. (Points to his boss.) This is my boss, Doug. Doug, this is Monica. (まさにその質問を自分自身にしましたよ。あぁ、[モニカを指差して] この人はモニカです。[ボスを指差して] こちらが俺のボスのダグだ。ダグ、こちらはモニカです。)
モニカ: Hi, nice to meet you! (はーい、初めまして[お会いできて嬉しいです]!)
ダグ: Hi! And this is my wife, Kara. (よお! そして、これが俺の妻、カーラだ。)
カーラ: Nice to meet you, Monica. Bing! (Slaps Chandler on his butt.) (初めまして、モニカ。 ビング! [チャンドラーのお尻をバチンと叩く])
チャンドラー: Okay. (はいはい。)
ダグ: Hey, uh, Bing, did you hear about the new law firm we got working for us? (なぁ、ビング、我々が雇っている[仕事をさせている]新しい法律事務所のことを聞いたか?)
チャンドラー: No, sir. (いいえ、聞いていません。)
ダグ: Yeah, Dewey, Cheatem & Howe. (あぁ、デューイ・ティーテム&ハウって名前なんだ。)
(Chandler does a fake laugh.)
チャンドラーは(わざとらしい)作り笑いをする。
ダグ: Come on, honey, let's go drink our body weight, huh? (They walk off leaving Chandler and Monica alone.) (さぁハニー。自分の体重分くらいの酒を飲もう。[ダグ夫妻は去り、チャンドラーとモニカだけが残される])
チャンドラーが珍しく女性を同伴しているのを見て、上司のダグはチャンドラーを冷やかしています。
モニカのことを、the pretty lady と褒めた後、What the hell is she doing with you? のように強意語 the hell を使って、そんな可愛い女性が、お前みたいなやつと一緒に、一体ここで何してるんだ?みたいなことを言っていますね。
そんな素敵な子がお前と一緒にいるなんて信じられないよ、というところでしょう。
それに対するチャンドラーのセリフ、I asked myself that very question, sir. は、「僕も僕自身に、まさしくその質問をしました」ということで、「僕もそう思ったんですよね、どうして彼女みたいな(素敵な)女性が僕と一緒にいてくれるのかなぁ、って」みたいな感じです。
ダグのセリフは、モニカを褒めることで、チャンドラーを親しみを込めてけなしているわけですが、それをチャンドラーは素直に受け止めている感覚ですね。
ちなみに、語尾に sir がついていますが、これは、"Yes, sir." 「イエッサー」の sir と同じで、「年上、目上、立場が上の人」に対して話す時につける呼び掛け語ですね。
チャンドラーはフレンズたちとはいつもおちゃらけていますが、会社ではちゃんと sir をつけて丁寧な話し方をしている、という部分にも注目したいところだと思います。
この sir については、研究社 新英和中辞典に、
sir
(用法) 日本語ではこの語を訳さず文全体を丁重に訳せばよい場合が多い。
Good morning, sir. 「おはようございます」
という説明がされていますが、まさにそういうことですね。
今回のやり取りで、チャンドラーが sir を使っているセリフは、部下が上司に対して丁寧な言葉で話している、というイメージで聞くことができれば良い感じだと思います。
ダグとモニカを紹介し合った後、ダグは自分の妻のカーラを紹介します。
モニカには普通に挨拶していますが、チャンドラーに対しては、Bing! と力を込めて呼んで、お尻をバシッと叩くところは、夫のダグと同じですね。似た者夫婦であることがこのシーンだけでよくわかります。
ダグは新しい法律事務所(law firm)のことを聞いたか?とチャンドラーに尋ねています。
Did you hear about the new law firm we got working for us? の we got working for us は、前の the new law firm にかかっています。
元々の形は、we got the new law firm working for us になります。
work for は「…のために働く」ですから、「…のために仕事をしている、…に雇われている」というニュアンス。
get someone doing は「(人)に…させる」という使役動詞で、doing のニュアンスをもう少し出して訳すと、「(人)が…している状態にさせる」という感覚。
直訳すると、「我々(の会社)は、我々のために、その新しい法律事務所に仕事させているという状態にした」というところで、簡単に言うと「わが社は、その新しい法律事務所を雇って、今、うちのために働いてもらっている」ということでしょう。
その the new law firm が about につく形で前に出た形が、ダグのセリフになります。
英語の語順どおり、前から順番に意味を取っていこうとすると、「お前は聞いたか? 例の新しい法律事務所のこと。わが社が仕事をさせている…(あの事務所のことだよ)」みたいな感じになると思います。
ジョーク好きのダグは、「その事務所の名前は Dewey, Cheatem & Howe っていうんだ」と言って笑い、チャンドラーも一緒にわざとらしく作り笑いをしてウケています。
それに対するフォローも何もないので、その「名前そのもの」がジョークであることが想像できますね。
この名前は、でたらめ法律事務所の名前としてよく使われるネーミングのようです。
そのものバッチリがウィキペディアにありました。
Wikipedia 英語版: Dewey, Cheatem & Howe
ウィキペディアの冒頭の説明を引用させていただくと、
Dewey, Cheatem & Howe ("Do we cheat 'em? And how!") is the gag name of a fictional law firm or fictional accounting firm, used in several parody settings.
つまり、「Dewey, Cheatem & Howe ("Do we cheat 'em? And how!") は、架空の法律事務所または会計事務所のギャグの名前で、いくつかのパロディーの設定で使われる。」
そのウィキペディアの説明にあるように、その名前を発音すると、"Do we cheat 'em? And how!" に聞こえるので(cheat 'em = cheat them)、「俺たちはやつらを騙すの? で、どうやって?」というセリフに聞こえてしまうのですね。
信頼して仕事を任せているはずの相手なのに、名前には実はそういうメッセージが隠されている、みたいなブラックジョークというところでしょうか。
その法律事務所のメンバーが、相手の騙し方を相談しているかのようなセリフになっているのが面白いわけです。
日本のドラマやアニメなどでも、人の良さそうなセールスマンが名刺を出した時、「腹黒 伊造(はらぐろ・いぞう)」みたいな名前だったりすると、そういう顔をして実は裏で何かたくらんでいることを匂わせる効果があったりしますよね。
今回ダグが使ったネーミングは、そういう架空のでたらめな名前として有名なものだったので、チャンドラーも聞いた瞬間に大ウケしたふりをしている、英語ネイティブならピンと来るのであえてそれ以上の説明は必要なかった、というところです。
法律事務所の名前は、共同経営者の名前を & で繋げた名前が多いですよね。
アリー my Love (Ally McBeal)で、アリーの法律事務所の名前は、共同経営者であるJohn Cage (ジョン・ケイジ)と、Richard Fish (リチャード・フィッシュ)の両人の名前を取って、Cage & Fish (ケイジ&フィッシュ)という名前でした。
今回も、複数の名前を & で繋げたような事務所名になっているところが、いかにも「それっぽい」感じがするわけです。
ダグは let's go drink our body weight と言って、さらに酒を飲むためにその場を離れます。
この our body weight は「自分の体重」のことですね。
研究社 新英和中辞典には、
weight=【U】 (…の)目方に相当する量
という訳語が出ていますので、今回のセリフももそういう「自分の体重に相当する量」という意味で使っているように思います。
自分の体重分くらいの分量の酒をガンガン飲むぞー、と景気良く酒コーナーに向かった感じなのでしょうね。
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どうしてここが笑えるのが分からなかったのですが、そういう事だったんですね。
確かに法律事務所はパートナーの名前を連ねたような長いのが多いですね。私が仕事で以前お付き合いのあったのは
Masuda, Funai, Eifert & Mitchell Ltdというところで封筒に宛名書くと大体納まらず2行になってました。長いのは10人位名前が連なっているのがあるそうです。
なるほど、と言っていただけて光栄です。ありがとうございます。
koroyakunさんへ
今回の件は、ウィキペディアにそのものズバリがあったので、いろいろ悩まずに済みました(笑)。それくらい、あちこちで使われる有名なギャグネーミングだということですね。
やっぱり、法律事務所の名前はそういうパターンが多いんですね。共同経営者の場合は、そうやってもれなくタイトルに入れないといけないんでしょうね。日本の銀行が合併した時の長い名前を彷彿とさせます。
I don't know whether there are different versions of the episode. In the one I watched, Doug says "Dickem, Stickem & Run" though with similiar meaning as "Dewey, Cheatem & Howe". (Dick & Stick both have meaning of "cheat"
After reading your comment, I searched the net. Apparently, there is another version of this episode using the name "Dickem, Stickem & Run" instead of the well-known gag name "Dewey, Cheatem & Howe."
The Free Online Dictionary says;
dick :
tr.v. Vulgar
1. To take advantage of; cheat
stick :
16. (Slang) To defraud or cheat
So, as you say, "Dickem, Stickem & Run" means "Cheat them and run!" (やつらをだまして、逃げろ!)
Thank you for your interesting information.