ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。


オーディションで、洗練された男の役をゲットしたいジョーイのために、ファッション業界で働いているレイチェルが服を選ぶのを手伝うと申し出ます。
[Scene: Bloomingdale's, Rachel is fixing Joey up with some new clothes.]
ブルーミングデールズ(レイチェルの職場)。レイチェルは、新しい洋服で、ジョーイの身なりを整えてあげているところ。
レイチェル: Okay now Joey, you know that since you're returning all this stuff right after the audition you're gonna have to wear underwear? (オッケー。それでね、ジョーイ、オーディションのすぐ後に、あなたはこの服を全部返却することになるから、下着を着なくちゃだめだってこと、わかってるわよね。)
ジョーイ: All right. You'd better show me some of that too, then. (わかったよ。それじゃあ、下着もいくつか見せてくれた方がいいな。)
レイチェル: Okay, it's missing something. Ooh, I know! Umm, okay. (Goes and grabs a bag, that looks like a purse, and shows it to Joey.) ([ジョーイの言葉に笑った後、ジョーイの全身を見つめながら] オッケー。何か足りないのよね。あぁ、わかった! よし。 [行って一つのバッグをつかむ、それはパース[ハンドバッグ]のように見える、そしてそれをジョーイに見せる]
ジョーイ: Really? A purse? (まじで? ハンドバッグ(を持て、って)?)
レイチェル: It's not a purse. It's a shoulder bag. (ハンドバッグじゃないわ。ショルダーバッグよ。)
ジョーイ: It looks like a woman's purse. (女性用ハンドバッグに見えるよ。)
レイチェル: No Joey, look. Trust me, all the men are carrying them in the spring catalog. Look. (Shows him.) See, look. Men... carrying the bag. (いいえ、ジョーイ、見て。信じてよ、男性はみんな春のカタログで、そのバッグを持ってるのよ。ほら。[ジョーイに(カタログを)見せる] ほら、見て、男性よ…そのバッグを持ってる。)
ジョーイ: See, look. Women... carrying the bag. (He puts it on his shoulder and looks at himself in the mirror and likes what he sees.) But it is odd how a woman's purse looks so good on me, a man. (ほら、見て、女性だ…そのバッグを持ってる。[ジョーイはそのバッグを肩にかけ、自分の姿を鏡で見る。そして、自分の見ている姿を気に入る] でも、女性用バッグが俺にそんなに似合ってるように見えるのって奇妙だよな。俺は男なのに。)
レイチェル: Exactly! Unisex! (その通りよ! ユニセックス[男女兼用]だもの!)
ジョーイ: Maybe you need sex. I had sex a couple days ago. (多分、セックスが必要なのは君の方だよ。俺は2、3日前にセックスしたから。)
レイチェル: No! No, Joey. U-N-I sex. (違う! 違うわ、ジョーイ。ユー・エヌ・アイ・セックスよ。)
ジョーイ: Well, I ain't gonna say no to that! (そうだな、俺はそれについてはノーとは言わないぜ。)
レイチェルは、ジョーイにおしゃれな服を着せながら、you know that... 「…のことはわかってるわよね」と念押ししています。
since は理由を表す接続詞で、「オーディションの直後にこの服全部を返すことになるから[返すことになってるから]」というニュアンス。
オーディションのために高価な服を(友達のよしみで)貸してあげてるだけなんだから、ちゃんと下着をはいてよね、と言っているわけです。
ジョーイが服の下に下着(パンツ)をはいていない、という話はこれまで何度も出てきましたね(笑)。
今日は上の服は借り物なんだから、下着をちゃんとつけてよ、と言われて、「そう言うのなら、下着もいくつか見せてくれよ」と言うジョーイ。
下着は見えないので自分の持っているものをはけばいいのに、ついでに上等な下着も一緒に貸してくれ、と言っているわけですね。
服を着たジョーイの全身を見ながら、「何かが足りない」と言った後、レイチェルは思い出したようにそばに置いてあったバッグを持ってきます。
ジョーイはそれを見て、A purse? と言っていますね。
purse は日本語になっているように、「パース、口金つきの財布、小銭入れ」ですが、アメリカでは「女性用ハンドバッグ」のことも purse といいます。
フレンズで purse といえば、たいてい、財布ではなく、バッグの方を指しますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
purse [noun] [countable] : a bag, often made of leather, in which a woman carries her money and personal things
つまり、「バッグ。たいていは革製、女性はお金や個人の持ち物をその中に入れて持ち歩く」。
ハンドバッグじゃなくて、ショルダーバッグよ、と言いながら、肩にかけてみせるレイチェルですが、ジョーイはもっとはっきりと、「”女性用の”ハンドバッグに見える」と言っています。
レイチェルは、男性もこれを持ってるのよ、と主張するために、春のカタログを見せています。
ページをめくりながら、そこに出てくる男性たちが、そういうバッグを持っている、と説明していますね。
carry は「運ぶ」が基本的な意味ですが、このようなバッグの場合だと「(身につけて)持ち歩く、携行する、携帯する」ようなニュアンスですね。
最初は女物みたいだ、と文句を言っていたジョーイですが、それを肩にかけてみた姿を鏡で見て、まんざらでもないじゃん、みたいな顔をして、女性用のバッグが俺にこんなに似合っちゃうなんて、奇妙・変だよな、と言っています。
me, a man は同格で、「俺、つまり男の俺」みたいな感じです。
男にも似合うなんて不思議だ、というジョーイに、だってそれは unisex だもの!とレイチェルは言っています。
ユニセックスは日本語になっていますが、「男女兼用・両用の、男女共用の、男女の別のない」という意味ですね。
uni- は「単一」という意味を表す連結形ですから、「男女に分かれていない単一の性」というようなことから、そういう意味で使われるのですね。
その unisex という言葉を聞いた後の、ジョーイの返しがいかにもジョーイらしいです。
ジョーイは、Maybe you need sex. と言っていますが、それは、レイチェルが言った、unisex 「ユニセックス」という言葉を、You need sex. 「ユー・ニード・セックス」と聞き間違えているのですね。
You need sex! と言われたと思ったジョーイは、"I need sex? No, I don't need sex 'cause I had sex a couple days ago. Maybe YOU need sex." 「俺は、2、3日前にエッチしたばっかりだから、エッチは必要ないよ。必要なのは多分、君(レイチェル)の方だよ」みたいに返したわけですね。
ジョーイが勘違いしているのに気付いたレイチェルは、ユニという発音ではわからないと思って、今度はアルファベットのスペルで、U-N-I 「ユー・エヌ・アイ」だと説明します。
それを聞いたジョーイは、「俺はその件に対しては、ノーとは言わないよ」みたいに答えていますが、今度は、U-N-I 「ユー・エヌ・アイ」を、You and I 「ユー・アンド・アイ」と聞き間違えているわけです。
レイチェルが、「私は、You need sex. と言ったんじゃなくて、You and I sex. と言ったのよ」と訂正したのかと思って、「君と俺がエッチするってこと? 俺としてはその提案にノーとは言わないよ、オッケーだよ」と言って、ニヤニヤしているわけですね。
ain't は am not の縮約形ですが、非標準的用法とされています。
ドラマや映画でのラフなセリフや、歌詞などでよく見かける気がしますが、フレンズでは案外使われていません。
今回も、I'm not going to say no to that と言うところを、わざと口説き文句風にラフに言った感じを出しているのだと思います。
今回のこのやり取り、sex という単語を聞くと、「性別」のことではなく「行為」のことしか思いつかないプレイボーイのジョーイらしいセリフでしたが、uni という言葉を、You need、そして、You and I のように2回聞き間違える、というところが、脚本としてなかなか凝っているなぁ、と思いました。
歌の歌詞や、あるいは Twitter での略語などでも、you を U と表現することはよくあります。
また、need の語尾の -d は、音としてはほとんど聞こえませんから、uni- と you need は非常に似た感じに聞こえます。
そして、rock and roll を rock 'n' roll と表記するように、2つの言葉を結ぶ and は、軽く発音されて軽い「エン」のように聞こえるため、U-N-I を、you and I に聞き間違えてしまう、というのもありそうな話です。
似た言葉に聞き間違えるというのは、日本語の漫才にもよく登場する、言わば「ジョークの本流」ですね。
ジョーイが答えるセリフを英語で聞いて、ジョーイがどういう聞き間違いをしたのか?にピンと来るようになれば、いい感じ!だと思います。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。


勤め人としてはお正月休みももうあっけなく終りです。
今までのお礼の言葉は次の31日のブログへのコメントでさせていただきまして、順序が入れ替わりになりましたが、もう一度このブログを見て、なるほどunisexとU-N-I-sexの会話は面白いと改めて思いました。単純ですが面白い。とてもおしゃれですよね。それとともに発音の言い方、聞こえ方が日本人の自分にもすごくなじむやり取りだなと感じました。ネイティブも同じなんだ、という感じです。ユーニーセックス、ユーエンヌアイセックス、という響きに違和感はなくすんなり理解できました。Friendsは本当に勉強になります。
コメントありがとうございます。
お勤めの方のほとんどは、もう今日(1月4日)から仕事始め、ですよねぇ。お正月休みは本当にあっという間ですよね。
そんな貴重なお休みの中、記事をしっかり読んで下さった上でのコメント、ありがとうございます。
今回のジョーイとレイチェルのやり取りは、DVDを見ながら声に出して笑ってしまいました。
おっしゃるように「単純だけど面白い」、そこがとてもフレンズらしいと思います。ジョーイは簡単な英文に勘違いしているので、日本人にもすんなり理解できるところも嬉しいですよね。
uni で一度、U-N-I と文字で説明してもう一度、2回続けて勘違いするところが、「よくできているなぁ」と感心してしまいます。またその勘違いする内容がいかにも「ジョーイらしい」のが、余計に微笑ましくて楽しいんですよね。
こういう部分を一緒に楽しんでいただけるととても嬉しいです。ありがとうございます。
まだ聞き取り力がイマイチなので、初回に見たとき、You need sex. You and I sex.とジョーイのまんまの聞き違いをして、いったいレイチェルは何を言っちゃってるんだろう、と思ってしまいましたが、2回めで理解して大笑い。"Omnipotent"に続いて、字幕や吹き替えでは味わえない醍醐味を堪能です。
こんにちは。コメントありがとうございます。
ずっと前から読んで下さっていること、拙ブログを参考にして下さっていること、とても光栄で嬉しいです♪
こういう「英語の聞き間違い」は、簡潔に和訳するのが非常に難しい部分ですよね。DVDの和訳担当の方も説明したくてウズウズされていることと思うのですが、そういうところをブログで説明させていただいて、それを皆さんとシェアできるのが本当に楽しいなぁ、と思います。
1-4 の "Omnipotent." も実に説明しがいのあるセリフで^^ フレンズの脚本の面白さを堪能していただくことのお手伝いができたとしたら、とても嬉しく思います。
セリフを一緒に楽しんでいただけていると感じられることが、ブログ継続の大きな励みになっています。
温かいお言葉ありがとうございました<(_ _)>