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チャンドラーとモニカの仲を知ったフィービーは、二人をからかうために、チャンドラーに気があるようなふりをします。
チャンドラーのお尻をつねったり、とだんだんエスカレートしていくフィービーの態度に、フィービーが二人の仲を知っていてからかっていることに気付くモニカたち。
そっちが知らないふりをするのなら、こっちもそれに気づいてないふりをするわ、と、状況は「だまし合い合戦」のようになってきました。
(The phone rings and Rachel answers it.)
電話がなり、レイチェルが出る。
レイチェル: Hello! (Listens) Oh yeah! Hey! Hold on a second. She's right here. (To Phoebe) It's Chandler. (はーい! [電話を聞いて] あぁ、そうね。ええ。ちょっと待ってね。彼女はここにいるから。[フィービーに] チャンドラーよ。)
フィービー: (in a sexy voice) Oh? (Takes the phone from Rachel.) Hello, you. ([セクシーな声で] まぁ? [レイチェルから電話を受け取って] はーい、あなた。)
チャンドラー: Hello, Phoebe, I've been thinking about you all day. (He's holding the phone so that Monica can hear it as well.) (はーい、フィービー。一日中君のことを考えてたんだ。[チャンドラーは(横にいる)モニカにも聞こえるように電話を持っている])
フィービー: Eh? (え?)
チャンドラー: Well, you know that thing you said before, I'd be lying if I said I wasn't intrigued. (そうだな、ほら、前に君が言ったあのことだけど、もし俺が興味をそそられなかったと言ったら、嘘になるよ。)
フィービー: Really? (ほんとに?)
チャンドラー: Yeah, listen, Joey isn't gonna be here tonight, so why don't you come over and I'll let you uh, feel my bicep. Or maybe more. (あぁ、ねぇ聞いてよ、今夜ジョーイはここにいないから、だから、こっちに来たらどう? 俺のニ頭筋を触らせてあげるよ。もしくは、多分、それ以上も。)
フィービー: I'll have to get back to you on that. Okay, bye! (Hangs up.) Oh, my God! He wants me to come over and feel his bicep and more! (その件については、後であらためて連絡しなくちゃ。それじゃあ、バイバイ。[電話を切って] なんてこと! チャンドラーは、私に来て欲しいって、そしてニ頭筋やそれ以上を触って欲しいって!)
レイチェル: Are you kidding? (冗談でしょ?)
フィービー: No! (いいえ!(冗談じゃないわ))
レイチェル: I cannot believe he would do that to Mon-- Whoa! (She stops suddenly and slowly turns to point at Joey. Joey is avoiding her eyes.) Joey? Do they know that we know? (チャンドラーがモニカに対してそんなことをするなんて信じられないわ… ちょっと待った! [レイチェルは突然止まり、ゆっくり振り返りジョーイを指差す。ジョーイはレイチェルの視線を避けている] ジョーイ? 私たちが知ってるってこと、二人は知ってるの?)
ジョーイ: No. (いいや。)
レイチェル: Joey! (ジョーイ!)
ジョーイ: They know you know. (君たちが知ってることを二人は知ってる。)
レイチェル: Ugh, I knew it! Oh, I cannot believe those two! (あー、そんなことだろうと思ったわ! あぁ、あの二人、信じられない!)
フィービー: God, they thought they could mess with us? They're trying to mess with us? They don't know that we know they know we know! (Joey just shakes his head.) Joey, you can't say anything. (全く、私たちを困らせることができると思ってたのね? 二人は私たちを困らせようとしてるのね? 私たちが知ってるってことを二人が知ってるってことを私たちが知ってるって、二人は知らないわ! [ジョーイはただ首を振る] ジョーイ、何も言っちゃだめよ。)
ジョーイ: Couldn't if I wanted to. (言いたいと思っても、言えないよ[言うことができないよ]。)
チャンドラーが電話をかけてきたので、フィービーはお色気作戦を続行します。セクシーな声で、Hello, you. と呼び掛けますが、チャンドラーが返してきたのは意外な言葉でした。
I've been thinking about you all day. は、継続を表す現在完了進行形で、「一日中ずーっと、君のことを考えてたんだ」というニュアンス。
相手にぞっこんで、相手のことが片時も頭から離れない、みたいな感じですね。
恋人に対してよく使われる言葉であり、また、継続を表す現在完了進行形のニュアンスを掴むのに最適なフレーズだと思います。
フィービーが情熱的に迫ってくるので、チャンドラーはおどおどしてびびっていると思っていたのに、思いがけない返事が返ってきたので、フィービーは「え?」または「へ?」みたいな、すっとんきょうな声を上げています。
驚くフィービーに、チャンドラーはさらに思わせぶりなセリフを続けます。
you know that thing you said before を直訳すると、「君が前に言ったあのことを知ってるだろ」みたいな感じになり、フィービーが少し前にチャンドラーに言っていた思わせぶりな言葉を、フィービー自身に思い起こさせているようなニュアンスになります。
「ほら、前に、あんなこと言ってただろ、そのことなんだけどさぁ」みたいな感じでしょう。
I'd be lying if I said I wasn't intrigued. は、仮定法過去の文。
直訳すると、「(フィービーが前に言ったあの言葉に)もし俺が興味をそそられなかったと言えば、俺は嘘をついているだろう」のようになるでしょう。
つまり、「そそられなかったと言えば嘘になる」→「実はあの言葉に、俺はそそられちゃったんだよね」と言っていることになります。
日本語でも、「・・・だと言えば嘘になる」みたいな表現は存在しますから、似たような表現があるのはなかなか興味深いですね。
単純に「そそられちゃったんだ」というよりも、「そそられなかったと言えば嘘になる」という回りくどい言い方を用いることで、セリフをよりドラマチックにしている感じでしょう。
why don't you...? は「・・・したらどう?」と相手を勧誘するニュアンス。
セントラルパークで、フィービーがチャンドラーのニ頭筋に興味を示していたことから、「今晩ジョーイはいないから、うちに来たらどう? ニ頭筋を触らせてあげるよ」と言うのですが、チャンドラーは「ニ頭筋だけじゃなく、それ以上も」などと付け加えています。
形勢逆転しているのを感じとって、ちょっと悪ノリしている感じでしょう。
get back to someone は「人に返事をする、人に電話をかけ直す、改めて・折り返し連絡する」。
on that は「その件について、その件に関して」のようなニュアンスですね。
「うちに来ない?」と誘われてしまったことに対して、今ここでは即答できかねるので、「その件については、また後であらためて連絡するわ!」と言って、慌てて電話を切ったわけです。
電話を切った後、フィービーはチャンドラーの発言内容をレイチェルに報告しています。
I cannot believe he would do that to Mon-- のように、発言が途中で切れていますが、to Monica と言おうとして、レイチェルはハタと気付いたわけですね。
「チャンドラーが(恋人)モニカに対してそんなことをするなんて信じられない」というのは、モニカというラブラブの恋人がいながら、フィービーの誘いにホイホイ乗ってくるなんておかしいわ、という意味です。
レイチェルは、チャンドラーとモニカは私たちが知っていることに気付いてる、という事実に気付いて(ややこしいですね…笑)、真相を知っているはずのジョーイにキツい感じで質問します。
最初はしらばっくれるジョーイですが、Joey! と強い調子で言われると、本当のことを話してしまうのも、いつものジョーイのパターンですね。
mess は名詞では「めちゃくちゃ、散らかっていること」などを指し、他動詞では「…をめちゃめちゃにする、台無しにする」という意味があります。
mess with の形だと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、以下のように出ています。
mess with [phrasal verb]
2. mess with somebody : to deliberately cause trouble for someone
3. mess with somebody/something : to try to deceive or confuse someone
2. は、「人に故意に迷惑をかける」、3. は「人を欺(あざむ)く・騙す、または困惑・混乱させようとする」。
今回のニュアンスは、「騙す」とか「困らせようとする」という感じが近いように思います。
they thought they could と言ったあと、they're trying to とも言っています。
mess with us できると思ってた、そして、今も mess with us しようとしてるのね、というニュアンスですね。
その次の、They don't know that we know they know we know! は、もうひたすら前からSVの意味を取っていくしかありません。
自然な日本語にしようとすると、上で訳したように、後ろから訳し上げるような形になってしまいますが、セリフのように音で聞いて英語を英語のまま理解するためには、文の最後まで待っていてはそれまでの意味を忘れてしまいます。
前から意味を取ると、「彼らは知らないの」→(何を)→「私たちが知ってるってことを」→(何を)→「彼らが知ってるってことを」→(何を)→「私たちが(チャンドラーとモニカの仲を)知ってるってことを」になります。
チャンドラーは私たちの作戦に気付いて、逆にこちらを騙そうとしている、そのことに私たちが気付いたことはまだ彼らは知らないわ、ということですね。
知ってるだの知らないだの、話がややこしくなってきたので、ジョーイの頭は混乱しています。
あぁ、もう勘弁してくれよ、という風に首を振っていますね。
2組の間で板挟み状態になっているジョーイに、「何も話しちゃだめよ」とクギを刺すフィービーですが、それに対して、Couldn't if I wanted to. と返すジョーイも楽しいです。
これも仮定法過去の文章で、「もしチャンドラーたちに何かを言いたいと思っても、言うことができない」という意味になります。
言うことができないのは、フィービーたちに後で怒られるから、とかではなくて、誰がどこまで何を知っているか、という話がややこしくて、ジョーイの頭の中で整理ができていないからですね。
ジョーイは、もう嘘をつき続けるのはいやなので、話せるものなら話したいのでしょうが、話したくても話がややこしすぎて、どうせ説明できないし、と返事していることになるわけです。
They don't know that we know they know we know! という状況を、ジョーイだけがきちんと理解できていないのが、ジョーイの表情や態度からわかるので、「話したくても話せない」というオチで笑えるわけですね。
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ちょうど最近、この辺りのエピソードを観てます。
"They don't know that ..."の状況を考えると頭がこんがらがってきます。僕もジョーイ並みのようです。(笑)
こんにちは! コメントありがとうございます。
ちょうどこの辺をご覧になっておられるのですね。タイムリーで良かったです。
"They don't know that..." のくだりは面白いですよね。日本語からすると、思考の流れが逆向きになっているようなところがありますから、しゅぺさんだけではなく(笑)、日本人にはある意味、パッとイメージしにくいセリフだと思います。ほんと、こんがらがっちゃいますよね。
英語圏の人の場合は、同じような言葉が連続するとはいえ、これが通常の思考の流れなのでしょうから、普通はどんなに長くても、すんなり頭に入ってくるのでしょうね。その中でジョーイだけがこんがらがっている、というのが、いつものお決まりのパターンで、微笑ましいですよね。