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シーズン5 第15話
The One with the Girl Who Hits Joey (チャンドラーが結婚宣言!?)
原題は「ジョーイを殴る女の子の話」
前回のエピソードの最後、裸のブ男が住んでいた部屋に住むことになったロスは、窓からチャンドラーとモニカがエッチしているところを目撃してしまいます。
今回のエピソードの最初では、部屋に駆け込んで来てそのことを責めるロスですが、二人が本当に愛し合ってると知り、意外とあっさり(笑)、二人の仲を認めることとなります。
これで、フレンズのみんなが知ることとなり、チャンドラーとモニカは、晴れて公認の仲となったわけです。
[Scene: Central Perk, everyone is there.]
セントラルパーク、みんながそこにいる。
ロス: Hey, you know what I just realized? If you guys ever have kids-- (ねぇ、今、気づいたんだけどさぁ。もし君らが子供を持つとすると[君たちに子供ができるとしたら]…)
チャンドラー: (interrupting) Whoa-whoa-whoa! We're having kids? ([ロスが言うのをさえぎって] ちょっとちょっと待てよ! 俺たちが子供を持つ、だって?)
ジョーイ: (quickly) I call godfather! ([素早く] 俺、名づけ親ね!)
ロス: You can't just call godfather. Don't you think her brother should be godfather? (名づけ親をただ宣言することなんてできないよ。モニカの兄が名づけ親になるべきだと思わない?)
ジョーイ: Sure. If you cared enough to call it first. (確かにね。もし、名づけ親に最初に名乗りを上げるほどそのことを気にかけてるんだったらね。)
モニカ: Guys, you're a few steps ahead of us. (ねぇ、あなたたちは私たちより何歩も先を行ってる[先走ってる]わよ。)
チャンドラー: Yeah, big zero gravity moon steps. (そうだよ、大きな、無重力の、月での何歩かだよ。)
公認の仲となったことから、フレンズたちは早速二人を冷やかしています。
ロスが、「君たち二人が子供を持つことになったら…」などと言い出すので、チャンドラーは慌てていますね。
子供の話が出た途端、ジョーイはさっと手を上げて、I call godfather! と言っています。
「ゴッドファーザー」と言えば、マフィアを描いたフランシス・フォード・コッポラ監督の映画「ゴッドファーザー」(原題:The Godfather)を思い出す方も多いと思いますが、元々、godfather というのは、「(キリスト教での)名づけ親」という意味です。
研究社 新英和中辞典では、
godfather= 【名】【C】
1. 教父、名親、代父 (解説:生まれた子の洗礼式に立ち会って名を与え、霊魂上の親として宗教教育を保証する)
stand godfather to a child 「子供の名親になってやる」
(用法:役目を示す時は無冠詞)
3. [しばしば G〜] 《口語》 マフィア[組織暴力団]の首領、ゴッドファーザー
日本語で「名づけ親」というと、名前を考えてくれた人、みたいなニュアンスに聞こえますが、英語の godfather は、洗礼式に立会い、その後の宗教教育の後見人となる、というような、宗教的に非常に重要な人物であると言えそうです。
フレンズのセリフからは脱線してしまいますが、映画「ゴッドファーザー」から、godfather という存在の重要性を示唆するセリフをいくつか紹介させて下さい。
映画の冒頭シーン、「娘を傷つけた男たちを殺して欲しい」と頼みに来た人物に、ドン・ヴィト・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は以下のようなセリフを言っていました。
ドン・コルレオーネ: I've known you many years, but this is the first time you've asked for help. I can't remember the last time you invited me for a cup of coffee. Even though my wife is godmother to your only child. (私は君を長い間知っているが、君が助けを求めて来たのは今回が初めてだ。お茶でもと最後に誘われたのがいつかも覚えていない。私の妻が、君のたった一人の子供の名づけ親だというのに。)
名づけ親は godparent で、それが男性であれば godfather、女性であれば godmother になります。
この人物の子供は、ドンの妻が名づけ親だったわけですね。
その後には、こんなセリフもありました。
ドン・コルレオーネ: You don't offer friendship. You don't even think to call me Godfather. You come on my daughter's wedding day and ask me to murder for money. (君は私に友情を示さない。私のことをゴッドファーザーと呼ぼうとも思わない。君は私の娘の結婚式の日にやって来て、私に金で人殺しをしろと言う。)
このようなドンのセリフを聞いていると、godfather という存在の重要さがよくわかる気がします。
妻が君の娘の godmother である、という密接な関係にあるのに、君は私をずっと避けていた。そして私を Godfather と呼ぼうともせず、金は出すから報復してくれ、と言う…。
そのことにドンは非常な怒りを感じているわけですね。
その後、この客は、ドンを Godfather. と呼び、手にキスをし、友情と忠誠を示します。
名づけ親であることに敬意を示し、と同時に心からの忠誠を誓う人物「ドン」(Don)であると認めた瞬間と言えるでしょう。
名づけ親の意味がある godfather という言葉が、マフィアのドンの呼び名として使われるというのは、それだけ godfather という存在が、キリスト教において重要な役割がある、ということを示しているとも言えると思います。
名づけ親の意味では小文字の godfather、マフィアのドンの敬称としては大文字の Godfather 、のように使い分けされているのも、注目したいところだと思います。
(フレンズのセリフに戻ります)
I call godfather! と叫んだジョーイに対して、ロスは、You can't just call godfather. と言っています。
この call という動詞、なかなか訳しにくいのですが、call は元々、「大声で呼ぶ」というような意味ですね。
また、「(審判などが)…とコールする、宣する」というような意味もあります。
今回のセリフでは、「俺が名づけ親になるって大声で宣言するよ、コールするよ」というような意味で、「俺、名づけ親ね!」と訳すのが妥当かな、と思いました。
そういって、元気良く名乗りを上げたジョーイに対して、「名づけ親なんて大事なものは、名乗り出たやつに即決まり、みたいな決め方はしないよ。俺、名づけ親ね、って自分で名乗り出るのなんかナシだよ」という意味で、ロスは、You can't just call godfather. と返したのでしょう。
そして、「モニカの子供だったら、モニカの兄(である僕)が名づけ親になるべきだと思わないか?」とも言っています。
それにはいったんは納得した風で、Sure. と答えていますが、その後、If you cared enough to call it first. と付け足していますね。
「あぁ、確かに母親の兄である君が名づけ親になるべきだよね。もし…だったらだけど」という感じです。
care enough to call it first は「最初に、名づけ親をコールするほどに気にかけている」ということ。
つまり、俺が手を上げる前にロスが手を上げて「自分が名づけ親になる!」って宣言するほど、その子供のことや名づけ親のことを深く考えているのだったら、お前がなるべきだよ、という意味になるでしょう。
それはつまり、「手を上げたのは俺(ジョーイ)が先だろ。兄がなるのが当然だ、みたいにえらそうなこと言うなよ、俺が名づけ親のことを言うまでは、ロスはそんなこと考えもみなかったくせに…」と言いたいのですね。
ちなみに、ロスが言ったように、妹に子供が生まれた場合、兄が名づけ親になる、ということもあるようです。
映画「ゴッドファーザー」でも、
ケイ(マイケル・コルレオーネの妻): They want you to be godfather to their boy. (妹さん夫婦は、あなたに、子供の名づけ親になって欲しいのよ。)
と妻が夫マイケル(アル・パチーノ)に言うシーンがあります。
その時は即答しなかったマイケルですが、後に、
マイケル・コルレオーネ: I've decided to be godfather to Connie's baby. (コニー(妹)の赤ちゃんの名づけ親になることに決めた。)
というセリフがあり、その赤ちゃんの洗礼式のシーンも出てきます。
その洗礼式と同時進行の形で、別の場所では激しいマフィアの抗争シーンが描かれています。
洗礼式で妹の赤ちゃんの godfather として誓いの言葉を述べているマイケルと、マフィアのドンとしてその抗争を指示した、冷酷な Godfather としてのマイケルを映し出す、非常に象徴的なシーンだと思いました。
勝手に子供の名づけ親の話で盛り上がっているのを見て、モニカは、you're a few steps ahead of us と言っています。
まさに直訳通り、「2、3歩先を行っている」ですね。
やっと公認の仲になったばかりだと言うのに、話が先走りすぎよ、と言っているわけです。
そのセリフを受けて、チャンドラーは、その step は、big zero gravity moon steps だと言っています。
これも直訳すると、「大きな、無重力[重力ゼロ]の月(で)のステップだ」となるでしょう。
実際、月の重力は地球の重力の約6分の1だと言われていますので、「無重力」(zero gravity)ではない気がするのですが、とにかくそういう重力の非常に軽いところで、一歩だけでピョーンと長い距離を進めてしまう、そういうイメージを連想させたいのですね。
モニカは数歩先、って言ったけど、その一歩も地球での一歩じゃなくて、月面での一歩くらい、一歩の長さがすごく長いんだよね、と言っているのです。
ロスとジョーイの話が、あまりにも先走りすぎているということを、月の一歩という単位を使ってジョークにしているわけですね。
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