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シーズン5 第16話
The One with the Cop (警官バッジは恋の始まり)
原題は「警官の話」
[Scene: Central Perk, everyone is there but Ross and Joey. Gunther hands them the bill, and Chandler gives some money to pay it.]
セントラルパーク。ロスとジョーイ以外のみんながそこにいる。ガンターは彼らに請求書を手渡す。チャンドラーはそれを払うためのお金をいくらか出す。
レイチェル: (looking at the bill) Uhh, we, we still need a tip. ([請求書を見て] あー、まだチップが必要だわ[チップ分が足りないわ]。)
フィービー: All right. Hold on. (She starts digging in the chair.) I got it. Nickel. (Donates it.) How much more do we need? (わかった。ちょっと待って。[フィービーは椅子を丹念に調べ始める] あった。ニッケル[5セント]。 [その5セントを提供する] あといくら必要?)
レイチェル: Couple of bucks. (2、3ドルね。)
フィービー: Okay, dime. (Donates that.) You guys should probably keep talking. This could take a while. (Finds something else.) Oh no, wait! Look it! Whoa! (Looks at it.) Oh, my God! This is a police badge! (オッケー、ダイム[10セント]よ。[それを提供する] みんな、多分、おしゃべりを続けていた方がいいわよ。これ、しばらくかかりそうだから。[何か他のものを見つける] あぁ、待って! 見てよ! わぁ。 [それを見る] なんてこと! これは警官バッジよ!)
モニカ: Wow! (まあ!)
チャンドラー: Oh, that's so cool. Why would a cop come in here, though? They don't serve doughnuts. (No one laughs.) Y'know what actually, could you discover the badge again? I think I can come up with something better than that. (あぁ、それってすっごくかっこいいね。でも、なぜ警官がここに来たりしたんだろう? この店ではドーナツは売ってないのに。[誰も笑わない] ねぇ、そのバッジをもう一度見つけてくれるかな? 今のよりも良いやつを考えつくと思うからさ。)
ガンターから渡された請求書を見て、チップ分が足りないわ、というレイチェル。
それを聞いて、フィービーは、自分が座っているソファの下に手を入れて、ごそごそ探しています。
そういうところによく小銭が挟まっているからですね。
nickel は「5セント貨」、dime は「10セント貨」。
そうやって小銭を探しながら、You guys should probably keep talking. This could take a while. と言っています。
keep talking は「話し続ける」、take a while は「しばらく(時間が)かかる」。
この小銭探しの作業はしばらく時間がかかりそうだから、その間、みんなはおしゃべりを続けといて、という感じですね。
日本語では、何かを待っている時に司会者が、「それまで、しばしご歓談を」と言ったりしますが、そういうのにちょっと似ているような気もします。
小銭を探していたフィービーは、警官バッジを見つけたようです。
それを見たチャンドラーは、警官ネタのジョークを言っているのですが…残念ながらあまりウケていませんね(笑)。
チャンドラーのセリフは、「ここに警官バッジがあるのなら、警官がここに来たことになるけど、どうして警官がこの店に来たりしたんだろう? この店はドーナツを提供してないのに」というような意味になります。
つまり、「この店でドーナツを売ってるのなら、警官が来るのもわかるけど」と言いたいわけですが、どうしてドーナツの話が出たかというと、アメリカでは「警官といえばドーナツ」という連想が働くから、なのですね。
私が「警官とドーナツ」の話を初めて知ったのは、ジャパンタイムズ発行の「週刊ST」の記事でした。
週刊STの2001年10月19日号に、
Police use helicopter to fight war against hunger
という記事が載っていました。
タイトルを訳すと、「空腹と戦うために、警察、ヘリコプターを使う」というような感じになるでしょうか。
ヘリコプターで夜間パトロールをしていた警官と民間パイロットが、ドーナツチェーン店 Krispy Kreme の横の空き地にヘリを着陸させ、1ダースのドーナツを買って、また飛び立って行った、というニュースでした。
その後、同じく週刊STの2002年6月28日号では、
Doughnuts have long been associated with lazy cops.
「昔から、ドーナツは怠惰な・怠けた警官に付き物であった、怠惰な警官を連想させるものだった」
という記述も載っていました。
つまり、ドーナツは警官(特に怠け者の警官)を強く連想させるものだった、だから夜中のパトロール中にわざわざヘリを着陸させてまで、「ドーナツ」を買いに行った警官の話が面白いニュースとして取り上げられたのだと思います。
他の食べ物ではなく、警官と言えば連想されるステレオタイプな「ドーナツ」だから、より面白いと。
クリント・イーストウッドが監督、主演した映画「ルーキー」(原題: The Rookie)では、新米刑事デーヴィッド(チャーリー・シーン)が運転する車には、いつもドーナツの箱が置いてあり、ベテラン刑事のニック(クリント・イーストウッド)にそのドーナツのことで、何度もからかわれていました。
デーヴィッドが腹を殴られて、うなっていると、
Too many of those candied doughnuts. 「その甘ったるいドーナツの食い過ぎだ」
また、デーヴィッドが I hate... を使って、ニックのいやな部分を挙げていくと、同じように、I hate を使って返したニックのセリフの中に、
And I hate these f*cking doughnuts. 「それにその、いまいましいドーナツが俺は大嫌いなんだ」
というのもありました。
また、ラストシーンでも、ドーナツがちょっとしたアクセントとして登場しています。
葉巻が好きなベテラン刑事との対比で、甘いもの好きのルーキーという設定にしたということもあるでしょうが、やはり、「警察官にはドーナツ」という連想からのイメージもあるのでしょうね。
チャンドラーは、そんな風にお決まりの「警官とドーナツ」のジョークを言ってみたものの、言った本人のチャンドラー以外は誰も笑いません。
そこで、「もう一度、バッジを発見するところをやり直してくれるかな?」みたいに言っていますね。
come up with は「(考え・案・アイディアなどを)思いつく、考えつく」ですから、もう一度、見つけるところからやってくれたら、今度はさっきのよりも、も少しましなジョークを言うからさ、と言っていることになります。
もう一度チャンスをくれたら、今度はスベらないからさ、みたいな感じですね。
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come up withはとても便利ですね。
I've come up with a good idea.
みたいな感じで使えばいいのでしょうか。
英会話で使うように心がけてみます。
コメントありがとうございます。
英会話では、難しい単語を1つ使うよりも、come up with のように、簡単な単語が組み合わさったフレーズを使うことの方が多いですよね。
動詞や前置詞のイメージから、そういうフレーズを自然に使えるようになればいいな、と自分でも思っています。
ドーナッツのジョークには、
正直一時期かなり悩まされましたw><
確かに太っちょの警官がオフィスでドーナッツを頬張っているシーンを何度か見た事ありますが、ピンとはきませんでした。
やっぱりただのイメージだったんですね。
日本の警官なら連想はやっぱあんパンですかね?w
アメリカと違うのは働き者な警官から連想しますけど。
ご苦労様です。
頑張ってください
こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに「太っちょの警官がオフィスでドーナッツを頬張っているシーン」はアメリカの作品のあちこちで見かける気がしますよね。今回、チャンドラーが「警官とドーナツ」の関係をジョークにしていたことで、それだけその結びつきのイメージは強いものなんだな、ということが改めてわかった感じです。
私も日本の警官だったら「あんパン」かな、と思っていました。
私のイメージでは、警官よりもむしろ「張り込みをしている刑事二人組(一人はベテラン、一人は新米)」のイメージですね。(そういう意味では映画「ルーキー」のキャスティングと似た感覚かも)
「おい、これ食え!」と言って、ベテラン刑事が新人に「あんパンと牛乳」を渡し、それをもぐもぐ食べながら、「で、長さんはどうして刑事になったんですか?」みたいな世間話をしているうちに、少しずつ心を開いていく…というような。
取調室で丼(どんぶり)を食べさせる、というのも、ステレオタイプですよね。
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