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チャンドラーとモニカの仲睦まじい様子を見たジョーイは、二人のような closeness 「親密さ」のある関係を自分も築きたいと願います。
そのためには、まずは友達から始めることだ、とアドバイスする二人。
その後、手近なレイチェルに声をかけたりしていたジョーイでしたが(笑)、逆にレイチェルに、「誰かと出会って、友達になって、基礎を築いてから、デートに誘うのよ」とアドバイスされます。
[Scene: Chandler and Joey's, Joey is returning and finds Chandler, Monica, and Rachel are there.]
チャンドラーとジョーイの部屋。ジョーイは戻ってきて、チャンドラー、モニカ、レイチェルがそこにいるのを見つける。
ジョーイ: (entering) Hey! ([入ってきて] やあ!)
レイチェル: Hey! How's it going? Did you make any new friends? (はーい! どんな感じ? 新しい友達は作れた?)
ジョーイ: Yeah, yeah. I met this woman. (Starts for his room.) (うん、うん。ある女性に会ったよ。[自分の部屋に向かう])
チャンドラー: (stopping him) Hey, whoa-whoa! What's she like? ([ジョーイを止めて] おい、ちょっと待てよ! 彼女はどんな感じなんだ?)
ジョーイ: Uhh, well, she's... really good in bed. (あー、そのー、彼女は…ほんとにエッチが上手なんだ。)
モニカ: Joey, I thought you were gonna try to be friends first! (ジョーイ、あなたは最初に友達になろうとするつもりだって思ってたのに!)
ジョーイ: (To Rachel) Well, look, hey, it's all your fault! ([レイチェルに] あぁ、ねぇ、ほら、全部君のせいだぞ!)
レイチェル: What?! Why?! (何ですって? どうして?)
ジョーイ: Well, because you didn't give me advice! No! You gave me a pickup line! As soon as I told her I wanted to y'know, "build a foundation and be friends first." I suddenly, through no fault of my own, became irresistible to her! (Pause) And her roommate! (ほら、だって君は俺にアドバイスをくれたんじゃないからだ! アドバイスじゃなかったよ! 君がくれたのは口説き文句だったんだよ! 俺が、ほら、「基礎を築いて、まずは友達になる」ことを望んでるって彼女に言った途端、俺は突然、俺のせいでもないのに[俺が何かした、ってわけでもないのに]、彼女にとっては抵抗できないほど魅力的になっちゃったんだ! [沈黙] それに、彼女のルールメイトまで!)
モニカ: What about the "closeness"? (例の「親密さ」はどうなったのよ?)
ジョーイ: Closeness, schmosness! There was three of us, for crying out loud! (親密さも何も(あったもんじゃないよ)! (そういう状態の)俺たち3人がいたんだからさ!)
外出から帰って来たジョーイに、「新しい友達」はできた?と尋ねるレイチェル。
ジョーイは、ある女性に会ったよ、とだけ言って、それ以上は語らないまま、自分の部屋に入ろうとします。
this woman の this は、日本語の「この」のように、すぐ近くにあるもの、いる人を指しているのではなく、不定冠詞の a と同じようなニュアンスですね。
研究社 新英和中辞典では、
this=[物語体に用いて] (口語) ある(一人[一つ]の)
There's this boy I ride home with on the bus every day, and... 「毎日帰りのバスで一緒になるある少年がいて…」
Macmillan Dictionary では、
this : (SPOKEN) used in a story or a joke when you mention a person or thing without giving a name
例) There was this big guy standing in the doorway.
つまり、「話やジョークの中で、名前を言わずにある人やものを言及する時に使われる」。
例文は、「戸口に立っている大男がいた」
辞書の説明にあるように、物語調で話している時に、よく使われる表現だということです。
ジョーイも、「ある女性に会ってね」と物語調で話している感覚ですが、その続きを言わないまま去って行こうとしたので、「その話の続きはどうなったんだ? その女の子はどんな感じの子なんだよ?」とチャンドラーが質問していることになります。
フレンズ2-24その7 では、What's she look like? 「相手はどんな(見かけの)子なの?」というセリフがありましたが、そのように、「外見、見かけ、容姿、ルックス」を尋ねたい場合は、What's she look like? (What does she look like?) になり、「性格、雰囲気、様子」などの見た目だけではない部分を尋ねる場合には、What's she like? (What is she like?) を使うことになります。
どんな子?と聞かれてのジョーイの答えには笑ってしまいますね。
good in bed は、「ベッドですごい」みたいな感じで、つまりは、エッチが上手である、というような意味。
チャンドラーとモニカのような親密さを恋人に求めるのであれば、まずは友達から始めないと…ということで、そういう人を探しに行ったはずなのに、もうベッドインしてしまったことが、その言葉でわかるわけです。
「最初は友達から始めるはずだったのに、そんなことになっちゃうなんてどういうわけよ?」みたいにモニカに責められたジョーイは、レイチェルの方を向いて、こうなったのは全部レイチェルのせいだ、と言っています。
ジョーイはレイチェルのくれた助言を実行した結果、こんなことになってしまったんだ、と言いたいようですね。
pickup line は「口説き文句」。
レイチェルが言うように、「まずは基礎を築いて、最初は友達から始めよう」って言った途端にこうなった…と、その言葉を発した結果どうなったかを述べています。
through no fault of one's own は、「・・・のせいではないのに、…が悪いのではないのに」。
フレンズ5-1その1 でも、through no fault of his own 「彼のせいではないのに」というフレーズが出てきていました。
irresistible は、resist は「抵抗する、我慢する」に、否定の接頭辞 ir- と、可能を表す接尾辞 -ible がついたもので、「抵抗・我慢することができない、抑えられない」という意味。
そこから、「(抵抗できないほど)非常に魅力的な、悩殺的な」という意味になります。
ですから、I became irresistible to her. は、「俺は、彼女が我慢できないほど(彼女にとって)魅力的(な存在)になっちゃったんだ」という感じになります。
男性のジョーイの方が「まずは友達から始めたい」みたいなことを言ったことで、却って相手の女性がそそられてしまった、みたいなことですね。
その話を聞いていたルームメイトの女性まで、俺に魅力を感じちゃったんだ、とも言っています。
またいつものジョーイのパターン(笑)になってしまっているのにあきれて、モニカは、「あなたが求めていた、closeness 「親密さ」ってやつは、一体どうなっちゃったのよ?」と言っています。
それに対するジョーイの返事、Closeness, schmosness! ですが、これは、「shm- や、schm- をつけた言葉を直後に繰り返すことで、やや否定的なニュアンスを出す」という表現。
過去記事では、フレンズ3-19その5 に、Fair, shmair. が、フレンズ4-15その3 には、too soon, too schmoon という同様の表現が出てきました。
また、フレンズ以外の作品では、映画「トイ・ストーリー3」で、Sunnyside Daycare (サニーサイド保育園)に連れてこられたおもちゃたちのセリフで、
A: Anyone see an exit? (誰か出口見た?)
B: Exit, shmexit. Let's get played with. (出口が何だってんだよ。(子供たちに)遊んでもらおうよ。)
というやり取りがありました。
そのように、「shm- や、schm- をつけた言葉を直後に繰り返すパターン」は、実に様々なバリエーションがあるようですね。
こんな状況になっちゃって、もう、親密さがどうとか、そんな話じゃなくなってるよ、みたいに、モニカが closeness という言葉を出したことに対して、否定的に返事している感覚でしょう。
There was three of us. は非常に漠然とした表現ですが、無理やり訳すと、「俺たち3人がそこにいた、そこにいたのは俺たち3人だった」みたいな感じになるでしょうか。
for crying out loud は、誰かに対していらいらした場合によく使われる強調表現。
フレンズ5-14その4 にも出てきました。
今回の場合も、今の俺の話を聞いて、それでもまだ、closeness がどうとかこうとか言うつもり? みたいな、相手に対するいらいら感が出たフレーズなのだと思います。
俺が言った一言で、相手の女性もそのルームメイトも俺に夢中になっちゃって、「そういう3人がその場に存在していた」わけだから、「まずは友達から始めて親密な関係を築く」なんてプランは吹っ飛んじゃったに決まってるじゃないか、その場の状況に身を任せるしかないだろ、みたいな感じのことが言いたいのかな、と思いました。
「3人」という人数を出しているのは、つまりはその3人でエッチすることになっちゃったんだ、ということを意味しているんだと思います。
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ググってたら偶然、ロス役のデヴィッド・シュワイマーさんの記事を見つけたので、ご紹介します。
http://www.tvgroove.com/column/article/ctg/5/cid/13.html
知らないことばかりだったので、「へー!」と驚きました。
もしご存知だったらスルーしてください。
ページの下のほうのリンクには、コートニー・コックスさんの記事もたくさん並んでますね。
コメントありがとうございます。
紹介していただいたリンク、見させていただきました。ドラマでは知ることのできないそういう「裏話」的なものはやっぱり面白いですよね。
彼の親が弁護士であったという知識と経験から、フレンズの出演料交渉の際は、デヴィッドがリーダーシップを取り、6人が固い結束を持って臨んだ、という話は聞いたことがありました。フレンズがファイナルまであの6人で続けられることができたのも、彼のそういう実行力の賜物のようです。
おしどり夫婦で有名だったコートニーは、少し前(2010年10月くらい)に別居報道があったりもしましたね。セレブだとそういうことでもいろいろと騒がれて大変だろうと思うのですが、フレンズの俳優さんたちには、これからももっともっと活躍して欲しいなと思っています。
興味深いリンクのご紹介、ありがとうございました。
schmosnessはそのままの形では辞書には載っていませんがschmoはLDOCEにも入っていてAmerican English informal:a stupid or annoying personと出ています。
それが複数になってnessがつくことによって馬鹿どもみたいな、ばからしいことの意味になると思われます…というか無理やりつくったみたいですが。否定的な意味が付け加わることは確かですね。
今まで出てきた3-19、4-15の例もそうですがフレンズでのこのパターンの言葉ではトイストーリーのshmexitのような単なる言葉遊びだけではなく単独でも意味を持つ言葉を入念に選んでいるような気がします。
これ以後のエピソードでも同類の次なる言葉が登場するのでしょうか。
コメントありがとうございます。
schmo (shomoe) という単語は、英和の研究社 新英和中辞典、英英の LAAD や Macmillan にも載っていましたので、メジャーな単語のようですね。
研究社 新英和中辞典には、同じように sch- で始まる単語がいくつか載っているのですが、schmooze 「ばか話」、schmuck 「卑劣漢」など、やはりどれも否定的なニュアンスが感じられました。
schmo は英和辞典にも普通に載っている単語ですから、今回の、Closeness, schmosness! というセリフを聞いた時に、schmo という単語を思い出す人も多いような気がしますね。
schm- に関しては、今の時点で私の気付いたものが3つあったわけですが、この分だとまた今後も出てきそうな予感はあります。出てきた場合は、必ず解説で取り上げようと思います。
情報ありがとうございました。