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ラルフ・ローレンの面接に行ったレイチェル。
面接の終わりに、面接官の男性がドアを開けようとしてレイチェルの方に身体を傾けたのを、相手がキスするつもりだと勘違いしたレイチェルは、自分から相手の頬にキスしてしまいます。
気まずい空気が流れ、これで面接に落ちてしまった、と思っていたレイチェルですが、予想に反して2度目の面接の呼び出しがありました。
「きっと誰にでもキスする子だから、簡単に寝るんじゃないかと思われてるかも…」などと心配しつつも、その2回目の面接に臨もうとしているところ。
[Scene: Rachel's job interview, she is waiting outside Mr. Zelner's (the interviewer) office banging her pen between her teeth.]
レイチェルの就職面接。レイチェルは面接官ゼルナー氏のオフィスの外で待っている。歯の間でペンをカチカチ叩きながら。
ゼルナー氏: Hi, Rachel! (やあ、レイチェル!)
レイチェル: Hi! (こんにちは!)
ゼルナー氏: Come on in. (入って。)
(They go inside.)
二人は部屋の中に入る。
ゼルナー氏: It's really nice to see you again. (もう一度君に会えてとても嬉しいよ。)
レイチェル: Thank you. (ありがとうございます。)
ゼルナー氏: (Sees that she has some ink on her lip from her pen.) Oh Rachel, uhh.... (He points to his lip to get her to notice the ink on hers.) ([ペンのインクがレイチェルの唇についているのを見て] あぁ、レイチェル、その・・・ [ゼルナー氏は、レイチェルの唇のインクに気づかせようと、自分の唇を指差す])
レイチェル: What? (何ですか?)
ゼルナー氏: Just ah.... (He points again.) (ただ、あの… [彼は再度指差す])
レイチェル: Excuse me? (どういうことですか?)
ゼルナー: Here let me.... (He goes to wipe it off himself.) (じゃあ、私が… [彼は自分でそのインクをふき取ろうと近づく])
レイチェル: (stopping him) Wh-whoa! All right, okay-okay, I see, I see what's going on here. Now listen, look-look, I am sorry if I have given you the wrong impression. But I am not some hussy who will just sleep around to get ahead! Now even though I (He tries to interrupt and tell her about the ink), hey-hey-hey, even though I kissed you, that does not give you the right to demand sex from me! I do not want this job that bad. Good day, sir. (She storms out of his office.) ([近づこうとする彼を止めて] ちょっと待って! いいわ、わかった、今ここで何が起こっているのかわかりました。いいですか、もし私があなたに間違った印象を与えたんだとしたら、申し訳なく思っています。でも私は成功する[出世する]ために誰とでも寝るようなふしだらな女じゃありません! 例え私が… [ゼルナー氏は発言をさえぎって、そのインクのことを彼女に伝えようとする] ちょっとちょっとちょっと、例え私があなたにキスしたとしても、それが、あなたが私にエッチを求める権利を与えることにはならないわ! 私はこの仕事をそこまで強く欲していません。 さようなら。[レイチェルは彼のオフィスを怒って飛び出す])
[Scene: Monica and Rachel's, Rachel is returning from her interview attempt.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルは行われることがなかった面接から戻ってくる。
レイチェル: (entering) Ugh, you are not gonna believe what that sleazeball from Ralph Lauren did to me! ([部屋に入ってきて] あー、ラルフ・ローレンのあの卑劣男が私にしたことは、誰も信じられないでしょうね。)
(Joey, Monica, and Ross all point to their lips to get Rachel to once again notice the ink on her lip.)
ジョーイ、モニカ、ロスは全員、自分の唇を指差す。レイチェルの唇についたインクを再度、気づかせようとして。
レイチェル: Okay-okay, that-that's amazing. How did you know that? (わかった、わかった。それってすごいわね。どうやってそれがわかったの?)
ロス: You got ink on your lip. (君の唇にインクがついてるんだよ。)
レイチェル: Oh. (Realizes.) Ohhhhhhhhh.... (まぁ。[気づいて] あぁぁぁぁ…。)
気まずいことがあった後の2回目の面接ですから、待っている間、レイチェルはイライラして、ペンの先を歯の間でカチカチ鳴らしています。
部屋に入った後、レイチェルの唇に、そのペンのインクがついて、紫色みたいになっているのを発見した面接官のゼルナー氏は、そのことを仕草で説明しようとしています。
「ここにインクがついてるよ」というように、自分の唇を指差し、それでもレイチェルは気づかないので、自分がふき取ってあげようとレイチェルに近づこうとします。
そのゼルナー氏の行動を見て、レイチェルは過剰に反応していますね。
「誰とでもすぐにキスをして、尻軽そうな女だから再度呼ばれたのではないか?」と思っていた、その心配が的中したと勘違いしたわけです。
レイチェルにはそのゼルナー氏の仕草が、「さぁ、これから面接を始めるから、まず挨拶のキスをここにして」と言っているように見えたようですね。
自分がキスしようとしないので、相手から近づいてきた、とも思ったようです。
レイチェルは自分という人間が誤解されていると思い、自分はそんな人間じゃない、ということをその後、力説しています。
I am sorry if I have given you the wrong impression. は、「もしも(前の面接の時に)間違った印象をあなたに与えたとしたら申し訳ありません」みたいな意味ですね。
あの時に私がキスをしたから、あなたはきっと誤解してるんでしょうけど、と言いたいわけです。
hussy は「浮気娘、ふしだらな女」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hussy : (old-fashioned) a woman who is sexually immoral
Etymology (Word Origin) 1500-1600 housewife
とあります。
意味は、「性的に不道徳な・ふしだらな女性」ということで、その語源は、housewife 「主婦」であるとのこと。
研究社 新英和中辞典にも、
hussy (語源) housewife の変形
と出ていました。
上のセリフでは、独身のレイチェルが使っているので、もうそういう「主婦」という言葉のイメージは完全に消えてしまっているようですね。
get ahead は「前方に到達する」というような感覚ですから、今回のような仕事の話だと「出世する、成功する」という意味。
LAAD では、
get ahead [phrasal verb] : to be successful, especially in your job
sleep around は「いろいろな相手と寝る、性的関係を持つ」。
LAAD では、
sleep around [phrasal verb] (disapproving) : to have sex with a lot of different people
around の「あちこちで」という感覚から、「あちこちで寝る」→「いろんな人と寝る」という意味になるのでしょう。
つまりこのセリフでレイチェルは、「私は出世のために誰とでも寝るようなふしだらな女ではありません!」と言っていることになります。
that does not give you the right to は、「そのこと(私が前の面接であなたにキスしたこと)が、あなたに…する権利を与えるわけではない」。
I do not want this job that bad. について。
この場合の bad は副詞で、badly の意味。
アメリカ英語ではこのように、badly と言うところを、bad で済ましてしまうことがよくあります。
LAAD では、
bad [adverb] (spoken) (nonstandard) : badly
と書いてありますので、「非標準的」、つまり、言葉にうるさい人はあまり認めたがらない用法と言えそうです。
bad は「悪い」ですから、badly も「悪く、まずく」みたいな意味ですが、「悪い」意味にとどまらず、「ひどく、激しく」「とても、非常に」という強調を表す意味としても使われます。
今回も「激しく、非常に」のニュアンスで使われていて、I do not want this job that bad. は、「私はこの仕事を、そんなに激しく欲していません」になります。
「そんなに激しく」とはどんなにか?と言うと、「その仕事をゲットするためなら、面接官のあなたと寝てもいいと思えるほど、強く激しく」みたいなことですね。
自分の体を差し出してまで、その仕事を欲しいわけじゃない、みたいなことになります。
もちろん、その仕事につきたいけれど、そんなことをしてまでは欲しくない、という感覚が、that bad の that に込められているわけですね。
レイチェルが勝手に誤解して、嵐のように出て行ってしまったので、残されたゼルナー氏は途方に暮れた顔をしています。
そのままプリプリしながら帰って来たレイチェルは、you are not gonna believe 「あなたたちには信じられないでしょうね」と言いながら、面接での出来事を話して聞かせようとします。
ちなみに、ト書きの interview attempt は、「面接の試み・企て」みたいなことですが、わざわざ attempt がついているのは、実際に面接が行われる前に、レイチェルが怒って帰ってしまい、面接そのものが成立していないから、でしょう。
英辞郎には、attempt の訳として、「未遂」という言葉が載っていますが、そのニュアンスを当てはめると、「”未遂に終わった面接”から戻ってくる」と訳してもいいかもしれません。
sleazeball は、「嫌なやつ、卑劣なやつ」。
元々、sleaze という名詞に「低俗さ」「低俗な人」という意味があるのですね。
LAAD では、
sleaze [noun] [disapproving]
1. [uncountable] immoral behavior, especially involving sex or lies
2. [countable] also sleazebag, sleazeball, sleazebucket (informal)
someone who behaves in an immoral or dishonest way
つまり、(相手を非難する言葉)で、1. は、「不道徳な・ふしだらな行動。特に性や嘘にかかわること」。2. は、sleazebag, sleazeball, sleazebucket とも表現され、「不道徳、または不正なやり方で行動する人」。
このセリフでレイチェルが sleazeball と表現していることから、彼が何か不道徳なことをしたと怒っていることがわかります。
「その男がどんなことをしたかあなたたちには信じられないと思うわ」というのは、「その男はあなたたちが想像もつかないような、思いもつかないような、信じられないほどひどいことをしたのよ」と言いたいわけですね。
unbelievable な話を言う前振りの決まり文句みたいなものですが、そのように言ったのに、3人が揃って面接官の仕草を真似たので、レイチェルはびっくりしています。
How did you know that? を直訳すると、「どのようにして、どのような手段で、そのこと(面接官がその仕草をしたこと)を知ったのか?」という感覚ですね。
実際にその現場を見たわけでもないのに、それを知っていることが不思議なので、それを知るに至った経緯を知りたい、という気持ちから出た言葉です。
唇についているインクのことを教えてもらい、軽く Oh. と言った後、何かに気づいて、Ohhh... と長いオーを言っています。
フレンズたちに指摘されて初めて、ゼルナー氏の仕草の意味を理解した、それを勝手に「相手が性的に迫ってきた」と勘違いしていたことに今になって気づいてしまった、ということですね。
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さて、 bad, badlyですが、ひどくという意味を知らなかったので勉強になりました。最初に聞いた時も、もともとのbadに引きずられ、こんな嫌なことするほど…的な感じかと思ってしまい。Rachさんの訳を見て、あれ?と思い気づかされました。ぽちっ。
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
拙ブログでお勉強して下さっているとのことも光栄です。ありがとうございます。
TOEIC は点数として出てしまうので、上がったり下がったりがどうしても気になってしまうものですが、どうかこれからも楽しみながら、フレンズでの英語学習を続けていただけたらと思います。
badly という文字を見るとどうしても「悪い」という意味が浮かんでしまいますので、何かしらネガティブなイメージが連想されてしまいますよね。今回はそれが、badly ではなく bad の形で使われていたのも興味深かったので、記事で取り上げてみたのですが、その部分に注目していただけて良かったです(^^)
また「ぽちっ」も本当にありがとうございます! 応援していただけることはブログを続ける上で、大きな大きな励みとなっています。応援していただいたことにお応えできるような記事が書けるよう、これからも頑張りますね!
コメントありがとうございました(^^)