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[Scene: Monica and Rachel's, Rachel is telling Chandler and Monica about her day.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルはチャンドラーとモニカに自分の一日[その日のこと]を話している。
レイチェル: ...and then they came back from smoking and they had made all of the decisions without me. (…でそれから、二人はタバコから戻ってきたんだけど、(その時すでに)全部決めちゃってたのよ、私抜きで。)
モニカ: That doesn't seem fair. (それって、フェアじゃないって感じよね。)
レイチェル: I know! It's like I'm being punished for not having this disgusting, poisonous habit! (そうなのよ! まるで、この、むかむかするような、有害な習慣を持っていないことで罰せられている、って感じよ。)
チャンドラー: Yeah, it is the best. (あぁ、最高だよ。)
レイチェル: I mean what if this keeps happening? Y'know, they'll-they'll be outside smoking, making all the decisions and I'll just be up in my office breathing my stupid clean air... y'know? And then when the day comes when Kim wants to promote one of us, who do you think she's gonna pick? Me or Smokey Smokerson? (つまり、こんなことがずっと起こり続けたらどうなるの?ってことよ。ほら、二人は外に出て、タバコを吸って、全部決めるのよ。そして私はただ、上の自分のオフィスにいて、バカなきれいな空気を吸ってるの、でしょ? それから、(上司の)キムが私たちの一人を昇進させたいと思う日が来た時、彼女は誰を選ぶと思う? 私?それとも、スモーキー・スモーカーソン?)
モニカ: Rachel, you can go down there, you don't have to smoke. Just say you wanna get some... fresh air. (レイチェル、あなたは下(屋外の喫煙所)に行ったらいいのよ、タバコを吸う必要はないわ。ただ、ちょっと新鮮な空気を吸いたくて、って言うの。)
レイチェル: Yeah, I could do that. (そうね、それならできそうね。)
チャンドラー: Yeah, or you can do the easy thing and smoke. (そうだね、もしくは、簡単なことをすればいい。タバコを吸えばいいんだよ。)
レイチェルは、自分の職場での出来事を話して聞かせています。
they came back... and they had made... のように、前半が過去形、後半が過去完了形になっていますが、これは、「二人が帰ってきたその時にはすでに決まってしまっていた」という、「過去のある時点における完了」を表しているために、過去完了形が使われているのですね。
現在完了形が、現在を基準時として語られていることに対して、過去完了形はある過去の時点を基準にしています。
ですから、そういう「過去の基準時」が明白な場合に過去完了形は使われるものであって、過去完了形の文章がそういう前後の文脈なく単独で使われることはない、とも言えます。
without me は「私なしで、私抜きで(決めちゃってた)」というニュアンスですが、英語の場合は、上のセリフのように文尾に without me が来ますので、レイチェルが発言した順序で意味を取っていくとすると、「全部決定しちゃってたのよね、私抜きで」みたいな感じになるでしょう。
そのような日本語だと倒置で強調しているように聞こえますが、英語の語順だと自然にそういう感じになるわけですね。
フェアじゃないわね、と言うモニカに、レイチェルは、It's like I'm being p.p. (過去分詞)の形を使って、「それってまるで、私が…されているみたいな感じよ」と言っています。
be punished for not doing は、「…しないことで罰せられる」。
タバコを吸うことを、disgusting, poisonous habit 「胸が悪くなるような、有毒な・有害な習慣・癖」と表現して、そういう悪い習慣を持ってないってことで罰せられてるみたい、それっておかしいと思わない?みたいな気持ちが込められていますね。
私はタバコを吸わないで健康にいいことをしてるはずなのに、その私が大事な意思決定から外されちゃって、どうして私の方が罰を受けなきゃならないの?という怒りです。
レイチェルの発言を聞きながら、チャンドラーは遠い目をして、「最高だ」みたいなことを言っています。
フレンズではこれまで何度かチャンドラーの喫煙のエピソードが出てきましたが、現在のチャンドラーは禁煙に成功して、最近は全然タバコを吸っていません。
レイチェルが憎々しげに「あんな気分が悪くなるような習慣」と表現した「喫煙という行為」を元ヘビースモーカーとして懐かしく思い出して、「あぁ、それって最高なんだよね」とうっとりしているわけですね。
レイチェルは、「こんなことがずっと起こり続けたら、ずっと続いたら、一体どうなるの?」と言いながら、きっとこんな風になるわ、と未来の様子を語って聞かせます。
They'll be outside smoking, making... の smoking, making は分詞構文でしょうね。
二人は屋外にいて、タバコを吸いながら、全ての意思決定をしている、というようなニュアンスになるでしょう。
ちなみに、「外でタバコを吸っていて…」なら、They'll be smoking outside の語順になると思います。
彼らの行動と対比する形で語られている後半の I'll just be up in my office breathing も同じく分詞構文ですね。
彼らが屋外の1階にいることに対して、自分は階上のオフィスにいるので up in my office のように up が使われているのでしょう。
「私は自分のオフィスにいて、まぬけなきれいな空気を吸ってるのよ」のように stupid が使われているのは、重要な相談に加えてもらえない自分を自嘲(じちょう)気味に語っている感覚。
本来はきれいな空気を吸っていることは良いことなはずですが、そのためにのけ者になってしまっている様子を自分で「バッカみたい」と言っているわけです。
when the day comes when... の前半の when は「(その日が来る)時」で、後ろの when は、前の the day の内容を説明する関係副詞の when ですね。
the day (when Kim wants to.... one of us) comes という感じですが、when 以下の内容が長いので、先に the day comes と言っておいて、その後で、the day の内容を関係副詞を使って、その日というのはつまりこういう日…と説明している感覚になります。
レイチェルは、キムと一緒にタバコを吸っているナンシーのことを、Smokey Smokerson と表現していますね。
無理やり日本語の名前にすると、「たばこま・たばこ」さんとか、「けむた・けむこ」さん、みたいな感じで(…って、あんまりイメージ湧きませんが…)、とにかく、「上司と一緒にタバコを吸ってる、あのヘビースモーカー女」みたいなニュアンスで言っているわけです。
(2019.2.8 追記)
今回のような -y -erson 「〇〇ィー・〇〇ーソン」という形の名前は、これ以降、フレンズ6-3 に Lovey Loverson、フレンズ7-19 に Pervy Perverson が出てきます。
それを考えると、ある〇〇という特徴を持った人のフルネームとして「〇〇ィー・〇〇ーソン」と表現することがよくある、と考えられるのですが、今回の Smokey Smokerson については、アメリカの大御所歌手にスモーキー・ロビンソン(Smokey Robinson)という名前の方がいるので、もしかしたらその名前から連想された(その名前をもじった)ネーミングかもしれません。
2019年1月16日(水)の日経新聞朝刊に、『「ソウルの女王」たたえる アレサ・フランクリンさん 米で追悼コンサート』という記事があり、本文内に「米国を代表するベテラン歌手、スモーキー・ロビンソンさんはフランクリンさんを「妹」と呼び、長年の交流を紹介。」と書かれていました。
有名な方らしく、私がたまたま知らなかっただけのようなのですが、「スモーキー・〇〇〇ソン」という名前を見て、このエピソードの Smokey Smokerson という名前を思い出したので、もしかしたら関連あるかも、ということで追記させていただきました。
(追記はここまで)
モニカは、you can を使って、「あなたはこうすることができる、こうしたらいい」のようにアドバイスしています。
「あなたもその人たちと一緒に下に行けばいいのよ、(そしてそこでは)あなたは別にタバコを吸う必要なんかないわ」という感じですね。
外の新鮮な空気を吸いたいから来たって言っとけばいいのよ、とも言っています。
「新鮮な空気を吸いに」というのは、外に出る理由として日本人もよく使いますので、モニカはそれを理由にすればいいわ、と言っているわけですが、少し前にレイチェルが言っていたように「外はタバコの煙、中はバカみたいなきれいな空気」という状況で、レイチェルにとっては「タバコの煙を吸いに外に出ているようなもの」ですよね。
レイチェルの状況を考えると、「新鮮な空気を吸いに」が何だか皮肉っぽい表現になるため、「まぁ実際のところは逆なんだけどね」という気持ちを込めて、モニカも少し間を置いてから「新鮮な空気」と言ったことになるでしょう。
「一緒に外に行くけれど、タバコは吸わない」というのならできそうね、と言ったレイチェルに、チャンドラーは、Yeah, or you can do the easy thing and smoke. と言います。
Yeah は、そのモニカの案に同意している肯定で、or 以下は、「それもいいけど、もしくはこういうこともできるよ」と別の案を提案している感覚ですね。
簡単なことをすればいいんだよ、つまり、吸えばいいんだよ、とアドバイスしている感じですが、「君も一緒に吸っちゃう方が簡単だよ」と言っているわけですね。
新鮮な空気を吸いに来たとか下手な言い訳はせずに一緒に加わっちゃえよ、と言っている、元スモーカーのチャンドラーらしいセリフですね。
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