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ロスの息子ベンは、公園でスカウトされ、コマーシャルのオーディションを受けることになります。
父親役もあると聞いたジョーイは、それに便乗する形で、そのオーディションに参加します。
ですが、ベンとジョーイは似ていないということで、それぞれ別の人とのペアで親子を演じることになり、ベンとジョーイは、オーディションでライバル関係になってしまいました。
チャンドラーとジョーイの部屋に、ジョーイが帰ってきます。
ジョーイ: Ross, good, I'm uh glad you're here. I wanna talk to you about something. (ロス、良かった。お前がここにいてくれて嬉しいよ。俺はお前に話したいことがあるんだ。)
ロス: What's up? (どうしたの?)
ジョーイ: Well, I've been thinking about this whole commercial thing, y'know, me going up against Ben. The two of us competing, and that can't lead to anything good. So, I think I'm just gonna step aside. I'm gonna tell them that I won't audition. (えーっと、このコマーシャルのことを俺はずーっと考えてたんだ。ほら、俺がベンとぶつかるってことだよ。俺たち二人が競争するってことで、それは何も良い結果にはならない。だから、俺は思うんだ、俺がただ身を引くことにしよう、って。俺はオーディションを受けない、って彼ら[オーディション担当者たち]に言うつもりにしてるんだ。)
ロス: Wow, uh, Joey, that's-that's great. Thanks, man. (わぁ。そのー、ジョーイ、それって、それってすごいよ。ありがとうね。)
そう言った後、何事もなかったかのように、またピザを食べ始める。
ジョーイ: That's it? You're-you're gonna let me do this? This-this is my career we're talking about here! (それだけ? お前は、お前は俺にこんなことをさせるつもりなのか? これは、これは俺のキャリアなんだぞ、俺たちがここで今話してるのは!)
ロス: But you just-- (でも、君は今…)
ジョーイ: I just said that so you wouldn't let Ben do it! Look, Ross, if anyone should step aside, it should be Ben! (俺がそう言えば、お前はベンにオーディションを受けさせないだろうって思ったんだ。なぁ、ロス、もし誰かが身を引くべきだとしたら、それはベンであるべきだ!)
ロス: What?! (何だって?)
ジョーイ: What? Chandler! Tell him! (何だよ? チャンドラー、ロスに言ってやれよ!)
チャンドラー: (shocked) Well, I mean, let me get the door first. (Goes and opens the door.) Oh, hi, no one! (Exits.) ([ショックを受けて] あのー、まずドアに応対させてくれ。[行って、ドアを開ける] あぁ、はーい、「いない人」! [部屋を出て行く])
ジョーイは継続を表す現在完了進行形を使って、ずーっとこのコマーシャルのことを考えてた、と言っています。
whole は「全体の」で、このコマーシャルの件に関する一連のことをあれやこれや考えていた、みたいな感覚でしょう。
me going up against Ben について。
go up against は「(敵)と戦う、ぶつかる」というニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、go up against の形では載っていませんでしたが、be up against が載っています。
be up against something/somebody : to have to deal with a difficult situation or fight an opponent
つまり、「難しい状況に対処しなければならない、または敵と戦わなければならないこと」。
going という -ing 形は「動名詞」で、me はその動名詞の主語になります。
書き言葉では、動名詞の主語は所有格の形(my going)になりますが、話し言葉の口語では上のセリフのように、動名詞の主語が「目的格」になる場合が多いです。(フレンズのセリフでも、ほとんどが目的格になっています)
ですから、ジョーイのセリフの意味は、「俺がベンとぶつかること、戦うこと」になります。
次の The two of us competing も動名詞の形で、「俺たち二人が競争すること」。
lead to は「(道路などが)…に通じる、至る」という意味があり、そこから、「(結果として)…となる」という意味にもなります。
All roads lead to Rome. は、「すべての道はローマに通ず」ですね。
one thing led to another 「1つのことが別のことにつながって、いろんなことが重なって」という表現もあります。
that can't lead to anything good の that は、その前の The two of us competing を指しており、「俺たち二人(ベンと俺)が競争することが、何か良い結果になるはずがない、何も良い結果にはつながらない」と言っていることになります。
step aside は「脇に寄る」ことから、「(人に譲るために)身を引く、候補を下りる」。
何も良い結果に結びつかないから、「俺が身を引くことにしようと思うんだ」と決意を述べているわけですね。
I'm gonna tell は、「これから…を言うつもりだ」という感覚。
audition は、「オーディション」という名詞で使われることが多いですが、この場合は、won't (= will not) の直後であることから、動詞として使われていることがわかります。
実際、audition には動詞で「オーディションを行う、オーディションを受ける」の意味があります。
them は漠然としていますが、「オーディションを受けないと言う」相手ですから、オーディション関係者だということですね。
ベンと争ってもいいことはないから、俺が身を引くことにするよ、というジョーイの発言に、ロスは感謝の気持ちを述べますが、その後、すぐにジョーイに背を向け、またピザを食べ始めます。
それを見て、That's it? 「それだけ?」と怒り出すジョーイ。
俺が話しているこの件は、俺のキャリアに関することなんだぞ!とも言っています。
俳優の俺が、オーディションから身を引く、と言うことが、どれくらい大きなことかわかるか?と言いたいようです。
ロスの But you just-- は、「だって、今君が自分で、身を引くことにする、って言ったんじゃないか、そう言ったのは君自身だろ」という気持ちですね。
I just said that so you wouldn't let Ben do it. は、「俺はただそう言っただけだよ、そうすれば(そんな風に言えば)、お前はベンにそれをさせないだろうと思ったから」というようなニュアンスでしょう。
あるいは、「お前がベンにそれをさせないように、俺はそう言っただけだ」でもいいでしょう。
do it は、オーディションを受けることを指していると思います。
これがもし、you wouldn't let me do it. なら、「(俺が身を引くって言っても)お前がそれを俺にさせないだろう、俺に身を引かせるようなことはしないだろう」という意味になると思います。
つまりジョーイは、本心からそう言ったわけではなくて、俳優の俺の方が身を引く、と言ったら、「それはジョーイの大切なキャリアだから、素人のベンの方が身を引くよ、父親としてオーディションはやめさせるよ、だからジョーイは遠慮せずにオーディションを受けてくれ」と、ロスが言うと予想していた、ということですね。
それなのに、ジョーイがオーディションをあきらめる申し出があっさり受け入れられてしまい、それで話が終わってしまったようになったので、「あっさりそれを受け入れるなんておかしいだろっ?!」とジョーイは怒っているわけです。
「誰かが身を引くべきだとしたら、それはベンであるべきだ」とも言っています。
「身を引くべき人間がいるとしたら、それはベンだ」みたいな言い回しは日本語でも存在しますので、それを英語で言うと、上のようなセリフになる、ということですね。
ジョーイとロスは喧嘩になってしまい、ジョーイはチャンドラーに「ロスに何か言ってやれ。俺の方が正しいって言ってやれ」みたいなことを言います。
どちらも友達だし、どちらにとってもオーディションが大切なことをわかっているチャンドラーは、どちらの側につくこともできずに困ってしまいます。
そこで、let me get the door first と言っていますね。
「まずはそのドアに応対させてくれ」という意味で、この件について俺が何か言う前に、ドアのところに誰かいるみたいだから、まずはその相手をさせてくれ、と言っていることになります。
ドアのチャイムが聞こえたり、誰かのノックする音が聞こえたりすると、I'll get it. 「俺が出るよ」と言うことがありますが、その get と同じ感覚ですね。
特にノックの音がしたわけでもないのに、チャンドラーはそう言ってドアを開けます。
案の定、廊下には誰もいないのですが、誰もいない状態を見て、チャンドラーは、Oh, hi, no one! と挨拶し、そのまま、部屋を出て行ってしまいます。
誰かに応対したふりをして、そのまま逃げたかったわけですね。
no one は「誰も…ない」という代名詞(pronoun)。
Hi, everyone. 「はーい、みんな」と人に呼びかけるニュアンスで、Hi, no one. 「はーい、いない人」のように呼びかけている感覚です。
名詞を否定する単語なので、無理やり日本語にすると「無人」みたいになるのかもしれませんが、日本語の無人は「人がいないこと」という「状態」を指す言葉なので、「はーい、無人」では、この英語のニュアンスは出ない気がします。
日本語では、「誰もいない、人がいない、人が…しない」のように、動詞「いる、する」に否定語の「ない」を付けることで表現しますが、英語の場合は、動詞はそのままで、名詞そのものに、no- をつけることで表現することが可能で、no one, nothing などの名詞の否定形が主語になることもありますね。
今回の、Hi, no one. も、動詞がない状態の「名詞の否定形」であり、それを呼び掛け語として使っているのが、非常に英語らしいなと思いました。
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2011年04月04日
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