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シーズン5 第19話
The One Where Ross Can't Flirt (ロスのナンパ必勝テク)
原題は「ロスがナンパできない話」
チャンドラーとジョーイの部屋。今日はモニカとの交際10ヶ月の記念日なんだ、とチャンドラーはロスに嬉しそうに話しています。
(There's a knock on the door and Chandler answers it. It's the pizza delivery girl.)
ドアにノックがあり、チャンドラーはそれに応対する。ピザ配達の女の子である。
配達の女の子(Delivery Girl): Hi, Chandler! (はーい、チャンドラー!)
チャンドラー: Hey, Caitlin! Somebody got a haircut. (やあ、ケイトリン! 誰かさんは髪を切ったんだね。)
ケイトリン: Ugh, I hate it! I look like an eight-year-old boy. (あー、いやなのよ! 私、8歳の男の子みたいに見えるもの。)
チャンドラー: Yeah, if that was true, gym class would've been a lot more interesting. (そうだね、もしそれが本当なら、体育の授業はずっともっと面白かっただろうに。)
ケイトリン: It's uh, 27 dollars even. (ちょうど27ドルよ。)
チャンドラー: Oh, okay. (Hands her the money.) Here you go. (あぁ、オッケー。[ケイトリンにお金を渡す] どうぞ。)
(The duck starts quacking.)
(チャンドラーたちの部屋にいる)アヒルがクワックワッと鳴く。
ケイトリン: Hey, where's the chicken? (ねぇ、あのニワトリはどこ?)
チャンドラー: Oh, he's in the back. The duck pissed him off. He said that eggs came first. (あぁ、彼は奥にいるよ。そのアヒルがニワトリを怒らせたんだ。アヒルは、「卵が先だ」と言ったんでね。)
髪の毛の短い配達ガールを見て、チャンドラーは、Somebody got a haircut. と言っています。
もちろん、somebody というのは、目の前にいるケイトリンのことですが、You とは言わず、わざと somebody 「誰かさん」と言っているわけですね。
日本語でも、「おやぁ? 誰かさんは髪の毛切ったみたいだねぇ」と茶化す感じで言ったりしますので、その感覚は同じですね。
Ugh は、「あー」に濁点がついたみたいな音で、いらいらした時、いやな時に発する音。
チャンドラーが髪の毛のことに言及したので、「その髪型が、私は気に入らないのよね」と言っています。
短く切りすぎちゃって8歳の少年みたいに見えるもの、とも言っています。
それを聞いたチャンドラーは、もしそれが本当なら、つまり、「もし君が本当に8歳の少年なら」、体育の授業(gym class)は、もっとずっと楽しかっただろうにね、と返します。
8歳の時、一緒に授業を受けている同級生の男子が、今の君みたいな人だったら、もっとわくわくできて楽しかったのに、と言いたいわけです。
体育の授業だと、身体が接するチャンスも多いから…でしょうね。
君みたいな魅力的でセクシーな女性が同級生なら嬉しかったのに、と言って、ボーイッシュな髪型になっても、女性としての魅力は変わらないよ、と褒めているニュアンスになるでしょう。
アヒルが鳴いているのを見て、いつも一緒にいるニワトリがいないことに気づいたケイトリン。
チャンドラーは、ニワトリは奥にいる、アヒルがニワトリを怒らせたから、と言っています。
piss off は「(人)を怒らせる、うんざりさせる」という俗語ですね。
元々、piss は「小便(をする)」という卑語ですから、piss off という言葉もあまり上品とは言えないでしょう。
He said that eggs came first. について。
これは、Which came first, the chicken or the egg? 「ニワトリが先か、卵が先か?」という有名な命題を踏まえて言っているセリフですね。
どちらが最初にこの世に存在したか?という話で、ニワトリは卵から生まれるのだから卵が先? でも、その卵を産むのはニワトリだから…と考えていくと、どちらが先か決められなくなる、というものですね。
また、この命題から来た言葉で、
a chicken-and-egg problem/question/dilemma 「どちらとも決められない、因果関係のわからない問題/ジレンマ」
という言葉もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Which came first, the chicken or the egg? : used to say that it is difficult or impossible to decide which of two things happened first, or which action is the cause and which is the effect
つまり、「2つのうちのどちらが先に起こったか、または、どちらの行動が原因で、どちらの行動が結果か、を決めるのが困難または不可能なことを言うために用いられる」。
内容はほぼ同じになりますが、a chicken and egg problem も以下のように説明されています。
a chicken and egg situation/problem/thing etc. : a situation in which it is impossible to decide which of two things happned first, or which action is the cause of the other
また、come first は、「先に来る」という意味から、「1番になる、1着になる」という意味もありますし、「何よりも優先である、一番大切である」という意味にもなります。
Profits come first. は「利益優先」という決まり文句ですね。
LAAD では、first の項目に、以下の意味と例文が載っていました。
first : 6. used to show what is most important to someone
例) Work always came first, and family came second.
つまり、「誰かにとって何が一番重要であるかを示すために用いられる」。
例文は、「いつも仕事が優先で、家族は二の次だった。」
ですから、このチャンドラーのセリフは、有名な「卵とニワトリ」の話をもじって、アヒルがニワトリに「卵が1番、1着だ(ニワトリは2番、2着)」と言ったとも解釈できますし、「卵を優先させる、卵の方が大事だ(ニワトリは卵より優先順位が低い)」と言ったと捉えることも可能でしょう。
到着順位か、優先順位か、そのどちらにしても、卵に比べてニワトリは次点である、と言って、ニワトリが卵より何かしら「劣る」ことを言っている「悪口」になるわけですね。
ニワトリがいない→怒って奥にこもっちゃった→「ニワトリより卵が先」って言われたから、という流れですが、「卵が先かニワトリが先か?」という言葉が有名であるために、eggs came first だけでその話だなとピンと来る仕組みです。
この言葉は、日本語でも使われますので、日本人にもわかりやすいジョークだった気がしますね。
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