2011年04月14日

英語を話せます、話します フレンズ5-19その2

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モニカ: (entering from the bathroom) Hey! Happy Anniversary! ([バスルームからリビングに入って(戻って)きて] はーい! 記念日おめでとう!)
チャンドラー: Happy Anniversary, 10 months! (They kiss.) (記念日おめでとう、10ヵ月だね! [二人はキスする])
モニカ: So umm, when I was in the shower I was thinking about our first night in London.... (それで、あの、シャワーを浴びてる時、ロンドンでの私たちの最初の夜のことを考えてたの…)
チャンドラー: Uhh, Joey's grandmother's right there. (Points) (あぁ、ジョーイのおばあちゃんが、すぐそこにいるんだ。[指さす])
モニカ: Is that the one who speaks English or the one that doesn't? (あのおばあちゃんは、英語を話す方(ほう)? それとも話さない方?)
チャンドラー: The one who doesn't. (話さない方だ。)
モニカ: That was some hot love you gave me! I'm gonna go get ready. (あれは、あなたがくれた、すっごくホットな愛だったわ! 私は(出かける)準備しに行くわね。)
チャンドラー: Hey, why don't you wear those earrings I got you? (ねぇ、俺が君にあげたあのイヤリングをしたらどう?)
モニカ: Oh, that's a great idea. I was saving them for something special. (あぁ、それは素敵な考えね。あのイヤリングは特別なことのためにとっておいたのよ。)
チャンドラー: Okay. (オッケー。)
モニカ: (runs over to Phoebe) You've got to go home! ([フィービーのところに走って行って] あなたは家に帰らないといけないわ!)
フィービー: But I like it here! (でも、私はここが好きなの!)
モニカ: You gotta go home and get the earrings that you borrowed from me, okay? Chandler wants me to wear them tonight. (あなたは家に帰って、あなたが私から借りたイヤリングを持ってこないといけないのよ、いい? チャンドラーは、今夜、私にそれをつけて欲しいと思ってるのよ。)
フィービー: Okay, well, I think they're in my purse. Why don't you go get dressed and I'll look for them. (いいわ。えーっと、私のバッグに入ってると思うから。モニカは着替えに行ったら? 私はイヤリングを探すから。)
モニカ: Great! (わかったわ。)
フィービー: Okay! (Walks over to Rachel) Rach, hi, I need those earrings you borrowed. (オッケー。[レイチェルのところに歩いて行って] レイチェル、はーい。あなたが借りたあのイヤリングが必要なの。)
レイチェル: Oh, umm, okay, yeah, I'll be, yeah I'll be right back. (Goes to her room.) (あぁ、うーんと、オッケー。いいわ。そうよ、すぐに戻るわ。[自分の部屋に行く])

交際10ヵ月の記念日ということで、お互い、Happy Anniversary! と言い合っている二人。
モニカのセリフから、バスルームから出てきたのはシャワーを浴びていたからだ、ということもわかります。
ロンドンでの最初の夜を思い出してた…と言いかけるモニカですが、チャンドラーはすぐそばにジョーイのおばあちゃんがいることを知らせます。

Is that the one who speaks English or the one that doesn't? を直訳すると、「あの人[そこに座っているおばあちゃん]は、英語を話す人? それとも英語を話さない人?」ということで、その質問に対して、「英語を話さない人だ」とチャンドラーは答えています。
ジョーイには父方、母方のおばあちゃんが2人いて、片方は英語を話し、もう片方は話さない、だから、今回来ているのはどっちの方?と尋ねていることになります。
過去記事、フレンズ3-11その35 に登場していたジョーイのおばあちゃんは、英語を話していました。
その 3-11 のおばあちゃんが、The one who speaks English. 「英語を話す人、英語を話すほうのおばあちゃん」だということですね。
ジョーイはイタリア系なので、どちらかのおばあちゃんはイタリア語しか話せない、という設定のようです。(…というか、「英語がわからないおばあちゃん」という設定にすることによって、コメディーの脚本が書きやすい、という脚本家の都合と言いますか…笑)

ちなみに日本語だと、「英語を話せる、しゃべれる人?」みたいに「話すことができる」的な可能のニュアンスで表現するかもしれませんが、今回のセリフでは、who can/can't speak English のように can は使われていませんね。
この文脈では、「話せるかどうか」という個人の能力が話題になっているのではなく、その人が普段、どんな言葉を話しているか、という「習慣」の話なので「現在形」が使われている、と考えればよいでしょう。
医療ドラマ「ER」の 1-3 で、患者として来ていた中国系の女性について説明する時に、
Doesn't speak English, but her son does. (彼女は英語を話しませんが、彼女の息子は英語を話します。)
というセリフがありました。
中国からの移民で英語が話せない、という設定なわけですが、やはりこういう場合でも、can ではなく、現在形を用いる、ということがこのセリフからもわかります。

ですから、誰かに「英語が話せるかどうか?」を尋ねたい場合でも、Can you speak English? ではなく、Do you speak English? と尋ねる方が適切だという気がします。
can を使ってしまうと、「あなたには英語を話す”能力”があるのかどうか」を尋ねている感じがして、失礼なのではないかと思うのです。
「できるか、できないか」という、まさに「相手の能力を問う」場合は別にして、「英語を話すか話さないか」を問うのであれば、現在形になる、という理解で良いでしょう。
日本語で言うと、「あなたは英語を話せますか?」と言うよりも、「あなたは英語を話しますか?」と尋ねる方が失礼ではない、というのと似た感覚だと思います。

英語を話さないほうのおばあちゃん、だと聞いて、モニカは、ロンドンの夜の話を続けます。
もし英語がわかる人なら、相手は高齢でもあるので、「人前でそんな話をして、はしたない」みたいに言われる可能性もあったけれど、英語がわからない人なら大丈夫と判断したからですね。

That was some hot love you gave me! を直訳すると、「あれ(ロンドンでの夜のことを指す)は、あなたが私にくれた、素晴らしい、ホットラブだったわ」みたいになるでしょうか。
hot は「熱い」「ホットな」、または「セクシーな」「興奮させる、みだらな」という性的なニュアンスもあります。
some は「たいした、なかなかの、素晴らしい」みたいな感覚ですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
some [determiner] :
4. (spoken, informal) very good, bad, impressive, or extreme
例) That was some party last night!

つまり、「(限定詞。口語、インフォーマル) とても良い、とても悪い、印象的、または極端な」。
例文は、「昨夜はなかなかのパーティーだったね!」

構造通りに直訳すると、あまりピンと来ませんが、要は、「あなたがあの時くれた、情熱的な愛は、かなりのものだったわよ、すごく素敵だったわよ」みたいに言っていることになるでしょう。

チャンドラーは、why don't you...? を使って、「俺がプレゼントしたイヤリングをつけたらどう?」と提案します。
save A for B は「A を B のためにとっておく」。

チャンドラーが去った後、モニカは慌ててフィービーのところに行き、You've got to go home! と言います。You have to go home! ということで、「あなたは家に帰らないといけない、すぐに家に帰って」という感覚ですね。
それに対してのフィービーの返事、But I like it here! がフィービーらしくズレた感じで面白いです。
普通は、いきなり、「あなたは家に帰らないといけない」みたいに言われると、What? Why? 「何ですって? どうして?」みたいに返す人が多いでしょうか。
フィービーは「帰って」と言われて、理由も尋ねずに、「帰りたくないわ、だって私はここが好きなんだもん」と主張しているわけで、その受け答えが何だかトンチンカンな感じですね。
モニカが理由を説明せずいきなり「帰って」と言っているのは、すぐ後のセリフでわかりますが、自分が今すぐ必要なイヤリングをフィービーが借りたままで返してくれてない、そのことに対する苛立ちと怒りで、最初にガツンとそう言っている、という感覚だと思います。
普通はそう怒鳴ると、「どうして?」と相手が返してくるので、「だって、あなたが私の大事なイヤリングをずっと借りたままで返してくれないからよ! 早く帰って取ってきてよ!」と、理由を述べつつ、自分が怒っていることも示せる、という流れになりますよね。
明らかにモニカは怒った調子で「帰って」と言っているのに、「だって私はここが好きだから」と答えるボケた感じが、いかにもフィービーらしいなと思えます。

モニカが想定した返事がフィービーから返ってこなかったので、モニカは、You gotta go home and get... のように、また you gotta go home を繰り返した後、私から借りたイヤリングを取ってきて、と言います。
自分のバッグに入ってると思う、と言ったフィービーでしたが、モニカを着替えに行かせた後、すぐにレイチェルのところに飛んできて、「イヤリング返して」というのも楽しいですね。
「フィービーはそのイヤリングをさらにレイチェルに貸してたのか!」とわかる面白さです。

ところで、フィービーが言っていた、I like it here. について。
今、自分がいる場所が好きなの、というニュアンスで、日本語では「私はここが好き」といったりしますが、それを英語にすると、I like it here. のように、it が必要となります。
here は「ここに、ここで」という「副詞」ですから、「…が好き」という他動詞の目的語になり得ない、だから、仮の目的語として、it が必要となってくる、という感覚だと思います。
it は「状況」を指すと考えたら良いでしょうか。
あえて直訳すると、「私はここにいるという状況が好き」みたいになるかなぁ、と。

it という短い単語なので、それほど目くじらを立てることでもないかもしれませんが、多分、ネイティブはこの it が抜けていると、何だか落ち着かない感じがするだろうと思います。
どうしてこの it が必要か?の問いには、「like は他動詞で目的語が必要、here は副詞だから目的語にならない」と説明することになりますが、そういう感覚を知るために「文法知識」が必要になってくるのですね。
私が、I like it here. というフレーズを初めて聞いたのは、多分、「アリー my Love」だったと思います。
ここに it が入るんだぁ、というのに気づいて、「へぇ、そうかぁ〜」と妙に感心したことを覚えています。
その it に気づいたことは、私にとっては、難しい法廷用語の単語を知ることよりも、ずっと意味があることだったと思っていますし、これが「英語の感覚を掴む」ということなんだな、と言える気がします。


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posted by Rach at 15:57| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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