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ピザの配達ガール、ケイトリンをナンパしようとして失敗し、チャンドラーに助けられてしまったロスは、「チャンドラーはケイトリンにちょっかいかけてた」とモニカにバラします。
それを知っても全く動じないモニカにほっとしたチャンドラーでしたが、モニカが「私も男性といつもそういうことをしてるもの」と言ったので、今度は逆にチャンドラーが、そのことでモニカに詰め寄ることになってしまいます。
モニカ: Chandler, this actually bothers you? (チャンドラー、このこと[私が他の男性と面白半分にいちゃついたりすること]が実際にあなたを悩ませるわけ?)
チャンドラー: Yes, it does bother me! And I think it would bother a lot of people. Rachel, when you were going out with Ross, did it bother you when he flirted with other women? (そうだね、まさに俺を悩ませるね! それに(俺だけじゃなくて)多くの人を悩ませると思うよ。レイチェル、君がロスと付き合っていた時、ロスが他の女性といちゃついてたら、嫌な気持ちがしただろ?)
レイチェル: Uhh, no, no, it bothered me when he slept with other women. (あー、いえいえ(そんなことでは嫌な気持ちにならなかったわ)。私を悩ませたのは、ロスが他の女と寝た時ね。)
ロス: And thank you for that. ([皮肉っぽく] そんなこと言ってくれてありがとう。)
レイチェル: But y'know, I never really had anything to worry about. Ross was never very good at the flirting thing. (でも、ほら、私は何も心配することなかったわ。ロスはそういう「ナンパする」ってことがあんまり得意じゃなかったから。)
ロス: What? (Mumbles) What-what, what are talking about? It-it worked with you. (何だって? [ぶつぶつ言う] 何、何、何言ってるの? 君にはうまくいったじゃないか。)
レイチェル: Oh! Y'know what? You're right! We met, you flirted and then bam! Nine years later, you had me! (ああ! そうよね、あなたは正しいわ! 私たちは出会って、あなたが口説いて、それから、バン! 9年後に、あなたは私をモノにしたのよね!)
ロス: All right, all right. You-you-you know what I'm going to do? I am going to order another pizza and when Caitlin gets here, you-you-- I will show you how well I flirt. Yeah! I will, I will get her phone number! (To Chandler) And not the one on the menu! (いいよ、いいよ。僕が何をしようとしてるかわかる? 僕はもう1枚ピザを頼むつもりだよ。そして、ケイトリンがここに来たら、君は…。君に、僕がどれほど上手にナンパするかを見せてあげるよ。そうさ! 僕は彼女の電話番号をゲットするぞ! [チャンドラーに] それから、その番号はメニューに載ってるやつじゃないぞ!)
bother は「(人など)を悩ませる、嫌な思いをさせる」。
ですから、this bothers you? は、「このことがあなたを悩ませる?」、つまりは、「あなたはこのことで悩んで嫌な思いをする?」ということになります。
this は、モニカがその前に言っていた、「私も他の男性と、いちゃいちゃしたり面白半分に口説いたりする」ということを指します。
「そんなことくらいで悩んだりしないでしょ?」という気持ちがあるために、モニカは、actually 「本当に、実際に」という言葉を使っていて、それに対してチャンドラーも、does を使って強調して、it does bother me 「本当に嫌な思いがするよ」と答えています。
さらには、自分だけではなくて、自分の恋人がそんなことをしたら、多くの人が嫌な気持ちになるよ、という意味で、I think it would bother a lot of people. とも言っていますね。
そして、他の人の意見を聞くために、「レイチェルがロスと付き合ってる時、ロスが他の女とふざけあってたら、嫌な気持ちがしなかった?」みたいに尋ねています。
ここで改めて、今回のエピソードのキーワードとなっている、flirt という単語について見てみます。
flirt は「(異性と)ふざける、もてあそぶ、いちゃつく、面白半分に口説く、ナンパする」というような意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
flirt [verb] [intransitive] : to behave toward and talk to someone as though you are sexually attracted to them, but not in a very serious way.
例) We flirted a little but that's all.
with
例) The waitress was flirting with a customer.
つまり、「まるで性的な魅力を感じているかのように、しかし、それほど真剣な様子ではなく、誰かに向かって行動する、または誰かと話すこと」。
例文は、「俺たちは(面白半分に)いちゃついてたけど、それだけだ。」
flirt with の形の例文は、「そのウェイトレスは客の一人とふざけ合っていた。」
つまり、「相手が異性であることを意識して、まるで恋愛感情を持っているかのように、いちゃついたりふざけあったりする、でも、あくまでも面白半分にやっていることで、真剣ではない」というニュアンスですね。
恋人じゃないのに、男女間でふざけ合い、思わせぶりなことを言ってからかったりするような感じです。
「ロスが他の女と flirt したら、いやだったろ?」と聞かれたレイチェルは、「そうね、いやだったわね」と普通なら答えそうなところを、no, no. と否定して、「ロスが flirt しても、別に嫌な気持ちはしなかった」と答えています。
が、その後、it bothered me when... と続けて、「私がいやだったのはこの時よ」と言いながら、flirt 「いちゃつく」じゃなくて、slept 「(他の女と)寝た」時の話をしています。
ロスとレイチェルが別れる原因となった、コピー屋の女の子クロエと寝た話を皮肉っぽく持ち出しているわけです。
レイチェルは、be good at 「…が得意である」という表現を使って、「私は心配することなんかなかった。ロスはそういう「ナンパ」的なことは得意じゃないから」と言っています。
それを聞いて、ロスは、「は? 何だって?」という感じで、耳に手を当て、「今の君の発言、よく聞こえなかったんだけど」みたいな顔をしています。
It worked with you. は、「君とのことでは、うまくいった、うまく機能した、ききめがあった」みたいなニュアンス。
僕が flirt が苦手みたいに君は言うけど、実際、君は僕の恋人だったわけだから、僕の口説きに落ちたってことだろ?と言いたいのですね。
それを聞いて、レイチェルは大袈裟に、「あなたは正しいわ!」と言いながら、二人が出会い、付き合うことになった様子を説明しています。
We met, you flirted and then bam! Nine years later, you had me! について。
bam! は、大きな音のイメージ。「ドーン、ババーン、ジャーン」みたいな感覚でしょう。
「私たちは出会って、あなたが(私を)口説いて、そして、バーン!」みたいに言っているのは、「そしたら、ほら、ババーン!と結果はこういうことになったのよ」みたいな感覚なのかなぁ、と思います。
フレンズでは、これまでにも同様の bam が何度か登場しました。
フレンズ1-5 では、男性と女性の違いを話していて、女性のここがすごい!とロスが語っているセリフ。
ロス: Not that big a deal? It's amazing. Ok, you just reach in there, there's one little maneuver, and bam, a bra right out the sleeve. All right, as far as I'm concerned, there is nothing a guy can do that even comes close. Am I right? (そんなに大したことじゃないって? すごいことだよ。ほら、君ら女性は、そこに手を入れて、ちょっと巧みに操る。すると、バン! ブラが袖から出てくるんだ。僕の知る限りは、男性のできることで、それと似たようなものはないよ。僕は正しいだろ?)
フレンズ1-11 では、ベストセラー作家である、チャンドラーのママ、ノーラ・ビングに「私も作家になりたいんです」とレイチェルが言うと、
ミセス・ビング(チャンドラーのママ): Oh, please, honey. Listen, if I can do it, anybody can. You just start with half a dozen European cities, throw in 30 euphemisms for male genitalia, and bam! You have got yourself a book! (まぁ、ハニー。ねぇ、もし私ができるなら、誰にだってできるわ。ヨーロッパの6つの都市から始めて、男性器の婉曲表現を30個放り込めば、バン! あなたにも本ができちゃうわよ!)
なかなか、この bam の感覚を日本語で説明するのは難しいのですが、今回のセリフを含めて、3つのセリフを並べてみると、何となくイメージがわかっていただけるかな、と思います。
you had me は「あなたは私を持った」、つまり、まさに日本語の「あなたは私をモノにした」という感覚ですね。
あなたの言う通り、あなたが私をナンパして、私はあなたのものになったのよ、ただし、それは9年も経った後だったけどね!という皮肉ですね。
ロスは学生の頃からずっとレイチェルに片想いしていたのですが、「ロスなりに口説いたりしてたつもりでしょうけど、私がそれに心を動かされたのはずっとずっと後のことよ」と、やはりロスはナンパが上手くない、ということを言いたいのです。
ナンパが下手で、私を口説き落とすのに9年もかかったくせに、と言われたロスは、そんなに言うなら見てろよ! とばかり、電話でピザを頼んで、ケイトリンをここに呼び寄せ、そこで、自分のナンパがどれほどうまいか(how well)を見せようとします。
I will get her phone number! And not the one on the menu! について。
「彼女の電話番号をゲットするぞ!」と言った後、小声でチャンドラーに、And not the one on the menu! と付け足しています。
これは、文の要素をくどいくらいに付け加えると、And the phone number I'm going to get is not the phone number on the menu! ということになるでしょうか。
つまり、「僕がこれからゲットしようとしている電話番号は、(ピザの)メニューに載っている電話番号じゃないんだぞ」みたいなことが言いたいのだろうと思います。
今、ちょうど、ロスは電話をかけてピザを注文しているわけですが、そういう出前のメニューにはピザ屋さんの番号が載っていますよね。
それは彼女の職場の番号でもあり、そこにかければ彼女に繋がるということで、her phone number だとも言えるかもしれないけど、僕がゲットするって言ってるのは、そんな店や仕事の番号じゃなくて、彼女のプライベートな自宅の番号だからな!と宣言している感じだと思いました。
ピザ屋の店員と客、という関係を超えて、男女として電話番号を教えてもらうからな、と言っているわけでしょう。
ピザは電話で注文するものなので、電話番号はすでに知っている、だから、「電話番号って言っても、メニューに載ってる番号じゃないぞ」というセリフを言うことで、ピザ屋さん勤務の女の子を口説こうとしている話ならではのジョークになっている、ということですね。
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それにしてもロスが他人のセリフにかぶせるようにAnd・・・と話すとつい笑ってしまうので不思議です。
すごく詳しいブログですね。よく意味がわからない時にはこのブログで検索させていただきますm(__)mありがとうございます。
コメントありがとうございます。
元カノならではの辛辣なセリフには笑ってしまいますよね。ロスのセリフは、誰かのセリフに対するリアクションの時に、その面白さが一番発揮される気がします。
ブログの内容をお褒めいただきありがとうございます。これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします。