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モニカが「私も他の男性と flirt してる(面白半分にいちゃついたりしてる)」と言ったことにまだこだわっているチャンドラーは、テレビドラマを見ながら、またその話題を持ち出します。
モニカ: Okay, let me get this straight. It's okay for you to flirt, but not for me. (わかったわ。この件についてはっきりさせて。あなたがいちゃつくのはオッケーで、でも、私がそうするのはダメなのね。)
チャンドラー: Oh, I'm so glad we cleared that up. Look, I'm sorry, some things are different for men and for women. (あぁ、そのことをはっきりできて嬉しいよ。ねぇ、悪いけど、男と女じゃ、違うことがあるんだよ。)
モニカ: Go on, teach me something about men and women. (話を続けて。男と女について教えてよ。)
チャンドラー: Okay, I've already taught you so much already, but whatever. See, when you flirt with a guy, you think, "I'm just flirting. No big deal." But the guy is thinking, "Finally! Somebody who wants to sleep with me." (よし、俺はすでに君にすごくたくさん教えてきたけど、でも、何でもいいさ。いいか、君が男といちゃつくと、君は思う、「私はただ面白半分にやってるだけよ。大したことじゃないわ」と。でも、その相手の男はこう思ってる、「ついに! 俺と寝たいと思ってる人間が(現われた)!」)
モニカ: No way! (まさか!)
チャンドラー: It's true. (真実だ。)
モニカ: Well, that's pathetic. (そう、それって哀れ[みじめ]だわ。)
チャンドラー: Again, true. (それまた、真実だ。)
モニカ: And this goes for all guys? (それで、このことは全ての男に当てはまるの?)
チャンドラー: All guys that are awake. Then we go to sleep. And all guys from the other end of the world wake up and behave the exact same way. (目を覚ましてる男は全部ね。それから俺たちは眠りに入る。そして、世界の反対側の男たちがみんな目覚めて、全く同じ行動をするんだよ。)
Let me get this straight. は決まり文句で、「このことをはっきりさせて、整理させて」。
straight は「まっすぐな」「整理整頓した、きちんとした」「間違いがない」というような意味がありますので、「私に、この件をきちんと整理し、はっきりさせて」というニュアンスになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
get something straight : to understand the facts about a situation and be able to tell them correctly
つまり、「ある状況に関する事実を理解し、それを正しく言うことができること」
「つまりはこういうことよね?」と言ってから、自分の理解した内容を語ることで、事実を明白にする感覚だと思います。
ちょっと私に整理させてね、とか、こういう理解で良いわけね?と相手に確認したいニュアンスになるでしょう。
but not for me の省略されている部分を補うと、It's not okay for me to flirt. 「私が flirt するのはオーケーではない」になります。
clear up は「きれいにする、片づける、整頓する」、または「明白にする」「(問題・疑問)を解く、解決する」という意味もあります。
何かごちゃごちゃしていたものを、すっかりクリアーにする、というようなニュアンスになるでしょうね。
LAAD では、
clear up (phrasal verb) :
clear something up / clear up something : to explain something or make it easier to understand
つまり、「何かを説明する、または、それがよりわかりやすいようにする」。
今回のチャンドラーのセリフ、I'm so glad we cleared that up. は、俺たち、つまりモニカと俺(チャンドラー)が、clear up 「した」(過去形)ことを、俺はとても嬉しく思っている、という意味ですよね。
これは恐らく、モニカが言った「男は flirt してもよいが、女はダメ」ということが、まさに俺が言いたかったことだよ、それをはっきりと文章にして「明白にしてくれて」ありがとう、君と僕との間でそのことがはっきりして、明白になって良かったよ、と言っている感覚だと思います。
モニカは「あなたはこう言いたいわけ?」と言って、その言葉を言っているわけですから、モニカ自身はその内容が納得できないわけですよね。
男はいいけど、女はダメって、そんなの筋が通らないわ、という気持ちでしょう。
モニカがそう言いたいことはチャンドラーにもわかっているので、「今モニカがそのことをはっきりさせてくれて良かった。(不公平だと思ってる)モニカには悪いけど、男と女じゃ違うんだよ」という流れになっているのでしょう。
男と女について教えてよ、と言うモニカに、チャンドラーは「これまですでにたくさん教えてきたけど」と現在完了形を使って答えています。
already が2回登場していますが、これはタイポではなく、実際の音声でも2回 already と言っています。
元々の脚本にもそう書いてあったのかどうかはわかりませんが、already を2度も使ったチャンドラーの気持ちとしては、「聞かせて、って言うけど、”もうすでに、とっくの昔に”そのことについては教えただろ?」と言いたいわけでしょう。
男女の違いはすでに教えた、というのは何とも漠然とした表現ですが、二人はもう10ヶ月も付き合っていて、深い関係にもなっているので、身体や心の違いなど、男と女はこうも違う、ということは、もういやというほどわかってるんじゃないのか?みたいなことが言いたいのだと思います。
but whatever は、「もうたくさん男女の違いを教えてきたはずだと思うけど、とりあえず今はそんなことはどうでもいいや」みたいな感じ。
男女の違いを語り出したら長くなるからと思ったチャンドラーは、whatever と言って今まで教えてきたことは切り上げ、今は flirt の件だけ説明しようと思い、その後、男女の受け止め方の違いを語っています。
女性のモニカは「ただのお遊びで大したことじゃない」と思うだろうけど、相手の男は違うぞ、相手はモニカがちょっかいかけてきたのを見て、「この女は、俺とエッチしたがってる」と思うもんだ、みたいなことをチャンドラーは言っています。
No way! は、「まさか!」や「絶対にいやだ!」などの意味がありますが、この場合はそのチャンドラーの説明が信じられないというニュアンスの「まさか!」ですね。
この No way! It's true. Well, that's pathetic. Again, true. というテンポの良いやり取りには笑ってしまいます。特に、Again, true. には吹き出してしまいました。
つまり、「まさか!」「本当だ」「それって哀れ・みじめね」「それも本当だ」みたいなことですね。
モニカとしては、面白半分にちょっかいかけたくらいでそこまで考える男性の気持ちが信じられず、さらにはそれを pathetic とまで言っています。
女性の方にはそんなつもりがないのに、男性が勝手にそこまで考えてしまうことを「哀れ、みじめ」だと言っているのですね。
チャンドラーはその発言を怒ることなく「それが哀れなのも事実だ」と認めているわけで、「え?反論しないの?」という面白さもあります。
女の子がちょっと自分にかまってきたら、「この子は俺に気がある? この子を落とせるかも? エッチできちゃうかも?」と思ってしまう、女性はそれをみじめだと言うかもしれないけど、それが男ってもんだよ、男の悲しい性(さが)なんだよ、みたいな感じでしょう。
go for は「適用される、当てはまる」のような感覚。
世の男性はみんなそうなわけ?というモニカの疑問ですね。
それに対して、「世の中の男は全部そうだ」と答えるのなら、まぁ、ありがちな返事になるわけですが、答えを何かひねらずにはいられないチャンドラーは、「起きてる、目を覚ましてる男はみんなそうだ」と言っています。
寝てる時は意識がないから、そこまで考えないかもしれないけど、少なくとも起きて意識のある間は、男はみんなそう考えるもんさ、ということです。
そして、その「起きている」と「寝ている」の区分けの話はまだ続き、「その起きてた男たちが眠ると、今度は世界の反対側の男が目を覚まし、同じように行動する」とも言っていますね。
世界中の男性を、昼側と夜側の2つに分けて語っているのが何とも大袈裟ですが、起きてる時の男性の思考は全部そうさ、男はみんなそういうものだよ、と言いたいわけですね。
それを説明するのに、「そういう考えの男たちが眠りについていなくなったと思ったら、また同じ考えを持った男が起き出してくる」みたいな表現を使っているのが、チャンドラーらしいなと思いました。
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「カプリコン1」は私のお気に入りの映画で「隠れた名作」と言える作品だと思うのですが、その面白さの割には知ってる人が少ないのが残念。ちなみに主演は「ロスのパパ」ことエリオット・グールド。
最近気付きましたがチャンドラー役の人って幕末に黒船でやって来て幕府に開国を迫った米国人と全く同じ名前なんですね。子孫なのか?一度本人に会って「あなたの名前は日本の教科書にも載ってて日本人なら誰でも知ってます」と教えてあげたい(笑)。
コメントありがとうございます。
She doesn't know "hello," but she knows Capricorn One. というそのナイス突っ込み、解説では省略してしまったのですが、「カプリコン・1」、今あらすじなどを調べてみたところ、確かに面白そうです。ゲラーパパが出てるなら、なおさら見てみないといけませんね!
それから、マシュー・ペリーというのはあの黒船のペリー提督と同じ名前なんですよね。
過去記事、フレンズ2-17その7
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388470460.html
で、ペリー提督と同姓同名の件についてちょこっと触れたこともありました。
その時は、英語版ウィキペディアに、actor と naval officer の二人が載っていたので気づいたんですよ。
ペリー提督の英語版ウィキペディアには情報もたくさん載っているので、アメリカでも歴史的に有名な人物のようです。
チャンドラー役のマシューはカナダ出身なのですが、ペリー提督がカナダでも知られているとしたら面白いですよね(^^)
興味深いコメントありがとうございました!