2011年04月20日

なくしたものはしょうがない フレンズ5-19その5

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フィービーが、モニカから借りたイヤリングをレイチェルに又貸ししたところ、レイチェルがイヤリングの片方をなくしてしまいます。
モニカは今日の記念日デートにそのイヤリングをつける予定でした。フィービーは、自分がなくしたということにして、モニカにこれから謝るところ。

フィービー: Mon, can I talk to you for a sec? (モニカ、少しの時間、話せる?)
モニカ: Yeah. What is it? (ええ、なあに?)
フィービー: Umm, I lost one of your earrings. I'm sorry. I am so, so sorry. (あのー、私、あなたのイヤリングの片方をなくしたの。ごめんなさい。ほんとにほんとにごめんなさい。)
モニカ: (shocked) Wow! All right, well, I mean, what can you do? If you lost it, you lost it. ([ショックを受けて] まあ! いいわ、その、ほら、(それ以上)あなたに何ができるっていうの? もしあなたがそれをなくしたんなら、なくしたということよ[なくした事実は変えられないわ])
フィービー: I'll replace it. I promise. I feel so terrible. (弁償するわ。約束する。すっごく申し訳ないって気持ちよ。)
モニカ: All right, sweetie, that's fine. You didn't do it on purpose. (わかったわ、ハニー、それはいいのよ。あなたはわざとなくしたんじゃないんだから。)
フィービー: No. (ええ、わざとじゃないわ。)
モニカ: Look at you. Come here. (They hug.) You feel better? (もう、何て顔してるの。こっちに来て。[二人はハグする] 気分は良くなった?)
フィービー: Yeah. You're the best. (ええ。あなたって最高よ。)

レイチェルに貸した自分のせいでもあるから…と、レイチェルのことは言わずにモニカに謝るフィービー。
片方だけ行方不明なので、one of your earrings の形になっていることも注目しましょう。
大事なイヤリングをなくしたと聞いて、モニカはショックを受けた表情をしていますが、その後、いつものように激昂することなく(笑)、落ち着いた調子でフィービーに語りかけています。

What can you do? を直訳すると、「あなたには何ができるの?」ですが、この場合は、「今のあなたに一体他に何ができるって言うの? 何もできないわ」という反語のニュアンスになります。
フィービーの能力うんぬんの話ではなく、「なくしてしまったという事実を取り消すことはできない、しょうがないわ」と言っていることになります。

英辞郎に、
What can you do?=どうしようもないな。

と出ていますが、まさにそういうニュアンスだと思います。

その後に続くセリフ、 If you lost it, you lost it. も、それと同じようなニュアンスですね。
これも直訳すると、「もしあなたがイヤリングをなくしたなら、あなたはイヤリングをなくしたの」みたいな感じになるでしょうか。
「イヤリングをなくしたっていうのなら、それはやっぱりなくしたのよ。なくしたものはなくしたもの、なくしたっていうその事実を変えることはできないわ」という気持ちでしょう。

こういう言い回しは、なかなか参考書で学べるものではないですね。
話の流れの中に出てきて初めて、ニュアンスがわかるタイプの文章だと思います。

フィービーは、replace する、と言っています。
replace は「取り替える、置き換える」と訳されることが多いですが、この場合は、元々のイヤリングが行方不明になっているので、「取り換える」と訳すと、ちょっと違和感がありますね。
そのイヤリングがあった場所に、新しいものを持ってくる、みたいな感覚で、なくしたイヤリングの穴を埋める形で、同じようなものを買って埋め合わせするわ、というニュアンスになるでしょう。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
replace : to get something new to put in the place of something that is broken, stolen, too old etc.
つまり、「壊れたり、盗まれたり、古くなりすぎたなどのものの場所・位置に新しい何かを置く・入れること」。

直訳しすぎてわかりにくいですが、要は「盗まれたりしたものの代わりに新しいものを用意する」」という感覚ですよね。
今回のように、自分がなくした、と言っている場合は、同様の品を買って弁償する、みたいなことになるでしょう。

feel terrible は、terrible な気持ちがする、ということですが、この場合は、本当に申し訳なくて、ひどいつらい気持ちでいっぱいなのよ、という感覚。

You didn't do it on purpose. の on purpose は「故意に、わざと」。
あなたは私を困らせようとして、わざとなくしたわけじゃないんだから、と、なくしたことを悔やんでいるフィービーを慰める優しいセリフになります。
その後のフィービーの、No. ですが、これを反射的に「いいえ」と訳すと妙な感じに聞こえます。
「あなたはわざとなくしたんじゃない」「いいえ」という日本語のやり取りだと、何だか「いいえ、実はあなたを困らせようと、わざとなくしたのよ」みたいに聞こえてしまいますね。
フィービーの、No. は、No, I didn't do it on purpose. ということで、モニカが言った否定文を、そのまま認めた返事になります。
だからもし、日本語で一言訳すとすると、「ええ」のように、モニカの言った内容を肯定するような返事として訳すのがふさわしいということになるでしょう。

フィービーに対して言っている Look at you. は、フィービーが本当に申し訳なさそうな顔をしているために、「まぁ、自分の顔を見てみてよ。なんて顔をしてるのかしら」と言っているのですね。
それで、「そんな顔してないで、こっちに来て。私は全然怒ってないんだから」という感じで、優しくハグすることになります。

この後、better と best が使われたセリフが続きますが、それはただの偶然…ではなく、やはり、better という言葉からの連想なのかなぁ、と思います。
別にダジャレとかではないのですが、比較級を使った相手に、最上級を使ったセリフで返す、みたいな、ちょっとしゃれた感覚、と言いますか。
気分は良くなった?と聞かれて、Yeah. と答えているのは、Yeah, I feel better now. みたいな感覚ですね。
あなたのおかげで、I feel better なの。だからあなたは the best だわ、友達思いの最高の人だわ、と感謝しているニュアンスになるだろうと思います。


(Rach からのお詫び)
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posted by Rach at 14:30| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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