2011年04月22日

だからあなたに貸さないのよ フレンズ5-19その6

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レイチェルがなくしたイヤリングを、自分がなくしたということにして、フィービーはモニカに謝ります。
モニカは「なくしてしまったものはしょうがないわ。わざとじゃないんだし」と言って、フィービーの謝罪をすんなり受け入れ、二人はハグし、さらに友情を深めたようになっています。
それを不満そうに見ていたレイチェルは…
レイチェル: Okay, wait a minute. Wait a minute, I-I-I, I can't do this. Listen, honey, this is, it's not Phoebe's fault. She lent me the earrings. I lost it. I'm so sorry, honey. I feel terrible too. (Holds out her arms for a hug.) (いいわ、ちょっと待って、ちょっと待って。私、私にはこんなことはできないわ。聞いて、ハニー、これは、フィービーのせいじゃないのよ。フィービーは私にイヤリングを貸してくれたの。私がなくしたのよ。本当にごめんなさい、ハニー。私もすっごく申し訳なく思ってるわ。[ハグのために腕を伸ばす])
モニカ: (angrily) That is exactly why I do not lend you stuff! (Rachel looks over at Phoebe in resignation.) Okay? I mean, first it's my jewelry! And if it's not my jewelry, it's-it's my blue sweater! And if it's not my blue sweater, it's my sunglasses! ([怒って] それがまさに、私があなたにものを貸さない理由よ! [レイチェルはあきらめの表情でフィービーの方を見る] いい? つまり、まずこのアクセサリーでしょ! そして、アクセサリーじゃなかったら、私の青いセーターでしょ? そして、青いセーターじゃなかったら、私のサングラスよ!)
レイチェル: Your sunglasses?! (あなたのサングラスなの?)
モニカ: Yes! (そうよ!)
フィービー: Oh, right! (Hands Monica back her sunglasses.) (あぁ、そうね! [サングラスをモニカに手渡す])

I can't do this. は、「私にはこんなことはできないわ」ですね。
this が何を指すかは、その後に述べる内容でわかりますが、「本当は自分がなくしたのにそれをフィービーのせいにする、というひどいこと」を指しています。
最初に、「こんなことできないわ」と言っておいて、本当のことを告白する、白状する、という流れになります。

フィービーが謝ったのと同じように、I'm so sorry. や、I feel terrible. という表現を使って反省を示し、「さあ、私も正直に謝ったから、さっきのフィービーと同じようにハグして」という感じで、腕を前に伸ばして、ハグを求めるしぐさまでしています。

フィービー同様にあっさり許してくれると思っていたレイチェルですが、モニカは急に怒り出します。
That is exactly why I do not lend you stuff! は、why の前に the reason があると考えるとわかりやすいですね。
「それ(そういうレイチェルの行い、貸したものをすぐなくすこと)が、私があなたにものを貸さない、まさにその理由よ」という感じになります。
日本語らしく言い換えると、「そんなんだから(そんな調子だから)、私はあなたにものを貸さないのよ!」になるでしょうか。
don't という短縮形ではなく、はっきり do not と言っているのも、「貸さない」という not の部分を強調するためですね。
また、do not という現在形は、習慣を表し、「私が普段からあなたにものを貸さないのは(そういう理由よ)」という感覚になります。

怒ったモニカが言う、first it's my jewelry. And if it's not my jewelry... というセリフは、なかなか面白いなぁと思いました。
first は、「まず、まずは」という感覚でしょう。
my jewelry は、「私の宝石類」で、つまりは、今回レイチェルがなくしたイヤリングを指しています。
And if it's not my jewelry, it's-it's my blue sweater! を直訳すると、「そして、私の宝石じゃないなら、私の青いセーターよ!」みたいな感じ。
レイチェルが人から借りたものをよくなくす、ということを語るために、「まずは今回のイヤリング、そのイヤリングのことがなかったとしても、その前には私の青いセーターをなくしてるし…」みたいに言っているのですね。
「青いセーターのことがなかったとしても、その前のサングラスもあるわ!」と、レイチェルの前科を暴露するような形で、「イヤリングにセーターにサングラス…あなたはどんだけ人のものをなくすのよ、こんな調子だから、あなたにものを貸さないのよ、わかった?」みたいに言っているわけですね。
これがなくても、それがあるし、それがなくても、あれがあるし…みたいな感じで、今、起こっている件から、どんどん昔にさかのぼっていく感覚を、このセリフから感じていただけたらと思います。
こんな感じで怒るのは、日本語にもある感覚ですね。
こういう風に言いたい場合、英語ではどう言えばいいんだろう?と思っても、こういう表現は、辞書や参考書、フレーズ集ではなかなか見つけられない気がします。
まさに「ドラマなどでこういう場面に出くわすことで学べる」表現の典型的な例のように思います。

「私のサングラス」と聞いて、「あなたのサングラス?」と聞き返すレイチェル。
実はサングラスは、この少し前のシーンですでに登場していました。
その時のやり取りは以下の通り。

昨日、チャンドラーたちの部屋に行ってたから、そこでイヤリングを落としたのかもしれないと、彼らの部屋に探しに行ったレイチェルが戻ってきて、
フィービー: Did you find it? (イヤリングは見つかった?)
レイチェル: The earring? No. But look, I found my sunglasses under the couch. I've been looking for these since like last summer. (Puts 'em on.) (イヤリング? いいえ(見つからなかったわ)。でも、見て、カウチの下に私のサングラスを見つけたのよ。去年の夏ぐらいから、私、これをずーっと探してたのよ。[サングラスをかける])
フィービー: Okay, those are my sunglasses. You borrowed them from me. (いいわ、それは私のサングラスよ。あなたが私からそれを借りたのよ。)
レイチェル: Okay. Calm down. Here they are. (Gives back the sunglasses.) (わかったわ。落ち着いて。はいどうぞ。[そのサングラスを返す])

イヤリングは見つからなかったけど、ずっと探してたサングラスが見つかったのよー!と喜んでいたレイチェルに、「それは私のよ」と言って、フィービーは返してもらっていました。
ですが、上のモニカのセリフで、それはフィービーのものではなくて、元々はモニカのものであったことが判明したのですね。
ですから、レイチェルは「フィービーのものだと思っていたのに、モニカのだったの?」と驚き、フィービーはそれを持ち主に返す、という流れになっているわけで、話の中でそれとなく登場していたサングラスが、しばらく経ってからここでオチに使われている、ということですね。
去年の夏から探していたという発言から、今日のイヤリング、そして(多分)冬のセーター、そして去年の夏のサングラス…のように、現在、冬、夏とさかのぼる様子もよくわかりますし、なくされたものをしっかり覚えているところもまたモニカらしいなぁ、と思います。

ちなみに、上のサングラスにまつわるやり取りでは、サングラスは、glasses 「眼鏡」と同様に、sunglasses という複数形で使われるため、指示代名詞がすべて、those, them, they のように複数形になっていることにも注目しましょう。

ところで、フィービーの謝罪をモニカがあっさり受け入れ、その後、レイチェルが真実を告げると激昂した、という流れについて。
フィービーに対してと、レイチェルに対しての態度が全然違いますが、これはレイチェルに期待させておいて、やっぱりレイチェルに対してはいつものモニカ通り激怒した、という緩急をつけるための演出なのでしょう。
普段のモニカなら、大事なイヤリングをなくされて、こんなにあっさり引き下がるとは思えないのですが(笑)、「えらくすんなり受け入れたわね、ハグまでしちゃって友情を深めちゃってさぁ〜、そんなのずるい、それなら私も…」とレイチェルに思わせておいて、思い切り落とす、という面白さですね。


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posted by Rach at 12:39| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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