2011年04月28日

弁護士が来るまで話さない フレンズ5-20その2

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フィービーの彼氏は警官のギャリー。その二人がパトカーで一緒にパトロールしたという話を聞いて、フレンズの男性陣たちもパトカーに乗りたいと言い出します。
[Scene: The ride along.]
一緒に車に乗っているところ。
ロス: So where are we going next? (それで、次はどこに行く予定なの?)
ギャリー: This witness won't return my calls so we're gonna see if we can surprise him coming home. (ある目撃者が俺がした電話に返事をしてこないんだ。だから、家に帰ってくるそいつを驚かすことができるかな、って。)
チャンドラー: Sur-surprise him? We're not, we're not gonna make anybody mad, are we? (お、驚かすの? 俺たち、誰かを怒らせたりすることにはならないよ、ねぇ?)
ジョーイ: Come on, man! (To Gary) Listen, so uh, are you gonna squeeze the perp's shoes a little bit before he lawyers up? (おいおい! [ギャリーに] なぁ、それじゃあ、ギャリーは犯人の靴をちょっと締め上げるつもりなんだな、そいつが弁護士を要求する前に。)
ギャリー: It's a witness, not a perp. And no one talks like that. (目撃者であって、犯人じゃない。それに(警官は)誰もそんな風に話さないよ[そんな話し方はしないよ]。)

ト書きにある The ride along というのは、the がついていることから、「車に一緒に乗ること、乗っていくこと」という名詞ですね。今回のエピソードタイトルにも使われている言葉です。
ネットスクリプトではこのように、ride along と表記されているのですが、DVD英語字幕では、ride-along のようにハイフンで繋げた表記になっています。
ハイフンなしの ride along だと、句動詞のように見えるからでしょうね。make up を名詞として使う時に、makeup や、make-up という形にするのと同じ要領でしょう。

次はどこ?と聞くロスに、ギャリーは、折り返し電話をしてこない目撃者のところに行くと言います。
see if we can surprise him... は「俺たちが彼を驚かすことができるかどうか見てみよう」みたいな感覚。急に訪ねて、そいつをびっくりさせてやろうかな、みたいな感じですね。
俺も乗りたいと名乗りをあげたものの、今回のチャンドラーは何だかビビリ気味で、相手を怒らせたりしないよね、とビクビクしています。

そんな弱気なチャンドラーにあきれたようなジョーイがギャリーに向かって言ったセリフ、これは普段の会話ではあまり聞かないような表現で、なおかつラフでワイルドな感じでしゃべっているようにも聞こえます。
perp は perpetrator の略語で「犯人、犯罪者」。動詞 perpetrate は「(悪事を)犯す、しでかす」という意味になります。
ギャリーは、「犯人じゃなくて目撃者だぞ」と訂正した後、no one talks like that と言っています。
「誰もそんな風に話さない、そんなしゃべり方はしない」ということで、本当の刑事や警官はそんな言い方はしないよ、と言っていることになります。
そのギャリーの返答からも、ジョーイがテレビでよく見るような刑事ドラマ風の言葉を使ってしゃべっていたことがわかりますね。

ジョーイのセリフに戻りますが、squeeze the perp's shoes を直訳すると、「犯人の靴を締め上げる、締め付ける」みたいな感じでしょう。
英和や英英を見てみる限り、そういうイディオムは見当たらないのですが、なぜ「靴」なのかというと、人命にかかわるほど痛めつけたりはしないけれど、相手がいやがる程度にいたぶる、みたいなニュアンスがあるのかなぁ?と思ったりします。

before he lawyers up について。
このセリフを文字で見た時、あれ?と変な感じがしたのですが、皆さんはいかがでしょう?
lawyer はご存じ「弁護士」という名詞ですよね。そのイメージで見ると、he lawyers という名詞が2つ続いているように見えるところに「違和感がある」のです。
アメリカでは犯罪者が「弁護士が来るまで一言も話さないからな」みたいなことをよく言いますので、before he lawyers up が、「弁護士が出てくる前に」みたいな意味になりそうなことは何となく想像できます。
が、それならむしろ、before his lawyer's up (his lawyer is up) だったら、「彼の弁護士が現れる前に」となって、しっくりくるかなぁ、と思ったのですね。
つまり、his lawyer's up のタイポで、he lawyers up になっているのかと思ったら、ネットスクリプトだけではなく、DVD英語字幕も、he lawyers up と表記されていたのです。
実際に、DVDの音声も確認してみましたが、he の部分は最初の h の音が消えて、ヒーではなくイーみたいに聞こえますが、確かに「ヒズ」とは言っていません。
his という所有格であれば、語尾の -z の音は結構キツい音なので、ヒーではなくちゃんとヒズ(もしくは、h- の音が消失して、イズ)と聞こえるはずだと思うからです。
ということから、ここはやはり、he lawyers up が正しいと言えそうです。
すると、lawyers の -s は、「3単現」の -s で、he が主語、lawyer(s) が動詞(lawyer up で句動詞)と解釈できそうですね。
で、"lawyer up" という表現があるかどうかを調べてみたら、やはりありました。

オンラインスラング辞典の、Urban Dictionary : lawyer up では、以下の語義が一番わかりやすいと思いました。

lawyer up : to stop answering questions during a police interrogation and request a lawyer.
つまり、「警察の取り調べの間、質問に答えるのをやめ、弁護士を要求すること」。

まさに、「弁護士が来るまでしゃべらないからな」のニュアンスですね。

他にも、msn. encarta Dictionary : laywer up では、
lawyer up intransitive verb
Definition:
U.S. request lawyer: to ask to be represented by a lawyer, especially when being questioned by the police ( slang )

つまり、「(アメリカ英語) 弁護士を要求する:弁護士に代理人になってもらうように頼むこと、特に警察に質問・尋問されている時に。(スラング)」

「スラング」だと説明されていることからも、やはりジョーイは刑事物ドラマでよく使われているスラングを、面白がって得意げに真似たことがわかります。
弁護士を要求するというニュアンスで、laywer という名詞を動詞として使うことで、その筋の人っぽい、通で玄人っぽい雰囲気が醸し出されるみたいなことでしょうね。
無理に日本語にすると、「彼が弁護士る(べんごしる)前」みたいな感じになるでしょうか。
up がついて、句動詞(phrasal verb)の形になることで、より動詞っぽさが出るわけですが、この up のニュアンスを日本語に出すのがまた難しい…。

ちなみに、こういう「名詞の動詞化」を見ると、ブライトさんの「スタンバる」を思い出すのは私だけでしょうか?(笑)
(参考:「スタンバる」=「スタンバイする」の意。例) 「スタンバっておけ!」(=「スタンバイしておけ」の意味)
英語の場合は、同じ単語が名詞にも動詞にもなることが多いので、lawyer up という言葉もあまり違和感なく感じられる、ということですね。


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posted by Rach at 12:24| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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