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警官ギャリーのパトカーに乗って、夜間パトロールに参加していたフレンズの男性陣ですが、銃声のような大きな音が聞こえた時、ジョーイはとっさにロスに自分の体をかぶせます。
実際にはそれは銃声ではなく、車のバックファイアーだったのですが、隣に座っていたチャンドラーは、「ジョーイは、ルームメイトの俺じゃなく、ロスの方を守った」と思い、それからずっとご機嫌斜めで、とうとうその不満をジョーイにぶつけてしまいます。
チャンドラー: Look, I'm very glad you saved Ross from the car backfire. But it could've been a bullet and you y'know, you didn't try to save me! (なぁ、ジョーイが車のバックファイアーからロスを救ったことは本当に嬉しいよ。でも、(バックファイアーじゃなくて)銃弾だったかもしれなかったんだ、で、ジョーイは俺を助けようとしなかった!)
ジョーイ: Ohh, you're upset because you think I chose Ross over you! No! I... knew... you could take care of yourself. Y'know? I mean, Ross, he need help. He's not "street" like us! (おぉ、俺がお前よりロスを選んだと思ってるから怒ってるんだな! 違うよ! 俺はわかってたんだ…お前は自分で自分の身を守れるってな。だろ? つまり、ロスは、彼は助けが必要なんだよ。ロスは俺たちみたいな「ストリート」(って感じ)じゃないからさ!)
チャンドラー: When it comes down to it, you would risk your life for Ross before you would for me. That's the bottom line. (結局のところ、お前は、俺を助けるより先にロスのために命を懸けるだろう。そこが大事なところなんだよ。)
ジョーイ: Well, no, not exactly! All right, look. I, I wasn't trying to save Ross. Okay? My sandwich was next to Ross. All right? I was, I was trying to save my sandwich. (うーん、違う、正確にはそうじゃないんだよ! いいか、俺はロスを助けようとしたんじゃないんだ。俺のサンドイッチがロスの隣にあったんだ。いいか? 俺は、俺はサンドイッチを救おうとしたんだよ。)
チャンドラー: From a bullet? ((救うって)銃弾から?)
ジョーイ: I know it doesn't make much sense. (それほど筋が通らないのはわかってるけど。)
チャンドラー: "Much" sense? (「それほど」だって?)
ジョーイ: Look, Chandler, it was instinct! Okay? I just went for it! (なぁ、チャンドラー、本能だったんだよ! いいか? ただそっちに(体が)向かっちゃったんだよ!)
チャンドラーは、「お前がロスを守ったことは良いことだから嬉しいけど…」と言いながら、 it could've been a bullet と言っています。
could have been は「…だった可能性がある、…だったかもしれない」。
実際には、車のバックファイアーだったわけだけど、銃弾だった可能性もあったんだ、ということで、銃弾だったかもしれないのに、その時、お前が身を挺して守ったのはロスだったじゃないか、俺を助けようとしなかったじゃないか、と言いたいのですね。
choose A over B は「BよりAのほうを選ぶ」。
over という単語に、「B よりも A の方が上に来る」感が出ていますね。
ジョーイは、チャンドラーなら自分のことは自分で面倒見られると思ったけど、ロスは助けが必要だと思った、と説明しています。
street の部分はギャング風のダミ声になっています。
「ロスは俺たちみたいに”ストリート”じゃないから」という言い方をしていますが、ストリート=いろんな人がいる物騒で乱暴なストリートにも対応できる、みたいな感じの意味で使っているようですね。
when it comes down to it について。
come down to は「結局〜になる、〜に帰着する、つまるところ…になる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come down to something [phrasal verb] :
if a difficult or confusing situation comes down to one thing, that thing is the most important or basic part of it
例) When it comes down to it (=used to say that you are referring to the most important or basic part of a situation), she doesn't really love him.
つまり、「もし、ある難しい、またはややこしい状況が1つのことに come down to しているのならば、そのことは、最も重要なまたは基礎的な部分である、ということ」。
例文では、when it comes down to it について、「状況の最も重要な、または基礎的な部分を言及しているということを言うために使われる」と説明されていて、例文そのものの訳は、「状況の一番重要な部分としては、彼女は彼をそんなに愛していないということだ」みたいな意味になるでしょうか。
何だかんだ言っても、「結局、一番重要な部分に話が帰結した場合は」みたいな感覚で、「結局、最終的に行き着く先は…」「最終的には…という結論に帰結するんじゃないか」みたいなニュアンスがあるように思います。
チャンドラーなら一人で大丈夫で、ロスは助けが必要、とかそういう問題じゃなくて、危険が迫った場合に、結局のところ、お前は俺じゃなくロスを助けるってことなんだろ、みたいな感じでしょう。
bottom line は「肝心なこと、かなめ、重要点」。
元々は、決算書の一番下の行を指す言葉で、そこには最終的な収支が記載されているために、それが「肝心なこと、重要点」という意味になったのですね。
チャンドラーがあんまり怒るので、ジョーイは「俺はロスを助けようとしたんじゃない」と言います。
そして、ロスの隣にあったサンドイッチを助けようとした、と言っていますね。
それを聞いて、From a bullet? と返すチャンドラーに笑えます。
銃声を聞いて、反射的にサンドイッチを守ろうとした、そのジョーイの行動が信じられない、「無生物」のサンドイッチを銃弾から守るって、どういうことだよ?みたいな感じですね。
「信じられない、ナンセンスな行動だ」と言いたそうなチャンドラーに対して、ジョーイは、I know it doesn't make much sense. と言っています。
make sense は「意味をなす、筋が通っている、道理にかなっている」という意味ですね。
not much 「それほど…ない」が使われているので、「銃弾からサンドイッチを守ろうとする行為は、それほど道理にかなっているとは言えない」みたいな意味になります。
それを聞いたチャンドラーは、"Much" sense? とあきれたように叫んでいます。
not much は「それほど…ない」なので、それはつまり「少しはある」ということも示唆しています。
ジョーイは、「まぁ、あんまり道理にかなってるとは言い切れないけどさぁ」みたいに言っているわけですが、「あんまり、それほど」なんてレベルではなくて、「全く、全然、道理にかなってないだろ!」とチャンドラーは言いたいわけです。
it doesn't make any sense か、it makes no sense なら「全然道理にかなっていない」という全否定となり、チャンドラーも納得したでしょうが、「少しは道理がある」かのように、much という言葉を使ったので、その much という言葉にあきれているわけですね。
instinct は「本能」。
go for it は「(目標に向かって)頑張ってやってみる」みたいな意味があり、Go for it! 「頑張れ!」という励ましの言葉でよく使われるフレーズです。
今回は、純粋に文字通りの意味で、「その方向に向かって行く」という感覚のようです。
そっちの方向に体が動いちゃった、みたいなことでしょうね。
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東京セミナーお疲れ様でした。きっとものすごく盛り上がったんでしょうね。
台風の影響は大丈夫でしたか?
ゆっくり休んでくださいね。
今回はロスのセリフについて教えてください。ロスが臨死体験をして自分にメッセージを残す中で、
Hey,Ross, it's you・・
とあるんですが、自分に向けていうのにこのit's youが引っかかります・・・it's meじゃ駄目なんですか?
このニュアンスの違い教えて頂けますか?
コメントありがとうございます。
まずは、東京セミナーへの温かいお言葉、ありがとうございます。講師である私が「ものすごく盛り上がった!」と言うのはなかなか勇気が要るのですが^^ 私自身は本当に楽しい時間を過ごせましたし、皆さんも楽しんで下さっていたように思いました(^^)
心配していた台風ですが、新幹線が遅れることもなく、無事に大阪に到着いたしました。温かいお心遣い、感謝です(^^)
さて、ロスのセリフについて。
参考までに、ロスのセリフ全体を、以下に示しておきますと、
Ross: (on the machine) Hey, Ross, it's you. I just want you to remember this feeling. You are lucky to be alive. So live everyday to the fullest. Love yourself, okay? Okay. Oh, and also get stamps. Bye. (He hangs up.)
となります。
おっしゃるように、このセリフは、留守電機能を使って「自分にメッセージを残している」ものですね。そのため、言葉として発しているセリフは全て、「(このメッセージをこの後に聞くであろう)自分」に対するものとなります。
その「これを聞く自分」を君(you)だと言っているわけで、「僕はただ君にこの気持ちを覚えていてほしいんだ」「君は生きていてラッキーだよ」のように、「君」に語りかける感じでしゃべっているわけです。
問題のフレーズ It's you. は、普通は電話で最初に、It's me. 「僕だよ」と言う決まり文句を、わざと「ああ、(僕っていうか、むしろ)君だけど」みたいに、「このメッセージを聞くことになる人である僕(つまり、これを聞いている君)が、今、電話してるんだけど」のように、ユーモラスに言ってみたセリフになります。
もう少しわかりやすく表現すると、Hey, Ross, it's me, I mean, it's you... 「やあ、ロス。僕だよ、っていうか、君だよ」みたいな感じになるでしょうかね。It's me. という電話の決まり文句を It's you. と言うことで、自分が自分に対して電話している、留守電のメッセージを吹き込んでいることを表現していることになるのですね(^^)
(書かれてあるかなって期待はしたんですが・・・笑)
It's youの感覚良く判りました。そっか、It's me、I mean・・・ですね!
この回、サンドイッチを守ろうとしたジョーイに大笑いしました。聞きなれている表現がたくさん出てくるとシットコムでも笑えるんですね!そのためにもこれからもしっかりinputして行きますね。またよろしくお願いします。
こちらこそ、早速のお返事ありがとうございます。ご期待を裏切ることにならなくて良かったです^^
あくまで私のイメージなのですが、「僕だよ、っていうかほら、君だ」という感じの I mean を入れるとニュアンスが出るかな、と思ったわけですね。
「サンドイッチを守ろうとした」のは私も大爆笑でした。ドラマや映画を見続けることで、「聞き慣れている表現」が増えてくる、、それが「理解」へと繋がるわけで、それを実感していただけているようで嬉しいです。
こちらこそよろしくお願いします(^^)
12:40
スクリプト('ve haveは間違いと思う)
And it could've just as easily have been a bullet.
字幕(仮定法完了;まだ続いている感じ)
It could just as easily have been a bullet.
自分のリスニング(仮定法過去完了;すでに終わった過去のような感じ)
And it could've just as easily had been a bullet.
お手すきの際にお願いします。
スクリプトのように「way」が聞こえるのですが
21:32
スクリプト:副詞 way が before を修飾(あなた方の誰よりもずっと前に将軍になる)
I mean I know I would make General way before any of you guys.
字幕(あなた方の誰よりも前に将軍になる)
I mean, I know I would make General before any of you guys.
お手すきの際に検討ください。
こんにちは。コメントありがとうございます。
コメント1つ目へのお返事
ロスは it could've just と発音しているように私には聞こえるのですが、
文法的に正しい形だと、
And it could just as easily have been a bullet.
になると思います。
先に簡単に結論を言うと、
just as easily が可能の助動詞 can/could と結びついて使われる副詞の決まり文句(詳細は後述します)で、その部分を除くと、
It could have been a bullet.
となり、「それが弾丸だったということもあり得た」となると思いました。
以下、詳細になります。長文になりますがご容赦下さい。
(1) 実際の発音について
Netflix の字幕は、
And it could have just as easily have been a bullet.
となっていました。これは、ネットスクリプトの
And it could've just as easily have been a bullet.
と同じですね。
音声は it could've just のように「クッドゥヴ」となっているように聞こえる、、のですが、そうすると最初に書いたように、文法的に合わない気がします。おっしゃる通り、could've have は変だと私も思います。
過去の出来事についての可能性を述べる could have p.p.(過去分詞)の「〜した・〜だった可能性があった」に当たると思います。
それを踏まえての私の見解は、
could've のように発音はしているけれど、後に出てくる have を先走って一度言ってしまった、
ということかな、と。
ロスの言っているセリフを文字化すると、確かにネトフリやネットスクリプトのようになるけれど、意味としては could've の 've は余計なものだと思うわけです。
(2) (could) just as easily という表現
easily は「簡単に」という意味であると同時に、can/could と結びついて可能性の度合を示す副詞としても使われます。
LAAD では、
easily : used to say that something is possible or is very likely to happen
例)You could easily get lost in the city's narrow streets.
つまり「何かがあり得る・可能性がある、または何かが非常に起こりそうであるということを言うために使われる」。
例文は「君は、街の狭い通りで道に迷う可能性が非常に高いよ」。
今回はその easily に just as がついて、just as easily という形になっています。直訳すると「まさに(他のものと同じように)あり得る・起こり得る」ということで、「それが弾丸だったということも十分あり得た」という、「あり得た」可能性を「より強調する」表現になっていると考えられます。
can/could just as easily という表現を、自分のセリフのデータベースで探してみたところ、以下のものが見つかりました(長くなるので和訳は省きます)。
can+原形の例
SATC s1-6
A guy can just as easily dump you if you screw on the first date and if you wait until the 10th.
could have p.p. の例
24 s1-24
But it could just as easily have gone the other way.
刑事コロンボ s3-8 権力の墓穴
He said it could just as easily have happened a couple of hours earlier.
24 とコロンボの例が、今回のロスのセリフとパターンが似ていて
could just as easily have p.p.
という形になっています。
これらの例と比較しても、今回のロスのセリフは、
it could just as easily have been a bullet
という could just as easily have p.p.
だと考えられると思いました。
コメント2つ目へのお返事
ネットスクリプトには way がついていますが、私はその way は聞こえない気がしました。0.5倍速の低速でも聞いてみましたが、やはり way はない気がします。
参考までに、Netflix の字幕にも way はついていませんでした。
仮にもし way before と言っていた場合は、おっしゃるように「ずっと前に」と前置詞を強める副詞の way になると私も思います。