2011年05月29日

持ってけ、泥棒! フレンズ5-21その7

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前回の続きです。
スフィンクスという高価な猫を「投資の対象にもなるわよ」と言って通りすがりの女性に売りつけようとするレイチェル。
その人は「私はただ(ペットとしての)猫が欲しいだけだから…」と言って去ろうとします。
レイチェル: (makes some unintelligible sound to stop her from leaving) Obviously, you know how to haggle, so I'm not gonna try and take you on. Okay? So $800, and I don't call the cops because you're robbing me blind! Blind! (Covers her eyes) Just take cat, leave the money, and run away! Run away! (Uncovers her eyes and sees that the woman has fled) Damn it! (To the cat) Cat, can't you at least smile or something? (The cat hisses at her again, it sounds like Rachel) Okay, did anybody just hear that? Anybody? ([彼女が行くのを止めようとして意味不明の声を出して] どうやら、あなたは値切り方を知っているようね。それなら、あなたと争うのはやめるわ。いい? それじゃあ、800ドル。それで、私は警官を呼んだりしないわ、あなたが私の見えないところで盗んでいこうとしててもね! 見えてないわよ! [目を覆う] ただ猫を持ってって、そのお金を置いて、そして走り去って! 走り去って! [目を覆っていた手を外し、その女性が逃げてしまったのを見る] くそっ! [猫に] ねぇ猫(ちゃん)、少なくとも微笑むとかくらいはできないの? [猫はレイチェルにシューという声を出す。「レイチェル」と言っているように聞こえる] オッケー、誰か今の聞いた? 誰か?)

やっと猫に興味を持つ人が現れたので、レイチェルはそのお客を逃すまいと必死です。
haggle は「値切る、値段で押し問答する」。
LAAD では、
haggle : to argue about the amount of money you will pay for something
つまり、「何かに対して支払う金額について言い争う、議論する」。

you know how to haggle は「あなたは値切り方を知っている」ということですから、「あなた、値切りの方法、わかってるじゃない、なかなかの値切り上手ね」と言っている感じでしょう。

take on は、「(競技・争いなどで)…と対戦する、対決する、争う、…を相手にする」。
LAAD では、
take on [phrasal verb] :
COMPETE/FIGHT take somebody/something ⇔ on to compete or fight against someone or something

つまり、「誰かや何かを相手にして、競争する、または戦うこと」。

try and do は、try to do 「…しようとする」の口語表現ですね。
ですから、「あなたが交渉上手だってわかったから、私はあなたと争うのはやめるわ」みたいなことになります。
で、ただで渡すのかと思ったら、まだ 800ドルの値をつけているのもレイチェルらしいですね。
それじゃあ、800ドルで、と言った後、I don't call the cops because you're robbing me blind! と言っています。
rob someone blind は、「人が blind の状態で強奪する」という感覚ですから、被害者が見ていないすきに奪っていく、という意味になるでしょう。
この文章は、主節が否定文で because が使われている形なので、「…だからといって〜ない」と訳すのが適切となります。
つまり、「あなたが私の見てない間に奪おうとしているからって私は警官を(警察を)呼ばない」ということになります。
これを「私は警官を呼ばない、なぜならあなたが私の見てない間に奪おうとしているから」と訳すと意味不明になってしまうので注意しましょう。
「…だからといって/…という理由で、〜したりしない/〜するわけではない」という感覚ですね。
この場合は、because の前にカンマがつかないことにも注目したいところです。

「ほら、私は今、見てないわよ、目が見えてないわよ」という感じで、Blind! と叫びながら、手で自分の目を覆っているレイチェル。
「猫を持って、お金を置いて、走り去って!」と言うのですが、血統書付きの高価な猫には興味のない女性は、レイチェルが目隠ししている間に立ち去ってしまいます。

ところで、この「警察を呼ばない」に続く一連のセリフは、「あなたのしようとしていることは泥棒と同じだけど、私はあなたを警察に突き出したりはしないから、さっさと持ってって」というニュアンスですね。
DVDの日本語訳では、「持ってけ 泥棒」という表現が使われていましたが、私もまさにそのニュアンスだと思いました。
「持ってけ、泥棒」を直訳したものではありませんが、I don't call the cops because you're robbing me blind! Just take cat, leave the money, and run away! という長いセリフのニュアンスを一言で言うと、日本語の「持ってけ、泥棒」がピタッとハマる、という感じがして、面白いなと思いました。

レイチェルは猫に、「少しくらい微笑むとかなんとか、そういうお愛想はできないわけ?」みたいに言っています。
猫に可愛げや愛想がないせいで、客が逃げてしまったと言いたいのですね。
その発言に対して、猫はスマイルするどころか、hiss 「シューという音を立てる」をするのですが、その声が何となく「レイチェル」と聞こえなくもない?という感じになっています。
これは、このエピソードの前半で以下のセリフを言っていたことに由来しています。

レイチェル: And I swear, I know this sounds crazy, but every time this cat hisses at me I know it's saying, "Rachel!" (それから、誓って言うわ、こんなのクレイジーに聞こえるってわかってるけど、でもこの猫が私にシューって音を立てるたびに、「レイチェル」って言ってるってわかるのよ!)

フレンズたちはこの発言に対しては全くの無反応で、そのセリフが聞こえなかったかのように淡々とキャッチボールを続けていましたが(笑)、今、フレンズたちがいないこの場所で、自分の言ったことが証明されたわ!とレイチェルは思っているのですね。
それで、「誰か、今の猫の声、聞いてない? 確かに、レイチェル、って言ったわよね、ねぇ?」と、まわりをきょろきょろしてその事実を認めてくれる人を探している、ということですね。


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posted by Rach at 09:07| Comment(4) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。お久しぶりです。またしばらくお訪ねできずにいて、遅れてしまって、今回ようやく追い付きました。この猫私も衝動で飼いたくなりますが、なかなか付き合うのが難しい種類のようですね。今回のレイチェルの場面、状況は分りやすいので何とか聞き取れたと思ったのですが、haggleという単語は知らなかったのでhandleと思い、take you onというような一見良くある熟語は何か雰囲気だけで取り込む(だます)という感じかな、と思ってしまいました。いずれにしてもまた深い解説を楽しみながら勉強させてもらって、お付き合いさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
Posted by koroyakun at 2011年05月30日 22:51
koroyakunさんへ
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

やはり高貴な(?)猫ちゃんのようなので、わがままで気まぐれな度合も高い、ということでしょうか(笑)。

おっしゃるように、haggle って意外と聞かない単語ですよね。また、take on のように、あまりにも基本的でシンプル過ぎる句動詞も結構クセモノなんですよね。
こういう意外に知らない単語ほど、英英辞典でじっくり語義を確認してしっかり身に付けたいものだと思ったので、英英の語義を引用して説明してみました。その私の意図を汲んでいただけてとても嬉しいです。

いつも「深い解説」とお褒めいただけて、大変光栄です。そのお言葉を励みに頑張りますので、これからもどうかよろしくお願いいたします。
Posted by Rach at 2011年05月31日 12:00
Rachさん、

I don't call the cops because you're robbing me blind!
ここの解説を読むまでまさにRachさんが仰っていたように「意味不明の訳」をしてました・・・否定文+becauseだとこういう意味になるんですね。高校文法ですっかりごちゃごちゃになってしまったので本当にRachさんの解説は有り難いです。高校の時にこんな風に楽しく学べていたらなぁって思うけれど、今が楽しいので良いです!
たくさん学べる今にホント感謝です♪
Posted by やっちん at 2014年10月16日 21:50
やっちんさんへ
コメントありがとうございます。

「…だからといって〜ない」の解説がお役に立てたようで嬉しいです(^^) 訳してみてから、「あれぇ? 何だか意味が通じないなぁ、、」と思うのでもいいと思うんですよね。意味を深く考えないでそのまま覚えてしまおうとするよりも、一度引っ掛かっておいた方が、多分、後々、応用も効くと思います。

「楽しく学べている」と言っていただけること、本当に嬉しいです。私もブログを書いているのが本当に嬉しくて楽しくて、それをシェアできるのが本当に幸せなんですよね。
たくさん学べると言っていただけると、調子乗りの私はますます張り切ってしまいます^^
どうかこれからも一緒に楽しんで下さいね。今後ともよろしくお願いします(^^)
Posted by Rach at 2014年10月17日 17:55
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