2011年06月02日

問題解決!のbe動詞省略 フレンズ5-22その2

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映画の主役に決まったと大喜びのジョーイ。
ラスベガス郊外の砂漠で撮影が行われるため、フィービーの車(イエローキャブ)を借りて、チャンドラーと二人でベガスまで road trip (車の旅)をすることにします。
[Scene: Central Perk, Joey is reading a map as Phoebe enters.]
セントラルパーク。ジョーイは地図を見ている、そこにフィービーが入ってくる。
フィービー: Oh, hey, Joey! What's up? (ああ、ジョーイ。どうしたの?)
ジョーイ: I can't decide which route to take to Vegas. Hey, you've traveled a lot, right? (ベガスに行くのにどっちのルート(道)を行けばいいか決められないんだ。ねぇ、フィービーはよく旅行するだろ?)
フィービー: Yeah, I've been around. (そうね、あちこちに行ったわ。)
ジョーイ: Okay, so, so which route should I take? The northern route or the southern route? (わかった。それで、俺はどっちのルートをとるべき? 北ルート(北回り)、それとも南ルート(南回り)?)
フィービー: Ooh, if you take the northern route, there's a man in Illinois with a beard of bees. (うー、もし北ルートをとれば、イリノイ州にミツバチの(ミツバチでできた)あごひげの男がいるわ。)
ジョーイ: Great! Problem solved! (やったね! 問題解決!)
フィービー: But on the southern route, there's a chicken that plays tic-tac-toe. (でも、南ルートには、三目並べをするニワトリがいるわ。)
ジョーイ: Well, back to square one. (ああ、振り出しに戻った。)

ジョーイは地図を見ながら、ベガスに行くのにどっちのルートを通ればいいか悩んでて決められないんだ、と言っています。
ルートをとる、道を進む・行く、という場合には、セリフのように、動詞は take が使われます。
Hey, you've traveled a lot, right? は、フィービーの経験を尋ねる現在完了形ですね。
これまで、今まで、君はたくさん旅行してきただろ?みたいなニュアンスです。
それに対する I've been around. も同じように経験を表し、around で「あちこちに、方々に(いた、行った)」というニュアンスが出ています。

そういう経験豊富なフィービーに、ジョーイは、北ルートか南ルートかどっちをとるべき?と尋ねます。
北ルートだったら、イリノイ州に、a man with a beard of bees がいるわと言っていますね。
beard は「あごひげ」で、a がついていることからわかるように可算名詞です。
あの「あごひげのエリアひとかたまり」(?)を a beard と言うようですね。
grow/wear a beard で「あごひげを生やす、たくわえる」という意味になります。
ちなみに、モニカの元カレの眼科医リチャードがはやしていた口ひげは、mustache です。

bee は「ハチ、ミツバチ」のことですから、a beard of bees は「ミツバチでできたあごひげ」のようなニュアンスですね。
単数と複数に注目すると、「複数のミツバチでできた1つのあごひげ」みたいになるでしょう。
黒っぽいミツバチがあごのあたりに密集することで、まるであごひげみたいに見える…ということで、確かにそんな「びっくり映像」みたいなのをかつてどこかで見たことあるような気はします。
ひげかと思ってよく見たらそれはミツバチだった!という見た目的なすごさに加え、「顔にミツバチが張り付いて刺されたりしないの?」という驚きもありますよね。

そのミツバチひげの男の話を聞いて、ジョーイは北ルートをとることを即決したようです(笑)。
Problem solved! は「問題解決!」というニュアンスですね。
solve は「(問題)を解決する、解く」という他動詞で、solve a problem で「問題を解決する」という意味になります。
その目的語を主語にする形の「問題が解決される」であれば、A problem is solved. のように受動態の形になるわけですが、わかりきった冠詞や be動詞を省いたものが、Problem solved! という決まり文句になったと言えそうですね。
Problem solved. を冠詞、be動詞などを補って正しい文の形にしようとすると(正直よくわからないのですが)、The problem has (just) been solved. 「その(悩んでいた)問題は、たった今、解決された」みたいになるのかなぁ、と思います。
厳密に言うとやはり「現在完了形の完了」のニュアンスが必要になってくると思うのですね。
完了形を使うことで、これで解決されたから、もう悩まなくていい、みたいな感じも出ると思うからです。
そういう「厳密に言うと現在完了形」という時制を表現するのが面倒なので、冠詞も含めた細かいニュアンスを全部取っ払って、Problem solved. 「主語+過去分詞」の形でシンプルに表現しているのかな、と私は思ったのですが…実際のところはどうなんでしょう??

このように、solved は solve の過去形でもあり、過去分詞形でもありますが、Problem solved. の場合は受け身を表す過去分詞形であるということです。
problem が solved 「解決される」状態である、状態になった、と考えると良いでしょう。
今回のエピソードでは、これより後のシーンで、Apology accepted. という表現も出てきますが、それも同様に be動詞が省略された受動態の形ですね。
誰かが自分に対して謝罪した場合に、「あなたのその謝罪は受け入れられた」と言っていることになり、つまりは「あなたのその謝罪を受け入れます」と言って、相手を罪を許す場合の決まり文句になります。

日本人は、solved や accepted のような -ed 形の動詞を見ると、過去形か過去分詞形かで迷う人が多いように思います。
もしくは、過去分詞形である可能性に思いが及ばず、過去形だと思い込んでしまうということもある気がします。
過去形と過去分詞形が同じ形である場合には特に注意が必要ですが、英語には、「過去分詞形=受動態、受け身のニュアンスがある」というイメージが強いので、過去分詞形を見たらまずは受動態のニュアンスを頭に浮かべるべきだということです。
今回の2つの例も、「問題が”何かを”解決した」わけでも、「謝罪が”何かを”受け入れた」わけでもなく、「問題が解決された」「謝罪が受け入れられた」という、主語が受け身の状態を表現している、ということに注目していただけたらと思います。

ちなみに、新聞記事の見出しなどで be動詞が省略された過去分詞形が使われている場合も、それは受動態を表します。
少々脱線になりますが、映画「ゴッドファーザー」で、ドンであるビト・コルレオーネが襲撃された後、息子マイケルが見た新聞記事の見出しには、VITO CORLEONE FEARED MURDERED と書いてありました。
この見出しも、新聞見出しの法則に則って、be動詞が省略されていると考えるとわかりやすいです。

be動詞を補うと、Vito Corleone is feared murdered. になるでしょう。
動詞 fear は、「fear+目的語+(to be)補語」の形で、「(目的語)を…だと思う」 という意味があります。
ですから、be feared dead なら「死んだと思われている、死亡したとみられる」という意味になり、be feared murdered なら「殺されたと思われる、殺害されたとみられる」という意味になります。
つまりこの見出しは、Vito Corleone is feared murdered. 「ビト・コルレオーネは殺害されたとみられる」という意味となり、DVDの日本語字幕も「コルレオーネ 暗殺か」となっていました。
feared のニュアンスが「か」という一文字で表現されているわけですね。
これが、feared のない murdered だけなら「暗殺」と言い切ることになります。
日本語ではたかが一字の「か」のあるなしで、「暗殺」と断言するか、「暗殺か」のように暗殺された可能性があることを示唆しているのかを区別しているわけですが、日英とも「新聞の見出し」という限られた文字数の中で正確に情報を伝えるための省略法が存在する、ということにもなるでしょう。
実際、この映画では、ドンは襲撃されたものの、病院で一命を取り留めることとなりました。
情報が少なく、かなりの重症のようだが死亡は確認されていなかったために、feared が見出しに使われた、ということですね。
もしこの feared がなければ、「暗殺された」と断言することになり、最終的には誤報ということになったでしょう。
この見出しも、「ビトが誰かを殺した」という「過去形」ではなく、「ビトが(誰かに)殺された」可能性を告げている「過去分詞形」の murdered だということに注目して下さい。

(フレンズのセリフに戻ります)
問題解決!と喜ぶジョーイですが、フィービーは「南ルートには、tic-tac-toe をする(tic-tac-toe というゲームをプレイする)ニワトリがいる、と余計な情報(笑)も提供してくれます。

英辞郎では、
tic-tac-toe=【名】三目並べ
と出ています。
英辞郎の和英の機能を使って逆に「三目並べ」を調べてみると、
三目並べ=noughts and crosses●tic-tac-toe●tick-tack-toe / tick-tac-toe〈米〉〔3×3の升目に○と×を並べるゲーム〕●ticktacktoe
とあります。

研究社 新英和中辞典では、
ticktacktoe=【名】【U】 《米》 三目並べ (《英》 noughts and crosses) 《○×を五目並べのように三つ続くように並べ合う子供のゲーム》
と説明されています。

詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Tic-tac-toe
上のウィキペディアには、ゲームの絵ややり方も載っています。
枠の中に○と×を書き込むゲームですから、上のウィキペディアの説明にあるように、基本的には、a pencil-and-paper game for two players 「2人のプレーヤーの鉛筆と紙を使うゲーム」になりますね。
そういうゲームをニワトリがどうやって行うの?という疑問も浮かんできそうですが、おそらく土の上に線を書いて、くちばしを使って石でも置いていく…とかそんな感じなのかなぁ、と。
「ニワトリが三目並べをするって、一体どうやってやるんだよ?!」という疑問も込みで、その話に興味津々になってしまうわけですね。

back to square one は「振り出し(出発点、初め)に戻って、一からやり直しで」。
square は「正方形、四角」で、チェスなどのボードゲームの「四角の目、マス目」も表します。
1のマス目に戻って、ということから、「振り出しに戻って」というニュアンスになるのですね。
日本語の「振り出し(ふりだし)」という言葉も、すごろくの出発点を指しますから、日英どちらも、ゲームが語源となった言葉であるところが何とも興味深いです。

せっかく、ミツバチひげ男で決まり!と思ったのに、ニワトリにも興味を持ってしまったジョーイは、どちらか決められずに、「また振り出しに戻っちゃったよ、一からやり直しだ」とボヤいていることになるのですね。


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posted by Rach at 11:30| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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