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ラスベガスのホテルで、ジョーイと再会したチャンドラーたち。
ジョーイは映画が中止になったことを黙っていて悪かったとチャンドラーに謝り、二人は仲直りするのですが、チャンドラーとモニカが喧嘩中のようなので、ジョーイはフィービーに質問しています。
ジョーイ: Yeah, what-what's going on? (あぁ、何が起こってるの?)
フィービー: Monica had lunch with Richard. (モニカはリチャードと食事したのよ。)
ジョーイ: Dawson? ((リチャードって)ドーソン?)
フィービー: Noo! But that would've been so cool! (違うわ! でもそうだったらすごくクールだったのにね!)
チャンドラー: No! Her boyfriend Richard! (違うよ。モニカの恋人のリチャードだよ。)
モニカ: It meant nothing! Okay? After all this time, how can you not trust me? (何の意味もないわ、いい? こんな時間をずっと過ごしてきた後で、どうして私のことを信頼できないの?)
チャンドラー: When you go lunching with hunky mustache men and don't tell me about it! (たくましいヒゲの男と一緒にランチに行って、それを俺に話さない時にはね!(信じられるわけないよ))
モニカ: You're right. I'm sorry. I should've told you. (あなたが正しいわ。ごめんなさい。あなたに言うべきだったのに。)
チャンドラー: Thanks. (They hug.) (ありがと。[二人はハグする])
ジョーイ: Aww, there we go. (あー、いいぞ。)
フィービー: Now I love Vegas. (今は、ベガスが大好き。)
モニカ: I promise you next time I absolutely will tell you. (あなたに約束するわ、この次は絶対にあなたに言うって。)
チャンドラー: (pushing her away from another hug) "Next time"? ([もう一回ハグしようとするモニカを押しのけて] 「この次」だって?)
ジョーイ: Ooh, so close. (あー、すごく惜しかった。)
チャンドラー: There's not gonna be a next time! You cannot see him ever again! (この次なんてないだろう! モニカはリチャードに二度と会っちゃいけないんだ!)
モニカ: I cannot see him? I mean, you can't tell me what to do! (私がリチャードに会っちゃいけないですって? 私が何をすべきかをあなたが言う[指図する]ことなんてできないわ!)
チャンドラー: That's so funny, because I think I just did! (そりゃものすごくおかしいね、だって俺はたった今、(そういうことを)言ったと思うけど。)
フィービーはジョーイに、「モニカがリチャードと食事したの」と説明しています。
それを聞いてジョーイは驚いたように、Dawson? と言っていますね。
モニカがリチャードと言えば、元カレのリチャードに決まっているというのに、フィービーに続いてジョーイまでもが、モニカと縁もゆかりもない(笑)別人のリチャードの名前を挙げている、という面白さです。
フィービーは、リチャード・シモンズの名前を出していましたが、ジョーイはまたそれとは違うリチャード・ドーソンを出してくるところにちょっとした「ひねり」みたいなものも感じます。
同じシモンズだとジョークとしてはありきたりになってしまいますものね。
とにかく、元カレのリチャードではなくて、別人の名前を出してきたというジョーイのオトボケ具合が楽しめればそれで十分ジョークとして笑えるわけですが、やはり一応(笑)、どんな人かだけ確認しておきましょう。
リチャード・ドーソンについては、詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Richard Dawson
ウィキペディアの説明にあるように、彼は「俳優、コメディアン、クイズ番組の解答者、司会者」だそうです。
そのウィキペディアに、クイズ番組の Family Feud の写真が載っていて、his greatest professional success とありますので、彼の名前を聞くと、やはりそのクイズ番組の司会者のイメージが浮かぶ人が多いということなのでしょうね。
フィービーは、「リチャード・ドーソンじゃないわ」と否定しながらも、that would've been so cool とも言っています。
もし、そうだったら、モニカがリチャード・ドーソンと食事したんだったら、クールだったのにねぇ、みたいなことですね。
自分はリチャード・シモンズを想像しちゃったけど、そのドーソンっていう案もなかなかイケるわね、みたいな感じでしょう。
チャンドラーは怒ったように「モニカの恋人のリチャードだよ」と説明していますが、ex-boyfriend 「元恋人、元カレ」のように、ex- 「元の」という言葉をつけていませんね。
チャンドラーも、「かつて付き合っていた元カレ」みたいに、完全に過去の人物として捉えているなら、ここまで怒らなかったのでしょう。
会って食事に行ったなんて、まだお互い気があるんじゃないか?と疑っている気持ちがあるために、まるで「今の恋人、今の思い人」であるかのように、わざと ex- をつけない boyfriend と言ったのかなという気がします。
mean nothing は「何も意味しない、何の意味もない」。
ばったり会って食事に行っただけのことで、そこには何の意味もないわ、ただ食事しただけよ、と言っているのですね。
After all this time, how can you not trust me? について。
this time 「この時間」は、チャンドラーとモニカが恋人として過ごしてきた時間を指しているでしょう。
二人がこういう時間をずっと過ごしてきたその後で、つまり、恋人としての時間を私たちは1年過ごしてきたのに、どうして私のことを信頼、信用できないの?みたいな感覚です。
why ではなくて、how なので、理由を尋ねているというよりは、「”私を信頼しない”ということがどのようにして可能なの?」と言っている感じになります。
一緒に長い時間を過ごしてきたのに、まだ私のことを信頼できないなんて、そんなことありえないわ!という気持ちですね。
それに対してチャンドラーは、When を使って答えています。
これは、I cannot trust you when you go lunching... and you don't tell me... ということですね。
「…とランチに行ってそのことを俺に話さない時には、俺は君を信じることができないよ」みたいなことです。
どうして信じてくれないの?ってモニカは言うけど、そういうことをして俺にそのことを話さないで秘密にしてたんだから、信じろって言う方が無理だろう、信じられないと思って当然だろう、という気持ちですね。
そのランチに行った相手はリチャードなわけですが、チャンドラーはリチャードの名前は出さず、あえて、hunky mustache men と表現しています。
hunky は「(男性が)がっちりしてたくましい」、hunk は「がっちりした男、魅力的な男」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hunky : a man who is hunky is sexually attractive and strong-looking
つまり、「hunky な男性は、性的に魅力的で、強そうに見える」。
hunk : (informal) a sexually attractive man with a big strong body
つまり、「大きな強い体を持った、性的に魅力的な男性」。
men と複数形になっているのは、一般論として語っている感覚だと思います。
リチャードだけに限らず、「男性として魅力のあるかっこいい男」と食事してそれを黙ってたら、何かあると思うのが普通だろ、とチャンドラーは言いたいわけでしょう。
恋人のチャンドラーとしては、魅力のない男と食事したとかならまだしも、男性として魅力的な(しかも元カレの)リチャードとそんなことがあったと聞いたら、何か勘ぐってしまいたくなるのはしょうがないというところなのでしょうね。
チャンドラーが hunky mustache men と表現したことで、焼きもちを焼いているのがわかったのでしょう、モニカは素直に謝り、「あなたに話しておくべきだったわ」と言っています。
二人が仲直りし、ハグする様子を見て、ジョーイもフィービーも嬉しそう。
Now I love Vegas. と言っているのは、フィービーが今回の旅行中、自分だけ留守番だったロンドン旅行と今回のベガス旅行とを点数化して比較している流れからのセリフです。
フィービーとしては、自分も参加しているベガス旅行に軍配を上げたいのですが、飛行機の中でリチャードの件で二人が喧嘩を始めたため、ベガス旅行の評価が下がっていた、それがこの仲直りで「やっぱり今はベガスが一番ね、ベガスが大好きよ」と言えるようになったわけです。
モニカはチャンドラーに、「この次は必ずあなたに言うから」と言うのですが、チャンドラーはその言葉に引っかかったようで、さらにハグしようとするモニカを押し戻しています。
チャンドラー自身が繰り返しているように、next time という言葉が問題なわけですね。
次回、つまり、今度リチャードと食事する時は必ずあなたに事前に言うから、ということで、それはつまり、「また今度会うつもりがある」と言っていることになります。
チャンドラーが怒っているのが明らかなので、ジョーイは、so close と言っていますね。
close は「近い、接近した」なので、「(正解や目標に)近い、惜しい」という感覚になります。
もうちょっとで完全に仲直りできたところだったのに、その一言のせいでまた逆戻りしちゃったね、すごく惜しいところだったね、みたいなことです。
チャンドラーは怒って、「next time なんてないんだ、彼には二度と会っちゃいけない、会っちゃだめだ」と言っています。
You cannot と言われたことにカチンときたモニカは、I cannot...? 「私が…しちゃいけないですって?」みたいに返します。
その後、さらにそれを補足説明する形で、I mean を使って、you can't tell me what to do! と言っています。
tell someone what to do を直訳すると、「すべきことを人に言う」ということですから、「人に…すべきだと言う、…しろと言う、すべきことを指図する」という感覚になります。
モニカは、自分の行動に対して、You cannot と言われたことに腹を立て、自分の行動は自分で決めるわ、あなたに、ああしろとか、こうしろとか、もしくはこんなことはするなとかを指図されたくないわ、と言っているわけです。
あなたが you cannot と決めつけるんだったら、私の方こそ言わせてもらうわ、あなたには私の行動を指図することはできない、そんな権利はないんだからと、同じように you can't を使って返しているわけですね。
それを聞いたチャンドラーは、そりゃおかしいや、みたいに言った後、because I think I just did と言っています。
did はその前の文の tell 以下を指していて、つまりチャンドラーは、I think I just told you what to do. と言っていることになるでしょう。
モニカが、you can't tell me what to do と言ったのを受けて、モニカは俺が「言えない、言うことができない」って言うけど、現にさっき、俺は、You cannot see him ever again! って口に出して言ったよ、現に言えたよ、だから、言えないってことはない、俺はさっきそれを言ったばかりなんだからさ、みたいに言っていることになるでしょう。
このセリフを文字通りに解釈すれば、物理的に音声としてそういう言葉を発することができるし、実際そういうこと(モニカはリチャードに会っちゃいけないという、命令や指図のようなこと)をついさっき言ったわけだしね、という意味になるでしょう。
さらには、そのセリフに隠された本音としては、恋人としてそれくらいのことを言う権利はあるはずだ、元カレとはもう二度と会うなと言ってもいいはずだ、という気持ちも含まれている気がします。
「言えないなんてことないよ、実際、さっき言ったわけだし」と冗談のように茶化しながらも、モニカに対して「俺がこんなに怒ってるのにまた会うつもりなのか?」と非難したい気持ちも込められているのだろうと思いました。
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この記事を見てようやく腑に落ちました。
コメントありがとうございます。
「腑に落ちた」と言っていただけて光栄です。これからもわかりやすい記事が書けるように頑張ります。
今まで気づかなかったのですが、
このコントの解説はすばらしいです。
チャンドラー: That's so funny, because I think I just did!
コメントありがとうございます。お返事大変遅くなり申し訳ありません。
解説をすばらしいと言っていただきありがとうございます。このセリフ、とてもフレンズぽくて面白いと思います。