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シーズン5 第24話
The One in Vegas Part II (恋人たちのベガス PART 2 )
原題は「ベガスの話 パート2」
ベガスのホテルのカジノコーナーで話をしているロスとフィービー。
(The old lady at Phoebe's machine wins. Phoebe turns around in shock.)
フィービーの[フィービーが使っていた](スロット)マシンに座っている老婦人が勝つ。フィービーはショックな顔で振り向く。
フィービー: Ugh! (あー!)
ロス: What? (何?)
フィービー: That's like the third time that lady's won on a machine I was playing. (あれで3度目(くらい)なのよ、あの女性が私がプレイしてたマシンで勝つのは。)
ロス: Oooohhh, I'll bet she's one of those people. (ほぉー、彼女はあの手の人だと思うね。)
フィービー: M-M-Mole people? (ス、ス、スパイなの?)
ロス: What? No-no, a lurker. (何だって? 違う違う、ラーカーだよ。)
フィービー: Oh. What's a lurker? (ああ。ラーカーって何?)
ロス: Okay, when you're playing a machine and it hasn't paid out, a lurker waits for you to give up and then-- (そうだな、人がマシンをプレイしていて[ゲームをやっていて]支払い[払い戻し]がない時、ラーカーはその人があきらめるのを待っていて、それから…)
フィービー: Kills you? (その人を殺すの?)
ロス: No. They swoop in and steal your jackpot. (違うよ。そいつらは急にやってきて、その人の大当たり(ジャックポット)を盗むのさ。)
ベガスのホテルのカジノで、自分が使っていたスロットマシンに後から座った女性が勝ってしまうのよ、とフィービーはロスにボヤいています。
それを聞いてロスは、その女性は one of those people だと思うね、と言っています。
bet は元々、「(金などを)(…に)賭ける」という意味で、I'll bet (you) that だと「(that 以下であることを)(君に)賭けてもいい」と何かを「断言」するニュアンスになります。
お金を賭けてもいいと思えるほど、that 以下であることを確信してるよ、that 以下であることについては自信があるよ、みたいな感じです。
one of those はこれまで何度も登場してきましたが、「よくあるそういうものの一つ」というニュアンスですね。
「よくいる、あの手の人だよ」と言っているロスに、フィービーは、驚いたように「モモモ、モー・ピーポー?」みたいに、どもるような感じで言っています。
mole という単語は、「ほくろ」、あるいは「モグラ」という意味があります。
その「モグラ」という意味から発展して、「スパイ」という意味もあります。
地下に潜って行動するイメージから来たのでしょうね。
フィービーはその「スパイ」の意味で使っているようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mole : someone who works for an organization, especially a government, while secretly giving information to its enemy.
例) FBI moles were looking for evidence of fraud.
つまり、「組織、特に政府のために働き、その一方でその敵方に秘密裏に情報を与える人」。
例文は、「FBI のスパイたちは不正行為の証拠を探していた」。
驚いて「スパイなの?」というフィービーに、ロスは、彼女は lurker だと説明しています。
聞きなれない言葉なので一瞬「それって何?」と思った方も多いかもしれませんが、フィービーもその言葉を知らずに聞き返しているため、その後のロスの説明を聞けば意味がわかる仕組みになっています。
ネイティブでも当然、知らない言葉、わからない言葉はあるわけで、そういう言葉がある場合に、「それは何?」と聞けて、相手がそれをわかりやすく説明できれば、それできちんと内容は伝わるわけです。
ノンネイティブが英語を学ぶ場合にもそれは非常に大切なことですね。
相手がわからない言葉を使ったら聞き直す。自分が何かを説明する際に、それを示す一番適切な言葉を知らなくても、別の言葉で何とかそれを説明しようとする姿勢があれば、コミュニケーションは成り立つということです。
ロスの説明はわかりやすいですね。when you're playing... の you は、話し相手のフィービーを指しているのではなく、「一般の人々」を指しています。
「聞き手のフィービー(あなた)を含めた一般の人々」の感覚ですね。
もしこれがフィービーを指しているのだとすれば、フィービーのセリフは、Kills me? になるはずですが、それが you になっていることからも、この you はフィービーだけを指しているのではないことが確認できます。
when you're playing..., a lurker waits... 「人が…している時、ラーカーは〜する」のような形の説明は、その lurker がする典型的な行動を説明するのに非常にわかりやすい形になっています。辞書の語義説明にもありそうなパターンです。
こういう部分はノンネイティブの我々も大いに参考にすべきだと思います。
「日本語の○○を英語で言うとこうなる」というように、日本特有の事項を英単語として覚えている人も多いと思いますが、文化背景の違う外国人の方にとっては、直訳とされている単語や熟語だけではピンと来ないことも多いような気がします。
英語に訳す場合には確かにそう表現するけど、でもそれって何のこと?と相手に思わせてしまう気がするのですね。
その場合、もう少し言葉を加えて、かみ砕いて説明することが必要になりますし、その際には、今回のロスのような説明の仕方を覚えておくことが重要になってくると思います。
いざと言う時、何とか自分の語彙の範囲内で説明できる力があると思えることが、英語を話す際の大きな自信になるはずです。
ロスは、「誰かがマシンを使っていて当たりが出ない時、ラーカーはその人があきらめるのを待っていて、それから…」と説明しています。
フィービーは、ロスがその先を言う前に、「その人があきらめるのを待って、その人を殺すの?」と物騒なことを言っていますね。
まださっきの「スパイ」の連想が頭から離れないようです。
swoop は「(鳥が)(空からさっと)舞い降りる、急降下する、飛びかかる」「急襲する」。
「猛禽類が空から獲物を襲う」イメージの言葉で、そこから「急襲する」イメージも出てくるのですね。
swoop in は、過去記事、フレンズ3-11その17 にも出てきました。
jackpot は「(スロットマシン、ポーカーなどの)積み立て掛け金、たまった賞金」「(賭け事の)大当たり」。
hit the jackpot なら「大当たりをとる」。
LAAD では、
jackpot [noun] [countable] : a large amount of money that you can win in a game that is decided by chance
つまり、「運で決まるゲームで、勝ち取ることができる多額の金」。
hit the jackpot : to win a lot of money by gambling
つまり、「ギャンブルで多額の金を勝ち取る」。
lurker についてのロスの説明を聞いた後で、改めて、lurker という単語について見てみることにします。
lurk は「待ち伏せする、潜伏する」「こそこそ動く、歩き回る」という動詞。
LAAD では、
lurk : to wait somewhere quietly and secretly, usually because you are going to do something bad
around/in/beneath etc.
例) Witnesses said they saw a man lurking near the woman's home.
つまり、「どこかで静かにひそかに待つこと、たいていは何か悪いことをしようとしているという理由で」。
例文は、「目撃者は、ある男性がその女性の家の近くでこそこそしているのを見たと言った」。
lurker 、つまり、「lurk する人」というのは、「こそこそ動き回るやつ、潜伏するやつ」みたいなニュアンスですね。
lurk という単語は普通に使われる動詞のようなので、フィービーも、「lurk する人」という意味であることはわかったのでしょうが、それが具体的にどんな風にこそこそするのか、という部分がピンと来なかったのでしょう。
ロスの説明で lurker の具体的な行いがわかって、やっとその言葉の意味が納得できた、というところでしょうね。
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いつも充実したブログ記事有難うございます。
先ごろより、FOXチャンネルでフレンズのシーズン1の放送が始まりました。
DVDを所有しているにも関わらず何故かTV放送を見てしまう事にちょっと不思議な感じがします。
さて、今回ちょっとRachさんにお聞きしてみたいと思ったロスのセリフがありました。
下記の部分です。(シーズン5-24、ロスとレイチェルがホテルの部屋の中でブラックジャックをする場面です。)
”Which is what we play to at this casin o! ”(←カジノと入力すると認証エラーになるようなのでスペース入れました)
この部分 のWhich もWhatも関係代名詞と考えて良いと思われますか?
ネットで「Which is what」で検索すると「何がどうなっているのだ」の意味だという解説もありました。
Rachさんの考えをお聞かせいただけたら有難いです。
よろしくお願いいたします。
こんにちは。コメントありがとうございます。
「充実したブログ記事」と言っていただき、こちらこそありがとうございます!
FOXチャンネルで、フレンズのシーズン1が見られるのですね。DVDを所有していても、TV放送を見てしまう、というお気持ち、よくわかります。そんな風に、今でも放映されていたりすることは、ファンとしても実に嬉しいですよね(^^)
それでは、いただいたご質問のセリフについて、ですが、まずは、「カジノと入力すると認証エラーになる」との件、お手数をおかけしてすみませんでした。Seesaaブログが指定する禁止ワードを入れるとエラーになるようです。私も試しに、英語でカジノと入れてみましたが、やはり「ERROR : 投稿に失敗しました。」と出ました。
過去には「レズビアン」の英語がエラーで入力できないというご指摘もあり、「レズビアン」が禁止ワードというのは、フレンズのセリフを語る上では不便だなぁ、と思ったりもしたのですが、「カジノ」も禁止ワードとはちょっと意外ですね^^
それで、本題のそのセリフ、"Which is what we play to at this casin o!" について。
この部分、DVDの日本語音声(吹替)では、以下のようになっていました。
「うー、23。あ、そっか、このカジノでは23が最高の手だったねー。」
文法的に解釈すると、which は、その直前にロスが言った、23 という数字を指しており、what は「(〜する)もの、こと」という意味の「先行詞を含む関係代名詞」に当たると思います。Joey Jr.Jr.さんのおっしゃる通り、「which も what も関係代名詞」だということですね。
play to の部分が、ちょっと意味が漠然としてわかりにくい気がするのですが、play to... で「〜を目指して(ゲームを)プレイする」という感覚になるように思います。今回のブラックジャックで言うと、「僕たちがブラックジャックをする際、目指しているもの」→「ブラックジャックで勝ちになる手」ということだろうと。それでDVDの日本語訳では「最高の手」と訳してあるのだと思いました。
at this casin o のように、わざわざ「このカジノ」と言っているのは、ロスがこの部屋でレイチェルのために始めたカジノ、この部屋で行われているカジノ、ということですね。
ロスが寝ているレイチェルの顔に落書きをしてしまったので、せっかくカジノがあるホテルに来たのに、こんな顔ではそのカジノに行けない、と怒っているレイチェルのために、ロスは、
ロス: We don't have to go downstairs. We can bring Vegas up to us! (下の階(のカジノ)に行く必要ないよ。僕たちのところにベガスを持ってこられる!)
と言って、カードを始めたんでしたね。
ロスがこの部屋で今、レイチェルのためにやってあげているのを、「このカジノ」と表現しているわけです。
23 が出た時のロスの残念そうな声と表情から、「レイチェルを楽しませようとやったゲームで、レイチェルに不利な数字が出てしまった」ことがわかるのですが、レイチェルはそれを見て、「そうなの? 私に負けさせるつもり?」みたいな顔をしています。「あなたの落書きのせいで、私は下のカジノに行けない、っていうのに、その代わりに行なっているこの部屋のカジノでも、あなたは私に負けさせる気なわけ?」みたいな無言の圧力ですね。
それでロスは、
「本来のカジノのブラックジャックなら、負けの手だけど、この部屋で僕たちが今やっている「このカジノでは」(at this casin o)、それ(which = 23)が、「僕たちがプレイで目指しているもの(勝ちの手・最高の手)」(what we play to)である」
と言っていることになるでしょう。
その後、"You win 10 dollars!" 「君は10ドルの勝ちだよ!」と言ってロスが10ドルを出すと、レイチェルが(実際にはお金は全く賭けていないにもかかわらず) "I bet 20." 「私、20ドル賭けたんだけど」と言うので、ロスは20ドルを差し出すことになります。
レイチェルの怒りを鎮めるために、本来のブラックジャックのルールに関係なく、レイチェルの言いなりになっている、ということで、「23はこのカジノでは最高の手だよね」というのが、その最初の部分に当たる、ということですね。
また、Rachさんが指摘された「play to 」の部分も引っかかっていた部分でした。
辞書で調べてもあまり似た用法がないように思いました。
そのため、勝手に 「to winの事?」「省略できるの?」「こんなの意味的にも文法的にはあり?」と思いを抱いていましたが、重要な用法であればいつか同じ表現に出会うことになるので気に留める程度にしていました。
今回質問させていただいた関係代名詞の件でも安心できました。
助かりました。本当に有難うございました。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
play to は本当に「漠然とした」感じで、この play to があるために、余計に全体がわかりにくいものとなっていたと思います。
例えば、"Which is what we want at this casin o!" などであれば、「前述のそれが、このカジノで〜するものである」という関係代名詞の構造が、よりわかりやすかったような気がするのですね。
今後似たような表現に出会うこともあるかと思いますので、これから私もこの表現をどこかで意識しておきたいと思います。
お役に立てたようで嬉しいです。ご丁寧なお礼のお言葉ありがとうございました!