2011年07月01日

変な人は他にもたくさんいる フレンズ5-24その3

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は4位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


ベガスに来る飛行機の中で喧嘩状態になったロスとレイチェル。
お互いを困らせようといたずらを繰り返した挙句、ロスは眠っているレイチェルの顔に、ペンでヒゲの落書きをします。
その落書きがどうしても消えないので、ロスは、ペンのインクを落とすにはどうしたら良いかを(おそらくペンのメーカーに)電話で尋ねています。
しばらく電話で話した後、
ロス: Okay, thank you! (Rachel gets excited at his tone.) (Hangs up the phone) Yeah, it's not coming off. (オッケー、ありがとう! [レイチェルはロスの声の調子(トーン)に胸を躍らせる] [ロスは電話を切る] あぁ、インクは落ちないって。)
レイチェル: What? What else did he say? (何ですって? その人は他に何か言ってた?)
ロス: Umm, he said he thought I was funny, so.... (Rachel stares at him.) Okay, look-look umm, let's just go downstairs, we'll have some fun and you will forget all about it. (うーん、あなたは面白い人ですね、って言ってた、それで… [レイチェルはロスをじっと見る] よし、ねえ、ただ下に[下の階に]行っちゃおうよ、僕たち楽しめるよ、そしたら君はその件のことを全部忘れるさ。)
レイチェル: Ross, no! There is no way I am leaving this room looking like this! (ロス、だめよ! こんな姿でこの部屋を出るなんて絶対に無理よ!)
ロス: Oh, come on, Rach. It's-it's not that bad. (もう、いいじゃないか、レイチェル。そんなにひどくないよ。)
レイチェル: Ross, I am a human doodle! (ロスは、私は人間のいたずら書きなのよ!)
ロス: Look, just because some idiot drew on your face doesn't mean you shouldn't have any fun, okay? Besides, hey-hey-hey, no one's even gonna look at you, okay? This is Vegas! Hello? There are tons of other freaks here. (Rachel turns around and glares at him.) There are tons... of... freaks here. No other. No. Come on. No one will notice. I swear. (ねえ、ただどこかのバカが君の顔に(絵を)描いたからって、それで、君は何も楽しむべきじゃないってことにはならないよ、だろ? それに、ほらほらほら、誰も君を見ることさえしないよ、そうだろ? ここはベガスだ! いいかい? ここには他にも変なやつはいっぱいいるんだよ。[レイチェルは振り向いて、ロスをにらむ] ここには変なやつがいっぱいいる…だ。「他にも」じゃなくて。ねぇ、誰も気付かないって。誓うよ[本当だって]。)
(They both exit.)
二人は部屋を出て行く。
[Time lapse, they're both entering.]
時間が経過し、二人は部屋に入ってくる。
ロス: Okay, there was some staring and pointing. (そうだね、見つめる人とか指差す人はいたね。)
レイチェル: Okay, I need a, I need a drink! (Makes a beeline for the mini-bar.) (いいわ、私にはお酒が必要よ! [(部屋の)ミニバーにまっすぐに進む])

come off は「分離した状態になる」という感覚ですから、「(ものが)(…から)とれる、はずれる、抜ける」「(汚れなどが)とれる、落ちる」「(塗料などが)はがれる」という意味になります。
ロスはずっと、顔に書いたペン(のインク)をとる方法を電話で問い合わせていましたので、it's not coming off は「その顔に書いたペンはとれない」と言っていることがわかりますね。
現在進行形なのは、「近い将来」を示す感覚でしょうか。
It's coming off. という肯定文ならば、「(指示通りにやっていれば)(そのうち、近いうちに)とれるよ」という感覚になり、今回はその否定形なので、「(何をやっても、どんな方法をとっても)そのペンがとれることはない」というニュアンスを出しているように思います。

電話で話している時のロスは、電話を切る直前、嬉しそうな声で相槌を打っていましたので、ト書きにあるように、ロスの声の調子(his tone)にレイチェルは喜んでいる様子でした。
それなのに電話を切った後、あっさり「とれないって、やっぱり無理だって」と言う、そういう「期待させておいて落とす」ところが「いかにもコメディー」な感じです。

インクは落ちない、という話だけなら、何をそんなに話してたの?とレイチェルは思ったのでしょう、「その人は他に何か言ってた?」と尋ねています。
ロスの he said he thought I was funny は、「その人は、僕(ロス)が面白いと思うと言ってた」。
つまり、電話の相手は、友人の顔に落書きをしたロスの話を聞いて、「あなたって面白い人ですねぇ」(I think you are funny.)と言ったと説明していることになります。
つまり、引用符を使うと、He said, "I think you are funny." になるわけですが、それが間接話法で、He said he thought I was funny. になっている、ということです。

何を楽しそうに話してたのかと思ったら、「ご友人の顔に落書きをしたなんて、そりゃあ面白いですね」みたいなことを言っていたのだとわかって、それでレイチェルはロスをにらんでいるわけです。
こっちは真剣に悩んでるのに、そんなくっだらないこと話してたの?!という気持ちですね。

let's just go downstairs は、「ただもう(つべこべ言わずに、悩まずに)下に行こう」という感覚。
上の階にあるこの客室から、下のカジノのある階に行こうよ、ということですね。
カジノとかでパーッと遊べば、思いきり楽しめて、その顔のヒゲのこととか全部忘れるさ、と言っていることになります。
こんな姿で部屋を出ることなんてできない、というレイチェルに、ロスは it's not that bad と言っています。
これは、that がポイントですね。
It's not bad. なら「悪くない」ですが、that が入ると、「そんなに悪くない」というニュアンスになります。
「そんなに」とは「どんなに」かと言うと、部屋を一歩も出ることができない、っていうほど、そんなにひどくないよ、という感覚ですね。
bad じゃないとは言えない、確かに bad は bad だけど(笑)、レイチェルがそこまで嫌がるほどそんなにひどくはない、と言っていることになります。
レイチェルは「あなたは他人事(ひとごと)だからそんな風に言うけど」と言いたげに、「私は a human doodle なのよ!」と叫んでいます。
doodle は「いたずら書き」。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
doodle : to draw shapes, lines, or patterns without really thinking about what you are doing
つまり、「自分が何をしているかについてよく考えることをせずに、形や線や模様(パターン)を描くこと」。

研究社 新英和中辞典では、
doodle :
【動】【自】 (考えごとをしながら)いたずら書きをする
【名】【C】 (考えごとなどをしている時の)いたずら書き


とあって、何か他のことを考えながら、何を書くという目的もなく何となく書いてしまったいたずら書きみたいなものを doodle と言うようです。
ロスの場合は、明らかに「ヒゲ」を描こうとして描いているので(笑)、without really thinking... 以下の語義とはちょっと合わないような気もしますが、「絵」と呼べるほどのものでもない、落書き、いたずら書きを doodle と表現する、ということで良いでしょう。

フレンズ3-15その5 では、メモの下に書いてあるのは何?と聞かれて、
モニカ: Oh that's my doodle of a ladybug with a top hat. (あぁ、それはシルクハットをかぶったテントウムシの落書き[いたずら書き]なの。)
というセリフも出てきました。

普通は、紙などに書かれるようないたずら書きを人間の体(顔)に書かれたことを、自ら、a human doodle 「人間(の)[人間に書かれた]いたずら書き」と表現しているわけですね。
これじゃあ、いたずら書き、落書きが歩いているようなもんだわ!みたいな感覚でしょう。

ロスはレイチェルを諭すように、just because... doesn't mean 〜 と言っています。
これは、「ただ…だからと言って、それが〜を意味しない」という感覚ですね。
some idiot は「(あえて名前を出さない)どこかのバカ」という感じですが、それはもちろん、レイチェルの顔に落書きをしたロス自身を指しています。
「どっかのおバカが、どこぞのアホが」、君の顔に(絵や線を)描いたからって、それが「レイチェルは少しも楽しむべきではない、少しも楽しんではいけない」ということにはならないよ、と言っていることになります。
僕がふざけてひどいことをしちゃったけど、そんなバカな僕のいたずらのせいで、君が楽しめないなんておかしいじゃないか、それってもったいないと思わない?みたいな感じですね。

besides 「その上、さらに」と付け加える形で、「誰も君の方を見ないよ」とも言っています。
look at は「…に視線を向ける」感覚。

ここはベガスなんだよ!と言ったロスは、There are tons of other freaks here. と言っています。
tons of は「多くの、多数の、大量の」。
重さの単位である1トン、2トンの ton ですが、その単位を使うことでその多さを強調しているニュアンスです。
これは、There is/are 構文で、「ここには、他の freak (変な人、変人)がたくさんいる」と言っていることになります。
つまり、「他にも変人はいっぱいいる、変人は他にもたくさんいる」と言っているわけですが、その言葉にレイチェルは引っ掛かったようで、ロスをにらみつけています。
other 「他の、別の」という表現を使って、「他にもいる」と言ったということは、すでに freak が存在していることを示していることになります。
つまりはロスはレイチェルのことも freak だと思っていて、「心配しなくても、ここはベガスだから、君みたいな freak は「他にも」いっぱいいるさ」と言っていることがわかるのですね。
other を使ってしまうと、レイチェルもその tons of freaks の一人だと言ってしまうことになると気付いたロスは、次のセリフで、other がないバージョンで言い直しているわけです。
no other 「other はナシでね」と付け足して、other がないことをさらに強調しています。
「君以外にもヘンなヤツはいっぱいいるから誰も君を見ない」じゃなくて、「ヘンなヤツが周りにいっぱいいるから、誰も(普通の)君を見ない」みたいに言い換えた感じになります。

I swear. 「誓うよ、絶対だよ」とまで言って、二人は部屋を出るのですが、その後、すぐに画面が切り替わり、レイチェルが怒りながら部屋に帰ってきます。
「絶対大丈夫だって」と出て行ったら、やっぱり全然大丈夫じゃなかった、というオチになるのは、コメディーの定番ですね。

there was some staring and pointing は、「いくつかの「じろじろ見ること」と「指を差すこと」があった」。
つまり、実際にカジノに行ってみると、「何、その顔?」みたいに、じろじろ見られて、指を差された、と言っていることになります。
レイチェルがプリプリ怒るのは無理もない、僕は「誰も気づかないよ」って言ったけど、実際そういう行為があったもんね、と少し前の状況を客観的に説明しているセリフになるでしょう。

レイチェルは、「もうやってられないわ!」という感じで、お酒を飲もうと、部屋のミニバーに近づきます。
ト書きの、make a beeline for は「…へまっすぐに・まっしぐらに進む」。
beeline の bee は「ミツバチ」のことで、ミツバチが巣に戻る時に描く一直線を beeline と言うようです。

LAAD では、
make a beeline for somebody/something : (informal) to go quickly and directly toward someone or something
つまり、「(インフォーマル) 急いで、そして直接、誰かや何かに向かうこと」。

ミツバチがまっすぐ巣に戻るように、「寄り道せずに、脇目も振らずに」一直線にそこに向かう、直行する、という感覚ですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:54| Comment(0) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。