2011年07月06日

あなたが決めて フレンズ5-24その5

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次にハード8(2つのサイコロで4のぞろ目)が出たら、今夜ここで結婚しよう!と言ったチャンドラー。
モニカはびっくりしながらも、チャンドラーが本気でそう言っていると知り、次のサイコロを投げます。
(She rolls the dice, but one bounces out of the table.)
モニカはサイコロを転がす、が、一つはテーブルの外に飛び出る。
チャンドラー: (spots one) Okay! That's a four! And where-where's the other one? ([1つ目を見つけて] よし! それは4だ! で、もう1つのはどこ?)
酔っ払いギャンブラー: It went under the table. (テーブルの下に行ったぞ。)
モニカ: Nobody move! (To Chandler) Okay, you look that way, I look this way! (誰も動かないで! [チャンドラーに] いいわ、あなたはそっちを見て、私はこっちを見る!)
チャンドラー: All right! (わかった!)
(He searches to his right; she searches to her left. They're both on their hands and knees when they spot the die. It's propped up against the table leg, and it's not lying flat. Both the four and the five are showing.)
チャンドラーは右側を捜し、モニカは左側を捜す。二人ともサイコロを見つけるのに、四つん這い(よつんばい)になっている。そのサイコロはテーブルの脚に寄りかかっていて平らになっていない。4の面と5の面の両方が見えている。
チャンドラー: Here it is! Here it is! (ここだ! ここにある!)
モニカ: That could be a four or a five.... It's your call. (それだと4にも見えるし、5にも見えるわ…。あなたが決めて。)
(Pause.)
しばしの間(沈黙)。
チャンドラー: It's a four. (4だ。)
モニカ: I think so too. (私もそう思うわ。)

ト書きの spot は「…を見つける」ですね。名詞では「場所、地点」という意味なので、ある地点に何かがあるのを見つける、という感覚です。
1つは4で、もう1つは机の下に転がったと知り、二人はそのサイコロを捜します。
Nobody Move! と手を広げて叫んだり、「あなたはそっちを見て、私はこっちを見るから」のようにチャンドラーに指図している様子が、いかにもモニカ、な感じですね。
こういう場合にモニカが仕切り、チャンドラーがそれに従う、というのが、このカップルらしいところなのでしょう。
二人が机の下を捜して、サイコロがどんな状態になっているかを書いているネットスクリプトのト書き、こういう文章は参考になる部分が多いですね。
on their hands and knees というのは「手と膝をついて」ということですから、つまりは「四つん這いになって」ということ。

It's propped up against the table leg の prop は「〜を(…で)(倒れないように)支える、つっかい棒をする」「〜を(…に)立てかける、寄りかからせる、もたせかける、支える」。

研究社 新英和中辞典には、
He propped his bicycle (up) against the wall. 「彼は自転車を壁に立てかけた」
という例文が出ています。
壁にもたれる、壁で支える形にして、自転車が倒れないように立てている感覚ですね。

It's propped up against the table leg. は、受動態の形になっていて、「それ(2つ目のサイコロ)は、テーブルの脚に寄りかかる形で支えられていた」のような意味になるでしょう。
今回のエピソードでは、フレンズ5-24その2 にも、この be propped という表現が以下のト書きに出てきました。
He's propped up with his hand on a statute of a naked guy.

そのト書きの日本語訳を、私は「チャンドラーは、裸体の男性像の上に手を置いて自分の体を支える」と書きましたが、厳密に訳すと、「チャンドラーは裸体の男性像の上に[像に接触する形で]自分の手で支えられている」となるでしょうか。
前から意味を取っていくと、「彼はどこかに寄りかかり支えられていて、それは自分の手を使って支えられていて、接触している対象物は裸体の男性像である」という流れになるでしょう。

TOEIC Part 1 の写真問題で「(はしごなどが)(ビルなどに)立てかけられている、寄りかかっている」という場合に、lean against (be leaning against) というフレーズがよく出てくるように思います。
lean は基本的に「もたれる、もたれかかる、寄りかかる」という自動詞で使われるので lean agasint という能動態の形、prop は「〜を支える、…を寄りかからせる」という他動詞なので、be propped up against という受動態の形になる、という違いにも注意したいところです。

lie flat は「平らに横たわる」ですから、it's not lying flat は、通常のサイコロのように、1面が下になってその反対面が真上を向く形になっていないことを指します。
つまり、平らな状態ではなくて、テーブルの脚にもたれたように斜めになっていた、ということですね。
斜めになっているために、4の面と5の面の両方が見えている、ということになります。
そのサイコロの状態を映像で見ていれば、このト書きの意味はすんなり理解できますが、逆にこのサイコロの状態を英語で表現しろと言われて、be propped up against や lie flat を使ったこういう文章がすっと出てくるかと言われると、ノンネイティブにはなかなか難しいような気がします。
「ト書き」は、映像で見えている状態や動作を文字として的確に表現してくれているわけですから、そういうものも積極的に自分の表現として取り入れていけるといいですね。

That could be a four or a five. は、「それは4の面にもなりうるし、5の面にもなりうる」というような感覚。どちらにとることも可能だ、というようなニュアンスです。

It's your call. は「あなたが決めて」。It's your choice. や、It's up to you. と同じような意味です。
元々は、スポーツでの「(審判員の)判定、決定」という意味から、「それはあなたの判定よ、あなたが決めることよ」→「あなたが決めて」というニュアンスになるわけですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
call [noun] :
DECISION
a) a decision made by a referee (= judge) in a sport game
b) (informal) a decision
例) "Where should we eat tonight?" "I don't know, it's your call."
a hard/easy call (= a difficult or easy decision)
例) This is not an easy call.
Guilty or innocent? You make the call (= decide).


つまり、a) は、「スポーツの試合で、審判(レフェリー、ジャッジ)によってなされる決定」
b) は、「(インフォーマル) 決定」
例文は、「今夜はどこで食べたらいいかな?」「わからないわ、あなたが決めて」
a hard/easy call は、「難しい決定、簡単な決定」
例文は、「これは簡単に決められることではない」
「有罪か無罪か? 君が決めてくれ」

4とも5ともとれるこの目を、4だと言えばハード8になり、今夜ここで結婚、5だと言えば合計8ではなくなるため、結婚しない、ということになります。
結婚するかしないかの判断がチャンドラーに委(ゆだ)ねられたわけですが、チャンドラーは優しく微笑みながら、「4だ」と断言します。
男女の深く真剣な付き合いに対して尻込みしてしまう「コミットメント恐怖症」だったチャンドラーが、自分の判断でそう宣言したことで、モニカはうっとりした顔になり、観客もおぉ!とどよめいています。
ドラマならではの出来過ぎた演出ではありますが、いつもはモニカが何もかも仕切っている形になっていても、ここぞという時は「モニカがそう言うなら…」という他人任せではなく、チャンドラー自身が判断し決めて欲しいというモニカの女心が感じられ、微笑ましく幸せなシーンだなと思いました。


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posted by Rach at 14:39| Comment(2) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ようやくシーズン6の終わりまで来ましたがいやはや、モニカとチャンドラーがあわや結婚という寸前にロスとレイチェルが結婚(!?)とは...。こうなるともはや「フレンズ」じゃなくて「ラバーズ」か「ファミリーズ」でないの?と突っ込みたくなります(笑)。

でも個人的にはロスとエミリーには幸せになってほしかったですね。エミリーと付き合っていた時のロスは幸せそうだったし、エミリーも最後は悪者扱いされて気の毒だったけど「レイチェルともう会わないなら…」と言うのはごく自然な要求だと思います。

エミリーは気の強い育ちの良いお嬢様という感じで、「育ちが良い」という点ではレイチェルと共通していますが、やはり英国人のせいか品がありますね。レイチェルが決して下品と言うことではありませんが...。

こうなったら残るはジョーイとフィービーがくっ付く可能性もあり?...ってあの二人のキャラクターからしてそりゃ絶対無いな(笑)。
Posted by ET at 2017年06月04日 22:58
ETさんへ
コメントありがとうございます。

「フレンズ」はコメディーですが、その中でも各キャラクターが様々な人間関係を作っていくのが、シリーズ物として見ていて楽しい部分ですよね。

ロス&レイチェルを期待しているファンにとっては、エミリーはどうしても敵役のようになってしまうのがかわいそうですね。エミリー自身は普通にいいキャラクターだったと私も思っています。

レイチェルとエミリーについては、同じお嬢様でも、アメリカとイギリスの違いが出ていて面白いなと思いました。フレンズでイギリス英語を聞くと、とても新鮮な気がしますよね。

私もネタバレなしでフレンズを一話一話順番に見ていた時は、次はどうなるんだろう? 誰がどういう関係になるんだろう?! とあれこれ想像していたものでした。これからもいろいろな展開が待っていますので、どうか楽しみながら続けて下さいね♪
Posted by Rach at 2017年06月05日 17:06
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