2011年07月12日

シーズン6に突入! フレンズ6-1その1

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今日からシーズン6に入ります!

シーズン6 第1話
The One After Vegas (ベガスの夜が明けて…)
原題は「ベガスの後の話」


シーズン5の最後となる前回のエピソードで、ベガスで結婚式を挙げようとしたチャンドラーとモニカはチャペルにやってきます。
そのチャペルには先客がいたのですが、それがロスとレイチェルだったので、二人はびっくり。
酔っぱらったまま結婚式を挙げたらしいロスとレイチェルが出て行った直後に、今後は、ジョーイとフィービーがチャペルに走りこんできます。
それを見てまたもやショックを受けたチャンドラーとモニカは、
チャンドラー: Oh, my God! Is everybody getting married? (なんてこった! みんな結婚するのか?)
(Phoebe and Joey run back out and head towards the street.)
フィービーとジョーイは(いったん入ったチャペルを)走り出てきて、通りに向かう。
受付係: (scolding them) N-No running in the chapel! ([二人を叱って] チャペルの中では走らないで!)
フィービー: (to her) Hey, don't you give me any of your-- Hey! (Sees Chandler and Monica standing there.) ([その受付係に] ちょっと、私にそんなこと言わないで… あら! [チャンドラーとモニカがそこに立っているのを見る])
チャンドラー: Hey! (やあ!)
ジョーイ: Hey! (やあ!)
モニカ: What are you guys doing here? (あなたたち、ここで何してるの?)
ジョーイ: Ross and Rachel left us a message saying they were getting married! Isn't that why you guys are here? (ロスとレイチェルが俺たちに、二人は結婚するってメッセージを残してたんだ。君らがここにいる理由もそれじゃないのか?)
チャンドラー: Yes! Well, that-yes. (そうだ! ほら、それ、そうだよ。)
モニカ: Why else would we be here? (他にどんな理由でここにいるっていうの?)
ジョーイ: Well! What happened?! Did we miss it? (で、何が起こったの? 俺たち見逃しちゃった?)
チャンドラー: We actually missed it. (実際、俺たちは見逃しちゃったよ。)
フィービー: Well, maybe you wouldn't have if you (turns to the attendant) could run in the chapel! (そうね、多分、見逃さなかったでしょうね、もし[受付係の方を向いて] チャペルの中で走ることができたなら!)
モニカ: This is insane! (こんなの、おかしいわ[正気じゃないわ]!)
フィービー: What's the big deal, y'know? It's not like it's a real marriage. (何がそんなに大ごとなの? 本当の結婚ってわけじゃないのに。)
チャンドラー: What? (何だって?)
フィービー: Yeah, if you get married in Vegas, you're only married in Vegas. (そうよ、ベガスで結婚したら、ベガスでだけ結婚してることになるのよ。)
モニカ: What are you talking about? If you get married in Vegas, you're married everywhere. (何言ってるの? ベガスで結婚したら、どこででも結婚してることになるわ。)
フィービー: (shocked) Really? ([ショックを受けて] ほんと?)
モニカ: Yeah! (そうよ!)
フィービー: Oh, my God! ...Oh, well. (なんてこと! …ま、いっか。)

ロスとレイチェルだけではなく、今度はジョーイとフィービーまでもがチャペルに入って行ったので、誰もかれもが結婚するのか?とチャンドラーは驚いています。

no running という no+動名詞は、「走ることは、なし」という感覚で、掲示物で、NO RUNNING 「走るな」という表示も見かけますね。
NO SMOKING なら「禁煙」という掲示です。
「チャペルの中では走るな」みたいな感じの強い口調で言われたので、フィービーは受付係に逆ギレしたように怒っています。
憎々しげな感じで、Don't YOU give me any of your-- と you を強く発音していますが、否定命令文に you をつけて倒置にして強調した形ですね。
your の後が省略されていますが、「そんな風に私に命令しないで」なら、any of your orders などになるでしょうか。
最後まで言い終わらないうちに、受付係の隣にチャンドラーとモニカがいるのを発見したフィービーは、それまで怒っていたのを忘れたかのように急に柔らかい口調になって、Hey! と二人に声を掛けています。

どうしてチャペルにいるのかを聞かれたジョーイたちは、「ロスとレイチェルがメッセージを残してたから」と説明しています。
leave someone a message は文字通り「人にメッセージを残す」で、その後に、saying という分詞を続ける形で、メッセージの内容を説明しています。
二人は俺たちにあるメッセージを残した、そのメッセージは…だと言っている、というような感覚ですね。
最初に、誰が(誰に)何をした、と説明しておいて、その後、詳しい説明を付け足しの形で補足する、という英語の構造がよくわかる文章だと思います。

Isn't that why you guys are here? は、「それ(ロスとレイチェルが結婚すること、もしくは結婚するという情報を聞いたこと)が、君らがここにいる理由じゃないのか?」ということ。
何してるの?って、君らも俺たちと同じ理由でここにいるんじゃないのか?、それがここにいる理由だろ?と逆に問い返しているわけです。
ジョーイたちは、二人も見物に来たんだろ?と言っているわけで、まさかチャンドラーとモニカが結婚しようとしていたとは夢にも思っていないことがこのセリフでわかります。

チャンドラーたちもこの状況で、「いや、俺たちも結婚しようとしてて…」とも言えず、「そうそう、俺たちもロスとレイチェルの結婚を見に来たんだ」と認めるしかありません。

Why else would we be here? は、「他にどんな理由があって、ここにいるというのだろう?」という感覚でしょう。
それ以外の理由でここにいる必要なんてないじゃない、というところです。

Did we miss it? の miss は「見逃す、見損ねる」。
テレビなどでよく聞く、Don't miss it! は、「お見逃しなく!」ですよね。

it は、「ロスとレイチェルの結婚式、二人が結婚するところ」ですね。
チャンドラーは、We actually missed it. と答えていますが、この we は、ここにいる4人全員を指すでしょう。
式はすでに終了してしまっていて、今入ってきた君らも、そして俺たちもその式を見逃してしまったんだ、という感覚です。

到着が遅くなって、見逃しちゃった、という話から、フィービーはさきほど「走るな」と注意していた受付係をにらみながら、仮定法過去完了を使ったセリフを叫んでいます。
この仮定法過去完了は、「もしチャペルの中を走ることができたら、多分、見逃すことはなかっただろうに(実際は見逃してしまったわ)」というニュアンスになります。
この仮定法過去完了で使われている you は、相手を含めた「一般の人」を指す you で、回り回って自分自身をも指す you の感覚でしょう。
フィービーは「私がもしチャペルの中を走ることができたら、見逃すことはなかった」と自分の経験を語って、走るなと言った受付係を非難しているわけですが、私(I)とは言わず 一般の人を表す you を使うことで、聞き手に共感を持たせる、という効果があるということでしょう。
私に限らず、ここにいる友達を含めた誰もが、走ることを許されれば間に合ったのに、と、自分一人に限定せずに一般論として語っている感覚だと思います。

チャペルに走り込んで来た時にはもう、ロスとレイチェルは出て行ってしまった後でしたし、「走るな」という注意も、ロスたちがいないのをフィービーたちが確認してチャペルから出てきた後でしたので、そこには何の因果関係もない(走れなかったから見られなかったわけではない)のですが、キツい調子で注意されたことと、結婚式を見逃してしまったこととで、その受付係に「あんたのせいよ!」と八つ当たりしている感覚でしょう。

モニカが「ロスとレイチェルがこんな風に式を挙げちゃったことは正気じゃないわ」みたいな発言をするのを聞いて、フィービーは、そんなの大ごとじゃない、大したことじゃない、みたいに言っています。
リアル・マリッジ、つまり、本当の結婚じゃないのに、みたいなことですね。

それを聞いた他のフレンズたちは、「フィービーは何を言ってるの?」みたいに驚いた顔をしています。
if you get married in Vegas, you're only married in Vegas. も、相手及び自分も含めた「一般の人」を指す you ですね。
「もしあなたがベガスで結婚したら」と聞き手である「あなた」に限定した話ではなくて、「(あなたも私も含めて)人がベガスで結婚したとすると」みたいな感覚になります。
フィービーの言っているのは、「ベガスで結婚したら、ベガスでだけ married の状態になる」、つまり、「ベガスにいる間だけ、結婚(している)状態になる、ベガスでのみ既婚者になる」みたいなことですね。
ベガスで結婚式を挙げたら、その結婚はベガスにいる間だけ有効である、と言っていることになります。
モニカは、「フィービー、何言ってるの?」と驚いて、同じように、If you get married in Vegas を使って、「ベガスで結婚したら、ベガスだけじゃなくて、どこでも(everywhere)結婚してることになる」と説明しています。
ベガスでのみ有効なんじゃなくて、ここで結婚したら、全国的に認められる形で正式に結婚したことになるのよ、と言っているわけですね。

それを聞いたフィービーは、ものすごく驚いた顔で、Really? Oh, my God! と言っていますが、その後、しばらく沈黙してから、急に気の抜けたような声で、Oh, well. と軽い調子で言っています。
これはつまり、「ベガスで結婚したら、ベガスでだけ有効だと思ってたけど、それはどの場所でも正式な結婚と認められちゃうわけ?」といったんは驚いた後、「ま、別にいっか」と軽く流した感じですね。

この最後のフィービーのセリフに関しては、フレンズ シーズン6のコレクターズセット Vol.1 に収録されている「メイキング・オブ・フレンズ」という映像特典で取り上げられています。
(廉価版のソフトシェル版には、残念ながら、この映像特典は収録されていないようですが…)

この映像特典はいわゆる「メイキング」で、番組制作の舞台裏を追ったドキュメンタリーのようなものです。
その中でのキャストやスタッフのやりとりに、この「フレンズ」という作品の本質が垣間見える気がしたので、次回の記事「その2」では、この「メイキング・オブ・フレンズ」について、もう少し語ってみたいと思います。


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posted by Rach at 15:43| Comment(4) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントさせていただきます。

Rachさんのブログでの解説記事は安心・安定感が感じられとても参考になります。また更新の都度ブログを拝見できることが有難いです。

さて、この06-01のDVDを観ていてふと気になったことがありました。
“What’s the big deal, you know? It’s not like it’s a real marriage.”の部分です。細かいことかもしれませんが、このlikeは形容詞or接続詞?とふと疑問になり辞書を調べてもいまいちはっきりしません。
Rachさんの『なるほど!英文法』のP325にもこの構文があてはまりますか。

それとこのフィービーのセリフ。何度リピートしても聞き取れないです。(悲...)

このlikeの用法についてアドバイスいただけたら有難いです。

突然ですみませんです。
Posted by Joey Jr.Jr. at 2015年03月15日 01:47
Joey Jr.Jr.さんへ
初めまして。コメントありがとうございます。
私の解説を「安心・安定感」と表現していただけること、本当に嬉しく光栄に思います。ありがとうございます。

It's not like it's a real marriage. の It's like は、おっしゃって下さったように、拙著 p.325 の「〜のような、〜みたい、〜って感じ」の It's like... ですね。
これは文法的に言うと、「接続詞」に当たるように思います。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
like [conjunction] (spoken, informal)
it's not like : used to say that something definitely is not true
例) It's not like he's an expert.
つまり、「あることが明らかに真実ではないと言うために使われる」。例文は「彼はエキスパート(専門家)ってわけじゃない」。

like をはっきり訳出すると、「まるで〜のようだ、ってわけじゃない」というような感覚になりそうですね。like 「〜のような」という、断定を避ける感じの言葉が使われているけれども、それを、it's not like のように否定文で使うと、「〜ってわけじゃなし」的な意味になり、上のロングマンの語義にあるような definitely is not true という断定的な意味を表すことになる、というのが、面白いところだと思います。

ドラマのセリフはみんな早口ですから、聞き取りにくいところは多いですよね^^
Posted by Rach at 2015年03月16日 16:06
「definitely is not true」
そうなんだ!!って感じです。

また、Rachさんの訳出は(他の部分でも解説も含め)とてもしっくりくるので、ちょっと"?"のセリフがあった場合 その英文を一度自分の頭に納得させる作業をする際に大変役立ちます。

解説有難うございました。
Posted by Joey Jr.Jr. at 2015年03月17日 06:25
Joey Jr.Jr.さんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございます。

英英辞典の語義説明を読むと、そうか、そういうことかー! と納得できることも多いですよね。

また、私の訳出や解説について、そのようにお褒めいただけること、大変光栄で嬉しいです。これからもそう思っていただけるように頑張りますね!(^^)
Posted by Rach at 2015年03月18日 16:10
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