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レイチェル: What-wh-what so what, we'll just stay married forever? (な、何、じゃあ、何、私たちはただ永遠に結婚した状態を続けるわけ?)
ロス: Okay, look, how is this gonna affect you, really? I mean, you fill some form out once in a while and instead of checking the box that says "Miss," you check the box that says "Mrs." It's right next to it! (よし、いいかい、このこと(結婚しているということ)が、君にどんな影響を与えるんだ? つまり、たまに、何かの書式に記入する時に、Miss の欄にチェックを入れる代わりに、Mrs. の欄にチェックを入れるだけだ。Mrs. は、Miss のちょうど隣にあるんだよ!)
レイチェル: Ohh, okay, I'm sorry. You're right. Y'know what? We absolutely can stay married, because I was under the impression that the boxes were far away from each other. All right. Look, just please take a moment here and think about what you're asking of me. Okay? (あぁ、わかったわ、ごめんなさい。あなたが正しいわね。ねぇ、私たちは間違いなく結婚した状態のままでいられるわ。だって私はその2つの欄はお互い遠く離れてると思い込んでいたから。いいわ、ねぇ、ただここで少し時間を取って、あなたが私にお願いしていることについて考えてちょうだい、いい?)
ロス: I'm asking you to do me a favor. (僕は君に1つお願いをしてるだけだ。)
レイチェル: You are asking me to be your wife. (あなたは私に、あなたの妻でいてくれとお願いしてるのよ。)
ロス: And, as my wife, I think you should grant me this favor. (そして、僕の妻として、君はこの願いを聞き入れるべき[承諾すべき]だと思うけど。)
婚姻無効の申請をしないことにした、というロス。
「婚姻無効」と認められると、「そもそも婚姻関係が成り立っていなかった」と宣言されることになるため、結婚歴、離婚歴としてカウントされないことになります。
が、それでもやはりロスにとっては、そのような婚姻無効申請をしてしまうと、have three failed marriages 「結婚に3度失敗する」ことになるため、それは避けたいという気持ちが出てきたようです。
法的には「バツ3」扱いにはならなくても、ロスにとってはやはり「バツ3」と同じような意識を持ってしまうということなのでしょうね。
無効申請をしないという話をキツい冗談だと思っていたレイチェルですが、ロスが冗談を言っているのではないと知って、レイチェルはただ驚くばかり。
私たちは、このまま永遠に、stay married 「結婚した状態を維持する」ことになるわけ?と問い返しています。
それに対してロスは、「こうして結婚を続けることで君にどんな影響があるっていうの?」みたいなことを言っています。
affect は「…に影響を及ぼす、影響を与える」ですね。
fill out は「(書類に必要事項を)書き入れる、記入する」。
書類に記入する際に、Miss の欄(ボックス)にチェックする代わりに、Mrs. の欄にチェックを入れるだけだ、ただそれだけの違いじゃないか、みたいなことをロスは言います。
ミセスの欄は、ミスの欄のちょうど隣(right next to)にあるんだし、ちょっとした違いだろ、と言いたいようです。
実際に「すぐ隣に並んでいる」という感じを、手のしぐさで示してもいます。
その話を聞いて、レイチェルは、「ごめんなさい、あなたは正しいわ」と言った後、私たちは結婚した状態のままでいることができるわね、と言いながら、その理由を以下で説明しています。
impression は「印象」ですが、be under the impression that は「…だと(誤って)思い込む」というようなニュアンスになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be under the impression that... : to believe that something is true when it is not true
例) Sorry, I was under the impression that you were the manager.
つまり、「何かを本当だと信じること、それが本当ではない時に」。
例文は、「ごめんなさい、あなたがマネージャーだと(誤って)思い込んでいました。」
誤って思い込んでいました、ということはつまり、「実際には(本当は)あなたはマネージャーではない」ということを指しますね。
上のレイチェルのセリフも、was under the impression that という過去形で述べられているので、「ミスとミセスというその2つの欄は、お互いにずっと遠く離れていると、私は誤って思い込んでいたわ」というニュアンスになり、「実際には、あなたが言うように、すぐ隣で、すごく近くにあるのよね」とロスの発言を認めたようなセリフになっています。
これはもちろんロスの発言に対する大いなる皮肉ですね。
「ミスとミセスなんて大した違いはないよ。記入用紙でもすぐ隣にあるだろ」と言ったロスに対して、「ああ、ほんとにあなたの言う通りね。私はミスとミセスはものすごーく離れたものだと思ってたけど、あなたの言い方だと、その二つの欄は記入用紙ではすぐ隣に位置している、すっごく近いものだったのよね」と皮肉を言って、ミスとミセスという大きな立場の違いを、記入欄の位置の近さの問題にすり替えてごまかそうとしているロスを非難しているわけです。
さきほど、ロスが「すぐ隣に並んでいる」ことを手のしぐさで示したのと対照的に、レイチェルは、away の部分を強調し、両手を山の形に離すことで、離れている感じをしぐさで示しています。
そうして、ロスの言い分が全く通らないことを皮肉っぽく非難した後、お願いだからどうか時間を取って、あなたが私に何を頼んでいるか、何をお願いしようとしているかを考えてみて、と言っています。
何を頼んでいるか?と言われたロスは、I'm asking you to do me a favor. と答えます。
favor は「親切な行為」。
LAAD では、
favor [noun] : HELP
something that you do for someone in order to help them or be kind to them
つまり、「誰かを助けるため、または誰かに親切にするために、その人に対してすること」。
Would you do me a favor? や、I have a favor to ask. は「お願いがあるのですが」という決まり文句ですね。
Would you do me a favor? を直訳すると、「私に(私を助けるための親切な)ある行為をあなたはしてくれますか?」、I have a favor to ask. は、I have a favor to ask you. または、I have a favor to ask of you. ということで、「あなたに(してもらうように)お願いすべき、ある行為があります」というニュアンスになるでしょう。
私に favor をしてくれますか? あなたにお願いする favor があります、ということから、どちらも「お願いがあるのですが」という意味になるのですね。
レイチェルに、「あなたは私に何をお願いしてるかわかってる? よーく考えてみて」と言われたロスは、僕は、a favor をお願いしているだけだ、みたいに答えたわけですが、これは、「ひとつ(ちょっとした)お願いをしているだけだ、ある一つのお願いをしているだけだ」みたいなニュアンスで使っているのでしょう。
a favor のように、「ちょっとした頼みごとを1つ」お願いしているかのように言うロスに対して、レイチェルは、「だってあなたが私にお願いしているのは、「私にあなたの妻でいてくれ」ということなのよ」と返します。
そんな重大なお願いを、a favor のように簡単な1つの願い事、頼みみたいに言うのはやめて、というところでしょう。
grant は「(願いなどを)かなえてやる、承諾する」なので、grant me this favor は「この頼みごとを僕のためにかなえる、僕の頼みごとを聞き入れる」のような感覚。
ロスは、レイチェルの発言の後、and で続ける形で、「僕は君に、僕の妻でいてくれと(確かに)お願いしているけれど、僕の妻として、君は僕の願いを聞き入れるべきだと僕は思うけど」と言っていることになります。
ロスは、「レイチェルと僕は今、結婚している状態で、法律上は君は僕の妻なんだから、「僕の妻でいてくれ」という願いを妻である君は聞き入れてしかるべきだと思う」と言っているわけですね。
法的に妻であることを逆手にとって、「妻なら僕の願いを聞いてくれて当然じゃないか」、あるいは、「すでに僕の妻なんだから、(そのことを受け入れて)僕の妻でいることを(そのまま)承諾してくれていいじゃないか」と言っていることになるでしょう。
屁理屈というか、論理のすり替えみたいになっているわけですが、そういう理屈をこねるところがいかにもロスらしい、という面白さなのでしょうね。
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