2011年08月09日

酔った人間に結婚を許すな フレンズ6-2その4

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[Scene: Central Perk, Phoebe is hosting an impromptu roundtable discussion with Karin, Stephanie, and Meg about Ross's three divorces.]
セントラルパーク。フィービーは、ロスの3回の離婚について、(たまたまそこに居合わせた)カリン、ステファニー、メグとの即興の円卓会議の司会役を務めている。
ロス: See? Once you know the stories, it's not that bad. First marriage: Wife's hidden sexuality. Not my fault. Second marriage: Said the wrong name at the altar. A little my fault. Third marriage: Well, they really shouldn't allow you to get married when you're that drunk and have writing all over your face. Nevada's fault. (いいかい? いったん話を知れば、それほどひどくないんだよ。1番目の結婚:妻が隠していた性的指向[傾向](が原因)。僕のせいじゃない。2番目の結婚:(結婚式の)祭壇で間違った名前を言った。ちょっと僕のせい。3番目の結婚:そうだな、人があんなに酔っぱらっていて、顔じゅうに落書きがあるような状態の時には、絶対に結婚するのを許すべきじゃない。ネバダのせいだ。)
フィービー: Okay, so what do you think, ladies? Who wouldn't be interested? Who wouldn't want to date him? (いいわ、じゃあ、女性の皆さんはどう思う? 興味がないって人は(誰)? 彼とデートしたくないと思う人は(誰)?)
カリン: Well, the divorces don't bother me. I'd date him. But not while he's still married. (うーんと、その(複数回の)離婚は私は気にならないわ。私なら彼とデートするわ。でも、彼がまだ結婚している間[既婚者の間]はだめよ。)

フィービーはたまたま近くにいた3人組の女性に、ロスのような離婚歴がある男性とデートする気があるかどうか?について議論の場を設けます。
Once... は「いったん…すると、ひとたび…すれば」。
3回離婚歴がある、と聞くと、全て僕に非があるように聞こえるかもしれないけど、話を聞けばそんなにひどい話じゃないってわかるはずだ、すべて僕が悪いわけじゃないってわかるはずだ、とロスは訴えています。
そして、first から third marriage までの離婚の原因について説明していますね。

Wife's hidden sexuality を直訳すると、「妻の、隠された性的指向」。
sexuality とは「性別」などの意味もありますが、ここでは「性的指向、性的傾向、性的関心」という意味。
最初の妻キャロルは、ロスと結婚した後、レズビアンに目覚め、それが原因で離婚することになったので、キャロルが同性愛者であったことが離婚の原因である、と言っていることになります。
lesbian というダイレクトな単語ではなく、sexuality という抽象的な単語を使ったのは、相手にリアルなイメージを持たせたくなかったからでしょう。
こういう単語を使うことで、感情的ではなく、理性的に分析している感じも出るように思います。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sexuality [Ac] [noun] [uncountable] :
2. sexual orientation


この sexuality の語義にある Ac というラベルは、この単語が Academic Word List に含まれていることを示しています。
Academic Word List に含まれる単語とは、LAAD の説明を直訳すると、「学生が英語を読む場合に理解できる必要がある、また、学術課題を書く場合に使うことができる必要がある重要な単語」を指します。
つまりは学生が、読んで理解し、書いて使えるようになっている必要がある単語、ということで、性がらみの単語ではありますが、アカデミックな単語である、ということです。
アカデミックな単語であることからも、私が上に述べた「抽象的、理性的」な感じが醸(かも)し出されるという説明も、それほど外れていない気がするのですね。

その sexual orientation をさらに見てみると、

sexual orientation : the fact that someone is sexually attracted to people of the same sex or the opposite sex
つまり、「ある人が、同性の人、または異性の人に性的魅力を感じる[性的に惹かれる]という事実」。

2番目の結婚については、Said the wrong name at the altar. と説明しています。
主語の I が省略されていて、祭壇で、つまり結婚式の誓いの場で、僕は間違った名前を言った、ということですね。
この「新婦の名前を言い間違える」シーンは、結婚式の誓いの言葉 フレンズ4-24その6 で解説しています。

この件に関しては、自分の言い間違いが原因だから、A little my fault. 「ちょっと自分のせい」だと言っていますね。
「ちょっと」かぁ〜?とツッコミたくなるところですが、ロスとしては、a little だと思っているわけですね。

3番目の結婚について。
they really shouldn't allow you to get married when you're that drunk... のように、they と you が使われていますね。
they は漠然とした人を指していて、この場合は、ネバダ州ラスベガスの教会で二人の結婚を許可し、結婚式を執(と)り行った人、関係者を指すでしょう。
またここでの you は、今ロスが話をしている聞き手の「あなた」を指すのではなく、「自分の体験を語る時に使われる you」ですね。
このような、you については、主語youで自分の体験を語る フレンズ1-5その7 で詳しく解説しています。
ロスは、「ベガスで結婚式を執り行った人は、僕たちがあんなに(ベロンベロンに)酔っぱらって、顔じゅうに落書きをしているような状態の時に、僕らが結婚するのを許す・許可するべきじゃないんだ」と言っているわけですが、us ではなく、you を使うことで、「聞き手の you をも含んだ、一般の人々」を指すことになり、そのロスが実際に経験した体験談を、より共感を持って聞いてもらえるという効果が生まれます。
僕たちに限らず誰でも、あんなに酔っぱらって顔に落書きしているような場合は、結婚を許可しちゃいけないよね、と自分の体験談を一般論化して語っている感覚になります。
have writing all over your face を直訳すると、「ライティングを顔一面に持っている、ライティングが顔一面にある状態」みたいな感じですから、「顔じゅうに落書きがある」というニュアンスになるのですね。
3番目の結婚に関しては、結婚を許可した方に非がある、ということで、ネバダ州のせいだとロスは言っているわけです。

ロスの言い分を聞いた後、気分はすっかり司会者(笑)のフィービーは、女性陣に質問し、議論を進行していきます。
I'd date him. は、I would date him. ということ。
これ以降のセリフでも、wouldn't や would が多用されることになりますが、これは「もしもこういう男性とデートするかどうかの状況になったら、どうするか」という仮定のニュアンスが込められています。
今、目の前にいるロスとデートする気があるかどうか、という質問ではなく、あくまでそういう離婚歴のある男性とデートするかどうかを決める立場になった場合に、デートする気があるかどうか?という話ですから、「私ならデートする、私ならデートしない」という「仮定」での回答になる、ということです。

最初に答えたカリンは、bother 「(人)を悩ませる、困惑させる」という他動詞を使って、「そのような離婚(複数形なので「複数回の離婚」)は私を悩ませない」、つまり、「離婚歴が何回かあっても、私には気にならない」と言い、I'd date him. 「私ならそういう男性とデートするわ」とも言っています。
ただ、しかし、と続けて、But not while he's still married. つまり、But I wouldn't date him while... 「彼がまだ結婚しているという既婚者の間は、デートしない」とも付け加えています。
今の状態ではまだ3番目の結婚が続いている状態なので、離婚が成立しない限りはデートしないけどね、と言っているわけですね。


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posted by Rach at 19:01| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは
このブログを見ていて思いました。
多読効果があります。
毎日記事内の英文を見てるだけで
英語を読む量が増えてとても勉強になります。

3回目のネバダのせいだというのが面白いですね。
そういえばシーズン6で3回も結婚してたんですね
Posted by せどリッシュ at 2011年08月10日 07:47
せどリッシュさんへ
コメントありがとうございます。
このブログを読むことで多読効果がある、と言っていただけて光栄です。ドラマのセリフなので、読んでいるだけで生き生きとしたリズムが感じられる英文になっていると思います。このドラマを何度か実際に映像としてご覧になられた経験がある方だと、頭の中でセリフが聞こえる感じに読めてしまう気がします。

私も3回目の Nevada's fault. には笑ってしまいました。シーズン6の最初の時点で、ロスはすでに3回も結婚しているんですよね。フレンズ1-1 (パイロット版)で、いきなり妻と別れた話から始まっていましたが、それ以来、彼には常に離婚ネタが付きまとう、というキャラ設定になってしまったようですね(笑)。
Posted by Rach at 2011年08月10日 10:16
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