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前回の続きです。
ロスのような離婚歴3回の男性とデートしたいかどうかを女性たちに尋ねているフィービー。
フィービー: Okay, what about you? (Points to Karin) Wouldn't you want a date? (オッケー、じゃああなたは? [カリンを指差す] あなたはデートしたいとは思わない?)
カリン: Actually, I'm not dating at all anymore. See, I figured out that I was only dating guys that were like bad for me. So I decided until I work that out-- (実際、私はもう誰ともデートしないわ。ほら、自分にとって悪い男とばかり付き合ってたことがわかったの。だから私は決めたのよ、その問題を解決するまでは…)
フィービー: (interrupting) Good. Good. Whatever! What about you, Meg? ([相手の発言をさえぎって] いい、いいわ。何でもいいわよ! あなたはどうなの、メグ?)
メグ: Well, I don't care about the divorces, either. But I wouldn't date him. It's just that he's obviously still in love with this Rachel girl. (そうねぇ、私も(複数の)離婚は気にしないわ。でも、私なら彼とはデートしない。それはただ、彼は明らかにまだこのレイチェルって子を愛してるからよ。)
ロス: What? (何だって?)
フィービー: (leaning to him) She said, "He's obviously still in love with this Rachel girl." (He glares at her.) ([ロスの方に体を傾けて] 彼女はこう言ったのよ、「彼は明らかにまだこのレイチェルって子を愛してる」って。)
ロス: This is crazy! I mean, yes, yes, Rachel is my good friend. And I, I have loved her in the past, but now, she is just my wife! Phoebe, will you, will you help me out here? (こんなのクレイジーだよ! だって、そうさ、そうだよ、レイチェルは確かに僕の良き友達だ。そして、僕は、僕はこれまで彼女を愛してた。でも今は、レイチェルはただ僕の妻であるだけなんだ! フィービー、この状況から僕を救ってくれる?[僕を助けてよ])
離婚歴3回の男性とデートする気があるかどうかを2番目に聞かれたカリンは、「私はもうデートしない、デートするつもり、予定はない」と言っています。
離婚歴がある男性うんぬんは関係なしに、とにかくデートそのものをしないんだ、という話です。
付き合ってきたのは自分にとって悪い男ばかりだったと気づいて、その問題が解決するまでは、デートしないと決めた…みたいなことを言おうとしていますが、フィービーはカリン自身の恋愛観話を聞かされてはたまらないとばかりに、早々に発言を遮(さえぎ)り、3番目のメグに質問を振ります。
I don't care about the divorces, either. 「私も(複数回の)離婚を気にしない」のように、not... either 「〜もまた…ない」が使われているのは、The divorces don't bother me. と答えた1番目のステファニーと同意見だからですね。
このように、同じような意見を述べる場合でも、違った単語、表現が使われていることは多いので、そういうバリエーションを積極的に吸収して、自分の表現を豊かにしていくことも大切かと思います。
メグは、「私も離婚は気にしない。けど、私ならデートしない」と答えたので、そこでロスの表情が曇ります。
メグは、It's just that... 「ただ…なだけ」を使って、デートしない理由を述べます。
this Rachel girl はまさに直訳通りの、「このレイチェルって(名前の)女の子」という感覚ですね。
彼は「明らかに」「まだ」このレイチェルって子に恋してる、愛してる、心を寄せている、と言われたので、ロスはその発言は信じられないというように、What? と叫びます。
その後、フィービーが、メグの発言をそっくりそのまま、ロスに小声で繰り返して教えているのが面白いですね。
ロスが What? 「今、何て言った?」みたいに叫んだのを、メグの発言が聞き取れなかったかのように捉え、ご丁寧にも一字一句同じ内容を伝えてあげているわけです。
これと同じようなやり取りは、フレンズ1-20 にもありました。
ブログの過去記事では取り上げていませんので、ここでそのやり取りにも触れてみます。
フレンズ1-20 で、別れたはずの元婚約者バリーのところに行った後、自分の部屋に戻ってきたレイチェル。
レイチェル: We ended up having sex in his chair. ([モニカだけに小さな声で] バリーと私は結局、彼の椅子でエッチすることになっちゃったの。)
モニカ: You had sex in his chair? I said that a little too loudly, didn't I? ([びっくりして大声で] 彼の椅子でエッチしたですって? 今のは私、ちょっと大きすぎる声で言っちゃったわよね?)
ロス: You-- you had what? (君は、君は何をしたって?)
フィービー: Sex in his chair. (彼の椅子でエッチよ。)
レイチェルはモニカだけにこっそり言うつもりだったのに、モニカが大声でその内容を反復してしまったので、周りのみんなにも内容が伝わってしまいます。
このエピソードの頃、ロスはレイチェルに片思いしていたので、ロスは自分の耳を疑うかのように、信じられないという面持ちで、「何をしたって?」と聞き返すのですが、もちろん sex という言葉がはっきり聞こえたので、驚いているわけですよね。
それなのに、フィービーがご丁寧にも、「今の聞こえなかった? sex in his chair って言ったのよ」と言い直すのが面白い、というやり取りです。
今回の 6-2 と、1-20 とを比較すると、ロスが What? と驚いた声で叫んだ後、フィービーがその内容を反復して教えてくれる、というパターンが全くと言っていいほど同じですが、そこがキャラ立ちしているシリーズ物の楽しみでもあり、醍醐味であるとも言えるでしょう。
「彼は彼女をまだ愛してる」と言われ、ロスは猛烈に反論します。
yes, yes, Rachel IS my good friend のように、IS が強調されていますが、これは「君が言うように”確かに”レイチェルは僕の良き友人だよ」というニュアンスですね。
別に嫌いなわけじゃないし、良き友人であるという事実は否定しない、という感覚です。
I have loved her in the past という文について。
past は「過去」という意味ですが、in the past というフレーズはこのように、現在完了形と組み合わせて使うことも可能です。
in the past ... years や、for the past ... years 「ここ…年間で、ここ…年の間に」のような形も現在完了形と共に使われますね。
英辞郎では、
in the past=(過去形とともに用いて)昔、以前は、(完了形とともに用いて)従来、これまで
と出ています。
Macmillan Dictionary にも、
past [noun] :
the past
the time before the present, and everything that happened then
例) He has made similar promises in the past.
The business has grown steadily in the recent past.
のように、「現在完了形+in the past」の組み合わせの例文が載っています。
I have loved her in the past, but now, she is... は、「僕はこれまで彼女を愛してた、でも今は彼女は…」という、「これまでと現在との対比」の文章になります。
でも今は…と言った後の、she is just my wife! という文に笑ってしまいますね。
just は「ただ…だけ」というニュアンスですから、「でも今は、レイチェルは、ただ僕の妻であるだけだ、僕の妻なだけだ、ただ僕の妻にすぎない」と言っていることになります。
「彼女はいい友達で、これまでは確かに彼女を愛してたけど…」とくれば、「今は恋愛感情もないし、恋愛関係でもない」と来るのが普通のところ、「妻にすぎない」と言っている面白さですね。
妻にすぎないと言われても、それ以上何があるの?とツッコミたくなるところです。
あくまで法律上、夫婦であるだけで、恋愛関係なんかないんだ、みたいなことをロスは言いたいわけですが、事情を知らない人が聞いたら、「はぁ???」と思うようなセリフになっているのがポイントと言えるでしょう。
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