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2011年08月25日

phone it in フレンズ1-10その7

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フレンズ1-10その6 のコメント欄 で、フレンズ1-10 での2つのセリフに関するご質問がありましたので、そのセリフに対する私の見解を、今日は記事として投稿したいと思います。
やたらと長い記事になってしまったので、お急ぎでない方は、お時間のある時にでもお読み下さい(笑)。

まず1つ目。
出掛けていたレイチェルが、部屋に帰ってきたのですが、顔も髪も服もボロボロの状態。
どうしてそんなことになったかの顛末を話しているセリフ。

レイチェル: I was at the airport getting into a cab, when this woman, this blond planet with a pocketbook, starts yelling at me. (私は空港にいて、タクシーに乗ろうとしていたの。その時、ある女が、pocketbook を持った blond planet が、私に叫び始めたのよ。)

その女のせいで、私はこんな姿になっちゃったのよ、とその女性を非難するセリフがこの後、続くことになります。
このセリフの中の、pocketbook と blond planet という言葉の解釈についてのご質問でした。

pocketbook は、DVD の日本語では「ハンドバッグ」と訳されていました。
実際、pocketbook には、そのような「ハンドバッグ」の意味があります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pocketbook :
1. the amount of money you have, or your ability to pay for things
2. (old-fashioned) a woman's purse (= small bag), especially one without a strap
3. a small book with a soft cover that can be carried in a pocket
4. (old-fashioned) a wallet


つまり、1. は、「自分が持っているお金の量、または物に対して払うことのできる能力」。
2. は、「(古い表現) 女性の purse (小さなバッグ)、特にストラップがないもの」。
3. は、「ポケットに入れて持ち運べる、ソフトカバーの付いた小さな本」。
4. は、「(古い表現) wallet (財布)」。

このように様々な意味があるので、どう解釈するのも可能、なのかもしれませんが、purse や wallet の意味には、old-fashioned (古い、古風な、古臭い表現)と書いてあるので、若い人はあまり使わないとも考えられる気はします。
ご質問のコメントでも、「おしゃれなレイチェルの使う言葉ではないような気がする(purseとかを使う)」というご意見をいただきましたが、私もそれに同感です。
フレンズでは女性陣がそういうハンドバッグを purse と呼んでいるシーンが何回も登場していますので、同様のハンドバッグならば、ここでも purse を使っただろう、だからこれは purse ではなく、カタカナ表記の「ポケットブック」から想像される通りの「ポケットに入るような、文庫本のような小さな本」ということになる気がします。

あるいは(こちらは可能性は少ない気がするのですが)、purse のことを、わざと古臭い表現である pocketbook と表現することで、「古風で古臭くてダサいハンドバッグ」みたいなニュアンスを出したかった、という可能性もなくはない…とも思いますが、やはり素直に「ポケットブック」と解釈するのが自然かなぁ、と。

次に、blond planet について。
まず、細かい話ですが、DVD英語字幕では、blond、ネットスクリプトでは blonde となっています。
これについては、研究社 新英和中辞典に、

blond, blonde
綴り
blonde は女性形; 現在は男女とも blond を用いることが多い


とありますので、どちらを使っても問題ない、ということで良いでしょう。

そして意味については、この planet はやはりあの「プラネット、惑星」で、「金髪惑星(金髪星)から来た女」みたいなニュアンスを「私は」感じました。
後で、別の意見もご紹介しますが、まずは私がどうしてそう思ったかについて語らせて下さい。

今回の フレンズ1-10 よりも先のエピソードになってしまいますが、過去記事、故郷の星に帰ったらどう? フレンズ5-11その7 で、planet という単語が使われるフレーズ、What planet is somebody from? 「〜はどの惑星から来たの?」について説明しました。

アカデミックな辞書である LAAD にも以下のように出ています。

what planet is somebody from/on? also somebody is (living) on another planet :
(spoken) (humorous) used to say that someone does not seem to understand things that are clear to most people, or that their ideas are not at all practical or sensible


つまり、「(人)はどの惑星から来たの?」「(人)は別の惑星に住んでいる」というフレーズは、
「(口語)(ユーモラスな表現) ある人が、ほとんどの人にとって明らかな事柄を理解していないように見えること、または、その人の考えが全く現実的ではない、または分別がないこと、を言うために使われる」。

地球人の常識(笑)では理解不可能な発言・行動をする人に対して言う言葉で、「君は他の惑星から来た宇宙人?」と言ってからかう感覚のフレーズです。
それと同じようなニュアンスで、blond planet も、a woman from the blond planet という意味で使っているように私には思えました。
金髪の人ばかり住んでいる惑星から来た女みたいに、「いかにも金髪、これぞ金髪」って感じの金髪だった、みたいな感じで。

今回、ネットを検索してみると、このフレーズについて英語のフォーラムが存在することがわかりました。
blond planet : WordReference.com
そこには2種類の回答が寄せられています。
詳しくは実際にそのフォーラムを読んでいただければと思うのですが、簡単に説明させていただくと、
1つは私と同じ見解の、a woman from the blonde planet という意味だろうという意見で、
もう1つは、the woman was very big, as big as a "planet" 「その女性はとても大きい、1つの惑星と同じくらい大きい」という意味に思えるという意見でした。
そのフォーラムでは、どちらの意見が正しいか、というところまでは結論が出ていないので、どちらの意見を取るかは読者の自由ということになるでしょう。
拙ブログの読者の皆様にも、ご自分の気に入った方の解釈(笑)を選んでいただければと思います。

私は自分の意見を押し付けるつもりは全くないのですが、このブログの管理人としての見解を一応述べておくと、planet と聞くと、What planet is she from? みたいなフレーズを思い浮かべるので、そっちの方の意味じゃないかなぁ、と私は思ったということですね。
確かに a planet は、その形状と大きさから、「丸くてデカい」ものの例えに使われる可能性はあるでしょう。
ただ、図体のでかい女、みたいな意味を言いたいのであれば、cow 「牛」みたいに言うかなぁ、とか思ったり。

例えば、フレンズ1-17その4 や、フレンズ3-3その12 で、「太っている人」の形容として cow という言葉が使われていたので、ここであえて、planet という単語を選択している理由がうまく説明できないと言いますか…。

次に、blond (blonde) という単語について。
コメント欄のご質問では、blond という言葉のネガティブなニュアンスについても言及されていますが、確かに世間では、「頭が悪い」というようなイメージを持たれがちな傾向にあるようです。
(金髪の方、ごめんなさい。あくまでも、「ステレオタイプなイメージ」の話だとご理解下さいませ。)

実際、そういう「金髪のステレオタイプなイメージ」を表現したセリフに出会ったことがありますので、ここで紹介させていただきます。

女子高生探偵が主役のドラマ「ヴェロニカ・マーズ」(原題: Veronica Mars)のシーズン1第4話「詐欺師をやっつけろ!」(原題: The Wrath of Con)で、ヴェロニカが、お金を騙し取られた依頼人になりすまして、犯人に接触し、もう一度お金を貸すふりをするシーン。
小切手を渡そうとするヴェロニカに、相手の詐欺師は「現金じゃないとだめなんだ。誕生日まで銀行口座は凍結されてて…」などと説明します。

その説明がよくわからない、という顔をした後のセリフが、
ヴェロニカ: Okay, I'll-- It must be the hair. Blond.
で、DVDの日本語字幕では、「よく分からないけど… 私、頭が悪くて」と訳されていました。

直訳すると、「わかったわ、私は… きっと髪の毛のせいね。(ほら)ブロンドなのよ」ということで、「髪の毛がブロンドだから、あなたの言っている意味がよくわからないけど、まぁ、あなたの言う通りにするわ」みたいなニュアンスで使われています。
このセリフからも、金髪だから、事情がうまく飲み込めない、みたいなニュアンスで言っていることが感じ取れます。
ヴェロニカは探偵をやっているくらいなので、頭脳明晰な女の子なのですが、髪の毛は透き通るような金髪であることを逆手にとって、わざとおバカなふりをしている、というセリフになるでしょう。
「頭が悪い」というステレオタイプなイメージとは正反対の「金髪の女子高生探偵」というキャラ設定をしているにもかかわらず、その本人の口からステレオタイプなイメージ通りの言葉を言わせる、というところに、「しゃれたひねり」を感じるわけです。
「おバカだと思ってるかもしれないけど、ところがどっこい」みたいな、そういう「ステレオタイプ」を密かに、しかし痛烈に、批判している感じもしますしね。

レイチェルがわざわざ相手の女性のことを blond だと言ったのも、ただ見た目がブロンドなだけではなくて、そういうネガティブな「バカな女」という意味も持たせたかった気もします。
レイチェル自身はどちらかと言うと金髪の部類ですが、厳密に言うと、それほど金髪ではないですよね。
フレンズのメンバーなら、フィービーの方がより金髪っぽいです。
実際、フレンズ2-16その9 で、
店員: Blonde girl? You're in room two. Not-so-blonde girl, you're with me. (金髪女? あんたは2番の部屋。そんなに金髪でない女、あんたは私と一緒に来て。)
というセリフがありましたが、金髪と呼ばれたのはフィービーで、「そんなに金髪ではない」と呼ばれたのはレイチェルでした。

レイチェル自身、自分は「完璧な金髪じゃない」という意識が常にあるため、「いかにも金髪」な女性を見た時に、どうしてもそれに目が行ってしまうような気がします。
今回の フレンズ1-10 のセリフでは、相手に対して怒りを抱いているために、「(ステレオタイプなイメージ通りの)おバカなんじゃないの?」という軽蔑した気持ちと、見事で美しい金髪に対する嫉妬に近い気持ちとがないまぜになって、その女性を形容する時に、this blond planet という言葉が出てきたのかなと思うのですね。
自分がブルネット(黒髪)の場合、「あのブルネットの女が」とは形容しないのと同じで、自分と違う部分の特徴をネーミングに使ったのだという気がしました。

ということで長くなりましたが、私がそのセリフを訳すとすると、「文庫本を持った、金髪星から来たような金髪女が、私に叫び始めたのよ」になるでしょうか。


2つ目のご質問について。
ロス: Changing his diapers. Picking his fleas. But he's just phoning it in. (彼(お猿のマルセル)のオムツを換えたり、彼のノミを取ったり。でも彼はただ、phone it in するだけなんだ。)
この phone it in はどういう意味か?についてです。
過去記事では、その部分の日本語訳として「彼には通じないんだ」と書いたのですが、それは DVDの日本語訳が「でも通じない/でも彼には通じないんだ」となっていたのをそのまますんなり納得して、何も疑問を感じずにそのまま書いてしまったものだったようです。(6年前の記事は、本当に「雰囲気で、何となく」日本語をつけている部分も多いのですが、これはその典型と言えそうです。すみません。)

それで、今の私が改めてこのセリフを見直してみたわけですが、やはり、この文脈を考えると、「(僕が必死に尽くしても)彼には通じない」的な意味がしっくりくる気がするのですね。

phone という単語は、英和を見ても「電話をかける」という意味くらいしか載っていません。
LAAD に載っている以下の意味も、それに近いニュアンスです。

phone sth ⇔ in : to telephone a place to report something, give your opinion, ask a question etc. SYN: call in
例) Elliot was arrested for phoning in a bomb threat.


つまり、phone sth in は、「何かを報告する、自分の意見を言う、質問をするなどのためにある場所に電話をかけること」。
例文は、「エリオットは爆弾の脅迫電話をかけたことで逮捕された」。

ですが、マルセルが電話をかける、というのはやはりヘンな気がするので、ネットの辞書で調べてみると、それらしい意味を発見しました。

Urban Dictionary : phone it in
phone it in
344 up, 10 down
Perform an act in a perfunctory, uncommitted fashion, as if it didn't matter.
例) She sang the National Anthem, but she was just phoning it in as far as I could tell.


つまり、「おざなりで、全力を傾けることのないやり方で行動すること、まるで重要なことではないかのように」。
例文は、「彼女は国歌を歌ったが、私のわかる限りでは、ただおざなりでそうしていただけだった」。

Wictionary : phone it in
Verb
phone it in
2.(idiomatic) To fulfill a responsibility with a minimum effort rather than the appropriate level of effort.


つまり、「(慣用的表現) 適切なレベルの努力というよりもむしろ最小の努力で責任を果たすこと」。

言い換えると、「責任を果たすのに必要な最小レベルの努力しかしない」ということですから、上の Urban Dictionary の perfunctory, uncommitted 「おざなりで、全力を傾けることのない」に通じるものがありますね。
ロスに言わせると、「僕は必死に尽くしてるのに、尽くしても尽くしても(…演歌みたいですが…笑)、おざなりの、必要最小限の反応を返してくるだけなんだ」みたいな感じなのかなぁ、と思います。
お世話してあげると、それに対して無反応だったり、無視したりするわけじゃないけれど、「ん、ありがと」程度にチラッと視線を向けるだけで、僕(ロス)のことなんかどうでもいい、興味ない、みたいな態度を取るんだよ、とボヤいているような感じかなぁ、と。

ここからは私の推測ですが、どうして元々は「電話で報告する」という意味の phone it in がそういう「おざなりな対応」みたいな意味になるかについて少し考えてみました。
実際に本人が出向いて行って、直接報告したり意見を言ったりするのと比較すると、「電話という機械越しに、顔も合わせずに報告する」という行為が、心がこもっていないように受け取られる、熱意がないように取られる、という感覚から来たのかも…と思ったりします。
現代社会においては、電話やメールでは失礼、という感覚もずいぶん減ったとは思いますが、直接会う(in person)の方が、電話で話す(on/over the phone)よりも、熱心さが感じられる、ということは今でもあるのかな、という気はします。

実際、フレンズ3-6その13 で、
エリック: But, he told me over the phone... (でも、チャンドラーは電話で僕に言ったんですよ…)
ヘッケルさん: He told me in person. (チャンドラーは私に直接言ったぞ。)
というやり取りがありました。
ここでも、over the phone よりは、in person の方が信頼できる、という感覚が感じられます。

…ということで、長くなりましたが、今の私が日本語訳をつけるとすると、But he's just phoning it in. は「(僕がオムツを換えても、ノミをとっても)マルセルはただ、適当におざなりな対応を返してくるだけなんだ」になるように思いました。


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posted by Rach at 16:30 | フレンズ シーズン1

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