2011年09月12日

起こせるなら起こして フレンズ6-4その3

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行きつけの占い師に「あなたは今週中に死ぬ」と言われてしまったフィービー。
[Scene: Monica and Rachel's, Phoebe enters to find Rachel still packing.]
モニカとレイチェルの部屋。フィービーが入ってきて、レイチェルがまだに荷造り中なのを見る。
フィービー: Hey! (はーい!)
レイチェル: Hey, Pheebs, you're still alive! How are you feeling? (はーい、フィービー。まだ生きてたのね! 気分はどう?)
フィービー: Ugh, it's so exhausting, waiting for death. Ohh, by the way, do you think you-- (Groans, hacks, and then freezes with her eyes open and her tongue hanging out.) (あー、すごく疲れるわ、死を待つのって。あぁ、ところで、あなたは… [うめき声を上げ、空咳(からせき)をして、その後、目を開けたまま固まり、舌を外に出す]
レイチェル: Pheebs, what, what are you doing? (フィービー、何、何してるの?)
フィービー: I was preparing you for my dea-- Didn't you think I was dead? Did that not come off? (私はあなたに私の死への準備をさせていたのよ…。私が死んだと思わなかった? 今の、うまくいかなかった?)
レイチェル: Oh yeah, scared the hell out of me. I thought we'd lost you forever. Pheebs, you wanna lie down? (えぇ、死ぬほどびびったわ。私たちはあなたを永遠に失ったと思った。フィービー、横になりたい?)
フィービー: Yeah, thanks. And listen, can you do me a favor? Could you just umm, wake me up in a couple hours. Y'know, if you can. (うん、ありがと。それで、ねぇ、私のお願いを聞いてくれる? 私を2、3時間で起こしてくれるかしら? ほら、もしそうできたら、ね。[フィービーは指をクロスする])

占い師に今週中に死ぬと言われたフィービーですが、話を聞く限り、その予言はどうも胡散臭い。
でもフィービーはその予言を真に受けています。
そんなフィービーにレイチェルは、気分はどう?と尋ねています。
exhaust は「(人)をへとへとに疲れさせる」という他動詞。
人を主語にした場合は、I was/felt so exhausted by/from/with... 「私は…でひどく疲れた」のように過去分詞形(-ed)で使われます。
一方、フィービーのセリフは、exhausting のように現在分詞(-ing)になっていますね。
これは、「自分が今ひどく疲れている」という自分の状態を言っているのではなくて、この状況が「私をへとへとに疲れさせる」と言っているニュアンスです。
It's so exhausting, waiting for death. は、「どっと疲れるのよね(疲れさせるのよね)、死を待ってると[死を待ってるってことは]」みたいな感覚でしょう。

そう言いながらフィービーはうめき声を上げ、ぐえっ!みたいな顔をして、そのまま舌を出して固まっています。
何やってんの?と言われたフィービーは、死んだふりをしたと言っていますね。

I was preparing you for my dea-- と最後の部分が途中で切れていますが、これは for my death と続くはずだったでしょう。
prepare someone for... は「人に…の準備をさせる」。
研究社 新英和中辞典には、
prepare candidates for an examination 志願者たちに試験の準備をさせる
という例文も載っています。
「あなたに私の死への準備をさせる」、つまり、私が死ぬ時に備えて、事前に心の準備をさせようとしていたの、という感覚です。

Did that not come off? の come off は「成功する、計画がうまくいく」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come off : SUCCEED to be successful or have the intended effect
例) The joke just didn't come off very well.

つまり、「成功する、もしくは意図された効果がある」。
例文は、「そのジョークはそんなにうまくいかなかった[あまり成功しなかった]」。

フィービーのセリフも、「あなたに私の死への心の準備をさせようとしたんだけど、私が死んだとは思わなかった?」の後ですから、私のその意図は成功しなかった? 失敗に終わっちゃった?と言っていることになるでしょう。

あまりに嘘くさいお芝居だったので(笑)本気にするはずもないのですが、レイチェルは言葉の上でだけ、すごく驚いたかのように言っています。
scare the hell out of someone は「人を死ぬほど怖がらせる」。
the hell という強意語が入っているので、あまり上品な言い方ではないようです。
他にも同じような意味で、scare the life out of や、scare the living daylights out of のような表現もあります。
英辞郎では、scare the hell out of には、〈卑〉、つまり「卑語」であると書かれていて、scare the living daylights out of の方には、〈卑〉とは書かれていません。
アカデミックな辞書である(それゆえ、卑語はあまり収録されていない)LAAD には、scare の項目に、
A siren went off and scared the living daylights out of me.
という例文が載っていました。
「サイレンが鳴って、私を死ぬほど驚かせた[私は死ぬほど驚いた]」というような意味ですが、LAAD に出ているので、これはそれほど下品な表現でもないということでしょう。
英辞郎でも、この表現には〈卑〉マークがついていないことと合致しますね。
LAAD で daylight の項目を見てみると、
scare/frighten the (living) daylights out of somebody : (informal) to frighten someone a lot
やはり、「誰かをものすごく驚かせること」という語義になります。

レイチェルは自分がものすごく驚いたということを言葉で表現するために、「もう、ぶったまげたわ」みたいにわざと言ってみせた感じでしょう。
その表情からは全く驚きが感じられないのに、そういう大げさな言葉を使っているギャップの面白さでしょうね。

ちょっと横になって一休みするつもりのフィービーは、レイチェルに頼みごとをしています。
2、3時間したら起こして、というよくあるお願いですが、その後に、if you can という言葉が付け加えられていますね。
そしてフィービーは、2本の指を重ねる仕草をしています。
これは指でクロス(十字架)の形を作って、「願いが叶いますように」という仕草です。
研究社 新英和中辞典では、
cross one's fingers=(災難よけなどのために)中指を曲げて人さし指に重ねる、幸先(さいさき)のよいことを祈る
と出ています。

LAAD では、
cross your fingers : used to say that you hope something will happen in the way you want
例) Keep your fingers crossed for me.

つまり、「自分が望む方法で何かが起こることを願う、と言うために用いられる」。
例文は、「(私のために、あなたの指をクロスしてて→)私の望みが叶うように願ってて」。

普通の会話だったら、「ちょっと眠るから、2、3時間経ったら起こして」というのはごく自然なセリフですよね。
ただ今回のフィービーは、自分が今週中に死ぬ(いつ死ぬかわからない)と思っているので、眠った後、そのまま死んでしまうかもしれない、だから、起こせるのなら起こして、もうその時に死んじゃってたら起こすことは不可能だけどね、みたいな意味で、if you can を最後に付け加えたわけです。
あなたに起こしてもらえるように願ってるわ、2、3時間後にまだ私が生きてることを祈ってるわ、という気持ちを込めて、指をクロスした、ということですね。


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posted by Rach at 16:38| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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