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ロスは論文が認められて、ニューヨーク大学(NYU)に特別講師として招かれ講義をすることになります。
その様子をこっそり見に来た、レイチェルとモニカは、ロスが妙なアクセントで講義しているのを見てびっくり。
見られたロスも気まずそうな顔をしています。
モニカ: What the hell are you doing? (全く、ロスは何やってるの?)
ロス: Look, I was nervous. You guys had me all worried I was gonna be boring. I got up there and they were all, like, staring at me. I opened my mouth and this British accent just came out. (ねぇ、僕は緊張してたんだよ。僕が生徒を退屈にさせるって、君たちが僕に心配させたから。僕はそこ(教壇)に立つと、生徒は全員、僕をじっと見つめたんだ。僕が口を開くと、このブリティッシュ・アクセントがただ口から出てきたんだよ。)
レイチェル: Yeah, and not a very good one. (そうね、それもあまり上手じゃないやつね。)
ロス: Will you, will you, please? (どうかお願いだから(このことは黙ってて)。)
(Another professor walks down from the back of the lecture hall.)
もう一人別の教授が大教室の後ろから歩いて下りてくる。
教授(The Professor): Dr. Geller. Kurt Rathman. I'm a professor in the paleontology department here. (ゲラー博士(ドクター・ゲラー)、(私は)カート・ラスマンです。古生物学科の教授です。)
ロス: Oh. (おぉ。)
教授: Do you have a moment to talk about your lecture? (あなたの講義について話す時間はありますか?)
ロス: (in his British accent) I'm sorry, I've got plans with my sister. ([ブリティッシュ・アクセントで] 申し訳ありません。私は妹と予定がありまして。)
モニカ: (in an Irish accent) Monica Gellerrr. (She rolls her ‘R’) ([アイリッシュ・アクセントで] モニカ・ゲラー(ラ)です。[モニカは R の音を巻く])
You guys had me all worried I was gonna be boring. について。
had me (all) worried (that) は、「君たちが僕を…だと心配させる」という、have+someone+p.p. (過去分詞)の形。
bore は「人を退屈させる、うんざりさせる」という他動詞なので、I was gonna be boring は「僕が人を退屈させることになる」。
そんな風に君らが脅すから僕はすっかり心配になっちゃったんだ、ということですね。
自分が退屈している場合は、「何かに退屈させられている」ので、be bored という過去分詞、何かが誰かを退屈させる場合は、be boring という現在分詞になります。
You're bored. なら「あなた、退屈してるわね」ですが、You're boring. なら「あなたは人を退屈にさせる人ね、退屈な人ね」と言っていることになってしまいます。
このように他動詞は過去分詞か現在分詞かが大きな違いになるので注意しましょう。
ロスは、「教壇に立つとみんなが僕を見つめるので、口を開いたらこのブリティッシュ・アクセントが出てきちゃった」と説明しています。
それに対してレイチェルは、「そうね、そしてそれはあまりグッドじゃないブリティッシュ・アクセントだしね」みたいに言っています。
ロスは明らかにいつものアメリカ英語とは違った話し方をしていますが、きれいで完璧なブリティッシュ・アクセントともいえない、インチキで奇妙なアクセントになってる、とレイチェルは言いたいわけです。
本格的なブリティッシュ・アクセントで話すならまだいいけど、そんな妙なアクセント、何とかしてよ、という感じでしょうね。
ここで、British Accent とは一般的にはどういうものを指すか、について、少しお話ししたいと思います。
フレンズ6-4その2 のコメント欄 で、オーストラリア英語とイギリス英語が話題になり、そこでも少し触れたのですが、私が所持している「各国のアクセントについて書かれた本」に、イギリス英語に関しての説明がありました。
その本は以下の2冊。(どちらも、ジャパンタイムズ刊)。
ナマった英語のリスニング English around the World
4カ国の英語 リスニング強化ブック
それぞれの本の「ブリティッシュ・アクセント」「イギリス英語」の項目を見てみると、
British English と言えば一般的に、イングランド南東部の(知識階級に使われる) Received Pronunciation (RP、容認発音)を指す
という説明が載っています。
また、「リスニング強化ブック」の p.16 には、
RP と Queen's English (QE) とは別物
という記述もあります。
イギリス英語と言えば、クイーンズ・イングリッシュを想像される方が多いと思いますが(私も真っ先にそれが浮かんだのですが)、実際は、RP と呼ばれているものが「イギリス英語、ブリティッシュ・イングリッシュ」とされている、ということだそうです。
どちらの本にも RP (容認発音)の特徴が挙げられているのですが、「4カ国の英語」に載っていた例としては、
「home は、アメリカでは「ホウム」と発音されるが、RP では「ハウム」に近い音(「ア」はあいまい母音)になる」
「母音の前の r のみ発音し、それ以外は無発音になる傾向がある」
というのがあります。
シーズン4の終わりに登場した、イギリス人女性エミリーの話し方がそんな感じでしたね。
また、ハリー・ポッターの話し方もこの発音に属するような気がします。
(イギリス英語の作品はあまり見たことないので、正直、イギリス英語に関する知識は乏しいです。また、その分野に詳しい方がおられましたら、ご教授下さいませ。)
講義が終わったロスに、NYUの教授が話しかけます。
ロスはその教授に対しても、まだブリティッシュ・アクセントを使っていますね。
横にいたモニカは、自己紹介をするのですが、モニカはト書きにあるように、アイリッシュ・アクセント、つまりアイルランド英語の発音で話しているようです。
ト書きの説明通り、R の音を舌を思いっきり巻いた感じで発音していて、ゲラーという苗字がゲラ〜ッラッ!みたいに聞こえます。
「4カ国の英語」の p.92 に「アイルランドの英語」というコラムがあるのですが、発音の特徴として、以下の説明がありました。
アイリッシュ英語は、アメリカ英語と同じく r を必ず発音する rhotic accent (ロウティック・アクセント/r 音方言)。
アメリカ英語と同じ r 音方言と言っても、アイリッシュ英語の r の発音はアメリカのものとまったく同じというわけではなく、短くそして強い、跳ねるような音になるところが特徴。
やはり、r を「短く、強く、跳ねる」のよう強調するのが、アイリッシュぽい、ということですね。
この後も、モニカ風「アイリッシュ英語」が続くのですが、説明が長くなりそうなので、それは次回にいたします。
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wikipedia を見ますと,クイーンズ・イングリッシュ,容認発音,BBC英語,Public School English,すべて同じものとしていますね.(まあ,厳密に言うとそれぞれ微妙に違うのかもしれませんが)
>RP と Queen's English (QE) とは別物
だそうですが,どの点を強調してそう言われているのか,ちょっと興味があります.
私の大まかな理解では,RP(上流階級),河口域(中流階級),コックニー(下層階級,下町言葉)といった感じでしょうか.RPとコックニーの違いは,少し古くなりますが「マイ・フェア・レディ」がわかりやすい例を示してくれました.
私的には,can't を「カーント」と発音されると,「ああ,クイーンズ・イングリッシュだな」と思います.(ジュリー・アンドリュースのイメージです)
コメントありがとうございます。
「4カ国の英語 リスニング強化ブック」では、QE について以下のような説明がありました。
p.17
(引用始め)
QE とは、一流の私立校(パブリックスクール)や Oxbridge(オックスフォード、ケンブリッジ)の卒業生など、ごく限られた人たちの間で使われているアクセントのことです。一般的なイギリス人からすると、一部の上流階級のイメージがあり、snobby(お高くとまっている)な印象もあるようです。
(引用終わり)
そういう「上流階級」の人が話すイギリス作品を見たことがないので(というよりそもそも、イギリス英語の作品自体、見たものが少ないので)、私にはその違いがよくわからないのですが…。
「マイフェアレディ」は、イギリスのアクセントの違いを語る作品として有名ですね。(残念ながら私はまだ見たことがなくて…)
「ナマった英語のリスニング」にも、
p.44
(引用始め)
『マイフェアレディ』のヒギンズ教授のように、アクセントからその人の出身地や社会的地位などを推察することができます。
(引用終わり)
という記述がありました。
その「ナマった英語のリスニング」では、
p.44
(引用始め)
また、最近では、RP とロンドン労働階級のコックニーの両方の特徴を含む Estuary English (河口域英語)が広がっています。
(引用終わり)
という説明もありました。その説明からしても、RP とコックニーの中間に位置するのが河口域英語、だと言えそうですね。
ジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」は見ました。先生役だけあって、美しく上品な発音だったと記憶しています。
私はトレッキー(スタートレックファン)で、新スタートレック(Star Trek: The Next Generation)も英語で全シーズン見たのですが、ピカード艦長とカウンセラー・トロイを演じていたのがイギリスの俳優さんで、二人が can't を「カーント」と発音するのは、他のアメリカ人俳優の中にあって、とても特徴的でした。can't の発音は、イギリス英語かどうかを見分けるのに一番わかりやすい特徴と言えそうですね。
>私が所持している「各国のアクセントについて書かれた本」に、イギリス英語に関しての説明がありました。
面白そうな本ですね。是非読んで見たいと思いました。
>ロス: (in his British accent) I'm sorry, I've got plans with my sister. ([ブリティッシュ・アクセントで]
モニカ: (in an Irish accent) Monica Gellerrr. (She rolls her ‘R’) ([アイリッシュ・アクセントで]
欧米人は、こういう訛りネタがお好きなようですね。
せっかくのギャグも、地域によって異なる英語の特徴を知らないと、笑うことができないですね。シットコムで沢山笑えるようになるためにも、勉強します!
コメントありがとうございます。
上で紹介させていただいたアクセントの本、どちらも面白い本でした。詳しく体系立てて説明してくれているのがとてもありがたかったです。
English と言っても、アメリカ、イギリス、アイルランド、、といろいろ違うところが、English-speaker にとっても面白いのでしょうね。日本語の方言の違いが、国レベルの違いになっている、みたいなことですから、話している人口が多い分、笑える人も多いし、ネタにもなりやすいのでしょうね。
フレンズでは訛りネタが時々出てくるので、私もいろいろと学ぶことができました。一緒に楽しんでいただければ幸いです。