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シーズン6 第5話
The One With Joey's Porsche (炸裂! 3つ子ちゃんパワー)
原題は「ジョーイのポルシェの話」
フィービーは、弟夫婦(フランク&アリス)の三つ子の赤ちゃんを、代理母として出産したのですが、今回、その三つ子ちゃんの世話を頼まれることになります。
[Scene: Monica and Rachel's, the next day, Chandler, Monica, and Phoebe are baby-sitting the triplets. They each have one baby.]
モニカとレイチェルの部屋。次の日。チャンドラー、モニカ、フィービーは三つ子の子守中。3人はそれぞれ1人の赤ちゃんを持っている[担当している]。
モニカ: Pheebs, how's it going? (フィービー、調子はどう?)
フィービー: (rapidly) I'm doing okay. I think it's going well. Do you think they're having fun? Am I talking too fast? ([速く(早口で)] 順調にやってるわ。うまくいってると思うの。三つ子ちゃんたちは楽しんでると思う? 私、ものすごく早口でしゃべってる?)
モニカ: Nope, sound like me. Pheebs, it's going great. Look at Chandler with Little Baby Girl Chandler. (いいえ、私みたいに聞こえるわ。フィービー、うまくいってるわよ。リトル・ベイビー・ガール・チャンドラーちゃんと一緒にいるチャンドラーを見てよ。)
チャンドラー: Little Baby Girl Chandler. Where have I heard that before? Oh right, Coach Rubin. (Tries to get her to drink a little more from the bottle when he suddenly smells something.) You know what, Pheebs? When you're done over there, we've got a kind of situation over here too. (Phoebe is changing hers.) (リトル・ベイビー・ガール・チャンドラー。その名前を、前に聞いたのはどこかな? ああ、そうだ。コーチ・ルービンだ。[哺乳瓶からもう少し飲ませようとした時、チャンドラーは突然、何かのにおいに気付く] ねぇ、フィービー。そっちで君が終わったら、こっちでもある種の状況があるんだよ。[フィービーは(自分担当の)赤ちゃんのおしめを替えている])
フィービー: Na-uh, no, we are all responsible for our own babies. (だめよー、だめ。私たちは全員、自分たちの(担当の)赤ちゃんに対して責任があるのよ。)
チャンドラー: See, that's where I think you're wrong. We've been playing these babies man-to-man. We should really be playing a zone defense. (ほら、君が間違ってるって俺が思うのはそこだよ。俺たちはずっとこのベイビーたちに、マンツーマンで戦ってる。俺たちは本当はゾーン・ディフェンスで戦ってるべきなんだよ。)
モニカ: What do you mean? (どういう意味?)
三つ子ちゃんのお世話を一緒に手伝っているモニカ。
モニカは赤ちゃんの一人をだっこしながら、フィービーに「(子守の)調子はどう? どんな感じ?」と尋ねています。
ト書きに、rapidly とあるように、フィービーはその後のセリフを、いつもよりもずっと早口でしゃべっています。
質問にゆったり答える気持ちの余裕がない感じが出ていますね。
私はちゃんとやれてるし、ことは順調に進んでるし、ベイビーたちも楽しんでると思うの、と言った後、Am I talking too fast? と言っています。
あまりに早く(速く)話してる?、私、超早口になっちゃってる?みたいなことですね。
モニカはそれに対して、Nope, sound like me. と答えます。
「いいえ、むちゃくちゃ早口になってたりはしないわ」のように、Nope で否定しながらも、「私みたいに聞こえる」、つまり、「私のしゃべり方みたいに聞こえる」と言っていることになります。
フレンズファンの方にはおなじみのように、モニカはメンバーの中でも一番の早口ですよね。
「私みたいな話し方に聞こえる」ということはつまり、フィービーも私(モニカ)みたいに早口になっている、ということになり、早口じゃないといったんは否定したように見えて、やっぱり早口であることを認めていることになるでしょう。
このセリフ、文字通りに、「いいえ(早口じゃないわ)、私の話し方みたいに聞こえるもの」と解釈すると、モニカが自分の早口を全く自覚していない発言をしているようにも聞こえますが、モニカの表情を見ると、ちょっといたずらっぽい顔をしているようにも見えます。
多分、モニカは自分が早口であることをわかっていて、「いーえー、全然大丈夫よー。だって私の話し方みたいだもん」と言うことで、「やっぱりちょっと早口になってるけどね」と、焦るフィービーをからかってみた感じなのかな、とも思います。
言われたフィービーの方は「えへ、やっぱり?」みたいな顔をしていますが、「モニカの話し方みたいに聞こえる=早口になっている」ということに気づいて、アセアセしている自分がちょっぴり恥ずかしいわ、みたいな表情になっている、ということでしょう。
チャンドラーは、チャンドラーという名前がつけられた女の子(!)の赤ちゃんをだっこしています。
「Little Baby Girl Chandler と一緒にいるチャンドラーを見て。(ほら、あんなになじんでて、微笑ましい様子を見て)」のように、モニカがフィービーに言うのを聞いたチャンドラーは、Where have I heard that before? 「俺は前にどこでその名前(Little Baby Girl Chandler という名前)を聞いたんだろう?」と自問しています。
そして、何かを思い出したように、Oh right, Coach Rubin. と自答していますね。
coach は「コーチ」「監督」。
それは、少年時代に何かのスポーツをやっていた、スポーツチームに所属していた時のイメージでしょう。
チャンドラーは自分の少年時代を回想して、ルービンコーチ(ルービン監督)によく、Little Baby Girl Chandler って呼ばれてた、ということを、ここで自虐的に言っているのですね。
言わば、「ちっちゃな女の子のチャンドラーちゃん」というようなネーミングなので、スポーツの監督に女の子呼ばわりされる、女の子扱いされる、ということは、他の少年たちのようにはスポーツができなかったことを示唆しているのだと思います。
そんな自虐ネタをつぶやいた後、チャンドラーは何かのにおいに気付いた様子。
どうやら、ベイビー・チャンドラーちゃんは、うんちをしてしまったようですね。
そこで、別の赤ちゃんのおしめを替えているフィービーに、「そっちの方が終わったら、こっちの方もある状況があるから」みたいに声を掛けます。
a kind of situation のように漠然とした表現を使っていますが、つまりはこちらも、おしめを替えなきゃならない状況にあるから、そっちが済んだらこっちもお願い、と言っている感覚になるでしょう。
暗に俺の赤ちゃんのおしめも替えてくれと言われたことに気づいたフィービーは、「私たちは全員、それぞれの担当の赤ちゃんに対して責任があるのよ」と言って、チャンドラーの赤ちゃんのおしめ替えを拒絶します。
That's where I think you're wrong. の where は「先行詞を含む関係副詞」で、「…するところ」という感覚ですね。
いわば、That's the place/point/part where I think you're wrong. のような感じで、「それ(フィービーの今の発言)が、、君が間違ってると俺が思うところ(箇所)だ」という意味になるでしょう。
「今の発言、それが間違ってるんだって、僕は思う」みたいなことです。
そしてチャンドラーは、継続を表す現在完了進行形を使って、We've been playing these
babies man-to-man. と言います。
この場合の、man-to-man は、man-to-man defense 「マンツーマン・ディフェンス」のことですね。
「一対一で、特定の人が特定の人のディフェンスにつく」という意味です。
play は「スポーツの試合をする、競技をする」ニュアンスで、play ... man-to-man は、「…と(に対して)、マンツーマン・ディフェンスでプレーする、マンツーマン・ディフェンスで試合をする」という感覚になるでしょう。
ちなみに、man-to-man には、「率直な、腹を割った、腹蔵のない」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
man-to-man [adjective] [only before noun] (informal)
1. playing a game, especially basketball, in such a way that one peron on your team tries to stay near one person on the other team
2. it two men have a man-to-man talk or discussion, they discuss something in an honest direct way
つまり、1. は、「自分のチームの一人の人間が、もう一方のチームの一人の人間の近くにとどまろうと試みるというやり方で、ゲーム、特にバスケットボールなどのゲームをプレーすること」。
2. は、「2人の人間が man-to-man talk または、discussion をするというのは、その二人が正直で率直なやり方で何かを議論する、ということ」。
日本人は、man-to-man という言葉を見ると、「マンツーマン・ディフェンス」を思い出してしまいがちですが、ディフェンスの話ではなく、talk や discussion の場合だと、それは「1対1」(one person)の対話や議論を指すのではなくて、「率直で腹を割った」対話や議論という意味になることに注目したいと思います。
私が思うに、トークやディスカッションにおける man-to-man の意味は、「人対人、人間対人間」みたいな感覚で、ある人間が相手と対等な立場、目線で真摯に向き合って話し合う、というようなニュアンスが感じられるように思います。
face-to-face 「面と向かっての、正面切っての」の感覚と似ていますね。
ちなみに、ドラマ「ザ・ホワイトハウス」(The West Wing)で、
1-4 では、"Friend to friend." (忠告するわ。)
1-7 では、"Senior aide to senior aide." (側近同士のよしみで?)
というフレーズが登場していました。
これらのニュアンスも、man-to-man の感覚に似ている気がします。
同じ対等な立場の人間として向かい合い、言いにくいことを言う、頼みにくいことを頼む、みたいな感覚が感じられるといいましょうか。
チャンドラーは、マンツーマン・ディフェンスではなく、ゾーン・ディフェンスで戦うべきだ、と言っています。
どういう意味?と聞かれたチャンドラーは、その後、その内容をもう少し具体的に語ることになりますが、長くなるので、続きは次回にいたします。
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