2011年09月22日

ルーキーにエンドゾーンは無理 フレンズ6-5その2

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前回の続きです。
三つ子の赤ちゃんの世話をするにあたり、マンツーマン・ディフェンスでプレーするよりも、ゾーン・ディフェンスで戦うべきだ、と提案するチャンドラー。
チャンドラー: I just think that things would go a lot smoother if we each have our own zone, you know. Phoebe, you can be in charge of wiping. And y'know Mon, you can be in charge of diapering. And I can be in charge of looking how cute they are when they put their hands around... (He degrades into baby talk, but he means when they grab his finger.) (俺たちがそれぞれ自分のゾーンを持っていた方が、ことはもっとずっとスムーズに運ぶって思うだけだよ。フィービー、君はお尻ふきの担当。そして、モニカは、おしめをつける担当。そして俺は、赤ちゃんたちがどんなにかわいいかを見る担当、赤ちゃんたちが手を…する時に…。[チャンドラーは赤ちゃん言葉に退化するが、チャンドラーは赤ちゃんがチャンドラーの指を掴む時のことを言っている])
フィービー: That sounds really great, but maybe you should be in charge of wiping. (それって本当に素敵に聞こえるわね、でも多分、あなたがお尻ふきを担当すべきよ。)
チャンドラー: Okay, I'm a rookie. I should not be in the end zone. (ちょっと、俺は新人だよ。俺はエンド・ゾーンを担当すべきじゃないな。)

チャンドラーは「ゾーン・ディフェンス」の意味を、より具体的に語っています。
まずは、「俺たちそれぞれがゾーンを持てば、ことはもっとスムーズに進むだろうと思う」と言っています。
things would go a lot smoother はまさに日本語に訳した通りの「物事がよりもっとスムーズに進む(ようになる)」ということですね。
in charge of は「…を担当して」。ビジネス英語にもよく登場するフレーズです。

wipe は「ふく、ぬぐう、ふき取る」で、この場合の wiping は、赤ちゃんの汚れたお尻(笑)を、おしりふき(ウエットティッシュのようなもの)でふくこと。
diaper は名詞で「おしめ、おむつ」なので、それが動名詞の形になった diapering は「おしめをつけること、おしめを取り替えること」を指すでしょう。

looking how cute they are when they put... は、「彼ら(赤ちゃん)が、put する時に、彼らがどれほどキュートかを見る(こと)」。
they put their hands around... ンムムム…みたいに、フニャニフャした声で、「ほんと、かわいいでちゅねー」みたいな感じの音をチャンドラーは出していますが、ト書きにあるようにそれは、baby talk 「赤ちゃん言葉」に戻ってしまった感じで、around... 以降のセリフは聞き取れないけれど、チャンドラーは、when they grab his finger と言いたいんだ、ということまでト書きで説明してくれています。
つまり、when they put their hands around my finger と彼は言おうとしていたはずだ、ということです。
チャンドラーの大人の大きな1本の指を、赤ちゃんがそのちっちゃなおててでギューっと握るようなことを言っているわけですね。

ゾーン・ディフェンスで、それぞれが与えられたゾーンやエリアを担当するのと同じように、個々の作業ごとに仕事を分担すべきだと主張するチャンドラー。
それぞれ、can be in charge of doing... 「…する担当ができる」と表現して、作業を対等に分担したかのように見せていますが、フィービーにはお尻ふき、モニカにはおしめつけを押し付けておいて、自分は「何てかわいいの〜」とそのキュートさを鑑賞し味わう担当になれる、と言うチャンドラーの身勝手さに笑えるセリフなわけです。

フィービーに「お尻ふきはチャンドラーが担当すべきよ」と言われ、チャンドラーは、I'm a rookie. I should not be in the end zone. と答えます。
rookie はご存知、「ルーキー、新人」ですね。
end zone は、文字通り、アメフトなどの「エンドゾーン」。
そのゾーンにボールが入ることで点数になる、という重要な場所です。
LAAD では、
end zone : the place at each end of a football field where players take the ball in order to gain points
つまり、「フットボールフィールドの各端(エンド)にある場所で、得点を獲得するためにプレーヤーがボールを持ち込む[受け取る]ところ」。

チャンドラーは自分が、マンツーマン・ディフェンスとゾーン・ディフェンスの例えを出したことを再び持ち出して、仮にゾーン・ディフェンスにするにしても、俺は、赤ちゃんの世話には慣れてない全くの新人なんだから、そんな大事なエンドゾーンの担当なんかできないよ、すべきじゃないよ、と言っていることになります。
と同時に、end という言葉で、また別の意味も示唆しているように思います。
まず、私が頭に浮かんだのは、end という言葉から、rear end への連想。
rear end とは「後部、後尾」「尻」という意味です。
rear は「後ろの」で、end は「端」ですから、「お尻」という意味にもなるのですね。
Macmillan Dictionary では、
rear end : (informal) the part of your body that you sit on

さらには、「物事の終わり、末期、最後」の意味を示唆していて、ミルクを飲んで、最終的に排泄するというその「最終段階のゾーン、最後のエリア」のような感覚で、wiping (お尻ふき)が行われる場所を in the end zone と言っている感覚もあるような気もしました。

いずれにしてもチャンドラーは、ただ、スポーツのゾーン・ディフェンスの流れだけから the end zone という言葉を使ったのではなく、「お尻」あるいは「うんち(排泄)」とのダブルミーニングで、end という言葉を使ったように私は思った、ということです。
子守に慣れてないルーキーの俺に、エンドゾーン担当(お尻担当、うんち担当)は無理だよ、と言っているダブルミーニングのジョークだろう、ということですね。


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posted by Rach at 15:06| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
瞬時に考えるジョークにキレが
あってやっぱりチャンドラーは面白いですね

フィービーはエンドゾーン担当しなそう^^
チャンドラー監督には向いてないなぁ (笑)

Posted by せどリッシュ at 2011年09月22日 17:22
せどリッシュさんへ
コメントありがとうございます。

そうですよね、チャンドラーのジョークはほんとにキレ(!)がありますよね。彼のジョークの良し悪しが、エピソードの面白さを決めてしまうようなところさえあります。

おっしゃるように、フィービーはエンドゾーンに対しては、チャンドラーと同様に逃げ腰でしょうね。モニカは子供好きで、早く子供が欲しいと常々言っていますので、エンドゾーンを担当すると、燃えるタイプでしょう。ですから、フィービーとモニカの担当は逆にすべきで、チャンドラーが采配を振るうと、せっかくのゾーン・ディフェンス作戦も失敗に終わりそうですよね(笑)。
Posted by Rach at 2011年09月24日 12:50
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