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ジョーイは、セントラルパークのカウンターに、誰かがポルシェのキーを置き忘れているのを発見。
持ち主が見つかるまでキーを預かることにするのですが、そのポルシェのそばに立っていると、通りすがりの人がジョーイをポルシェの持ち主だと勘違いして、親しく声をかけてくるので、ジョーイはとても嬉しそう。
モニカとレイチェルの部屋で、フィービーたちが赤ちゃんのお世話をしているところに、ジョーイが入ってきます。
ジョーイ: Hey, babies. Oh, I'm having the best morning. That uh, that Porsche I've got the keys to? Still there. ([みんなに挨拶した後] やあ、ベイビーたち。あぁ、俺は(今日)最高の朝を過ごしてるんだ。あのポルシェ、俺がキーを持ってる、あのポルシェだけどさ。まだあそこにあるんだよ。)
チャンドラー: Shocking! Since you still have the keys. (ショッキングだな! だってお前がまだそのキーを持ってるから。)
ジョーイ: You should see the treatment I get when I'm with that car! People are friendly. They, they wanna talk. And not just about the car! One guy gave me advice about my equity investments. (俺があの車のそばにいる時に、俺が受ける扱いを、お前も見るべきだよ! 人々はフレンドリーなんだ。彼らは話をしたがる。それも、あの車についての話だけじゃないんだぜ! ある男は俺に、俺の株式についてアドバイスをくれたんだ。)
チャンドラー: What equity investments? (何の株式投資なんだ?)
ジョーイ: The ones that got me the Porsche! Will you keep up? (Chandler wipes his forehead with a baby wipe, that might have been used. He drops it disgustedly.) But I figured, if, if people keep seeing me just standing there, they're gonna start to think that I don't own it. So I figured I'll wash it. Right? Monica, you got a bucket and some soap I can borrow? (俺にポルシェを手に入れさせてくれた株式だよ! 話にちゃんとついてこいよ! [チャンドラーは、赤ちゃん用おしりふき(ウェットティッシュ)で自分の額をふくが、それはすでに使われたものかもしれない。チャンドラーはそのおしりふきをむっとした様子で下に落とす] でも俺は思ったんだ。もし、もし、俺がただそこに立ってるだけの姿を人が見続けたとしたら、俺はそのポルシェを所持していない[俺はポルシェのオーナーじゃない]と人は思い始めるだろう、って。だから俺はポルシェを洗車しようと思ったんだ。だろ? モニカ、俺が借りられるようなバケツと洗剤を持ってる?)
今日は最高の朝を過ごしてるんだ、と嬉しそうなジョーイ。
That Porsche I've got the keys to? は、I've got the keys to that Porsche. 「俺はあのポルシェのキー(鍵)を持ってる」の、to 以下の that Porsche が前に出た形ですね。
「俺がキーを持ってる(ところの)あのポルシェ」みたいなことですが、先に「あのポルシェ」と言っておいて、それだけでは情報が不十分で相手に伝わらないかもしれないから、「ほら、俺がキーを持ってるっていう、あのポルシェのことだよ」と、その車のキーを持っている、という情報を後から付け加えた感覚だと考えるとわかりやすいでしょう。
「〜のキー、鍵」という表現は、これまでにも「フレンズ」で何度も登場しましたが、「あのポルシェのキー」と言う場合、the keys to that Porsche のように前置詞 to が使われることにも注意しましょう。
Still there. つまり、「そのポルシェは(持ち主が現れずに)まだそこにある」と言うジョーイに、チャンドラーはまず、Shocking! と言って驚いています。
高級車の持ち主が未だに現れないことをショッキングだと言っているのかと一瞬思いますが、その後、チャンドラーは、Since you still have the keys. と続けていますね。
この since は理由を表し、「ショッキング、と言ったのは、お前がまだそのキーを持ってる(と言った)からだ」という意味になるでしょう。
他人の高級車のキーを、お前はまだ自分の手元に持ってるのか? 信じられないよ、という感覚でしょう。
You should see the treatment I get when I'm with that car! の、the treatment I get when I'm with that car は、「俺がその車と一緒にいる時に、俺が受ける扱い」。
俺がポルシェのそばにいる時にどんな扱いを受けてるかをお前は見るべきだよ、ということです。
その treatment がどんなものかを、その後、ジョーイは具体的に説明しています。
人々はフレンドリーで話をしたがって…と言った後、And not just about the car! と言っていますね。
その車、つまり、ポルシェの話ばかりをするんじゃないんだぞ、ポルシェ以外の話も俺としたがるんだ、ということです。
ある男、一人の男は、俺の equity についてのアドバイスをくれたんだ、とも言っています。
equity は「普通株、株、株式」。
株なんか全くやりそうにもないジョーイが、「俺の株式」みたいに言ったので、チャンドラーは、「何の株式投資のこと?」と聞き返しています。
ジョーイは、The ones that got me the Porsche! と言っていますね。
get の基本的な意味は、「手に入れる」。今では日本語でも「ゲットする」みたいに言いますが、まさにその「ゲットする」の表す感覚だと思います。
get someone something のように2つ目的語を取ると、「人にものを手に入れてやる」「人にものを買ってやる」という意味になり、今回のセリフでは、「俺にポルシェを買ってくれた」「俺にポルシェを手に入れさせてくれた」というニュアンスになると思います。
もう少しシンプルに言うと、「俺にポルシェをくれた株だよ」という感じになるでしょうか。
株で成功して、その儲けでポルシェをゲットしたんだ、その資金の元になった株のことだよ、と言っていることになります。
ですが、もちろんそれは、ジョーイの作り話の中でのこと。
実際にジョーイはポルシェを買ったわけではないので、その株式の話も全くのでたらめなのですが、道行く人と話をしている時に、「こんな高級車、どうやって買ったの?」「いやぁ、実は株で一儲けしちゃってさぁ」などとジョーイが話を作っていたことが、このセリフから想像されるわけですね。
ジョーイが勝手に作り上げた話なのに、「俺にこのポルシェを買わせてくれた株のことに決まってるだろ」とキツい調子でチャンドラーに言い、さらには、Will you keep up? とまで言っているのがこのセリフの面白いところ。
この場合の keep up は「…に遅れずに・遅れないでついていく」。
Macmillan Dictionary では、
keep up : to continue to understand what someone is saying
例) I told you she's my sister, not my girlfriend. Keep up!
keep up with : I found myself unable to keep up with the conversation.
つまり、keep up は、「誰かが言っていることを理解し続ける」。
例文は、「俺は君に、あの子は俺の妹で、俺の彼女じゃない、って言っただろ。話についてきてくれよ!」
keep up with の例文は、「私は自分がその会話についていくことができないことに気付いた、会話についていけてない自分に気付いた」。
そんな作り話を他人にしていたことなど知らないチャンドラーに対して、「ちゃんと話についてきてよね」と言われても、チャンドラーにしてみたら、そんなの知るかよ、というところですよね。
勝手に一人で話を作ったジョーイに、「その株式って何?」と聞いたら、「ポルシェの資金源になった株に決まってるだろ? 話にちゃんとついてこいよ、このおバカ」と言われたようなもので、「まったく、バカはどっちだよ」というのがチャンドラーの本音でしょう。
困ったもんだ、みたいな感じで何かで額をふくのですが、それが赤ちゃんのおしりふき(それも使用後と思われる…笑)だったので、それをポロッと手から落とす姿にも笑えます。
if people keep seeing me... they're gonna start to think that... は、「俺が…するのを人が見続けていたら、人は(そのうち)…だと思い始めるだろう」。
いつ見ても、ポルシェの横に立ってるだけで、中に乗ったり運転したりしてるのは見たことない、ということになると、持ち主じゃないことがバレちゃう、という彼なりの懸念(笑)ですね。
いくらキーを持っていたとしても、中に乗ってしまえば泥棒だと言われた場合に言い訳できないので、いくらジョーイでも、さすがに乗り込むことまではしないようです。
own は「所有する」で、日本語にもなっている「オーナー」(owner)は「持ち主、所有者」という意味ですよね。
横に突っ立ってるだけじゃ、そのうちに怪しまれるから、カーウォッシュをしようと思ったと言って、モニカにバケツとソープを借りようとしています。
英文は、「俺が借りることができるような、バケツとソープをモニカは持ってる?」ということですが、それはつまり、「そういうのがあったら、俺に貸して欲しいんだけど」というお願いと同じです。
言い換えると、If you got a bucket and some soap, can I borrow them? ということになるでしょうが、それを、「バケツとソープ持ってる? 俺が借りられるような」と最後に付け足すことで、確認とお願いを同時に言ってしまう感じのセリフになっているということです。
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