2011年09月30日

俺にもそういう経験あるよ フレンズ6-5その4

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ジョーイ: (entering wearing nothing but Porsche clothes) So that Porsche guy took his car back. ([ポルシェ(のロゴが入った)服だけを着ている状態で入ってくる] それで、あのポルシェ男は自分の車を取り戻したよ。)
チャンドラー: But you found the keys to his clothes? (でもお前は、彼の服の鍵を見つけたんだな?)
ジョーイ: No, I just uh, I just love the way it feels when everybody thinks I own a Porsche. (いいや、俺はただ、その、俺がポルシェを持ってる、って[俺がポルシェの持ち主だ、って]みんなが思う時の感じがただ大好きなだけなんだ。)
モニカ: And people will think you own a Porsche because you're wearing the clothes? (それで、あなたがその服を着ているから、人はあなたがポルシェを持ってると思うだろうって?)
ジョーイ: Of course! Only an idiot would wear this stuff if he didn't have the car! Right? (もちろん! その車を持ってないのにこんな服を着るのは、おバカだけだよ。だろ?)
チャンドラーはジョーイをじーっと見て、しばらく沈黙の後、
チャンドラー: That is true. (その通りだね。)
フィービー: Yeah, but only a genius would swallow a sonic blaster gun. (そうね、でも(フィギュアについてる)ソニックブラスターガンを飲み込んだりするのは、天才だけよね。)
ジョーイ: Oh, I've been there. Yeah, I am gonna go drive my Porsche. (Starts to leave.) (あぁ、俺も経験あるよ。よし、俺はこれから俺のポルシェを運転しに行ってくる。[立ち去ろうとする])
モニカ: Joey, you know you don't actually have one. (ジョーイ、あなたは実際にはポルシェを持ってないってわかってるわよね。)
ジョーイ: Come on! What are you doing? I'm in character! Will you talk to her! (Storms out.) (おい! 何なんだよ。俺はキャラクター[役]を演じてるんだ! 彼女に言ってやってくれよ! [(怒って)勢いよく出て行く])

モニカとレイチェルの部屋にジョーイが入ってくるのですが、ポルシェのロゴマークの入った服や帽子を着ています。
nothing but は「…以外には、…の他には何もない」、すなわち「…だけ」という感覚になります。
ポルシェの服以外は着ていない状態、着ているのはポルシェの服だけ状態、みたいなことですね。
ポルシェの持ち主がポルシェを取り戻した、つまり、ポルシェは持ち主の手に戻った、と説明するジョーイですが、チャンドラーは、「ポルシェは彼の元に戻ったけど、今度はポルシェの服の鍵を見つけたんだな」みたいに言っているのに笑えます。
たまたまジョーイがポルシェの鍵を見つけたおかげで、ポルシェのオーナーのふりができて、いろいろと楽しい経験をしたわけですが、そのことを踏まえて、「もしかして今度はポルシェ服の鍵を見つけたのか? だからそんな風にポルシェの服を着放題なんだろ」みたいに、ジョーイをからかっているということです。

全身ポルシェ服状態をからかわれているのも気にせず、ジョーイは、I just love the way... と理由を説明しています。
I just love the way it feels when everybody thinks I own a Porsche. の love the way it feels when は、「…する時の感じが大好き」という感覚。
俺がポルシェの持ち主だとみんなが思う時の、あの感じ・感覚がただ好きなだけなんだよ、ということです。
「ポルシェの持ち主だと思われると気持ちいいから、この服を着てるんだ」と言っていることになるので、モニカは、「あなたがその服を着てるという理由で、人はあなたがポルシェのオーナーだと思う、って(あなたは考えてるの)?」と問い返しています。
もっちろん!と強い調子で肯定したジョーイは、Only an idiot would wear this stuff if he didn't have the car! と言っていますね。
Only an idiot would wear this stuff を直訳すると、「おバカなやつだけが、こんなもの(服)を着るだろう」、つまり、「こんな服を着るのはおバカだけだろう」。
そこには if 以下で「もしそいつがその車(ポルシェ)を持っていない場合に」のような条件づけもされていますね。
ポルシェを持っていなくてこんな服を着る、ポルシェを持ってないのにこんな服を着てる、そういうことをするのはおバカだけだよ、と言っていることになります。

その発言を聞いた後、チャンドラーはジョーイをじっと見つめて、しばらく沈黙した後、しみじみとした口調で、That is true. と言っています。
「それは本当だ」、つまり、「お前の言う通りだね、全くだね」みたいなことですね。

「そんな服着てたら、ポルシェのオーナーだと人は思ってくれる?」「当たり前さ、ポルシェも持ってないのにこんな服着てたとしたら、そいつはバカだよ、そんな間抜けなことをするのはよほどのバカくらいだよ」というやり取りが交わされたわけですが、ジョーイ自身が「ポルシェのオーナーでもないのにポルシェ服を着ているやつ」なので、ジョーイがバカだと表現している人間が自分自身であることに気づいてない様子であることがわかります。
それでチャンドラーはわざとゆっくり噛みしめるように、「あー、まったくその通りだよね」と言って、「そんなことをするのはほんとにおバカだけだよな、お前がそのいい例だ」みたいに言っているわけです。
ジョーイが得意げに言っていることが、自分自身をバカだと認めた発言になっている、でもそのことに全く気付いていない彼に、チャンドラーはあきれているのですね。

ジョーイをバカにしていることに気づいたフィービーは、ソニックブラスターガンを飲み込んだ人の話を持ち出しています。
これは、少し前のシーンで、三つ子ちゃんたちのおもちゃにしようと、アクションフィギュアを持ってきたチャンドラーが、誤ってそのブラスターガンを飲み込んでしまったことを言っています。

Only an idiot would wear this stuff 「こんなものを着るのは、おバカだけだ」と言ったことに対して、
only a genius would swallow 「…を飲み込むのは、天才だけよね」と皮肉を言っているのですね。
ジョーイに対して否定的な意見が出た場合に、フィービーはよくこのように、彼をかばうような意見を述べることが多いですが、今回もそのパターンで、「こんな服を着てるジョーイはおバカだと言いたいようだけど、じゃあ、ブラスターガンを飲み込んだ自分は天才だとでも言いたいの?」みたいな感じでしょうか。
「ブラスターガンを飲み込むなんてこと、天才にしかできないものねぇ…天才さん?」みたいに、自分だってフィギュアの部品を飲み込むようなおバカなことをしたくせに、ジョーイのしたことをバカにする資格なんてないんじゃない?みたいなことを言いたいわけでしょう。

ブラスターガンを飲み込む、という話を聞いて、ジョーイは、Oh, I've been there. と言っています。
直訳すると、「あぁ、俺もそこ(そういう状況)にいたことがある」みたいな感じで、つまりは、「俺にも(ブラスターガンを飲み込んだ)経験あるよ」みたいなことを言っているわけです。

この現在完了形が、過去形になった形の、I was there. というのは、ドラマや映画のセリフによく出てきます。
例えば、フレンズ5-24その2 では、チャンドラーとモニカが、モニカの元彼リチャードのことで喧嘩になった時、

モニカ: He means nothing to me. (リチャードは、私にとっては何の意味もないもの。)
チャンドラー: Oh, come on. I was there. I know he's the love of your life. (あぁ、よせよ。俺はその場にいたんだぞ。リチャードは君の運命の恋人だって、俺は知ってるんだぞ。)

というやり取りがありました。
「俺はその場にいた」というのは、実際にその様子を間近で見ていたから、事情や状況をよく知ってる、と言っていることになります。
「そこにいた」=「よく知っている」という感覚ですね。

今回のジョーイのセリフは、いつとは特定しない、過去から現在に至るまでのある時期に、ブラスターガンを飲み込むという経験をしたことがあるという感覚なので、現在完了形が使われている、ということになるでしょう。
チャンドラーが今、体験している状況、状態を、there と表現し、俺もそれと同じところにいたことがある、と言っている感覚です。
「俺にも経験ある」という言葉には、「俺も経験者だから、飲み込んで苦しい感じもよくわかるよ」みたいなことも含めているのでしょうね。
ジョーイの、I've been there. は「俺もそういう状況になったことあるわ」という感覚だということです。

これから、my Porsche を運転してくる、運転しに行く、みたいに言ったジョーイに、「実際には、ポルシェを持ってないってこと、あなた、わかってるわよね?」とモニカは念押ししています。
I'm in character! はまさに「今、役に入ってるんだ、入り込んでるんだ」みたいな感覚でしょうか。
今、俺は、ポルシェのオーナーという役になりきってるんだぜ、みたいなことでしょう。
自分はポルシェの服を着てるだけで、ポルシェを持ってないってことぐらい、自分でもよくわかってる。せっかく、オーナーになった気分でご機嫌なのに、水を差すなよな、という感じでしょう。
自分の職業が俳優であることを利用して、「俺は俳優として役になりきってるんだから」と言っているわけですね。
そして、「ほんとはポルシェを持ってないってわかってる?」みたいに、無粋(不粋、ぶすい)で野暮なことを言うモニカについて、恋人であるチャンドラーに「お前の恋人モニカに、彼氏であるお前から、ちゃんと言ってやってくれ」と注意している感覚が、Will you talk to her! になるでしょう。


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posted by Rach at 15:33| Comment(7) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん

ここのチャンドラーのセリフ
But you found the keys to his clothes? について教えてください。
find A to Bの形?と思っていろいろ調べてみましたが見当たらず、スッキリしないんです。イディオムとかじゃなくてただ単に「彼の服にキーを見つけた?」ということでいいんでしょうか?それにしても字幕や吹き替えにあるような意味が取れないんです。よろしくお願いします。
Posted by やっちん at 2014年11月13日 14:12
やっちんさんへ
ご質問ありがとうございます。
But you found the keys to his clothes? の to は、find A to B の形ではなくて、the keys to his clothes のように、keys とセットになっている to となります。
「〜の鍵、キー」と言いたい場合、「〜の」というイメージから、日本人なら何となく、a key of... と of を使いたくなりがちですが、実際の英語ではこのように、a key/keys to ... と to を使います。
その手には引っかからないぞ フレンズ5-8その6
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471682.html
では、
モニカ: Dad, give me the keys to your Porsche! (パパ、パパのポルシェのキーをちょうだい!)
というセリフがありましたが、ここでも「ポルシェのキー」は、the keys to your Porsche のように to が使われていますね。

ですから、誰かのポルシェのキーを見つけてポルシェの持ち主のふりをしていたジョーイをからかう感じで、「ポルシェは持ち主の元に帰ったみたいだけど、今度はジョーイは”ポルシェの服の鍵”を見つけて、だからそんな服を着てるのか?」みたいに言ったことになります。
本来、服には鍵、キーなどは必要ありませんので、「服の鍵」という表現そのものはナンセンスなのですが、
「ジョーイがポルシェの鍵を見つけたことで、ポルシェの持ち主のふりをした」ことから、
「今ジョーイが、そんな「ポルシェ(ロゴ入り)の服」を着てるってことは、今度は「ポルシェの鍵」じゃなくて、「ポルシェの服の鍵」を見つけたのか?」とからかった
ということですね。

上にも書いたように、「服の鍵」(という言葉)が「現実にはあり得ないもの」なので、ピンときにくい部分だったと思います(^^)
Posted by Rach at 2014年11月13日 15:49
Rachさん

確かに「〜の鍵」だったらofを使いたくなります!こういう時はtoなんですね。
っていうかRachさんの解説は全部見ているんですが覚えていませんでした。その時には引っかからなかったんだろうか・・・謎です。「服の鍵」っていうのも全然ピンと来なくて余計に判らなくなってしまいました。今回こんなことでお聞きしていいのかだいぶ迷ったんですが、いろいろ調べてもどうしても判らず気になってしまいました。
こういうニュアンスがピンと来るようになるともっと理解が深まるんでしょうね〜さすがはRachさんです!ありがとうございました。
Posted by やっちん at 2014年11月14日 20:38
やっちんさんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございます。

私がフレンズのセリフで、a key to という表現を見た時に、「私なら of を使ってしまいそうだな」と思ったのです。そんな風に「of じゃなくて、to なんだ〜!」と自分で思った経験があると、その後にその表現を見た時に、「うん、やっぱり a key to になってる!」と確認できたりして、さらにその表現が強く刻まれていくんですね。
「日本人っぽい思い込み」を修正してもらうには、生きた英語に当たるのが一番だな、と改めて思います。

たまたま、やっちんさんからお返事をいただいた後に、日清カップヌードルのCMを見たのですが、そのCMに the key to というフレーズが出てきていました。何だかタイムリーなので^^ ご紹介させていただきますね。

そのCMは、現在放映中のカップヌードルのCM「本音と建前篇」(ダチョウ倶楽部が出演しているもの)です。以下の公式サイトで、そのCMを見ることができます。

カップヌードル CMギャラリー
http://www.cupnoodle.jp/cm/list/

そのCMの最後に出てくるのが、以下の文章。

(字幕)Hot water is the key to Japanese Comedy and Cupnoodles.
(音声)この国のお笑いとカップヌードルに熱湯は欠かせません。

直訳すると、「熱湯は、日本のコメディーとカップヌードルの鍵(カギ)です」と言っていることになります。ドアのカギ、車のキーという「物体」だけではなく、「解決のかぎ・手がかり」「成功の秘訣」という意味でも使われ、この場合も「成功のカギ」みたいな意味で使われているわけですね。
「成功のカギ」よりも「成功へのカギ」と訳した方が、to のニュアンスがより出るかもしれません。

このCM、小さい音で字幕通りの英語のナレーションが読まれていて、それより大きめの音量で日本語のナレーションがカブっています。英語のニュースを日本語に同時通訳しているイメージ(というかパロディー)で、その日本人ナレーションの女性の声の「抑揚があまりなく、淡々と訳している感じ」が、いかにも同時通訳さんっぽくて、すっごくリアルなんですよね。

また、余談ですが、このカップヌードルのCMの「音声が日本語で、字幕が英語」という組み合わせは、(自分の話に強引に持ってきて恐縮ですがw)、Rach流DVD学習法の「完全5段階」の第4段階だわ、とか思ったりもしました。この組み合わせは、意味が日本語音声ですっと頭に入ってきて、英文は字幕でしっかり確認できる、という意味で、「英文を意識しやすい」組み合わせなのですが、たまたま画面を見た時に、the key to のように「やっぱり to が使われている」ことを確認できて、何だか嬉しかったです(^^)
Posted by Rach at 2014年11月17日 16:00
Rachさん

おもしろいCMの紹介、ありがとうございました♪こんなCMが流れているんですね〜私あんまりTV観ないので(ドラマとかも録画で観るので大抵CM飛ばします 笑)知りませんでした。もしかして北海道は放送されていないかも?(結構関東、関西と放送されていても北海道除外ってあるんですよ・・)それにしてもこういう形で英語字幕ついていてさらにビックリ!
この次このthe key to〜が出てきたときにフレンズじゃなくてこっちのCMが先に頭の中に流れそうで怖い(爆)
どちらにしても(笑)忘れられないフレーズになりました、ありがとうございました。
Posted by やっちん at 2014年11月18日 18:45
Rachさん、北海道でもやってました!
今朝、観た〜〜♪ っていう報告でした
Posted by やっちん at 2014年11月19日 09:18
やっちんさんへ
ご丁寧なお返事ありがとうございます。

「北海道でもやってました!」というご報告、ありがとうございました。このCMを意識しているからでしょうか、ここ数日、やたらと見かける気がするんですよ^^

英語字幕で確認できるところも嬉しいですし、あまりにもタイムリーだったので、このCMと合わせて、the key to を覚えていただけると嬉しいなと思います(^^)
Posted by Rach at 2014年11月19日 15:03
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