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非公開コメントにて、フレンズ1-1 のセリフに関するご質問がありました。
リンクをはって説明することが多くなる内容でしたので、コメント欄にてのお返事ではなく、投稿記事の形で、私の見解を述べさせていただきたいと思います。
ご質問は、フレンズ1-1 のジョーイのセリフ、
There's Rocky Road, and Cookie Dough, and Bing! Cherry Vanilla. You could get 'em with Jimmies, or nuts, or whipped cream!
の意味について、です。
このセリフは、以下の長いジョーイのセリフの一部です。
参考までに、その部分のジョーイのセリフを下に挙げておきます。
自分にとって、only one woman であったはずの妻キャロルが家を出て行って、ロスがそれを嘆くのを聞いた後のジョーイのセリフ。
長いセリフなので、とりあえず日本語訳も同時に書いておきます。
その後、部分ごとに説明していきます。
ジョーイ: What are you talking about? "One woman"? That's like saying there's only one flavor of ice cream for you. Lemme tell you something, Ross. There's lots of flavors out there. There's Rocky Road and Cookie Dough, and Bing! Cherry Vanilla. You could get 'em with jimmies or nuts or whipped cream. This is the best thing that ever happened to you! You got married. You were, like, what? 8? Welcome back to the world. Grab a spoon! (何、言ってんだよ。「一人の女性」だって? それってまるで、自分にはたった1つのアイスクリーム・フレーバーしかない、と言っているようなもんだ。俺に一言言わせてくれ、ロス。世間にはたくさんのフレーバーがあるんだぞ。ロッキーロードやクッキードー、それにこれだよ! チェリーバニラ。その(様々な)フレーバーに、チョコスプレーやナッツやホイップクリームをトッピングすることもできるんだぞ。このこと[今回のキャロルとの別れ]は、ロスにこれまで起こった出来事の中で、最高の出来事なんだぞ! ロスは結婚した、その時、ロスは8歳くらいだったっけ? (現実の)世界によく戻ってきた! スプーンを掴めよ!)
ロスがキャロルのことを「たった一人の女性」と言ったことに対して、ジョーイは「アイスクリームのフレーバーだってお気に入りは一つだけじゃない、いろんな種類があるんだぞ」と言って、世の中の女性も1種類、たった一人じゃない、たくさんの中から自分の好きな人を選べるんだ、と言っていることになります。
This is the best thing that ever happened to you! 以下のセリフについては、
何故8歳なのか? フレンズ1-1その8 の記事で詳しく説明していますので、そちらも併せてお読みいただけると幸いです。
ネットスクリプトでは、Rocky Road, and Cookie Dough のように、大文字始まりで書いてありますが、DVD字幕では、rocky road and cookie dough のように小文字で書いてあります。
これらは、アイスクリームのフレーバーの名前なので、ネットでは固有名詞扱いのようにして、大文字表記にしているようですね。
私もこの部分は大文字にした方がいいように思ったので、上のセリフでも大文字表記にしました。
日本では「サーティーワン」として知られているアイスクリームチェーンは、本国アメリカでは、Baskin-Robbins という名前で、日本、アメリカ、それぞれのサイトを見てみると、それらのフレーバーの写真と説明がいくつか見つかりました。
アイスクリーム好きの人には「今さら」な説明かもしれませんが、セリフの参考になる資料という意味で、以下にそれぞれのフレーバーの情報を載せておきます。
まずは、日本のサイトの「サーティーワン」から。
B-R サーティーワン アイスクリーム
このサイトの、「商品情報 フレーバー」を見てみると、「Standard Flavor (スタンダードフレーバー)」の中に「ロッキーロード」が載っています。
フレーバー>ロッキーロード(R)
サイトの説明文には、
チョコレートアイスクリームにアーモンドとマシュマロ。「岩だらけの道」の名もユニーク。
と書かれています。
今回、このようなご質問をいただいたので、今朝、近くのサーティーワンに行って、ロッキーロードを食べてみましたが、濃厚なチョコアイス、という感じで、とてもおいしかったです。
そのお店に置いてあったリーフレット Ice Cream Flavor Menu (2011年9月10月11月)にも、写真と説明が載っています。
そこでの説明も参考までに載せておくと…。
ロッキーロード(R) ROCKY ROAD
アーモンドは岩、白いマシュマロは万年雪、チョコレートのアイスクリームはドロンコ道と、まるでロッキー山脈のデコボコ道のよう…。
ネットでもリーフレットでも、ロッキーロードという名前の横には、(R) マークがついています。
つまり、registered 「登録された、登録済みの」ということで、登録商標になっているようです。
説明にあるように、まさに「岩だらけの道」という意味ですが、それをサーティーワン(Baskin-Robbins)が、アイスクリームのフレーバーの名前として登録している、ということですね。
登録されている名前ということであると、普通名詞とは言えないので、やはり、英語表記も、Rocky Road のように大文字表記の方が妥当なのかなと思います。
となると、ジョーイは、Baskin-Robbins のアイスクリームのフレーバーをいくつか挙げている、ということになるでしょう。
ちなみに、そのお店のリーフレットには、チョコチップクッキードーも載っていました。
今だけの期間限定フレーバーの「シーズンフレーバー」の中に入っていたのですが、11月からということで、今日はお店にはありませんでした。
リーフレットの説明文は、
チョコチップクッキードー CHOCO CHIP COOKIE DOUGH
キャラメルとバターの風味を加えたバニラアイスクリームに、チョコチップ&ソフトクッキーまで、美味しさがぎっしり!
本家のアメリカの Baskin-Robbins のサイト
Baskin-Robbins Your Neighborhood Ice Cream Store
の Flavors も見てみました。
ロッキーロードとクッキードーはそれぞれ、Rocky Road, Chocolate Chip Cookie Dough という名前で載っています。
また、Cherry Vanilla という名前のフレーバーはなかったのですが(もちろん、味は容易に想像できますが…笑)、よく似たチェリーのものとしては、Cherries Jubilee というのがあります。
jubille は「祝典、歓喜」という意味なので、「チェリーの祝典」とか「チェリーの歓喜」みたいなネーミングのようですね。
それぞれのフレーバーの Nutrition Information (栄養成分表)には、大きめの写真と英語での説明も載っています。
Nutrition Information : Rocky Road
Nutrition Information : Cookie Dough
Nutrition Information : Cherries Jubilee
今回は、写真をお見せしたかったので、実際のアイスクリーム店の情報をリンクさせていただきましたが、とりあえずどんなものかを知りたい、ということであれば、英辞郎に、それらのフレーバーの名前と意味が以下のように載っていました。
rocky road=
【1】岩だらけの道、苦難の道
【2】ロッキー・ロード◆チョコレートアイスにアーモンドとマシュマロが入ったもの。
cookie dough=クッキーの生地
cookie dough ice cream=クッキー・ドウ・アイスクリーム◆バニラアイスにクッキーの生地(焼く前)がそのまま入ったもの。
英辞郎は商品名をたくさん収録してくれているので、こういう場合にとても便利ですね。
クッキードーの語義にあるように、「焼く前のクッキーの生地」ということですが、アメリカではクッキーの生地を、焼く前の「生の状態」で食べる人も結構多いようです。
実際に、フレンズ1-4 では、クッキードーを食べているらしいシーンもありました。
女子3人が a slumber party をしようとしているシーンで、
モニカ: We got some trashy magazines. We got cookie dough. We got Twister.... (くだらない本があるし、クッキードーもあるし、ツイスター(ゲーム)もあるし…。)
と言って一緒に過ごす夜を楽しみにしていたのですが、レイチェルが将来を悲観するような発言をしたために、他の二人も落ち込んでしまいます。
ピザ屋さんが来る直前に、モニカがしゃもじのようなものでボウルから直接食べているのが、そのクッキードーだと思います。
アイスクリームを巨大なカップのままスプーンを突っ込んでヤケ食いする、というシーンもよく見かけますが、この時のモニカはアイスクリームの代わりにクッキードーでヤケ食いをしている感じなんだろうなぁ、と。
Bing! というのは、Bam! 「バン!」「バーン!」と似た感じの擬音語で、勢いをつけている感じでしょう。
そんな風に3つのアイスクリーム・フレーバーを挙げた後、ジョーイはさらに、You could get 'em with jimmies or nuts or whipped cream. と言っています。
この部分、DVDの吹替(日本語音声)では、「トッピングだって、チョコもあれば、ナッツも、ホイップクリームも。」となっていました。
'em は them のことで、その前に挙げた様々なフレーバーのアイスクリームのこと。
そういうものを、ナッツやホイップクリームと一緒に get できる、と言っているので、DVDの日本語訳通り、アイスクリームの上にナッツなどをトッピングするイメージで言っていると想像できます。
好きなフレーバーを選べる上に、好きなようにトッピングもできちゃうんだぞ、ということですね。
ジョーイに言わせると、「僕にはこの女性しかいない」と心に決めてしまったロスは、アイスリーム屋さんでいつも同じフレーバーしか注文しないやつ、様々なトッピングを試したりもしないやつ、ということのようで、アイスのフレーバーを選ぶみたいに、女性もいろいろ選べるんだから、「僕には一人だけ」とか思い込むのはやめろよ、という彼なりのアドバイスなわけでしょう。
そんな風に、with jimmies or nuts or whipped cream は、アイスのトッピングであることが想像できます。
ナッツとホイップクリームはわかるとして、ジミーズって何だろう?と一瞬思う方もいるでしょうね。
私はたまたま、日本語訳に「チョコ」と書いてあったので、このエピソードを見た当時は、「まぁ、トッピングだから、確かにチョコとかそんな感じのもんだろう…」と納得し、特に jimmies が何であるかを調べることはしませんでした。
今回、ご質問をいただいたので調べてみたのですが、一般的な辞書にはあまり載っていません。
いろいろ検索した結果、ウィキペディアで以下の説明を見つけました!
Wikipedia 英語版: Sprinkles
最初の部分の説明が非常にわかりやすいので、以下に引用させていただきます。
Sprinkles (also called hundreds and thousands or jimmies) are very small pieces of confectionery used as a decoration or to add texture to desserts−typically cupcakes, cookies, doughnuts, ice cream, frozen yogurt, and some puddings. The candies, which are produced in a variety of colors, are usually too small to be eaten individually.
最初の説明を訳させていただきますと、
「Sprinkles (または、hundreds and thousands や jimmies と呼ばれる)は、デコレーションとして、または、典型的なデザートのカップケーキや、クッキーや、ドーナツやアイスクリーム、フローズンヨーグルト、プリンなどに風合い(質感)を加えるために使われる菓子(糖菓)の非常に小さなピース(破片)である。様々な色で生産されているその砂糖菓子(sprinkles のこと)は、たいてい、ものすごく小さくて、個々に(単独に、一つ一つ)食べることはできない。」
つまり、ウィキペディアの見出しは、sprinkles 「スプリンクルズ」となっていますが、別名として、jimmies とも呼ばれている、ということですね。
そこには、jimmies を使ったお菓子のトッピング例の画像がたくさん載っていますので、これを見れば一目瞭然、というところでしょう。
カラフルな色がついているものもある、小さな小さなチョコレートみたいなもので、日本では多分、「チョコレートスプレー」「チョコスプレー」と呼ばれているもの…ですよね?
トッピングに使う、ああいうカラフルなチョコ状のものを英語では、jimmies と言うんだぁ…と今回調べてみて初めて知りました。
逆に言うと、かれこれ「フレンズ」のセリフのブログを6年以上も書いてきて、一番最初のエピソードである、フレンズ1-1 に出てきた単語の意味を、私は「やっと今頃」知った、ということになります。
つまりは、「まぁ、そんな感じのものだろう」と思うだけで、時間をかけて調べることをしなかった部分も結構ある、ということで、それも「生きた英語」を教材として使う場合の心構えの一つだとも思っています。
「今の自分に調べられることは、時間の許す限りできるだけ調べる、でも、わからないものにはこだわりすぎない」という姿勢が大切だと私は常々思っています。
その「時間の許す限り」の部分を決めるのは、学習者本人であり、この部分にかかりきりにならない方がいいと思えば、それは「とりあえず置いておく」という思い切りも大切だということですね。
今回は、せっかくご質問をいただいたことですし、それに、「フレンズ」で英語学習を始めようと思う方のほとんどがまずは見るであろう、第1話なので、アイスクリームのフレーバーやそのトッピングに関する単語について、ちょっとしつこめに調べてみたわけです。
英語力をつける、伸ばす、という観点から言うと、今回のような食べ物の固有名詞については、「そんな名前の食べ物があるんだな」くらいで置いておくのも一つの手…というか、むしろそちらの方がベターなのかもしれません。
特に、固有名詞の場合は、DVDの日本語訳や、英辞郎を参考にして、「ほぉ、そういう感じのものかぁ」と納得しちゃう、のが、ある意味、一番手っ取り早いですね。
また、そういうものが気になって調べてみたいと思ったら、時間の許す限り調べてみるのも悪くない、とも思います。
今回、サーチのため訪れた、本家アメリカの Baskin-Robbins のサイトや英語版ウィキペディアは、当然、全部英語で書いてありますので、それを読んで、そこから必要な情報を引き出すことそのものが、「英語学習」だと言えるからです。
こういう固有名詞に関する部分は、時間がない場合には飛ばすべき部分だけれど、その中身を知りたくて、英語のサイトを次々探して行く行為自体は決して無駄ではない、ということが、今回、私が言いたかったことだ、ということです。
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今日初めて伺いました。フレンズはリアルタイムでずっと見ていて、以降もDVDで相当見ました。だから、レイチさんの解説を読んでいると、場面が目に浮かぶし、声まで本人の声で聞こえてきます。毎回ものすごく丁寧に解説されているようで頭が下がります。自分も英語サイトをやっていますが、長い文章を書くのは非常に苦手です。レイチさんのエネルギーと丁寧さを見習いたいと思います。 これからも頑張って書き続けてください。素朴な疑問ですが、チャンドラーが "Where?" と言ってしまうところまで行ったら、ブログはどうなるのですか。
.. 上のようなことはすべてメールフォームに書くべきものでしたが、見当たらなかったので、最新の記事のコメントとして書きました。申し訳ありません。最後ですが、これからも応援しています。
流ルル英語の風花
コメントありがとうございます。
私の解説についての多大なるお褒めのお言葉、誠にありがとうございます。そう言っていただけると、大変光栄で嬉しいです。
さて、「チャンドラーが "Where?" と言ってしまうところまで行ったら」ですが、このブログ、どうなるんでしょうねぇ? 管理人本人にも正直よくわかりません(笑)。
『フレンズ』以外にも、セリフを解説したいと思うような作品はたくさんありますので、ネタには困らないと思うのですが、今の段階で「これ!」と決めているものは特にはありません。また、その頃の世間の情勢(?)を見て、今後の方針を決めたいと思っています。
このブログにはメールフォームはないのですが、「非公開コメント」がメールフォームのような役割を果たしています。ですが、今回このように公開コメントの形で、温かい励ましのお言葉を頂戴できたこと、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
これからも頑張って書き続けます。これからもよろしくお願いいたします。
セリフの解釈についてのご意見ありがとうございました。おっしゃる通りだと思ったので、読者の方とその解釈をシェアできるよう、この場でまとめを書かせていただきます。
上の記事でのセリフ、
ジョーイ: There's Rocky Road and Cookie Dough, and Bing! Cherry Vanilla.
について、「Bing! というのは、Bam! 「バン!」「バーン!」と似た感じの擬音語で、勢いをつけている感じでしょう」と私は書いたのですが、それについて以下のご意見をいただきました。
「Bing Cherry Vanillaは、バニラアイスにビングチェリーが混ざったアイスフレーバーじゃないかなと思います。
Bing Cherryは、アメリカでは一般的な紅黒い色をしたBing種のチェリーのことで、日本でいうところのアメリカンチェリーです。
アメリカのアイスフレーバーとしては各社で出てるっぽいです。」
そのご意見を読んで、はっと思い当たるふしがありました。
このシーズン1よりずっと後のシーズン6になりますが、
最後の夕食に先祖の食べ物を フレンズ6-6その3
http://sitcom-friends-eng.seesaa.net/article/388471841.html
という記事で、Wikipedia からの情報として、
「アメリカンチェリーの代表品種にビング種(Bing cherry)というのがあり」
と、私自身が書いていたんですよ。
ご意見の通り、確かに「ビング種」と呼ばれるアメリカンチェリーの Bing cherry が存在しますので、ジョーイはその「ビングチェリーのフレイバーのアイスクリーム」のことを言っていた、と解釈するのが正しいと私も思います。
ビングチェリーというフレーバーを説明する時に、ちょっとリズム感を出したり、景気づけみたいに勢いをつける感じで、Bing! と力を込めて大袈裟に発音してみた、ってことなのでしょうね。
「どーん!ぶり飯(どんぶりめし)でも食えよ!」などと激励するような感覚でしょうか?
フレンズ1-1 は何度も見ていて、このセリフもよーく覚えていたのに、後に自分で Bing cherry について書いた際に、そのセリフを思い出さなかったのが不思議なくらいです。
貴重なご意見をいただき、ありがとうございました!