2011年10月11日

不利益を表すon フレンズ6-6その1

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シーズン6 第6話
The One On The Last Night (最後の夜は荒れ模様)
原題は「最後の夜の話」


[Scene: Chandler and Joey's, Joey is balancing a mini hockey stick on his hand as Chandler enters from his room carrying a bunch of bills.]
チャンドラーとジョーイの部屋。ジョーイは自分の手の上で、ミニホッケースティックのバランスを取っている。そこにチャンドラーが、一束の請求書を持って、自分の部屋から入ってくる。
チャンドラー: (watches Joey for a moment) Okay! (Joey quickly moves the hockey stick so that he's scratching his back with it.) Listen, I'm gonna be moving out, so you're gonna be in charge of paying the rent. ([ジョーイをしばらく見て] いいぞ! [(チャンドラーの声に驚いた)ジョーイは、そのホッケースティックを素早く動かして、それで背中をかいている] なぁ、俺は(間もなく)引っ越すことになるから、家賃を払う担当はお前になるぞ。)
ジョーイ: Right! And when is that due? (そうだな! で、その期日はいつだ?)
チャンドラー: First of the month. (月初めだ。)
ジョーイ: And that's every month? (で、それって毎月?)
チャンドラー: No, just the months you actually want to live here. (いいや、お前が実際にここに住みたいと思う月だけでいい。)
ジョーイ: Ahhh. (あー。)
チャンドラー: Okay, here is the phone bill. (Hands it to Joey.) (よし、これが電話代の請求書だ。 [それをジョーイに手渡す])
ジョーイ: (looking at it) Oh, my God! ([請求書を見て] なんてこった!)
チャンドラー: That's our phone number. Now look, I know I kinda sprung this whole me-moving-out-on-you thing. So why don't I just, why don't I just cover you for a while? (それはここの電話番号だよ。なぁほら、俺がお前を置いて引っ越すっていう今回の件を急に持ち出したのは俺だ、ってわかってる。だから、俺が、俺がお前の費用をしばらくカバーする[賄う(まかなう)]っていうのはどうかな?)

チャンドラーが自分の部屋から出てきた時、ジョーイは手の上でホッケースティックのバランスを取って遊んでいます。
チャンドラーに見つかって恥ずかしかったのか、慌ててそのスティックを孫の手のように使って、背中をかいていたようなしぐさをしています。
be in charge of は、「〜の担当で」。
今まで家賃を払うのは俺の担当だったけど、俺が引っ越して出て行くから、これからはお前がその担当になる、ということです。
チャンドラーは大きな会社のビジネスマンで、ジョーイは仕事のあるなしに波がある俳優という職業。
そのため、安定した収入のあるチャンドラーの方が家賃を全部持っていた、ということのようです。
due は「期限が来て、(当然)支払われるべきで」なので、 when is that due? は、「その家賃(the rent)の支払日、支払期日はいつだ?」と尋ねていることになります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
due [adjective] : to need to be paid or given on a particular date
例) The next payment is due on Friday.
My library books aren't due until next week.

つまり、「ある特定の日に、払われる、または与えられる必要があること」。
例文は、「次の支払いは、金曜日が期日です」「私の図書館の本は来週まで返却しなくて良い」

月初めと答えるチャンドラーに、And that's every month? と聞き返すジョーイに笑ってしまいました。
月極の家賃なんだから、毎月払うに決まってるだろ、とチャンドラーは言いたいようですが、あまりに当たり前のことを尋ねてくるジョーイに、チャンドラーはジョークで返しています。
「本当にこのアパートに住みたいと思う月だけ払えばいいさ」のようにチャンドラーは言っているわけですが、現実問題として、「7月と9月は住むけど、8月は住まないでおく」ということは実際には無理ですよね。
住むとなれば継続して毎日住むわけで、となると、毎月月初めに必ず支払わないといけないわけです。
それを、「毎月払わなきゃダメ?」みたいに尋ねてきたので、「住みたくない月があれば払わなくていいけどさ」→「ずっと住み続けたいんなら、毎月必ず払わないとだめだ」と言ってみせているわけですね。
さすがのジョーイも自分がからかわれていることに気づいたようで、チャンドラーに「お前の言いたいことはわかったよ」みたいな顔でウインクをしています。
ジョーイも、ただ反射的に「それって毎月?」みたいに返しただけかもしれませんが、そんな風に「あまりにも当たり前のことを尋ねてくる相手に対して、ツッコミも入れずにしれっとした顔で、あり得ない返事を返す」のがアメリカンジョーク的だなと思いました。

まずは電話代の請求書を見せるチャンドラーですが、それを見て驚くジョーイ。
想像以上に高かったから驚いた…のかと思いきや、その後のチャンドラーの、「それは俺たちの電話番号だよ」というセリフにずっこけてしまいますね。
電話代がものすごい桁の金額になってるぞ!と驚いたら、それは電話番号だったということです。
どのくらいの相場かも知らないことから、これまではそういう金銭面でのことは全部、チャンドラーにまかせっきりだったことがわかります。

I know I kinda sprung this whole me-moving-out-on-you thing. について。
me-moving-out-on-you は、単語をハイフンでつなげて、形容詞のようにして使っています。
me moving out on you という動名詞の感覚で、意味としては、I move out on you ということになるでしょう。
move out は何度も出てきているように、「引っ越して部屋を出て行く」ですが、その後に、on you がついていますね。
この on は、以下の研究社 新英和中辞典の語義が当てはまるように思います。

on=[不利益を表わして] …に対して
He walked out on his wife. 「彼は妻を置いて出ていってしまった」


フレンズ3-16その21 で、bail on 「逃げ出す」という言葉が出てきた時に、その on のニュアンスについて考察してみたのですが、cheat on someone 「配偶者などに隠れて浮気する」、walk out on someone, run out on someone 「(家族・友人などを)見捨てる、見捨てて出て行く」などの on も同様に、「誰かにとって不利益となる」ニュアンスが感じられる気がします。

ですからここの、move out on you も、「お前を置いて出て行く」みたいな、you つまり、ジョーイに対して悪いことをした、という気持ちが入っている気がします。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
on [preposition] : (informal) used to show that someone or something causes you problems, for example if a machine stops working while you are using it.
例) Then the phone just went dead on me.

つまり、「誰かや何かが人に問題を引き起こすことを示すために用いられる。例えば、人が使っている時に、機械が作動しなくなる場合など。」
例文は、「その時、(私の使っていた)電話が通じなくなってしまった」。

sprung は、spring の過去形。
spring の説明が少し長くなりそうなので、続きは次回にいたします。


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posted by Rach at 17:03| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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