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チャンドラーがモニカと同居することになり、レイチェルはフィービーの部屋に一緒に住むことを決めます。
チャンドラー&ジョーイと同様、モニカとレイチェルにとっても、今日はルームメイトとして最後の夜。
レイチェルの荷造りをしていても、寂しい、悲しいというしんみりムードになってしまいます。
そこで、最後の夜なんだから楽しくしましょう、というフィービーは、それぞれ二人のいやなところを挙げることを提案するのですが、それがきっかけで、モニカとレイチェルは喧嘩になってしまいます。
[Scene: Monica and Rachel's, Monica is whining to Phoebe about Rachel.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカはレイチェルのことでフィービーに愚痴を言っている。
モニカ: I'm not talking to her. (私はレイチェルとは話さないわ。)
フィービー: Well, one of you has to take the first step. And it should be you, because she's the one who's leaving. It's harder for her. (そうねぇ、あなたたちの(どちらか)一人が第一歩を踏み出さなきゃ。そしてそれはあなたになるはずよ、だって部屋を出て行くことになるのはレイチェルなんだもの。レイチェルにとっての方が、よりつらいわ。)
モニカ: Well, maybe you're right. She made fun of my phone pen! (そうね、多分、あなたは正しいわ。(でも)レイチェルは私の電話のペンをばかにしたのよ!)
フィービー: I know. I took it hard too. (そうね。私もそれはショックだったわ。)
(Monica goes into Rachel's room.)
モニカはレイチェルの部屋に行く。
モニカ: Listen, Rachel, I feel really bad about what happened-- What are you doing? (She sees that Rachel is unpacking.) (聞いて、レイチェル、さっき起きたことについてものすごく悪いと思ってるの… あなた、何してるの? [モニカは、レイチェルが荷ほどきをしている(荷造りした荷物をまた箱から出している)のを見る]
レイチェル: I'm unpacking! (荷ほどきをしてるのよ。)
モニカ: What?! (何ですって?)
レイチェル: I'm not moving. (She re-hangs a picture, crookedly.) Is that picture straight? (私は引っ越さないわ。[レイチェルはある絵を、ゆがんだ状態で壁に掛け直す] その絵はまっすぐになってる?)
モニカ: It needs to go about 20 blocks to the left! (その絵は、20ブロック左に移動する必要があるわ!)
離れる悲しみを紛らわせようと、お互いの気に入らないところを言い合っているうちに、本当の喧嘩になってしまったモニカとレイチェル。
モニカは「私はレイチェルとは話さない、私からレイチェルに話し掛けたりしない」みたいなことを言っています。
take the first step は文字通り「最初の・第一のステップをとる」ということですから、「第一歩を踏み出す」。
そうやってお互いが「私からは話さない」と言っていたら、ことは解決しないから、どちらか一方が意地を張らずに第一歩を踏み出さなきゃだめよ、とフィービーは言いたいのですね。
そして、モニカがその「最初の一歩を踏み出す方」になるべきだ、とも言っています。
レイチェルが the one who's leaving だから、つまり、引っ越して出て行く方はレイチェルで、彼女の方があなたよりももっとつらいんだから、あなたが最初に話し掛ける役を引き受けなきゃだめよ、ということです。
モニカは、maybe you're right と一応、フィービーの意見に同意しますが、電話のペン(my phone pen)の話も持ち出しています。
それはこれより前のシーンで、「モニカは電話のペンを動かすのを許さない」とレイチェルが言ったことを受けてのセリフです。
レイチェルは電話用のペンをあちこち違う場所に移動させてしまうらしく、そのことでかつてモメたことがあったようですね。
「電話のペンは決まった場所に置いといてって言ってるでしょ!」「電話のペンをちょっと動かしたぐらいで、ごちゃごちゃ言わないでよ!」みたいな感じだったのでしょう。
その電話のペンのことを持ち出さればかにされた、とモニカはレイチェルに対してまだ怒っているようです。
I took it hard too. について。
take it hard を直訳すると「ハードに受け取る」という感覚でしょうか。
研究社 新英和中辞典では、
take it hard=ひどく苦しむ[悩む, 悲しむ(など)]
例) He took it very hard that you didn't tell him of your marriage. 「君が結婚のことを彼に話さなかったので彼はひどく気にした」
英辞郎では、
take it hard=真剣に受けとめる、ショックを受ける
例) Tony took it hard when we asked him to leave the band. 「バンドからぬけるように私たちが頼んだとき、トニーはそれを真剣に受け止めた」
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
take something hard : (informal) to feel upset about something, especially bad news.
例) Dad didn't say much, but I could tell he took it hard.
つまり、「(インフォーマル) 何かについて狼狽(ろうばい)・動転・動揺する、特に悪いニュースについて」。
例文は、「父は多くを語らなかったが、父がショックを受けたことはわかった」。
語義に使われている upset という言葉は元々「ひっくり返す」という意味なので、気持ちの面でその言葉を使う場合には、何かによって心が乱れている、気持ちが混乱しているさまを表すことになります。
モニカは「ペンのことでばかにされた!」と激怒しているので、「えぇ、そのことは私も真剣に受け止めて、ショックを受けたわよ」と、モニカの気持ちに理解を示している、ということでしょう。
「電話のペン」の場所を動かしたかどうかなんてことは、いつものモニカらしい几帳面なこだわりを語る逸話に過ぎず、フィービーにしてみれば「全くどうでもいい話」(笑)なわけですが、そんなこと大した話じゃない、などと言うとまたモニカを怒らせてしまうので、モニカの言い分も認めてあげた、みたいな感覚でしょう。
やはりここは自分から声を掛けなければいけないと決心したモニカは、レイチェルの部屋に行くのですが、荷造りするどころか逆に荷ほどきをしている(箱から荷物を出している)レイチェルを見て、驚きの声をあげています。
「私は引っ越さないわ」と宣言したレイチェルは、絵を壁にかけて、Is that picture straight? とモニカに尋ねています。
ト書きの crookedly は、「曲がった状態で、ゆがんで」。
crooked が「曲がった、ゆがんだ」という形容詞なので、その副詞形ですね。
crooked という単語は、過去記事、フレンズ1-3その6 ご質問3+マザーグースの話 にも出てきました。
マザーグースに The crooked man 「曲がった男」というわらべ歌があるのですね。
LAAD では、
crooked [adjective] : bent, twisted, or not in a straight line
例) The picture's crooked.
と出ています。
つまり、「曲がって、ねじれて、またはまっすぐではなくて」。例文は、「その絵は曲がっていた[ゆがんでいた、まっすぐではない]」
まさに、例文の主語が the picture になっているように、壁に掛けた絵が曲がっている場合に crooked は使われる、ということです。
その絵は、本来、20ブロック先にある、フィービーと同居する部屋にかけるべきもの。
だから、「絵が傾いている」とか、「もうちょっと右とか左」とかの微妙なずれではなく、その絵はあと20ブロック左に移動させる必要があるわ!と言っているわけです。
それはフィービーの部屋にかけるべきものでしょう?!と怒るのではなく、あと20ブロック、その絵を左に動かさないとだめよ、と言うことで、引っ越さないと宣言したレイチェルに、皮肉を言っているわけです。
「レイチェル自身」が20ブロック先に移動すべきだと言う代わりに、「今、壁に掛けたその絵」を20ブロック左に動かすべきだと言っているところが、楽しいなと思いました。
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2011年10月25日
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