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シーズン6 第7話
The One Where Phoebe Runs (同居人はスーパーモデル?)
原題は「フィービーが走る話」
[Scene: Monica and Chandler's new apartment, Ross and Chandler are there.]
モニカとチャンドラーの新しいアパートメント。ロスとチャンドラーがそこにいる。
ロス: So, I just finished this fascinating book. By the year 2030, there'll be computers that can carry out the same amount of functions as an actual human brain. So, theoretically, you could download your thoughts and memories into this computer and, and, and live forever as a machine. (それで、僕はちょうど、ある非常に興味深い本を読み終えたところなんだ。2030年までに、実際の人間の脳と同じ量の機能を実行することが可能なコンピューターが存在するようになるんだ。それで、理論的には、人は自分の考えや記憶をこのコンピューターにダウンロードすることが可能なんだよ、そして、そして、機械のように永遠に生きることができるんだよ。)
チャンドラー: (not amused) And I just realized I can sleep with my eyes open. ([面白くなさそうに] そして俺は今、気づいたよ、俺は目を開けたまま眠ることができるって。)
[Monica enters]
モニカが入ってくる。
モニカ: Hey! (はーい!)
ロス&チャンドラー: Hey! (よお!)
モニカ: (jumps over a box) Honey, that's a great idea nailing the boxes to the floor. ([箱をジャンプして乗り越えて] ハニー、箱を床にくぎで固定するのは素敵なアイディアね。)
チャンドラー: I didn't nail the boxes to the floor. (俺は箱を床にくぎで固定したりしなかったよ。)
モニカ: Oh, So you can move them! (あぁ、それじゃあその箱は動かせるのね!)
チャンドラー: Yes, and while I'm doing that, Ross has a great computer story for you. (そうだね。それで、俺が箱を動かしている間、ロスは君に(聞かせたい)素晴らしいコンピューターの話があるってさ。)
ト書きには Monica and Chandler's new apartment と書いてありますが、これは部屋が新しくなった、とかではなく、モニカとチャンドラーが初めて一緒に住むことになったので、そう書いてあるのですね。
今までは、Monica and Rachel's (apartment) と書かれていた場所が、今回からは、Monica and Chandler's (apartment) になるわけです。
ロスは最近読んだばかりのSF的な内容の本の話を、チャンドラーに聞かせています。
this fascinating book の this は、今、手元に持っている「この本」という意味ではなくて、a book に近い感覚。
「実はこういう本を読んだんだけど、その本っていうのはね…」みたいに、これから話題にしようとするものに this をつけて、「物語調に語る」感覚になります。
2030年までに、…というコンピューターがあるだろう、つまり、存在することになるだろう、と言っていて、関係代名詞 that 以下で、そのコンピューターの機能が語られています。
carry out は「命令などを実行・遂行・実施する」。
つまり、人間の脳が行うのと同じ量の機能を実行することができるコンピューター、ということですね。
思考や記憶をこのコンピューターにダウンロードすることで、機械のように永遠に生きられる、とも言っています。
ここでの this computer の this は、最初に説明した「物語調に語る this」とは異なり、「今、話題にしている”この”コンピューター」という解釈で良いでしょう。
この文章では主語が you になっていますが、これまでのフレンズでも何度も出てきたように、この you は「聞き手のあなた(つまりチャンドラー)」だけを指すのではなく、「一般的な人々」を指す you ですね。
「”人は”このコンピューターに思想や記憶をダウンロードして、機械のように永遠に生きることができるんだ」という意味になります。
you という主語を用いることで、一般論を語る場合に「聞き手のあなた」も含めることになり、よりそのイメージが身近に感じられるという効果があるわけです。
その話をつまらなそうに聞いていたチャンドラーは、And I just realized... と続けます。
「俺、今、気づいちゃった」みたいに言うので、何かそういうSFチック、SFがらみのことを何か思いついたのかと思いきや、「俺は、目を開けた状態で[開けたまま]眠ることができる」と言っています。
「今、気づいた」ということは、直前までそうしていた、ということになり、つまりは、「あ、今、俺、目を開けたまま寝てたわ」みたいに言っていることになります。
話を聞いているかのように目を開けてたけど、実際は全然聞いてなくて、眠っている時のように意識が飛んでた、意識はここになかった、みたいなことですね。
チャンドラー自身は、スタートレックのファンみたいですし(笑)、SF的な事柄に興味がない人ではないと思うのですが、まぁ、SFにありがちな設定の話でもあるし、ロスの話し方が眠気を誘うような退屈なものだった、ということもあって、あまり興味を示さなかったようですね。
ちなみに(まったくの余談ですが)、新スタートレック(Star Trek: The Next Generation)のシーズン2第6話「コンピュータになった男」(原題: The Schizoid Man)はまさに、命が尽きようとする前に自分の思考や記憶をコンピュータに残そうとした博士が登場する話でした。
モニカが部屋に入ってきて、チャンドラーの引っ越しの箱を大袈裟な仕草で飛び越えた後、「…するって素敵なアイディアね」と言っています。
nail は「つめ」「くぎ、びょう」。他動詞では nail something on/to... で「…を〜にくぎ付けにする、くぎで固定する」。
チャンドラーが否定しているように、箱を床にくぎ付けにしたりはしていないわけですが、モニカは「まぁ、くぎ付けにしたのね!」ということで、箱がそこに「まるでくぎ付けされたかのように」置きっぱなしで全く動く気配がないことを皮肉っているわけです。
くぎで固定していないなら、箱は動かせるんだ〜、みたいに言うことで、案に「動かせるものならば、早く動かしてよ」と言いたいわけです。
箱が邪魔であることを言いたいがために、最初に入ってきた時も、大袈裟に箱を飛び越えてみせたわけですね。
引っ越しの箱、早く片付けてよ、と言うのではなく、「箱を床に固定するなんて、なんて素敵なアイディアなの!」と言うところが、モニカっぽいなと思います。
遠回しに「今すぐ片づけて」と言われたチャンドラーは、「じゃあ俺はそれを片づけるけど、その間、モニカはロスの great なコンピューター話を聞いといて」みたいに言っています。
モニカの a great idea と同じように、チャンドラーもここで、a great computer story と、great という形容詞を使っていますね。
「すごい」という意味で great はよく使われるので、単なる偶然かもしれませんが、ここでは二人とも、本当にそれが great だと思っているわけではないですよね。
そういう意味では、モニカが皮肉っぽく、「”素敵な、すごい”アイディア」と言ったことに対して、「モニカがそう言うんなら、俺も箱を片づけるけど、その間、モニカは、”素敵な、すごい”話をロスから聞かされることになるぞ」と、モニカと同じように「皮肉っぽい」感じを出すために、わざと同じ、great という形容詞を使ってみせたのかな、と思いました。
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あとウォール・ストリートやボストンリーガルも機会があれば見てみたいです。この2つは駆け引きの面白さは楽しめる作品でしょうか。
コメントありがとうございます。
私は「フレンズ」も「スタートレック」も好きなのですが、どちらも「主人公が頭を使って駆け引きや奇策で勝負する話」という感じではないかもしれません。
例に挙げていただいた作品のように、駆け引きの面白さを楽しめるものもいいですよね。